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- 代表執行役員社長
- 挽野 元 氏
採用企業インタビュー
目指すのは、「一家に一台」が当たり前になること─
「ルンバ」のメーカー・アイロボット社TOPインタビュー
アイロボットジャパン合同会社
- 代表執行役員社長
- 挽野 元氏
2002年より販売を開始した家庭用ロボット掃除機「ルンバ」。以来着実に認知度を上げ、日本での販売台数は北米に次ぐ市場規模になっている。その開発・製造企業である米 iRobot Corporation(以下、アイロボット社)は、2017年4月に日本法人 アイロボットジャパン合同会社を創業した。今回は日本法人の新社長に就任した挽野元氏に、同社のビジョンや社風・求める人材などについて伺った。
はじめに、アイロボット社についてお聞かせください。
アイロボット社は、現CEOコリン・アングルほか2名で1990年にアメリカで設立されました。この3名はいずれもアメリカのマサチューセッツ工科大学(以下、MIT)で最先端の人工知能を研究していた科学者です。設立以来25年以上にわたってロボティクス技術の開発を手がけています。
日本法人設立の背景と、設立後のアイロボット社としての変化はありますか。
日本はアメリカに次ぐ重要な市場ですので、戦略的に投資して市場を拡大するため、日本法人を設立しました。
代理店販売から直販になることでお客様との距離は近くなりますので、製品に関するお客様のニーズを吸収するスピードは早くも改善していると感じます。また、グローバルカンパニーとして、日本・欧米各地域とのより早く、より良い情報共有によってビジネス展開できるようになってきていると思います。
ロボット掃除機は多くのメーカーが参入しています。その中でアイロボット社の製品の強みは何でしょうか。
我々の強みはロボティクス専業メーカーであること、つまり、技術です。
ロボットが効率良く動くために必要な空間認識のアルゴリズム(広さ・距離や位置・障害物などを認識する機能)について、当社には全世界で25年以上培ってきたデータ・技術があります。
「ルンバ」や他の当社製品を利用されているお客様からも、「きちんと掃除されている」点はご評価いただいておりますので、このロボティクス技術は我々の強みであると自負しています。
製品が増えることでマーケットは活性化し、お客様の選択肢も増えますので、競合他社の参入はプラスに捉えていますよ。
確かに、25年以上のデータ・技術の積み重ねは絶対的な強みですね。今後はIoT(Internet of Things)領域の技術開発も進められていくのでしょうか。
そうですね。「ルンバ」や「ブラーバ」とスマートフォンを連携させるアプリ「iRobot HOME」に、清掃した情報を図面化する「Clean Map レポート」機能を2017年3月に追加しました。この機能と家全体・全ての部屋を動き回るロボット掃除機の特性を応用させて、高齢者の見守りや留守宅の監視などスマートホームの1デバイスとしての展開の可能性なども検討しています。
製品開発以外でも現在注力しているポイントはありますか。
現在4%のロボット掃除機の世帯普及率を、10%にまで伸ばすことです。当社製品の累計出荷台数は200万台(2016年10月末時点)を超えていますが、私が目指すのは「一家に一台」が当たり前になることです。日本は少子高齢化が進んでいること、共働き世帯が増加していることからも、ロボット掃除機の利便性を理解いただけるご家庭が増えていると思いますので、まずは世帯普及率を伸ばすことに注力しています。
シニア世帯・共働き世帯など、ニーズは感じながら購入には至らない層に対して具体的にはどのようなアプローチをされるのでしょうか。
ライフイベントに合わせたアプローチを計画しています。
ロボット掃除機の認知度と前述の世帯普及率に差があるのは、ロボット掃除機のことは知っているが、実際に家の中にあって、さらに自身が使っているイメージを描きづらいため。そのイメージを描きやすいタイミングをお客様目線で考えると、引っ越しや働き方・家族構成の変化などのライフイベントであると考えています。
新しい生活が始まる時は、物や生活スタイルも新しくしたくなりますよね。
ご購入いただいたお客様からはロボット掃除機を使うことで家事の時間短縮はもちろん、「掃除をしなくては」という気持ちの負担まで軽減されたとのお声もいただいており、お客様の生活自体を変えるきっかけに携われることをとても嬉しく思います。ご自宅のロボット掃除機に名前をつけてペットのように可愛がっているお客様も多いようですよ。
「生活が変わる」タイミングに「生活を変える」提案をすることで新しい顧客層にリーチすることができそうですね。続いて、社長として感じられる御社の魅力をお聞かせください。
当社はチームで協調・協働しながら世界を変えよう、というコラボレーション・カルチャーが非常に強い会社です。
また、当社の設立者の出身であるMITは私のように大学・大学院で工学を専攻していた人間からすると憧れの存在なのですが、そのMITの流れを汲むテクノロジー開発に携わることができます。
私自身、このカンパニー・カルチャーとテクノロジーの双方に非常に魅力を感じています。
挽野さんが経営者として大事にされていることはありますか。
3つあります。1つ目はプロとしての価値を創出すること。仕事に費やす時間は一日の多くを占めます。その時間で、自分は会社にどのような価値を提供できるのかを常に考え実行しています。
2つ目はチャレンジをすること。私は「コンフォートゾーンを外れよ」という話をよくします。同じことを繰り返す「作業」は心地よいのですが、成長できません。あえて現状を打破しチャレンジすることを、自戒を込めて伝えています。
3つ目は現場の声を聞くこと。当たり前のようでいて難しく、だからこそ非常に重要だと考えています。店頭やカスタマーセンターなど、お客様と直に接するメンバーが感じていることこそが最前線の本質です。私のミッションは世帯普及率を広めるための大きなプランを立て、現場の意見を組み合わせながら実行していくことだと肝に銘じています。
最後に、今後の御社の事業拡大を担う人材にメッセージをお願いします。
ロボットが好き、テクノロジーが好きであることは何よりも大切です。また、日本法人は設立間もない時期ですので、全員で会社を作っていきたい、チームワークで仕事をしたいと思える方を歓迎します。
当社はこれまでは「0を1」にするスタートアップ期だったのに対し、これからは「1を100」にするスケールアップ期、第二の創業にあたります。これまでとは異なる難しさがあるとは思いますが、ロボティクスを通して世界を変えたいとお考えの方であれば、外資系企業経験にかかわらずご活躍いただけると思っています。
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