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「メーカー」から「ソリューションプロバイダー」へ進化し、
建設業界の課題解決を支援

日本ヒルティ株式会社

※このインタビューは2023年9月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
堺 直樹氏
日本ヒルティ株式会社
代表取締役社長 堺 直樹氏

ヒルティは、ヨーロッパのリヒテンシュタインにグローバル本社を置く、建設用工具・材料メーカー。世界120カ国で事業を展開しています。
日本拠点である日本ヒルティでは、現在、営業職の採用を強化しています。

「メーカー」から「ソリューションプロバイダー」への進化を打ち出す同社では、営業がどのように活躍し、どのようなカルチャーが築かれているのか、代表取締役社長の堺直樹氏にお話を伺いました。

日本ヒルティでは、デジタルも活用したコンサルテーションで建設業界の生産性アップを支援

―日本ヒルティでは営業職の求人・採用に力を入れていらっしゃいますが、営業が担う役割をお聞かせください。

これまで、建設用の工具・材料メーカーとして、建設業界のお客様に製品の案内やデモンストレーションを行うのが営業職の主な仕事でした。しかし、グローバルで「メーカー」から「ソリューション」へシフトしており、現在は仕事の幅が広がっています。

たとえば、同じ工具を提案するにしても「このドリルはいかに速いスピードで穴を開けられるか」といった性能をプレゼンテーションするだけでなく、顧客規模やプロジェクト内容に応じて「どの工具をどれくらいの数を保有しどのように管理するのが最適か」を提案するのです。

そのようにアセットを最適化するコンサルテーションによって「数が足りない」「使おうとしたら壊れていた」といった事態による現場のロスを防ぎます。

かつ、昨今は工具のデジタル化が進んでいます。工具に搭載されたセンターがさまざまな情報を蓄積し、そのデータをクラウドで管理し、AIにより効率的な使用法などについてフィードバックする。

それを積み重ねていくと「この業種・この規模のお客様であれば、この製品をこれだけの数保有し、メンテナンス頻度はこれくらいで、何年スパンでバッテリーを交換するとよい」といった知見が蓄積され、高いレベルでのコンサルテーションが可能になります。こうした営業スタイルへシフトし、体制強化を図っていきます。

実は、工具は1年ほど使用を続けると性能が10%ほど下がります。5年使えばパフォーマンスが60%くらいに低下する。ところがお客様は気にせずに使い続け、壊れるまで気付かないことも多いのです。

結果、作業時間のロスを生んでしまうので、ここを統治できれば現場の生産性は飛躍的に改善されるでしょう。

私たちとしてはお客様の現状や課題をしっかりヒアリングして「このようなソリューションに変えると、こんなメリットがあり、年間○万円のコストダウンにつながる」といったことを、定量化しながら提案していきたい。ヨーロッパではすでにそのような世界になっていて、日本ヒルティでもそれができる営業を求めています。



―営業の役割は、その先にはどのような広がりがあるのでしょうか。

次の段階では、設計から施工管理までのプロセスをデジタルで効率化すべく、取り組みを始めています。私たちのお客様である建設業界は、まさに今「生産性の改善」という大きな課題を抱えています。

労働者が減っていくなかで建設投資は年々増加。建設プロジェクトが続々ともち上がる一方で、2024年4月からは労働基準法改正により残業上限規制が施行されます。つまり、いかに少ない人員でどれだけのアウトプットを出せるかを、各社が模索している状況です。

今、さまざまな業種でDXが進んでいますが、建設業ではいまだに設計図を紙で作成し、現場へ持っていってチェックし、不具合があれば設計士のところへ持ち帰って修正をする……という非効率なことが行われています。非常に時間のロスが大きいですよね。

そこを設計~図面変更・施工管理までデジタル化すれば、大幅な効率化が実現します。それを私たちのソリューションでサポートします。

そして、さらに次の段階も準備を進めています。顧客の「ビジネスマネジメント」です。調達管理や契約管理・行動管理など一連のビジネスマネジメントをデジタルで一元化し、最適化するための取り組みを進めています。

ヒルティグループでは「メーカー」から「ソリューションプロバイダー」へ進化させていくビジョンを数十年前から描いていました。それを今、実践しこれから10年20年の成長をつくろうとしているのです。

それにともない、営業担当が担う役割も以前から変化していきます。単なる「工具販売」ではなく、顧客の本質的な課題の解決に貢献したいと考える人にとって、面白い環境であると思います。



イノベーティブで、「パフォーマンス」と「ケアリング」のバランスに優れた日本ヒルティ

―ここからは、御社の風土・カルチャーについて伺います。堺社長は複数の異業界を経て、2011年に日本ヒルティに中途入社されたそうですね。

おっしゃるとおり、私はさまざまな業界を経験してきました。大学院では材料工学を研究し、新卒で東洋エンジニアリングに入社。材料技術の分野でキャリアをスタートしたんです。しかし、4年ほど働いた後、物足りなさを感じました。

もともと「大きなプロジェクトを動かして社会に貢献したい」という思いが強かったのですが、大手企業の細分化された組織では狭い分野しか担当できません。年功序列の風土で、大きなプロジェクトを動かせるようになるまでに15年~20年はかかると気付き、転職に踏み切りました。

デロイトトーマツコンサルティング(現:アビームコンサルティング)に入社し、エネルギー会社などのプラントの最適化のコンサルテーションを担当。しかし、いずれは事業会社に戻りたいと考えていたため、P&Gジャパンに転職。これまでとはうって変わって、シャンプーやコンディショナーといったヘアケア製品を担当するマーケティングチームに所属し、ブランドマネジャーを務めました。そこで8年ほど過ごし、2011年、日本ヒルティに転職したんです。



―さまざまな業界を経てきた「転職者」の視点で、日本ヒルティにどのような魅力を感じたのですか?

