採用企業インタビュー
「保険をスピーディーにお客様のもとへ」業界イノベーションで保険・金融業界を変革する
株式会社justInCaseTechnologies
- 株式会社justInCaseTechnologies
代表取締役 畑 加寿也氏
日本アクチュアリー会正会員 米国アクチュアリー会準会員 - 「助けられ、助ける喜びを、すべての人へ」をビジョンとし、生損保会社や少額短期保険業者など向けから、事業会社向けまで、保険API提供・カスタマイズなどを行っている株式会社justInCaseTechnologies。
新型コロナウィルスをきっかけに保険業界も大きな変革を求められているなか、保険DXを推進する同社はどのような戦略や目標を持って進んでいくのか?
今回は、代表取締役の畑加寿也氏に、創業を志した経緯や現在の事業の内容、これから目指す未来や転職を希望される方へのメッセージなどについてうかがいました。
動きが遅い保険業界に変革をもたらしたいという思いから起業を志す
―畑さんのこれまでのご経歴、株式会社justInCaseTechnologiesを設立した経緯についてお聞かせください。
起業前は、保険数理のコンサルティング会社や投資銀行、再保険会社など複数社で、保険証券の商品開発、リスク管理、ALM(Asset Liability Management)といった保険会社向けにサービスを提供する仕事にずっと携わってきました。
保険市場は60兆規模の巨大産業であり、世界的に見ても2番目に大きな市場です。しかし、大きい業界であるがゆえに動きがとても遅いと感じていました。
そんな時に、米国起業家との交流をきっかけに、海外や国内のスタートアップがクラウドを基盤とした決済システムやクリプトなどを提供しているというInsurTech(保険×テクノロジー)の実態を知りました。経験が豊富にあるわけではないですが、これであれば自分でもできるのでは?と思い、リサーチを始めました。プログラミングスクールに通いながらプログラムを書き、「スマホ保険」を開発。そのビジネスモデル自体の特許を出願し、無事申請が通り2016年12月にjustInCaseを設立したのです。
―起業をして、まず保険業界の何を変えようと思われましたか?
間違いなく「スピード」です。
起業する以前の話ですが、新しい保険商品をつくるのに最低でも1年半程度かかっていました。たとえばこんな生命保険商品をつくったらニーズがあるのではないか?と思っても市場に登場するのは最低で1年半後です。つまり、1年後にはニーズが変わるかもしれないものや、ロットが小さいもの、需要が小さいものは市場に登場することすらないのです。
お客様それぞれのニーズに合った保険商品を大勢の方々に届けるには、スピード感を持ってたくさんの商品をつくっていく必要があります。私としてはその領域に飛び込んで行く価値があると思って起業しました。何よりも「この業界を変えてやる」という強固な意思を持って事業に取り組み続けています。
―その想いが「joinsure(ジョインシュア)」の開発につながるのですね。
joinsureは、保険ビジネスのDXを支援するSaaS型の保険システムです。クラウドベースの保険基盤をコンポーネントに分けて、保険会社向けへ提供。60種類以上の保険種類を想定した設計で、外部サービスの機能追加オプションもあり、わずか数か月で新しい保険商品をリリースできます。
通常SIerがスクラッチでシステム開発を行う場合、保険会社側の要望を聞き、ゼロから開発を行うため、保険会社側の満足度も高く、開発する側も利益を得られます。しかし、その分時間もコストもかかる点がネックとなります。その点、joinsureを活用することで、保険会社側がオペレーションでカバーしていただく必要はありますが、「コストを削減しつつ、スピード感を持ってエンドユーザーに保険商品を届けること」が実現できるのです。
規制を変えるには時間がかかるが、システムならば変えられる
―業界特有なのかもしれませんが、遅さの原因は何であるとお考えですか?
これは「規制」と「システム」だと思います。
まず規制については、toCの保険商品の中でも、生命保険商品は長期性のものなので、金融当局の承認を得るのに非常に時間がかかります。
もちろん合理性のある規制だとは思いますが、長期商品なので一回契約してしまうとその後ずっとロックインとなってしまう。保険商品は今でこそワンデイ保険などもありますが、一般的には、損保で1年、生保であると50~60年ということにもなり得ます。
また、特に生命保険商品は、病気などにかかると加入しづらくなるので、エンドユーザーも「本当にこれで良かったのだろうか?」と思ってしまう原因にもつながります。
次にシステムについては、保険業界においてSaaSやPaaSの考え方が浸透していないことも原因の一つだと思います。
―開発において、何が一番必要だとお考えですか?
