※このインタビューは2024年9月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
求人・採用インタビュー
「SAPコンサルタント集団」としての価値拡大を加速させる
KPMGコンサルティングのES-SAP
KPMGコンサルティング株式会社
写真右から
BIG4(世界4大監査法人)の一つに数えられるKPMG。日本のメンバーファームとして監査・税務・アドバイザリーを手がけるKPMGジャパンに属しアドバイザリー分野の1つを担うのが、KPMGコンサルティング(以下、KC)です。
これまでSAP社の監査を担ってきたKPMGが、監査契約満了を機に、SAPコンサルティング事業を拡大・加速。Enterprise Solutions SAP(ES-SAP)部門でコンサルタントを募集しています。ES-SAP部門の特長や強み、今後の展開、メンバーの志向性や組織風土などについて、パートナーの黒木真人氏、アソシエイトパートナーの真下和孝氏に伺いました。
「規模拡大」は追わず、顧客の変革・成長支援を追求する
――まずはES-SAP部門の取り組み、働き方についてお聞かせください。
黒木氏:KPMGコンサルティングでは、SAPコンサルティングを専門とするES-SAP部門を2017年に立ち上げました。当時はKPMGがSAP社の監査を手がけていたためにSAPシステムの導入など、クライアントをご支援できる範囲に制約がありましたが、SAP社との監査契約が満了し、現在はSAPビジネスを加速させている段階にあります。現在はES-SAP部門は70名ほどの規模ですが、2025年には130名へ、3年後には300名規模への拡大を目標としています。エンタープライズ系ソリューションにおいて適切なサービスを提供するためには、300名程度の規模は必要であるという考えからです。
ただし、私たちは、1つのプロジェクトに100名のメンバーが携わるといった大規模プロジェクトを求めているわけではありません。10名~20名規模のプロジェクトを複数手掛けていきたいと考えています。また、自社で開発までを行うために規模を拡大するのではなく、SAPというソリューションを活用してクライアントの変革や成長を支援するところに価値を置いています。
真下氏:私たちが進めている組織の拡大は、開発や保守を行うメンバーを入れて人数を増やそうということではありません。「純粋なSAPコンサルタントの集団」として、300名規模にしていくということですね。開発・保守については、KPMGの海外のメンバーファームや国内の協力会社と組んで進めていきます。
一般的にコンサルティングファームにおけるSAPビジネスの場合、モジュールごとにチームが編成され、大規模プロジェクトとなれば1チームごとの人数も多くなり、一人ひとりの担当範囲が細分化されています。私たちが主に実施しているプロジェクト規模の場合は、1チームごとの人数が少ないため個人の担当範囲が大きくなり、裁量が拡大します。マネジャーの下にシニアコンサルタントとコンサルタントのメンバーがいて、要件定義から設計、テストまでプロジェクト全体を担当することができます。大変ではありますが、プロジェクト全体を俯瞰しながら幅広くいろいろなことに挑戦したいという方にとっては面白いと思います。
黒木氏:先日、転職してきて間もないシニアコンサルタントのメンバーと1on1を行った際、「前職ではネジになってしまっていた。今は自分で運転できているから、やりがいがある」と語っていた言葉が印象に残っています。このメンバーは現在、社内の他部門とコラボレーションしているプロジェクトに入り、SAPのSD(Sales and Distribution:販売管理モジュール)もMM(Material Management:購買管理/在庫管理モジュール)も見ながら、会社間の橋渡し役などといったプロジェクト管理も担っています。本人は、「大変だけど、『自分でやっている感』があって楽しい」と言っていました。
真下氏:ES-SAPのリーダー陣は若いメンバーを「育成しよう」という意識が強いので、プロジェクトにおけるマネジメント業務を下位メンバーにもどんどん挑戦させています。シニアコンサルタントであればマネジャーの業務を、マネジャーであればシニアマネジャーの業務の一端をうかがい知れるようにしています。一段階上の目線に立つことで、成長につながると考えていますから。自分を成長させたいと考えている20代や30代のメンバーにとって、良い環境だと思います。
グローバルネットワークを駆使し、「本来の目的」の実現へ
――KPMGコンサルティングのES-SAP部門の特性や強みはどのような点にありますか。なぜクライアントから選ばれるのでしょうか。
真下氏:一般的には、クライアントからのSAP導入に関するRFPを受けてスタートするプロジェクトも多いと思いますが、私たちの場合は、プロジェクトの「立ち上げ」期からクライアントを支援しています。そして、クライアントの業務変革をどのように実現していくのか、どうすれば成長につながるかということにしっかりとフォーカスし、そのゴールを実現するために、どうSAPソリューションを始めとしたデジタルテクノロジーを活用していくかを提言します。我々の売上拡大のために、むやみに機能追加の提案はしません。「これはやらなくてもいいです」「これは今やる必要はないので、いずれ検討しましょう」といった提言もします。機能追加はプロジェクトを複雑化させ、コストへも影響しますので、あくまでプロジェクトの目的を実現するために必要なことだけを提案しています。
