採用企業インタビュー
街づくりを通じて社会課題の解決に貢献――東急株式会社の不動産リテールグループが描く未来図とは
東急株式会社

- 東急株式会社 不動産リテールグループ 統括部長 貝田 崇氏
- 2024年4月、東急株式会社は東急線沿線の街づくりを加速するため、新たに不動産リテールグループを設立しました。鉄道(東急電鉄)のみならず、百貨店やスーパー、バスといった幅広いサービスを提供している同社は、不動産事業を通じた社会課題の解決に貢献します。渋谷駅周辺の開発を代表とする同社の街づくりですが、今後は沿線の駅周辺はもちろんのこと、駅から離れたエリアの課題解決にも向き合っていきます。
今後の街づくりの一端を担う不動産リテールグループを新設した背景や事業の特徴、今後の展望などについて統括部長の貝田崇氏に伺いました。
公共交通機関と都市開発の両軸で発展してきた
―― まずは東急株式会社のこれまでの歩みをお聞かせください。

1922年に設立された目黒蒲田電鉄株式会社が、現在の東急株式会社と東急グループの始まりです。当時から公共交通機関と都市開発を両軸として、人々の快適な移動と暮らしを実現してきました。
目黒蒲田電鉄は五島慶太が鉄道建設を担い、1923年に田園都市事業地を経由する目蒲線を全線開通させました。その後、社名を東京横浜電鉄に変更し、渋谷〜神奈川間が東横線として1927年に開通。大井町線や池上線を合併し、多摩田園都市開発前の基盤が整いました。
その後「城西南地区開発趣意書」を基に、私たちは田園都市線の延伸と共に東急多摩田園都市の開発を行い、田園都市線は中央林間駅まで鉄道を引くことができています。
―― 100年以上の歴史がある貴社の鉄道事業ですが、ほかの事業もどのように誕生したのかお聞かせください。
公共交通機関を引く中で人口も増え始め、住みやすさを向上させるための街づくりとして、さまざまな事業が誕生しました。
バス事業については、目黒蒲田電鉄が直営で小規模のバス事業を開始しましたが、専業会社を設立して事業を譲渡し、事業範囲を広げて拡大しました。最終的に譲受や合併によって拡大したバス事業を再編し、現在の東急バスとなっています。
また、百貨店事業は1934年に渋谷で開業した東急百貨店が始まりです。私鉄直営のターミナルデパートとしては関東初であり、東横線渋谷駅の駅舎と一体で地上7階・地下1階の建物を建設し、地上2階以上を百貨店の売場としていました。
―― 現在は東急線の駅周辺の再開発に取り組まれていますが、近年の再開発についてもお聞かせください。


近年の大きなプロジェクトは、いわゆる「100年に1度の開発」といわれ現在も進行中である「渋谷駅周辺開発プロジェクト」です。渋谷ヒカリエや渋谷スクランブルスクエアといった複合施設に代表されるように、東急グループならではの社会価値提供による「働く」「遊ぶ」「暮らす」が融合した持続性のある街づくりを目指しており、直近では、渋谷と青山の街をつなぐ渋谷アクシュが2024年7月にオープンいたしました。
文化施設や学術機関が数多く立ち並ぶ渋谷は、グローバル視点で圧倒的な存在感を示せる可能性を秘めています。最先端のテクノロジーを駆使し、新たなビジネスやカルチャーを発信し続けることで、24時間世界から注目される”創造文化都市”にするのが私たちの目指す渋谷の街づくりです。
渋谷の再開発以外にも、2019年にまちびらきをした「南町田グランベリーパーク」や、2023年に開業した「東急歌舞伎町タワー」など、あらゆる開発を進めています。
東急多摩田園都市などに代表されるように、私たちは鉄道を開通させるだけでなく人々の生活の支えとなるようなスーパーや百貨店、通信、街を守るセキュリティなど幅広い事業を展開しています。東急線沿線に住んでいる方々の身の回りには、私たちが提供しているサービスで溢れていますね。
駅周辺のみならず、バス圏エリアも含めた課題への対応にも注力

