採用企業インタビュー
ITで医療業界に新風を吹き込むエムスリーグループの新たな挑戦。
次世代のMR、「メディカル・マーケター」とは。
エムスリーマーケティング株式会社
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- 代表取締役
- 増田英宣 氏
インターネットを活用して、良質な医療情報をいち早く研究や臨床の現場に届けてきた「エムスリー(M3)」グループから、CSO事業へ特化する「エムスリーマーケティング」が設立されたのは2014年10月。特に、これからの医療現場、製薬業界のニーズを捉えた「メディカル・マーケター」事業に取り組んでいます。そんな同社の代表取締役社長は、外資系コンサルティング会社を経てリクルートメディカルキャリアなどで数々の事業に携わってきた増田英宣氏。「メディカル・マーケター」事業について、そして今後の展望などを詳しくお聞きしました。
医療業界にも時代の波が押し寄せています。御社の設立も次世代を見据えてのことだと思いますが、まずは御社の事業について教えてください。
- 代表取締役
- 増田 英宣 氏
私たちエムスリーマーケティングの事業は大きく2つです。ひとつは、かねてから取り組んできた製薬企業における営業・マーケティング業務のアウトソーシングビジネスCSO事業。日本のコントラクトMR数は4000人を超え、サービスの質が高まり地位を確立したと言えます。もうひとつは今注力している、メディカル・マーケター事業。これは我々が提唱する新しいサービスです。弊社のメディカル・マーケターが、製薬企業のプロジェクトに参画し、ITを活用した新しい製薬マーケティングソリューションを提供する事業。今後は間違いなく必要な仕事だと思っています。
「メディカル・マーケター」事業の背景には、製薬メーカー・MRを取り巻く環境の変化があると思います。今後はどのようになっていくとお考えですか。
高齢化が進み、薬剤の需要は増える一方、国策でもあるジェネリック医薬品のシェアも増加すると思います。以前ほど新薬がどんどん開発されるとは考えにくく、今後のMR数は横ばいから微減だと考えます。MRひとりあたりの生産性を高めていきたいという製薬メーカーのニーズは、ますます高まるでしょう。
今までMRの方々は日々努力をして、製品の素晴らしさをドクターに伝えようとしてきました。しかし病院の訪問規制があり、ドクターと話す時間よりも待ち時間の方が何十倍も長い状況は変わっていませんよね。ネットやスマホやSNSが、ビジネスや私たちの生活やコミュニケーションスタイルをこれだけ変えているのに、MRの働き方や生産性が変わらない状況はどう考えてもおかしい。メディカル・マーケターという職種は、時間を有効活用し、より本質的な仕事に集中することにもつながり、製薬メーカーが本来実現したいことをサポートすることができます。
最近では、製薬メーカーも自社でIT化を進めていると聞きます。ただ、自社でインフラ整備や情報収集をすると相当な手間やコストがかかり、負担が大きい。そこで我々のITノウハウが役立ちます。
御社の新サービスであれば、ドクターとのやりとりの効率化や情報の整備など、IT化によってMRの生産性を上げることが可能だということですね。御社の強みと具体的なメディカル・マーケターの役割を教えてください。
まず、我々エムスリーマーケティングは、グループ会社の強みがあります。エムスリーでは日本のドクターの会員数約25万人を有するサイト『m3.com』を運営。このサイトは最新の医療情報を提供すると同時に、ドクターとのコミュニケーションの場でもあります。コミュニケーション以外にも、アンケートを実施したり、ドクターがどのような薬を、どういった理由で、どれくらい使うのかなど、ドクターの指向や行動に関するきめ細かいニーズを収集しています。製薬メーカーが必要とする情報がすでにあるのです。
メディカル・マーケターはこれらのビッグデータを活用してMR活動に新たな価値を加え、生産性の高いMR活動を実現します。複雑な分析は当社のデータサイエンティストがサポートしますが、メディカル・マーケターは分析結果を元に、アプローチするドクターの優先順位を整理したり、何を伝えるべきなのかを考えます。
例えばあるドクターが特に気にしているのは薬の効用、またあるドクターは副作用と、気になるポイントが違う。ドクターのニーズを事前に分析することで、どこを強調すれば理解が進んで薬を使っていただけるか想定できます。
訪問前にドクターの指向が分かれば、有意義な提案ができますね。MRにとって、ドクターとの面談は重要な機会ですが、病院での長い待ち時間が課題だと思います。待ち時間や面談時間の効率化については、どのようにお考えですか?
