※このインタビューは2022年4月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
採用企業インタビュー
決済事業を基盤に、加盟店へ
「お客様を呼ぶPayPay」を提供するPayPayマーチャント戦略本部の仕事・組織の魅力
PayPay株式会社
PayPayと聞いて最初に思い浮かぶのは「決済アプリ」といったイメージかもしれません。しかし、主軸となる決済事業の基盤を生かしつつ、決済“以外”のところで加盟店向けの新しいサービスや事業をつくるマーチャント戦略本部という部門があります。
どのような考え方で新サービスを企画・推進しているのか、どのような働き方なのか、PayPayの仕事のやりがいは──。
マーチャント戦略本部にある2つの部署、サービス企画部の柤野太希部長と、事業推進部の井上拓也部長に、JAC RecruitmentでFinTech業界の採用支援を担当する小林圭二郎がインタビューしました。また各部でメンバーとして働く、中富麻子氏、千葉由規氏、宮田真氏にもオンラインで参加いただき、お話を聞いています。
写真左から
1. 決済事業に次ぐPayPay第2の柱、加盟店事業を企画・推進
―マーチャント戦略本部の行っている事業、ミッションについて教えていただけますか。
井上氏:PayPayの事業は3つの柱を掲げており、1つ目の柱が決済事業です。お店やオンラインなどで物を買うときに支払いに使うPayPayアプリを中心とした決済プラットフォーム事業ですね。2つ目が加盟店事業で、3つ目はPayPayカードやPayPay銀行、PayPay証券などと連携した金融事業になります。
その中で、マーチャント戦略本部は2つ目の加盟店事業を担っており、PayPayのこれまでの事業基盤を生かして加盟店向けに新しいビジネスを立ち上げ、拡大していくことがミッションになっています。
PayPayの決済事業はユーザー数が5,500万人(2023年2月時点)を突破し、加盟店数は398万カ所(2022年12月時点)に成長しています。また全国に営業拠点も22カ所あり、数千人規模の営業担当者がいますので、そうした事業アセットを使ってビジネスをダイナミックに展開して行くことがマーチャント戦略本部の主な活動となっています。
―その中で、井上様が部長を務めておられる事業推進部はどのような役割を担っているのでしょうか。
井上氏:事業推進部には大きく2つの機能があり、その機能により事業企画チーム※と事業推進チームに分かれています。
事業企画チーム※は、事業の収支管理、KPI管理などの数値面から事業課題を見いだしたり、次の事業戦略を考える役割や機能を持つチームです。
※2023年1月現在、事業企画チームとサービス企画の分析チームが合流し「事業戦略部」として新たに部格化
もう一方の事業推進チームは、サービス企画が立ち上げたサービスをいかにして加盟店様に使っていただくか、サービスの利点が伝わるかを営業部門と共に考えながら推進していくチームです。
―柤野様が部長を務めておられるサービス企画部はどのような役割の組織なのですか。
その中で、まずは決済に近い領域、販促領域に注力するかたちで、大きく2つの機能を持っています。1つが、すでに立ち上げた「PayPayクーポン」や「PayPayスタンプカード」といったサービスをグロースさせる、エンハンスしていく機能。もう1つが、次のマネタイズの種となる新たなサービスを立ち上げることです。
この2つを行う過程で、全社を巻き込みながらものづくりを進め、プロダクトを世に出してユーザーに使っていただく。そのユーザーや加盟店様からのフィードバックを得て、さらにサービスを改善していくことが、サービス企画部の責任範囲になります。
2. ユーザーに「お得」を提供することで加盟店にもベネフィットをもたらす
―加盟店事業とは、具体的にどのような事業なのでしょうか。
井上氏:「お客様を呼ぶPayPay」というビジョンに集約されていると思います。
PayPayの決済を導入していただいている加盟店様は、商品の仕入れや、人材採用、集客、顧客育成、会計管理、在庫管理のようなオペレーションの効率化など、さまざまな課題をお持ちです。われわれがサービスを考える際は、そうした加盟店様の困りごとや課題を、PayPayのプラットフォームを通してどう解決していくかという軸で考えます。
「PayPayクーポン」というサービスを例に説明します。これは、加盟店様が顧客に対してPayPayアプリで使えるクーポンを発行できるサービスで、われわれマーチャント戦略本部が立ち上げたものです。