「トライアル回数」だと思っています。
今はtoC事業もtoB事業も、自分のバランスシートで保険をつくるということ、また他の保険会社にSaaSを提供し彼らに保険をつくってもらうこと、この2つのどちらも行っています。しかし、一般のIT事業社やIT業界がやるべき試行回数には至っていないのが現状です。
ただ、私たちは保険業界のなかでは比較的トライアル回数は多いとは思っていて、これはスタートアップに与えられた特権だと思っています。
もし同じように、新たな試みを大手保険会社が行ったとしても、批判や風当たりも強いでしょうし、さらには失敗も許されないでしょう。ただし、我々ならおそらく大手保険会社の3倍の速度と3倍のアウトプット量で試行回数をこなしていけると思っています。
新たな挑戦を常に行い、知の深化と探索を両立させる
―畑さんはこの1~2年で会社をどういう方向に持って行きたいと考えていますか?
財務的な部分に関しては、安定してきていると考えています。ただし、その安定に満足するのではなく、新たな挑戦は常に行っていきたいです。そうすれば、既存の事業を深めていく「知の深化」と、新規事業を展開する「知の探索」を両立させる「両利きの経営」が実現できると思うからです。
―普段、社員にはどのようなメッセージを投げかけていらっしゃるのでしょうか?
合言葉のように社内で発信しているのが「2025年3月には、月2件の案件をデリバーする」ということです。今年度は0.8件ぐらいだった数字を2倍以上にする。その供給力を高めることに注力しています。今、社内の最重要KRのうちのひとつが「開発効率の改善」で、社内に浸透しつつあります。
0.8の生産性を2.0に上げるのはかなり大変です。そのため、社内だけでなくパートナー企業との協力も視野に入れています。これまでとは違った武器を持って企画提案もしていますし、少しずつですが動き出しています。
入社いただきたいのは「金融SIer出身」で「はじめての転職」を考えている人
―採用活動において重視していることについてお聞かせください。
私は転職に関して、「連続性」と「非連続性」という言葉をいつも使っています。
たとえば私がワインと食事が好きだからといって急にシェフを始めたとしても、料理の経験がないので確実に失敗しますよね。20年にわたって保険業界にいたのに保険に関係ないことをする、また直近5年はIT業界にいたのにITに関係ないことをする。これで成功を目指すのは難しいので、なんらかのかたちで重なる領域がなければならないとは思っています。
ただ、まったく同じことをしていくのも必ず飽きがきますし、成長も限られてしまいます。
よって重要なのは、「連続性」の部分における即戦力性と、「非連続性」の部分で飽きない仕事を見つけてチャレンジできるかどうかです。
この「連続性」と「非連続性」の2つのバランスを良い形で持っているのが望ましいと考えています
―畑さんはこの業界が今後どうなっていくと思われますか?
現在コロナをきっかけとして変わろうとしている業界において、共同利用のPaaS、SaaSを利用いただく。これにはすでに実績があります。当社で行っている事業は、今後さらに市場価値が高まると信じています。
また、金融業界自体がなくなることはないでしょう。どれだけDeFiだといっても、銀行や証券会社はなくならないし、これからDeFiをみんなでやるぞといった時に活躍できるのは、おそらく金融業界で勤めていた人でしょう。そういった背景から、不安の少ない業界であるとは思います。
―どのような方にジョインしていただきたいとお考えですか?
「金融SIer出身で、初めて転職を検討している方々」にはぜひご入社いただきたいです。私が専門外だった分野において「なんとかしたい」と思っていたことを、ひとつの企業に在籍し、何年にもわたって実行されてきています。
そのような方となら、内側から外に向けて一緒に変えていくことができるのではないか、と思っています。
―最後に、justInCaseTechnologiesへの入社を検討している方へ、メッセージをお願いします。
私が転職希望者の方にいつもお話していることが、先ほどもお伝えした「連続性」と「非連続性」です。
自分を生かせる環境が当社にあるかどうかは、転職には非常に重要です。面談時にはいつも、応募者のキャリアにおいて当社で提供できる「連続」する部分と、「非連続」の部分について正直にお伝えしています。その点に共感していただける方に、ぜひ、いらしていただければと思います。
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