※このインタビューは2024年3月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
求人・採用インタビュー
世界や日本の未来を創る、
椿本チエインのモーションコントロール事業部とは
株式会社椿本チエイン
写真右から
機械部品から搬送システムまで、幅広い事業分野を手掛ける椿本チエイン(以下つばき)。その中、モーションコントロール事業部では、「Motion&Control(動きと制御)」に関わる機械部品と、その複合技術による最適なパワートランスミッション機器を提供。 IoTやAI技術を融合させた「モノづくり」の 枠を越えたソリューション提供を目指しています。 今回は、「動かすこと」のプロフェッショナルたちの職場や、仕事への想い、求められる人物像についておうかがいしました。
グローバルで支持される、つばきの顧客志向・現場主義
――椿本チエインのモーションコントロール事業について教えてください。
川上氏:つばきのモーションコントロール事業部では、減速機、直動機器、クラッチなど「Motion & Control」に関わる機械部品と、その複合技術による最適なパワートランスミッション機器を提供しています。2022年にはフレキシブルカップリングの製造・販売会社であるATR社(アメリカ)を子会社化しました。モーションコントロール商品のラインアップ拡充と、既存の販売・流通ネットワークの有効活用によって、現地顧客に密着したきめ細かな販売・技術サービス活動を展開していこうとしています。具体的には、米州では当社の強固な販売ネットワーク活用により、販売先の拡大やパートナー商品全体へのソリューション提供をしていくとともに、南米をはじめとしてその他エリアにもグローバルに販売拡大にも取り組んでいます。パーツからユニット、モジュールまで、つばきのモーションコントロール事業部の幅広い事業展開は世界でも稀有な存在であり、大きな強みです。また、顧客の現場に入り込んでのすり合わせ技術が高く評価されています。
その評価は、メーカーという立場を活かして、顧客志向・現場主義で事業を行ってきた信頼の蓄積と考えています。また、成熟期を迎えたと言われていた機械部品の領域で、新たに制御する技術による高付加価値化と供給信頼性の向上により成長を遂げました。これこそがつばきモーションコントロール事業部の強みであり、今後も独自の創意工夫によって、お客様と社会への貢献を果たしていきます。
――市場や、御社の事業環境などは、どのような状況でしょうか?
川上氏:コロナ禍や大規模自然災害などで、事業環境が激変し、不透明要因も増加する中で、持続的成長を果たすには、「スピーディな戦略立案と業務執行」「厳格なリスク管理」の仕組みの整備が必要だと考えています。さらに環境問題、食糧問題、国内における少子高齢化といったことに代表される社会問題の早期解決の重要性を考えたとき、これまでの延長線上での商品開発、技術開発では企業としての成長は見込めません。
2030年に向けたつばきグループの「長期ビジョン2030」においては、動かす領域のプロフェッショナルとして、既存事業領域の成長に加え、変革成長・新規成長によって次世代ビジネスの領域へと事業を拡大することで、人・社会・地球の持続的成長に貢献できる事業部および企業グループを目指すことを宣言しています。モーションコントロール事業部としては、2024年度以降は、まず変革成長を目指すべく、新市場開拓や新製品開発を進めます。
AI/IoTを駆使した製品群で、北米・欧州市場での成長を目指す
――モーションコントロール事業部では今後、どのような開発を行っていく計画でしょうか。
川上氏:モーションコントロール事業部では、既存市場以外の分野への活用拡大を図るべく、つばきの独自商品「ジップチェーン」を用いた新しいユニット機構の開発に取り組んでいます。特に、建設系や重機など、油圧が多用されてきた機器の電動化の課題解決において引き合いが多くあります。もちろん、カーボンニュートラル社会へ世の中が舵を切る中、車載関係など電動化にシフトするあらゆる業界で活躍の可能性があります。既存事例としては、駅のホームドア向けとして、ジップチェーンにDCブラシレスモータ、減速機を組み合わせたコンパクトな駆動ユニットがあり、お客様からも高評価を得ています。宮野氏:「センシングと制御、両方を使いこなす」ということはつばきの強みの1つで、それでお客様の課題解決に貢献したいと考えています。機械要素部品に留まらず、AI/IoTを駆使した制御やセンシング技術によって機能強化した「駆動ユニット」の開発も加速させているところです。こちらは、遠隔稼働監視や予知・予兆保全などIoTデータの活用や可視化による仕組みなどでの活躍が期待できます。そうした仕組みを活用したサブスクリプションのようなサービスや、遠隔監視を利用した保守サービスも検討しています。既にIoTシステムの需要は、海外企業向けから出てきていますが、今、人手不足や技術継承で悩む日本企業でも引き合いが増えてくると見ています。
