採用企業インタビュー
変われぬ日本企業に真のトランスフォーメーションを。
Ridgelinez株式会社
Ridgelinez株式会社 代表取締役CEO 今井 俊哉 氏
2020年4月、DX後進国と言われる日本において、DX支援を専門とするコンサルティング会社として創立したRidgelinez株式会社。
富士通グループの傘下にありながら、独自路線の組織運営とアプローチで、顧客企業の難題に挑んできた。CEOに就任したのは今井俊哉氏。新卒入社した富士通を退職後、数々の外資系コンサルティング企業に在籍し、業界を牽引してきたリーダーだ。Ridgelinezは今井氏の旗振りのもと、「変革の稜線」を邁進するため、戦略策定から実装まで一気通貫のコンサルティングサービスを提供。特にDではなくX、つまりトランスフォーメーション(変革)の実現に重点を置いてきた。設立から3年が経過し、今だからこそ明確になったRidgelinezとしての在り方や日本企業のDX推進の真の課題を、CEO今井氏の目はどう捉えたのか。話を伺った。
「まずはやってみる」失敗を恐れず邁進してほしい
―2020年4月にRidgelinezが設立され、3年が経ちました。この3年間を振り返り、今のお気持ちをお聞かせください。
コロナ禍の影響がプラスにもマイナスにも働いた3年間だったと思います。
まずプラスの面は、世界でも類まれなほどコンサバティブな日本のサラリーマンが、リモートワークを実現できたこと。「自分たちは変わることができるんだ」という期待感が芽生えた方や企業も多いのではないでしょうか。
しかしリモートワーク自体で何かが変わるわけではありません。むしろ少し不便になった。たとえば社員のパフォーマンスや結果を出すまでのプロセスが見えづらくなりましたよね。オフィスにいれば見える努力や働きぶりが全く見えてこない。すると人事評価をアウトプットベースへと変えなければならず、従来の評価基準が崩れるため、評価制度を変えたいという要望が増えました。
このようにDXの"X"、つまりトランスフォーメーションのニーズはコロナ禍によって高まったため、当社のようなコンサルティング会社にはプラスに作用したと思います。
もちろんマイナス面もありました。対面でのミーティングが限定されたことは、当社のような新しい会社には向かい風となりました。やはり初物を買うのに、そう安価ではないコンサルティングサービスを、リモートのコミュニケーションだけで決断する会社は多くありません。特に新たに転職をしてきた社員はゼロから顧客と関係構築しなければならず、苦労や混乱もあったと思います。
―良くも悪くもコロナ禍の影響があったのですね。今井社長自身は35年ぶりに富士通グループに復帰し、新たな気づきなどはありましたか?
RidgelinezのCEO就任を機に、富士通グループに戻り体感したのは、スピード感の違いです。富士通を退職後に渡り歩いてきた外資系企業と比べると、メールのレスポンスにしても意思決定にしても時間がかかっていました。設立初年度は富士通からの出向社員も多かったので様子を見ていましたが、スピード感を求め、2年目で組織運営を外資系のカルチャーに寄せました。業績は伸びた一方、社員への負担を考えると、急激に風土を変え過ぎてしまったことを私自身も反省しました。2022年は自由度のある組織の形にしたところ、現在は良いバランスで進んでいると実感しています。
ただコンサルティングサービスを提供する立場上、スピード感は無視できません。社員には、「すぐ決める」「すぐ実行する」という考えのもと行動してもらいたい。"朝令暮改"という言葉は、あまり良い意味では使われませんが、私は悪くないと思います。一度で正解を導き出すのは難しいのだから、もし間違ったらやめてまた考え直せば良いのです。スピード感に重点を置いてまずは何事も実行に移すことが重要です。
この「まずやってみる」というマインドは、私が新卒で富士通に入社した当時の社長がよく言っていた言葉でもあります。当時はあまりピンときませんでしたが、ビジネスパーソンにとって大切な考え方を説いてくれたのだと今は思えます。未開の地にチャレンジする精神は忘れずに持っていたいですね。
―RidgelinezはDX専門のコンサルティングファームとして設立されました。その点において意識したことはありますか?
いわゆる戦略系コンサルティングファームとは一線を画す存在だと認識しています。
一般的なコンサルティングファームでは、戦略の議論、オペレーションデザイン、システム構築と順番に工程を進めるのが主流でした。しかし当社では、その工程を同時に進めたり、エンジニアリングやオペレーションを切り口にスタートしたりすることがほとんどです。クライアントにヒアリングをして「こういう機能がほしい」と言われれば、要望が出た箇所から着手をします。コンサルティングの入り口を広げることで、プロジェクトのスピード感もアップしましたし、クライアントからもご満足をいただいています。
ストラテジー・デザイン・テクノロジーの三位一体で変革に挑む
―これからの組織づくりにおいて大事にしたいことは何ですか?
クライアントに行動変革を起こせる組織づくりをしていきたいです。意識改革とよく言いますが、顧客の意識を変えられたかどうかは目には見えませんし、本当の変革とは言えません。行動変革を起こしてこそ、真の変革者と言えるのです。
なぜ行動変革が重要なのかというと、日本社会にはなかなか変わることのできない企業がたくさんあるから。コロナ禍により変わる自信を持てた企業が増えたと言いましたが、それでも変わることに抵抗を持つ企業も少なくありません。
だからこそ、変革を先導するコンサルティングファーム側に、根本から変えようとする機動力が無ければ、変革は実現できないのです。どう伝えれば顧客の現状を打破できるのか、何をすればクライアントの行動にまで変化をもたらせるのか。顧客と同じ目線に立ち自分事として考えながら、戦略やプログラム設計をしていくことが大切です。もちろん変革には影の部分も山ほどあり容易ではありませんが、トライアンドエラーを繰り返しながら進んでいくべきだと考えています。
―トライアンドエラーを重ねて、クライアントの要望である変革を実現するためには具体的に何が必要になってくるのでしょう?