お店のオーナーや店員さんが、このひとは一見客だな、あるいは今月3回目の常連のお客様だなど、すべてを記憶し、お客様に応じたサービスを提供するのは難しいことだと思います。私たちPayPayでは決済データを保有しておりますので、お客様の決済状況に応じたクーポンを簡単に出し分けができる機能、その効果測定ができる機能を提供しています。また、一般的に天気の悪い日は出足が悪くなり、お店を訪れる人も減りがちです。そんな時、割引やおまけなどのクーポンを発行すると、PayPayユーザーのお客様はそれを見て、「雨だけどお店に行こうかな」と考えるかもしれません。すると、ユーザーにとってはお得ですし、お店にも集客できる・売り上げがあがるというメリットがあります。近い将来は天気の情報と連動して、雨の日は自動的にクーポンを発行するといったことも構想しています。
もう1つ、われわれが立ち上げたサービスに「PayPayスタンプカード」があります。加盟店様がPayPayユーザーである顧客に対して、デジタルのスタンプカードを発行できるサービスです。紙のスタンプカードは利用ごとにスタンプを押して、一定数貯まると割引したりおまけをつけたりするものですが、それと同じことをPayPay上でできるようになります。
この「PayPayスタンプカード」も決済事業の基盤をフルに活用しています。PayPayで支払いの際にはお店の従業員の方はスタンプを押印する手間なく、自動で「PayPayスタンプカード」に記録され、規定の数に達すると自動でプレゼントチケットがお客様に付与されます。お客様にとっては紙のスタンプを持ち歩かなくてよい、出し忘れる心配はないといったメリットがありますし、お店にとってもリピート客が増え、会計時のオペレーションを簡素化できるというメリットがあります。
このようにPayPayの機能を提供する中で、ユーザーがPayPayを使っているからこそ体験できるニーズと、加盟店様の困りごとをマッチングさせ、課題を解決していくということを行っています。
PayPayと聞くと個人ユーザーの方は「決済」がまず頭に浮かぶと思いますが、われわれは決済“以外”、何か買い物で支払う時以外にも、「今使えるクーポンないかな」「お得な情報ないかな」といったかたちで、ユーザーにPayPayアプリを使っていただく場面を広げていこうとしています。いわゆる「スーパーアプリ化」ですが、加盟店事業はそのための戦略の1つとしても位置づけられています。
3. 経営層と直に壁打ちしながら「考え抜くこと」が重視される
―仕事の進め方や、やりがいについて教えてください。
井上氏:「PayPayクーポン」のリリースは2020年の11月で、ビジネス自体は着実に成長していますが、まだまだ整っていない部分があります。加盟店様の課題解決としてやりたいことは、まだほんの一部しかできていません。それだけに、これからPayPayに入られる方はこれまで積んできた経験やその中で得た知見を生かして切り開いていける余地は大きいと思います。
立ち上げ期に携われて、自分が手がけたサービスを世に出せることの醍醐味があると思います。PayPayが持つ事業アセットは非常に豊富なので、自身のやる気と力量、やり方次第で大きな結果を出せる可能性があることはPayPayで働く一番の魅力だと感じています。
柤野氏:私は「PayPayクーポン」立ち上げの時にはまだいなかったので、その次の「PayPayスタンプカード」に企画の段階から携わりました。
サービス企画の仕事の進め方は、注力している事業領域の中で、まず現場を中心にどういうコンセプトや仕組みがあるとユーザーや加盟店様にメリットを提供できるか、市場性も含めて考えます。そして、企画案をもって経営層や関係部門と壁打ちをしながらその解像度を高めていき、「これなら売れる」というものを作っていきます。
その先は、プロダクトを開発するために機能要件へとブレイクダウンしていきます。実際に開発するのはプロダクト本部ですが、担当のプロダクトマネージャーと課題背景や要件、デザイン等について議論しながら進めていくかたちです。
それで終わりではなく、ローンチまでにもやるべきことはいろいろあります。作ったものをどう運用するのか策定する、法的な問題が生じる懸念はないか確認する、不正利用が起きる余地がないかチェックするなど、細かな点にも抜かりないよう関連部門と壁打ちしながら詰めていきます。
そのように幅広い視野を持ってものづくりをすることは、われわれの強みの1つだと思いますし、キャリアの中でもよい経験になるのではないかと考えています。