川上氏:このような変革的取り組みを進める上で、つばき各事業部においても、部門間の壁を感じさせないような一体感ある連携、およびシナジー創出が重要になってきます。互いの情報共有やコミュニケーションを強化し、調達、設備導入および品質管理の協業による効率アップと、コスト競争力の強化を目指します。また、現状では国内中心であるモーションコントロール事業の売上ですが、今後は北米や欧州を中心に海外比率をもっと伸ばしていこうとしています。つばきの他事業部では海外比率の方が最も多いという部門もあります。私自身は過去に海外駐在を何回か経験していますし、事業企画にもかかわりました。これまでの自社や私の経験が、今後の事業展開で大いに生きればと思います。
チャレンジを後押しする自由度の高い組織
――御社(事業部)の社風について、どのような社風だとお感じですか。
川上氏:つばきには、「和を以て貴しと為す」という当社の創業の精神があります。モノづくりを行う上ではひとりでできることは限られてしまいます。同じチーム、部署、事業部、会社、お客様など多くの方と関わりながら仕事を進める中で、そのひとたちとの関係性を大切にしようという思いの強い会社だと思います。中途採用比率も高く、新卒だから、中途だからという区別もなく、中途採用でご入社いただく方にも働きやすい会社だと思います。――どのような方が御社や事業部に多いでしょうか?
川上氏:つばきの社員は「優しい人」「やわらかい人」「穏やかな人」が非常に多いのですが、その中にはモノづくりに対する強いこだわりを持っている人が多く、「こういうことがやりたい」「挑戦したい」と手を挙げる人が比較的多いように感じます。社風も相まって、皆が手を上げやすい環境になっていて、さらにはそうした人たちを応援する、サポートする環境も整っています。そうした環境で、これまでも、チェーンからさまざまな事業へと派生させてきて、今のつばきの地位を確立し、進化させているのです。
――開発部門の職場環境はいかがですか?
川上氏:当社の特徴の1つとして、「仕事において、裁量権が大きく、自由度が高い」という点があります。若手でも積極的に手を上げれば挑戦させてもらうことができ、失敗に関しても寛容的で、挑戦したということに対して評価される風土があるため、どんどん挑戦する人が活躍しています。
宮野氏:モーションコントロール事業部は、「この日までに、素早く新製品を投入する」というよりは、お客様が納得する製品を、ある程度時間をかけて、かといってだらだらすることもなく現実的な期限も切って開発するスタンスです。そのため、良い意味での「プレッシャーがかかっている」と思います。また、設計開発で3Dデータ活用やDXを推進し、業務効率化も行っています。
――ワークライフバランスについては、いかがでしょうか。
川上氏:比較的、ワークライフバランスは整っている職場環境であり、フレックス勤務制度もあります。もちろん自分自身でもしっかりと仕事調整の努力をすることが前提ですが、有給休暇も取得しやすく、残業もかなり抑えられます。「全社数値で有給休暇取得日数13.8日(2022年度)」「平均残業時間9.8時間/月(2022年度)」という実績もあります。
――入社後のキャリアパスや・評価制度について教えてください。
川上氏:入社後は、幅広い業務に携わっていただきながら、自身のキャリアパスを形成していくことが可能です。社内公募制度もあるので、マッチングが必要ではあるものの、全く異なる職種へチャレンジするというキャリアパスも可能です。また、「T-Startup」(新事業提案チャレンジ)というつばきグループが挑戦すべき新たな分野や、既存事業に変革成長をもたらす「ビジネスアイデアの提案コンテスト」があり、年次や経験を問わずに「社会課題の解決」に貢献するアイデアを募集する制度もあります。評価制度としては、期初・期中・期末に上司と面談を実施して評価をする流れで、その後のフィードバックまでを通して、部下の活動プロセス管理や部下の課題設定と動機付けを効果的に進めるようにしています。
――御社は、人材教育制度も充実していらっしゃるとうかがいました。
川上氏:はい、企業理念「TSUBAKI SPIRIT」を日々の業務で体現する人材に向けて、職種を問わず、さまざまな育成機会を体系的、計画的に提供しています。同時に若手従業員については5年ごとに人材育成計画表を作成し、確実な成長を支援しています。一例をご紹介すると、「つばきテクノスクール」という若手技術者の育成プログラムでは、当社独自カリキュラムによる実践研修、技術発表の場を設けました。
また、グループ社員がモノづくりの技を競う社内競技会「つばき技能オリンピック」も開催しており、「ライセンスボーナス」という、会社が奨励する資格を明確にし、取得を促進することで従業員の職務知識および技能の向上を図ることを目的とし、その奨励度や難易度に応じて一時金を支給する制度も実施しています。
――社内の海外人財開発はどのように行っていますか?
