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世界的に強いブランドを作り上げる
ユニリーバのマーケッターに求められる資質とは。

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社

※このインタビューは2014年5月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
  • マーケティング ダイレクター
    ホーム&パーソナルケア
    森井 久恵 氏

まず、森井さんが所属されているマーケティング部門は、どのような構成になっているか、教えていただけますか。

森井久恵 氏
マーケティング ダイレクター
ホーム&パーソナルケア
森井 久恵 氏

マーケティングは大きく2つに分かれています。まず「ブランドディベロップメント」。日本を中心として、主に北東アジアの製品企画と広告開発を行います。消費者の潜在ニーズやトレンドを見極め、製品コンセプトを立案し、製品開発をリードして担当ブランドの広告開発やパッケージの開発を進めて、ブランドや製品カテゴリーのマーケティング戦略を立案します。
一方「ブランドビルディング」は、開発されたマーケティングミックスを日本の市場で展開し、新しいアイディアで売り上げを最大化する仕事です。消費者のニーズやトレンドを見極め、ブランドミックスを最大限に展開するための消費者アプローチを立案・実施。各ブランドの販売と利益計画の立案と管理を行います。

森井さんがご担当のホーム&パーソナルケアにはどのようなブランドがありますか。

まず代表的なブランドでは「ラックス」、「ダヴ」、「クリア」。それから「ジフ」、「ドメスト」、「ポンズ」、「ティモテ」、「モッズ・ヘア」、「レセナ」、「ヴァセリン」、「アックス」というように複数のブランドがあります。

御社を代表するプロダクトを担当されているといっても過言ではないですね。
最近では2014年春に日本で発売されたヘアケアシリーズ「クリア」という大型ブランドの立ち上げをご担当されたそうですが、その経緯を詳しく教えてください。グローバルとはどのように連携を取っていたのでしょうか。

森井久恵 氏

ユニリーバはグローバルカンパニーなので、すでにグローバルで展開している商品が日本の市場に合っているかどうかによって、日本のマーケティングの関わり方も変わってきます。日本のヘアケア市場は、グローバルの軸で見ても非常に大きく、重要視されていますので、基本的にはグローバルブランドとしての資産を活かしながら、グローバルとローカルが一緒になってマーケティングに取り組むという考え方です。
「クリア」は、すでに世界50ヵ国以上で発売されているグローバルブランドだったので、ブランドとしての資産がすでにありました。それを踏まえた上で日本の消費者の髪に合うように、どういう製品で、どういうパッケージで、どういう広告で展開するかということを考えていくのが私たちの仕事です。グローバルと役割り分担をしながら、共同作業で作り上げていきます。日本の市場が大きな比重を占める商品に関しては、大体このような流れで仕事を進めます。

「クリア」についていうと、実は多くの国でこの商品はフケ用としてブランディングされています。ただ、日本のヘアケア商品の中でシェアを獲得するのには、もっと大きな土壌でブランディングしていく必要がありました。そんな日本市場の状況はグローバルも知ってはいますが、より深い情報をグローバルにしっかり伝えて、日本でどう展開していくかを一緒に考え、連携を強くしました。実際のパッケージ制作や、消費者テストなどは担当者が行うのですが、そこに対してもチームのメンバーが自由に意見を言い合ったり、議論したりする。これがいわば「クリア」の成功要因だったと思います。私は直接指示ができる体制が良いと思っているので、このような体制にしましたが、特別なやり方があるわけではなく、ダイレクターの裁量に任されています。社内はオープンマインドな人が多いので、その方がうまくいくと思います。

外資系企業なので、日本でもグローバルの指針に基づいて動く一方、日本市場のマーケットは成熟していて消費者の目も厳しいので、その視点からグローバルに対して意見を言える方が活躍できるのですね。

私が気に入っているユニリーバの言葉に「Think Global, Act Local」というものがあります。「グローバルスケールでの資産を考える、でも行動を起こす時はローカルで動く」という考え方です。私はもう10年以上この会社にいるのですが、まさにこの通り。グローバルとチームとして連携し、その中で日本の消費者をしっかりつかんで、自分の意見を構築すれば、グローバルに影響を与えることができるというのが醍醐味でもありますね。

ここまで巨大な世界的企業で、個々が主体性をもって取り組める環境というのは魅力的ですね。森井さんはマーケッターとして、御社が強いブランドを生み出せる秘訣はどこにあるとお考えですか?