そもそも、我々は必ずしもドクターに直接会いに行かなくても良いという考えです。例えば私自身、WEBでの面談はドクターにとって抵抗があるのでは?と思っていましたが、実はデータを見ると意外とそうではないことが分かりました。しかも、WEBの場合面談時間が長いという傾向も見られました。また、アンケートで「WEB上やメールと、対面での面談の比率は、どれくらいが良い?」と聞くと、病院に来なくても良いというドクターから、100%訪問してほしいドクターまで、結果はまちまち。ドクターによって最適なチャネルミックスでコミュニケーションを取ることが大事だとわかりました。我々や製薬メーカーが思うチャネルではなく、ドクターにとって最適であること。これは個々のドクターの情報が分からないと実現できないことです。そのデータを持っていることは、我々の大きな強みでしょう。
仕事のやり方としては、今まで病院でドクターと面談するまでに数時間もかかるところを『m3.com』を利用してアプローチ。了承を得たらWEBやPCカメラなどを使って、ドクターの好きな時間、場合によっては自宅からでも面談ができます。画面で資料を見せながら話せるので、対面での面談と遜色がなく、生産性も向上し、ワークライフバランスの改善にもつながります。
ドクターのニーズにも臨機応変に応えることができ、効率的ですね。ドクターの年代や専門分野によって、傾向はありますか?
昔は、MRが来るのが当たり前で、それが存在意義だと思うドクターも多かったと思いますが、最近の若いドクターはそれほどでもない。また専門医とプライマリーでの違いは大きくない印象です。ただプライマリーの方は人数が多いので優先順位付けが必要ですが、専門医の人数は少ないので個々に合わせて対応しやすい。使うツールが同じでもマーケティングのアプローチは変わるかもしれません。
分析すると色々なことが分かってくるのですね。ところで御社は、従来型のMRとメディカル・マーケターのすみ分けについて、どのようにお考えですか?アメリカのように、従来のMRからITを駆使するMRにすべて置き換えようという考えもありますが。
誤解される方もいますが、何でもITで解決できるかというと、そうではありません。でも2、3割ITを用いるだけで生産性は向上します。一方でMRが直接出向いて話す良さもあるので、両方を組み合わせることが大事だと思います。
私たちはMRと並行して、メディカル・マーケターを増やしていきたいと思っています。製薬メーカーにメディカル・マーケターを認知していただき、プロジェクトをもっと広めていきたい。
メディカル・マーケターを採用するにあたり、どのような方を必要としていますか?
エムスリーグループ全体に言えますが、当社で働いている人が思っているのは、医療業界は、サービスを享受する患者さんにとっても、働く人にとっても、さらに良くなるはずだということ。そのためにITを利用したいと考えています。今MRとして働いている人の中にも、もっと良くする方法があるのでは?と思う人がいると思います。そんな課題意識をもっている人には合う会社だと思います。一緒に課題を解決したいという思いの人がたくさんいるので、やりがいを持って仕事ができます。
御社でのメディカル・マーケターのキャリアパスについて教えてください。
当社は多くの製薬メーカーにサービスを提供しているので、まず色々な薬剤を経験して、メディカル・マーケターのスキルを高められます。2つ目はその経験を活かしてメディカル・マーケターをマネジメントし、プロジェクトの統括者であるePMへのキャリアがあります。3つ目は、『m3.com』からデータを収集するためのアンケートを開発する仕事、あるいはメディカル・マーケターが使う管理画面や機能などを高める商品開発。現場を知っているからこそ、分かることがあります。4つ目はエムスリーグループ内にフィールドを広げた仕事。メディカル・マーケターの経験を活かした活躍の場は多岐に渡ります。
メディカル・マーケターをマネジメントするePMというのは、具体的にどのような仕事ですか?
ひとつは、メディカル・マーケターをマネジメントする業務。もうひとつは製薬メーカーのMRにも、eコンテンツを活用したMR活動を推進する役割です。
製薬メーカーがデータベースを運用するにあたり、どのようなツールを使ったら良いかは、少し教えるだけでできることではありません。我々は運用方法、MRの仕事への組み込み方などの運営支援を担っています。実際にメディカル・マーケターの投入だけではなく、ePMを受け入れて運用面を強化したいという製薬メーカーも多いので、ePM候補の採用も強化しています。
メディカル・マーケターは、MRの働き方を大きく変えて、新しいキャリアパスを創出するのですね。最後に転職を考えている方へのメッセージをお願いします。
製薬業界を取り巻く環境の変化を、私たちはチャンスと捉えています。従来からの優秀なMRによる営業活動に加え、親会社であるエムスリーのもつWEBマーケティングという圧倒的な利点を活かして、今まさに新たな営業・マーケティングの姿を創造しています。この機会を逃さず、ぜひ変革をしたいという強い想いを持つ方の応募をお待ちしています。
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