宮野氏:海外での事業展開や商慣行、文化に関する理解を深めるため、「海外トレーニー制度」を設け、海外子会社に若手従業員を研修生として1年間派遣する機会を作っています。人選では、「TOEICが何点」ということや現状の英語能力より、「海外で活躍したい」という強い思いを最優先にしています。英語の研修制度も備えていまして、最初は英会話が苦手だった人も、研修から戻ってくると、現地の人と話せるようになって日本に帰ってきます。
――部門ではどのようなキャリアパスがあるのでしょうか。
川上氏:入社後は部内の教育制度に基づき社内外のセミナーを受講していただきスキルアップを図っていただきます。計画については、上司との1on1ミーティングを実施しながら、個別に教育目標を設定しフォローアップを行いながら進めていますね。実務においては、社員の特性に合わせて部門内でのローテーションや社内外への駐在も行っています。
――求める人物像(人柄・スキル)や、期待すること、選考で見ているポイントなどを教えてください。
川上氏:中途採用は技術者が中心です。特に、回路設計、組み込みソフト開発の経験者の方を求めています。中でも、制御やセンシングの知識を持っている方。また商品コンセプトの立案から設計、量産化まで一貫して携わっていただくことになるので、技術力はもちろんですが、他部署との折衝も必要になるので、コミュニケーション能力やバイタリティのある人かどうかを見ています。若手従業員も多いので、後輩や若手への教育、進捗管理などもうまくやっていただけそうかも重要です。入社していただいた際には、既存商品から新たな制御機能を付加した商品開発を展開したいです。
宮野氏:さまざまな業種の方に来てほしく、特定の業種の経験を求めているわけではないのですが、強いて言えば、民生機器関連や医療機器関連の経験は生かしやすいかもしれません。また規格関連にかかわった実績がある方は、海外展開でも手腕を生かしていただけそうです。
ワクワクしながら仕事をしたい人が活躍する組織
――過去に中途入社された方は、どのような活躍をしていらっしゃいますか?
川上氏:開発業務だけでなく、自ら社内他部署や社外のつながりを強化し、新商品導入に向けて活動を行う人、前職の経験を活かしつつ、自ら技術知識の習得に励み、課題を解決し、その成果を社内技術フォーラムで発表するまでに技術確立を実現した人など。このような中途採用で外からやって来た人たちの存在が、新卒入社の人や、社内の在籍経験が長くなる人に良い刺激になり、組織の活性にもつながっています。
――最後に御社へのエントリーを検討している方に向けて、お言葉をお願いします。
川上氏:私自身、中途採用なのですが、つばきはとにかく居心地がよくて、気がつけば30年たっていました。過去に経験のない技術領域へチャレンジすることに躊躇のない方や、課題解決に自らの発想や経験を活かして組織作りから製品づくりまで取り組みたいという方は、たくさん活躍の場があると思います。ぜひ面談にお越しください。宮野氏:「電気も制御も機械もやりたい」という人には、とても「ハマる」職場だとも思いますし、実際にそういう人が社内に何人もいます。つばきは、自社に誇りをもった人、仕事について情熱をもって語る人・語り合いたい人が多いです。技術部全体としては、「ワクワクしながら仕事をしよう」という考えがあります。それがないと、「いいものができない」と。ワクワクしながら仕事をして、われわれの技術で社会や世界を発展させましょう。
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