―壁打ちが仕事を進めるうえで鍵になっているのでしょうか。
柤野氏:そうですね、壁打ちの機会はたくさんあると思います。大事な論点が漏れてしまうと、その後の話は聞いてもらえません。ですから、そうならないように、われわれ上長も含めてしっかり議論し、事前準備をしてから壁打ちに行きます。
井上氏:PayPayのような規模での決済を軸とした加盟店事業って、ほかではやっている会社がないんですよね。先行事例もないし、誰も正解を持っていない。そのような中で、役職や年次、中途入社か出向社員かどうかにかかわらず皆が意見を言える環境を担保すること、意見を集約して正しい方向へ導くことを、マーチャント戦略本部の管理職は皆意識しています。また大前提として、担当者が誰よりも考え抜いていることも重要です。
柤野氏:PayPayは、「ユーザーファースト」に徹底的にこだわっています。また、加盟店様に対しては「加盟店様が儲かったら我々も対価をいただく」という方針があります。必ずWin-Winの関係を築く、サステイナブルなサービスを作っていくことを信条としています。ですから、われわれの事業が大きくなれば、社会的な意義も大きくなって、世の中によりよい貢献ができる側面があるとも言えます。その意味で、社会貢献の志向が強い方にも、ぜひチャレンジいただきたいと思います。
4. 中途入社者が語るPayPayでの働き方と組織の魅力
―ここからはオンラインで参加しているマーチャント戦略本部のメンバーの皆さんにもお話を伺います。それぞれ今どういった仕事を担当されているか、やりがいについて教えていただけますか。
- PayPay株式会社 マーチャント戦略本部 サービス企画部 中富 麻子 氏
- 日系ITベンチャーに新卒入社。アプリ向け広告収益化プロダクトのセールス、プロジェクトマネジャー、事業責任者を経験。外資系VCを経て2022年4月PayPayへ入社。ミニアプリ事業の戦略の検討やグループ企業との協業サービスの立ち上げを推進。
- PayPay株式会社 マーチャント戦略本部 サービス企画部 千葉 由規 氏
- Web広告代理店に新卒入社。クライアントの顧客データ分析からCRM提案から実行を経験。また新規事業開発のエンジニアとしても従事。企業の成長スピードに加え、加盟店事業というこれから拡大するフェーズに携わることを望んで2021年7月PayPayへ入社。クーポンサービスの企画、プロジェクトを推進。
- PayPay株式会社 マーチャント戦略本部 事業推進部 宮田 真 氏
- ソフトバンクにて、コンシューマー事業の量販店部門で販売と営業を経験した後、同部門内の事業管理の部門へ異動し数値分析・戦略立案を経験。2022年7月にPayPayへ入社してからは、ポイント事業の構造分析、クーポン事業の試算管理の運用などに従事。
中富氏:私はサービス企画部に所属しています。Zホールディングスやソフトバンクグループを含むPayPayのグループ企業との協業によるサービスの企画、主に立ち上げの部分を担っており、現在は3つの新サービスの立ち上げプロジェクトに関わっています。
いずれのプロジェクトも、グループ各企業の経営層が打ち出した大きな方向性をもとに、それをどのように実現していくかをスタート段階から考えていく、事業を形作っていくものです。
大きなグループですので、すでにある“強い”サービスのアセットを活用して、さらにもっと大きな価値を世の中に生み出していけること、事業のコアの部分に携われることに大きなやりがいを感じています。
千葉氏:私もサービス企画部の所属で、現在は「PayPayクーポン」のサービス企画や、機能の開発プロジェクト推進などをメインの業務としています。
加盟店様への営業部門や、業務を行っているオペレーションチーム、CS部署の方々からサービスの改善要望を受け付けて、それに対応する新しい機能の要件を定義し、プロダクトに伝えてリリースまで開発を推進するのが主な仕事の流れです。
私は、より大きなスケールのビジネスを学びたいと思ってPayPayへ転職してきました。PayPayは組織も事業も大規模なので、対象が加盟店様であるかユーザーであるか、社内であるかを問わず、1つ1つのプロジェクトが及ぼすインパクトが大きいところが、一番やりがいに思っているところです。
宮田氏:私は事業推進部に所属しています。主な業務としては、事業を企画・推進するうえで必要とされる数値周りのレポート作成・報告を行っています。
たとえば、経営会議の資料や株主に向けた資料作成では、本部長・部長と方針を決め、事業の企画・推進を担当している現場の方と連携をとり、伝えるべき事業状況を資料に落とし込んでいます。