――沿線に根付いた事業を展開されていますが、東急株式会社の不動産事業としての特徴をお聞かせください。
「(沿線の)社会課題の解決」と「事業の持続可能性」の両立を基本的な考えとしている点です。五島慶太の時代に目黒蒲田電鉄とともに田園調布を、その後田園都市線とともに、東急多摩田園都市を作りましたが突き詰めて考えると社会課題の解決が根底にあります。(震災復興や都心人口増への対応)
――貴社の事業全てが社会課題の解決をもとに展開されているのですね。今後の街づくりについてはどのように考えているのでしょうか。
今後の展開を踏まえて、今年の4月に不動産リテールグループを新設しました。あらためて不動産事業の部署として組織化することで、不動産仲介や沿線にお住まいの方向けの不動産サービスに注力したいと考えています。
これまでも沿線における社会課題の解決を使命としていましたが、二子玉川、たまプラーザ、南町田、新綱島など駅周辺の再開発が主体でした。東急線沿線は17市区にまたがり、約550万人もの人々が住んでいます。少子高齢化によって将来的に2040年ごろに沿線人口の減少が想定される中、駅周辺だけでなく駅から離れたバス圏エリアも含めて住みやすい街づくりに向けた取組をしなくてはならないと考えています。
――バス圏を含めて、より街づくりの対象範囲を広げていくために、不動産リテールグループが新設されたのですね。
近年は、さまざまな地域でバスの便数が減ったり路線が整理統合されたりするエリアが出てきているのも事実です。このままでは、もしかしたら近い将来東急線沿線でバスを使って(電車)駅まで行き、通勤通学をしていた人々の生活の利便性が損なわれてしまう危機感を感じております。
そこで、今から私たちがバス圏も含めたお住まいの人々に対してあらゆる施策を交通も含めて実施していくことで、”新しい街づくり”を牽引する役割を担えると考えています。
不動産事業は、グループ全体が活気付くための根幹を担う
――新たに設立した不動産リテールグループの独自性についてお聞かせください。
東急株式会社が展開している交通事業や生活サービス事業、ホテルなど、社内のサービスと連携できる点です。東急株式会社において、沿線が活気付くこととグループ全体の事業が上向くことは連動しています。
また、それぞれの発展には「人」が欠かせません。不動産事業による再開発など様々な取組を通じて、空き家が多いエリアや空き店舗が多い商店街に人が集まれば、住みやすさも向上しますし、グループ全体の事業も上向きます。
――鉄道事業などを展開しているからこそお客さまに提供できる価値には、どのようなものがあるのでしょうか。
沿線の開発を担っているからこそ提供できる情報は、できるだけお伝えしたいと考えています。
また、私たちは常に誠実であることも大切にしています。東急線沿線には、東急グループが提供するサービスが数多くあり、今後不動産の店舗を構えれば直接お客さまとお会いする機会も増えるでしょう。常にお客さまの生活に触れているサービス提供者として、お客さまに真摯に向き合い、日本一住みたい沿線を実現できるサービスを提供していきます。
――常にお客さまが東急グループのサービスに触れられるのは安心にもつながると感じました。不動産リテールグループでは、売買仲介以外にも提供するサービスはあるのでしょうか。
売買の仲介をメインとしつつ、不動産の活用に関するコンサルティングも行います。不動産の活用となると長い付き合いになりますが、よくお客さまからは「東急さんは電車の事業も行っているから安心してお願いできます」とのお言葉をいただきます。
これは、沿線に根付いたサービスを長きにわたって提供してきた信頼の表れです。私たちはお客さまの信頼を裏切らないように、引き続き誠実にサービスを提供していきたいと考えています。
――社会課題の解決につながるように、貴社の事業はお客さま一人ひとりに寄り添った温かみのあるサービスだと感じます。
私たちは沿線の街づくりで成長してきた会社です。沿線の街づくりは一人で成し遂げられるものではなく、地主の方々や権利者といった方々と協力して進めていきます。この「人と接しながら街づくりを進めていく」という私たちのDNAをそのまま不動産リテールグループにも継承し、沿線に住んでいる方々と一緒に街づくりを進めていきたいです。
将来的に店舗を構えることになった際、来店されたお客さまから「どこどこのグループ会社でこのようなことがあった」など、グループ全体の事業の声も聞かせていただけると嬉しいですよね。
常に”誠実であること”を意識して仕事に取り組む