まず検証・分析は欠かせません。施策が効いているのか否か分からないまま進むのではなく、要所で効果検証を重ねながら、変革実現に最適な方法を見極める必要があります。うまくいかなければ何が駄目だったのか、何をどう改善したら良くなるのか、定量的に示さなければ顧客も納得感を持って私たちと共にプロジェクトを遂行できないと思います。
また、一度に多くの施策を実施するのではなく、数を絞って集中して取り組むべきだと考えています。あまり一気に変えようとすると、社員のベクトルが四方八方に向いてしいます。まずは同じ方向を向いてもらうための戦略が必要です。
そして、異なる専門領域の社員が協働する当社では、ピラミッドストラクチャーのフレームワークを徹底しています。こうすることでどのポジションの社員も公平に意見を述べられるようになり、多角的な視点から戦略や施策を見ることができる。実務の細部にも注意を払いながら、Ridgelinezのケイパビリティを高め、顧客の変革実現に取り組んでいるのです。
―今井社長はどのような方と一緒に働きたいと思いますか?
まずクライアントへのリスペクト、これは不可欠です。 クライアント企業は、自社の何らかの仕組みや構造を変えたいから、何かを犠牲にしてでもお金をつくり、当社にコンサルティングを頼んでくださいます。そうした当たり前の感謝を忘れず、クライアントの期待に応えることが大切だと考えています。
同様に、一緒に働く仲間も大事にしてほしい。一人の力だけでなく、各分野の知見や能力を組み合わせて成り立つのが当社のコンサルティングサービスです。自分にない価値観を受容し、仲間と共に立ち向かう解決法にこそ、日本企業が抱える難題を解く鍵が隠されていると感じます。
そして、常に次に何をすべきか考えていてほしい。新たなプロジェクトのことでも、バケーションのことでも構いません。とにかく足踏みはせず、次のステップへ進むことを心がけてもらいたい。現在在籍するメンバーも、みんな前向きで頭が切れる仲間ばかり。お互いを高め合える存在です。
―先ほど、母体である富士通との違いも話されていましたが、富士通グループの傘下ならではの強みは何でしょうか?
Ridgelinezのバックにある、富士通グループの十万人以上のヒューマンリソースひいては彼らの知見や技術力は強みだと考えています。
DXに特化したコンサルティングファームである以上、顧客の変革を根本的に実現するには、やはりテクノロジーの活用は不可欠です。しかも当社は、早期にプロトタイプをお見せすることや実装に移すことに軸足を置いています。その時、自社だけでは限界がある難題に対しても相談にのってくれる存在がいることは、とても心強いです。
ただそこに甘えるつもりもありません。ストラテジー、デザイン、テクノロジーの三位一体でサービスを提供し、顧客が自立自走で変革プログラムを実行する。これが私たちの使命です。顧客のエンゲージメント最大化のために、自分たちが持てる技術やリソースを最大限に駆使して、変革に挑んでいきたいと思います。
―顧客に寄り添い、時には檄をも飛ばす「変革のパーソナルコーチ」
― Ridgelinezの強みや魅力がとてもクリアになりました。ここでズバリ、Ridgelinezを一言で表すとどのような会社でしょうか。
「クライアントのパーソナルコーチ」でありたいですね。パーソナルコーチは、熱く指導をしながら引っ張っていってくれます。しかも単にトレーニングに付き添うだけでなく、トレーニング内容の設計や食事指導など幅広い観点からサポートし、こちらのモチベーションコントロールもしてくれる。まさしく私たちが提供すべきコンサルティングサービスと同じです。
トランスフォーメーションを起こすには、やはり顧客側にも胆力が必要です。長期的なプロジェクトでも顧客の士気が下がらないよう努め、多角的な視点で顧客と接する点は、変革を担うパーソナルコーチと言っても過言ではありません。
―最後に、Ridgelinezの展望を教えてください。
今後当社ではデータドリブンマネジメント、顧客のLTV最大化、BPRの推進に注力をしていく方針です。特に、ソフトウェアのサポート終了問題が出てくると、BPR推進を加速させる企業が増えると予想されます。その時に、システムを入れ替えるなど単にインターフェースを替えるだけでなく、業務プロセス自体から見直そうと考える企業も多いでしょう。そうした過渡期に想起していただけるよう、これからもクライアントの未来を見据えながらプロジェクトに挑んでいきたいです。
また、変革プログラムを絵空事で終わらせない推進力も高めていく考えです。なかなか変わることが難しい日本組織の壁を乗り越えながら、クライアントが実現したいこと、実現したいけど実行に移せないことをキャッチアップし、潜在的な要望にアンテナを張り巡らせながら、顧客とコミュニケーションを図っていく必要があります。
この先、企業が抱える課題はますます多様化し、コンサルティングファームも高いスキルや技術力を求められるようになるでしょう。顧客に高い価値をもたらす存在になるためには、オーナーシップ・オブ・アンサーを心がけることが重要だと考えています。オーナーシップ・オブ・タスクとはよく言いますが、自分の作業に責任を取るのは当然のことです。オーナーシップ・オブ・アンサーのマインドで企業課題を解決できる答えを見出し、その先の結果にまで責任を持たなければ、顧客との信頼関係は築けません。顧客と二人三脚で、変革を実現する。それが私たちの使命です。
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