クライアントはともすると、「SAP導入」をゴールに置きがちですし、ときに手段がゴールになってしまいます。クライアントが目的を見失わないよう伴走することが私たちの使命であり、だからこそクライアントから信頼をいただいているのだと思います。
黒木氏:私たちが所属するEnterprise Solutionsの中には、Microsoft DynamicsやOracleのEnterprise Solutionを担当するチームもあり、必要に応じて連携しながら取り組んでいます。私たちの強みの1つに「客観性」と「第三者性」があり、構想フェーズからご相談をいただくことが多いです。最初に「何を実現したいのか」というゴールを見据え、それがブレることのないよう、「目標達成のために何をするか」「なぜやらなくてはならないか」を考えながら進めています。そのようにクライアントの課題に寄り添いながら、「End-to-End」でサービス提供することにこだわっています。
――KPMGのグローバルネットワークはどのように活用していますか。
黒木氏:ES-SAPは他のコンサルティングファームのSAP部門と比較すると小規模ですが、KPMG全体で見れば、KPMG独自の業務改革ソリューションである「KPMG Powered Enterprise」を含む豊富なアセットを保有しており、多様な知見にアクセスが可能です。真下氏:KPMGでは国内外を問わずKPMGのエンティティ同士の垣根が低く、コラボレーションをしやすいと感じています。常に対等な関係で協力しあえるので非常にやりやすいですね。
黒木氏:それは、KPMGではどの分野もおそらく同じなのです。個人的な感想になりますが、米国に本拠がある企業では「トップダウン」が多い一方、KPMGは欧州発の企業なので、良い意味で「連邦制」が敷かれていると思います。私も、グローバルとのディスカッションに参加すると「日本ではどう?」と、毎回最初に意見を求められ、しっかりと意見を聴いてもらえて尊重されます。各国の意見が吸い上げられ、良い連携ができていると思います。
新たなサービスの開発も。英語力を生かした活躍ステージがある
――今後はどのようにソリューションサービスを展開していくのでしょうか。
真下氏:私たちは自動車業界をはじめ、製造業界を得意としています。これからも当面、製造業のクライアントを中心に展開していく予定です。現在の基幹であるSAP S/4HANA®にとどまらず、周辺にある人事・経費精算・需給管理などから経営データの分析まで組み合わせ、クライアントへの提供価値を高めていきます。すでに一定のラインナップは揃っていますが、さらに拡充していきます。黒木氏:全社一丸となってクライアントへの提供サービスを広げていけるよう、組織体制を変更しました。
具体的には、クライアントの全社的な事業変革のロードマップを策定したうえで、業務領域の改革に対して各種ソリューションを提供するとことで実行し、かつリスク・規制対応もすることで“攻め”と“守り”の両面から改革を推進していけるよう組織の横連携を強化した編成です。
例えば、リスクコンサルティングチームと連携することで、よりガバナンスが高い業務設計を行うことや、システム稼働後のデータを活用したコンプライアンスチェック体制の検討などができます。データ利活用の観点では、データサイエンティストチームと連携して、さらなる効率化、業務の付加価値向上につなげることができると考えています。
会社としても我々ES-SAPを含むクラウドテクノロジーを活用して業務改革を遂行する部門を注力領域としており、今後組織をさらに拡大・強化すべく、今回の組織変更に伴い私がES-SAPを新たにリードすることになりました。元々、業務領域で、クライアントの価値向上にこだわりを持って向き合ってきた経験があるので、ES-SAPを大きくするために他のチームとの掛け算をしながらチャレンジしていきたいという想いを持っています。
また、グローバルでは、SAPでのAI活用をテーマとしたCoE(Center of Excellence/組織横断の活動拠点)が設置されています。一般的にリージョン(地域)単位で取組みが進んでしまいがちなAI活用といったテーマもKPMGでは、連携力をもってグローバル全体でナレッジを集約して推進しています。このようにKPMGの連携力で、レバレッジを効かせていけることも強みの1つです。
――グローバル連携が活発な中では、バイリンガル人材が活躍できる機会も広がっていそうです。
真下氏:日本のクライアントの海外子会社に対するSAP導入、外資系のクライアントの日本法人へのSAP導入、いずれのプロジェクトでも英語力が活かせます。日本のクライアントでも、例えば開発を海外のメンバーファームで行う場合などは、コミュニケーションで英語を使います。また、海外で作られたアセットを日本語化し日本マーケットに展開することが多いのですが、実は逆もあります。例えば、人事の領域などでは、日本で開発したアセットが他の国や地域で活用されています。IT領域で、「日本発・グローバル展開」はそうそうないことです。日本のメンバーが海外のKPMGのメンバー相手にプレゼンするため、技術力と英語力を活かしたい方にとっては面白いステージなのではないでしょうか。