資料作成を通して、PayPayの新しいビジネスが成長していく過程を実感できるのは楽しいですね。また、ソフトバンクグループの株主向けに資料を作る中では、今後発表される新しい取り組みについて、伝えるべきメッセージを本部長はじめとした組織全員で一緒に作っていけるところがやりがいになっています。
5. リモートワーク下でも気軽に相談できる
―WFA(Working from Anywhere, at Anytime)制度がありますが、PayPayでの働き方やチームのコミュニケーションの雰囲気はどのような印象ですか。
中富氏:私は自宅が大阪で、WFAの制度を使って100%リモートで働いています。チームの大半の方は東京在住ですが、完全なリモート環境で滞りなく仕事が進められています。
皆さん、すごく生産性の高いミーティングを意識的に組んで業務を推進しようとしている印象です。こういうと冷たく淡々とした雰囲気だと思われるかもしれませんが、そういうことではないです。優しい和やかなパーソナリティーの方が多い部署で、互いに協力しながら進めていこうという雰囲気を感じます。
千葉氏:私のいるチームは、毎日ショートミーティングをやっていて、結構ウェットなコミュニケーションがありますね。週次で行うチーム会では、それぞれが持っている業務について「こういう失敗があったので、来週はこういうトライをしたい」といったような振り返りをしています。中富さんが話していた生産性が高い会議と、雑談に近いような会議があり、メリハリがある雰囲気だと思います。
私は何度か中途入社者のメンターになったことがあります。リモート環境でも、ZoomやSlackなどで質問や相談を受け付けるチャネルを常時開いている状態ですので、オフラインのオンボーディングとほぼ違わない環境を作れていると思います。
6. 変化を恐れず、楽しめる人が活躍できる環境
―マーチャント戦略本部で活躍するために必要なスキル、マインドはどのようなものだとお考えでしょうか。
中富氏:PayPayに入社して体感したのは、新しいサービスを企画するうえで、データなどファクトを元にしたロジカルな根拠立てと、経営層をはじめ社内のいろいろなステークホルダーに伝えるプレゼンテーションスキルが非常に重要だということです。プレゼンスキルと一言にまとめましたが、1つの資料を作るにあたっても、非常に多くの情報を整理する必要がありますし、サービスとしての勝ち筋がどこにあるのか、ユーザーと加盟店様のメリットはそれぞれ何か、といったことを考え抜いて人に伝わるアウトプットにしていくスキルが、全員に求められていると思っています。
宮田氏:私もやはり、話す力は必要だなと思っています。常に新しい仕事が出てくるので、相手が初めて聞く内容であることがほとんどです。経営層や上長に状況を説明する際、そこを分かりやすく伝えられるよう気をつけています。
また、新しい仕事が次々に生まれるからこそ、それに対応できるよう常に変化していく姿勢を持たなければいけないと思います。
―最後に、どのような人に入社してほしいか、一緒に働きたいかをお聞きしたいと思います。
千葉氏:ユーザーと加盟店様のことを考えられる人ですね。もう少し具体的に言うと、たとえば対ユーザーであれば、UI/UXを突き詰めて考えられる人。対加盟店様なら、加盟店様にとってメリットが本当にあるのかどうかを定性面だけでなく定量的に考えられる方と一緒に働きたいですね。
宮田氏:物事を自分で考えて、それを伝えるというところを大事にできる方ですね。私自身まだできてないこともあって日々指摘をいただくのですが、何をするにしても「自分はこう思う」「だからこうしたい」という意志を持ち、伝えることが必要な場面が数多くあります。それを入社してからも日々感じていますし、これから入社される方にも必ず求められると思っています。
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- 担当コンサルタント
小林 圭二郎 - キャンディデイトとしてJACに転職サポートを受けた過去を持ち、2015年にJACに入社。
入社後は、ゲーム業界、デジタルマーケティング業界、エンジニア専門チームにてベンチャーから大手まで担当。
2020年に新設されたFinTech専門部署の立ち上げから参画。
現在はリーダーおよび100+メンバーとして従事。
- 担当コンサルタント
この記事の筆者
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