――人々の生活に根付いている事業を展開されている中、貝田様が日々の仕事において大切にしていることをお聞かせください。
私自身はもちろん、一緒に働くメンバーにも常に「自分の行動は誠実かどうか」を意識するように伝えています。仕事には成果が伴ったり伴わなかったりしますが、結果の話をする前に、お客さまに対して誠実な行動をとることが大切です。
私は都市開発業務を長く経験しており、あらゆる場面で地権者の方などと接してきました。若いときはその場を取り繕うような対応をしてしまったこともあります。しかし、その場だけを乗り切る行動をとると、結果として後から自分に跳ね返ってきたり、色々な方にご迷惑をかけてしまったりすることがあります。
誠実さの重要性を身にしみて理解しているからこそ、会社としても、一人の従業員としても誠実にお客さまとお付き合いをしていきたいですね。
――実際に貴社で働いている従業員には、どのような方が多いのでしょうか。
性格や経歴など多種多様なメンバーが集まっています。ですが、皆さんで常に東急線沿線のことを考えているので、同じ方向を向いていますね。
また、街づくりは一人では進められず、行政や地権者、グループ会社との協力が必要不可欠です。そのため、人とコミュニケーションをとるのが好きな人は多いかもしれません。
このように性格や経歴が違うとはいえ、同じ目的に向かって一丸となっているのは当社の魅力の一つですね。
不動産仲介をしながら街づくりの一端を担える仕事
――4月より新設されている不動産リテールグループですが、今後拡大していくためにどのような方と働きたいとお考えですか。
スキルの面で言えば、不動産売買取引の仲介がメインの事業となるので、宅地建物取引士を取得しているのが理想です。しかし、入社時点で取得していなくても、入社後に取得を目指していただければ問題ありません。
一方でマインドの側面でいうと、東急線沿線のことを理解しており、沿線が好きな方はモチベーション高く働くことができます。実際に住んでいるかどうかは問題でなく「東急線沿線を盛り上げていこう」という気持ちがあれば、目の前のお客さまに喜んでいただけるサービスを提供できます。
――貴社の不動産リテールグループで働く際のやりがいもお聞かせください。
街づくりの一端を担っていると感じられることです。街づくりは一人では進められず、グループ会社などと連携しながら業務を進めていきますが、大きな施設が出来上がった際などには非常にやりがいを感じていただけます。
不動産売買の仲介と聞くと、一つの取引だけで完結するイメージをもつかもしれません。しかし、東急株式会社の不動産リテールグループでは社会課題の解決や都市開発にも関わりながら、沿線の方々と一緒に街をつくりあげていく楽しさがあります。
また、私たちは不動産売買の仲介をメインとしつつも、不動産活用のコンサルティングや買取再販事業、アパートメントホテル事業など幅広く展開しています。従業員は経験を積んでいく中で自分の適性や生活環境に応じてさまざまなキャリアを選択することも可能です。
――最後に、貴社の事業や街づくりに興味のある方へ向けてメッセージをお願いいたします。
私たちは不動産リテールグループを新設する前から、不動産売買仲介に取り組んでいました。しかし、駅から離れたバス圏における人口減少などの社会課題を解決するために、一つの部署として新たに立ち上げています。従来の不動産売買仲介とは違った形で街に貢献しながら不動産にも携われる魅力的な仕事なので、ぜひ街づくりや不動産に興味のある方と一緒に働きたいと考えています。
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