黒木氏:KPMGジャパンの特徴として、「GJP部(Global Japanese Practice)」(日本法人の支店のような拠点を海外に置き、海外案件の発掘や日系企業の海外事業展開を支援するグローバルネットワーク)があります。これまでGJP部はサイバーセキュリティやオペレーションなどの案件が多かったのですが、SAPビジネスでの連携も始まっています。
例えばですが、タイ、インドネシア、日本のメンバーが連携してタイでのビジネスを手がける可能性もあるでしょう。得意分野は各国・地域で濃淡があるため、連携することで価値を生み出していきます。英語力を活かし、グローバル連携の取り組みをしてみたいという方には、面白さを感じられるでしょう。
多様性がある組織だからこそ、風通しが良い風土が築かれた
――メンバーの皆さんのバックグラウンドをお聞かせください。
黒木氏:まず、私自身が他の総合コンサルティングファーム出身です。メンバーにはコンサルティングファーム出身者のほか、SIer出身者、事業会社出身者と、バックグラウンドはさまざまです。外国籍のメンバーもいますし、女性比率も比較的高い、多様性がある組織です。真下氏:私は新卒入社した商社系SIerが、M&Aを経てグローバル企業のグループ会社となりました。IT業界での経験は30年、SAPには20年携わっています。「顧客のビジネスをいかに成長させるか」というテーマにこだわってきたので、それを追求できるKCに転職しました。
転職してきたメンバーは「業務変革を上流からやりたい」「組織の歯車にならず自主性を持って取り組みたい」「グローバルプロジェクトに携わりたい」という志向の人が多いですね。
そして、我々のメンバーは成長意欲が高いです。社内にはWeb上で各自が学べるeラーニングのコンテンツが豊富にあるほか、SAPの認定資格の取得もサポートしています。有志の勉強会では、プロジェクト後に「どんな学びがあったか」の共有をするなど、メンバー同士学習意欲を高め合え、成長意欲が満たせる環境だと思います。
黒木氏:また、チームリーダーたちが丁寧に教えているな、と感じますね。コンサルタント未経験からでも、しっかりサポートを受けて成長できる環境があるので、安心感を持って飛び込んでいただけると思います。
――組織風土の魅力を、どのように感じていますか?
黒木氏:組織体制の改編によりES-SAP部門が立ち上がり、現在は部門と事業規模を拡大している途上にあります。そんな組織を管掌する私がチームリーダーとの毎週のディスカッションや全メンバーとの1on1をしていて思うのは、「皆、しっかり自分の意見を言うことができるなぁ」ですね。良い意味で皆フラットな関係なので、リーダーとのミーティングでは、しっかり議論ができており、「なぜそう考えたのですか?私はこう考えるのですが。」と遠慮なく聞かれたりします(笑)皆が思ったことをちゃんと言えるのは、すごくいいと思いますね。まだまだ規模が小さく、組織をこれから創っていく段階だからこそ、「コミュニケーションをとらないと回らない!」と皆が自覚し、言いたいことを言える風土になっているのだと思います。
真下氏:確かに、メンバーからは「風通しが良い」という声をよく聞きます。大きな組織とは違い、「決まりごと」が少ない。だからルールに縛られずに自由にやれるし、自分たちで風土を作っていけますね。
――コンサルティングファームは一般的に「ハードワーク」のイメージを持たれています。働き方についてはいかがでしょうか。
黒木氏:ワークライフバランスはとりやすいと思います。ただ、単純に「労働時間を短くする」というより、フォーカスする時間としっかり休む時間を明確に分けることが重要だと考えています。自分ひとりであれば3時間かかるけれど、社内で知見がある人の協力を得れば30分で終わることもあるので、そこは社内のアセットを活用し、効率的にしていただきたいと思います。
――入社を検討する皆さんに、メッセージをお願いします。
真下氏:これまでお伝えしたとおり、私たちの組織はまだまだ固まっていません。だからこそ、やりたいと思ったことを、自ら手を挙げてやることができます。「もっとこうすれば良くなるのに」という思いやアイデアを抱えている方は、ぜひそれをぶつけてください。思いを持った方と一緒に成長できることを期待しています。黒木氏:私たちはとても健全なファームであると自負しています。上から仕事を与えられ、メンバーのKPIチェックとメンタルケアに神経を尖らせ、メンバーが稼働できなければ自分がカバーして…」という状況で疲弊してしまうのではなく、この仕事は本来、クライアントの成長を支援するためにあり、それによって自分たちも成長していけるものです。それを楽しめる組織でありたいです。自分からチャレンジしていきたい方は、ぜひ、KPMGコンサルティングに来ていただきたいと思います。
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