私たちの会社が色々な意味で“人”を見ているからだと思います。ブランドを作るときに、まず提起するのは「ヒューマンインサイト」というのですが、特定の国ではなく、人間としてのインサイト(ニーズ)はどこにあるのかということを本当に真剣に探ります。専門チームが世界をまわり、さまざまな消費者を見てブランディングに役立てる。これはユニリーバの大きな強みです。人々の根本的でパーソナルな部分を探っていくことが人の気持ちに届くブランディングに繋がっていくのです。最終的に目指すブランディングとは、その人にとってパーソナルな存在であり、かけがえのない製品になることではないでしょうか。

徹底的に「ヒューマンインサイト」を探るこだわりはブランドにどう反映されていくのでしょうか。

ユニ・チャーム商品写真

ユニリーバが特にこだわりを持つのは、製品がお客様にとってどんな“意義”を持つか、というブランドの存在意義です。製品力はとても重要ですが、それに加えて、その“意義”を持ったブランドほどシェアも高く、お客様のリピートも多くなります。そこを探るために「ヒューマンインサイト」が重要なポイントになるのです。

例えば「クリア」発売の話があった時に、私は、インサイトや市場、製品特性を考え併せて、存在意義が凄く強いブランドが作れると直感しました。いわゆる普通のコスメティックの世界の典型的な“美しさ”や“可愛らしさ”ではなく、“強さ”を打ち出した、どちらかというと大人の女性向け製品。それは現代の女性のメンタルに合っているブランドになるのではないかと思ってワクワクしましたね。キャッチフレーズは日本人のメンバーで考えました。女性向けは“強くなければ美しくない”、それに対して男性は“美しい男でなければ生き残れない”とテーマを決めて、そこにコンセプトを集中しました。

そのコンセプトが「クリア」のプロダクトやプロモーションにも表れ、強いインパクトをもった製品となっていますね。他の歴史がある製品はいかがでしょう。

「ラックス」はもっとフェミニンに女性らしさを楽しむ、ということを打ち出しています。「ダヴ」はヘアケアの他にボディウォッシュなど、いくつかのカテゴリーがありますが、もっと足が地についた方たちに向けています。製品に関しても“本当に自分本来の美しさを引き出してくれるものを与える”ということで、肌、髪を潤わせ、最後は心を潤わせるというのが「ダヴ」の存在意義です。

お客様に製品の“存在意義”を感じていただけるように、深く掘り下げてブランドを作り上げる方法は御社の強みでもあり、とても興味深いですね。そんな御社のマーケティング部門を志望している方たちに、ご経験を踏まえて会社の社風などを教えていただけますか。

まず、社風としてはとにかくオープンです。190ヵ国で日用品を展開していますので、その国それぞれの価値観を尊重しないといいものができない。そこがキチンとある会社だと思います。上司、部下に関わらずそれぞれの意見を話し合い、議論し合い、行動力があればそれを実行することができる。私自身の経験から言うと、若いうちに入るのがおすすめです。できる人には任せてくれる会社なので、ハードかもしれませんが、どんどん新しいことを吸収して伸びることができます。

グローバル企業の醍醐味を味わえそうですね。では、マーケティング部門で今求めている人物像とは?

森井久恵 氏

マーケティングの素地として分析力やロジカルシンキングはもちろん必要ですが、それにとらわれ過ぎず、あえて逆の解釈もできる人。そして相手に臆することなく、勇気をもって自分の考えを投げかけられるような、オープンマインドとチャレンジ精神をもっている人がいちばん欲しいですね。あとは柔軟性。手順やルールにこだわりすぎるのではなく、手順もツールのひとつとして考えられる人。例えば目標によっては「普段はこうだけど今回はこうします」と、その新しいプロセスまでも自分のツールにできるような柔軟性のある方に来ていただきたいと思います。

最後に、グローバル企業でマーケッターとして働きたいと考えている方へのメッセージをお願します。

グローバルカンパニーに勤めた経験がない方の中には、グローバル企業を特別なイメージで捉える方も見受けられるのですが、入社すると、日々の生活の中でその環境が自分の肌の一部のようになっていくものです。
垣根がない組織なので、他の国の成功事例を仕事に取り入れることもできます。自分がグローバルで働くというよりも、グローバルな視野に立って物事を進められるようになっていきますので、その経験はご自身の強みになると思います。ぜひチャレンジしてください。

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