転職先として日本ヒルティを選んだ理由は、大きく2つあります。

1つ目は「世の中の役に立つ仕事をしている会社」だから。どんなメーカーでも、自社製品を活用して顧客に改善や新たな価値を提案する活動を行っていると思いますが。そのなかでも、ヒルティの建設業界に対するソリューションは、イノベーションを起こす力において圧倒的だと感じました。

「ヒルティの製品・ソリューションを顧客に正しく導入することができれば、すごいインパクトを与えられる」と。イノベーション創出にここまで真面目に、このレベルで取り組んでいる企業はなかなかないと思ったのです。

また、私が企業を選ぶ際には「どんな人がどのように働いているか」を重視しています。日本ヒルティでは「パフォーマンス」と「ケアリング(優しさ、援助、思いやり)」のバランスが極めて良いと感じたのが、2つ目の入社理由です。

パフォーマンスを重視しすぎると職場の雰囲気や人間関係がギスギスしてしまうことがありますが、ヒルティにはそれがない。もちろんプロフェッショナルとしての在り方は厳しく求めますが、少なくとも仕事に対して真面目に誠実に向き合っている社員に対しては、十分なサポートをします。

もともと創業者は人を大切にする思いが強く、そのカルチャーが80年以上脈々と受け継がれています。そんな風土で育った人たちがシニアマネジメントのポジションに就いているので、人を人として見ている。けれど、プロフェッショナルとして仕事はしっかりやる。

面接時に会った人からそのバランスの良さを感じたのですが、入社から12年経った今「やはりそのとおりだった」と確信しています。



日本ヒルティ社内で「カルチャー」をディスカッションするできる強み

堺 直樹氏

―長く続いてきたカルチャーを、どのように守っている、また進化させているのでしょうか。

一般的な「カルチャー」というと、社員が普段話している言葉や行動の集積がカルチャーになり、浸透していくものだと思います。一方、ヒルティでは社員が集まってカルチャーを「ディスカッションする」場をたくさん設けています。案内人として、「シェルパ」と呼ばれる専任担当者も置かれています。

たとえば「チームキャンプ」というイベントがあります。2~3年に一度、カルチャーをテーマとしたディスカッションプログラムをつくり、リヒテンシュタイン本社のエグゼクティブボードから各国のゼネラルマネジャーへ、経営メンバーへ、チームメンバーへ……と落とし込んでいきます。

つまり同じプログラムを世界中で1~2年かけてやる。日本ヒルティでは約600人の社員全員がチーム単位で参加して行います。

これがよくできたプログラムで、ビジネスとも連動させながらカルチャーとしてどのようなチームをつくっていきたいかを話し合う。それはもう、ちょっと恥ずかしくなるくらい、青臭いディスカッションを展開します。夜はキャンプファイアーを囲み、それぞれが自分をオープンにして語り合います。
多大なコストがかかるイベントですが、それだけカルチャーづくりに価値を置いているということですね。

このようにグローバルが主導するもののほか、現場で働く人たちによるボトムアップでの活動もあります。
さまざまな部署からメンバーを集めたクロスファンクショナルなチームが、1年間のイベントを企画。家族も参加するファミリーバーベキュー大会・子どもたちのオフィス見学など、交流を活性化させるとともに家族にもヒルティのファンになって応援してもらえるような施策を実施しています。

「オーナーシップ」をもてば、働きがいを感じ仕事は面白くなる

―2021年に社長に就任されましたが、「マネジメント」の方針やスタイルについてお聞かせください。

日本企業から転職してくる社員も多いのですが、やはり最初はギャップを感じるようです。
日本企業の多くはヒエラルキーがあり、それぞれが与えられた役割や業務をしっかり遂行することで一つの大きなチームとして進んでいくモデルが一般的です。しかし、私たちの組織は少し異なります。

グローバル企業なので「ダイバーシティ」を重視する。一人ひとりがいろいろな考えを持っていてよくて、意見を交わし、ときにはぐちゃぐちゃになりながらも一つのソリューションをつくっていきます。

日々の業務にしても、管理職が細かくマネジメントすることはありません。一人ひとりに役割や目標がありますが、それをどのように達成するかは自分で考えます。
とはいえ、自分だけに集中するのではなく、会社に起こっている全てのことを「自分ごと」と捉え「今、何をすべきか」を考えて行動してほしい。

その姿勢を「オーナーシップ」と呼び、オーナーシップをもって働くカルチャーをつくっています。

ですから、社員は皆「平等」という感覚を大切にしています。社長もマネジャーもメンバーも、ポジションが異なるだけで「上下関係」はない。実際、社長も新入社員も皆、「さん」付けで呼び合っていますよ。

上司からの指示を待つよりも、自分で考えて動いた方が早いですよね。それでミスをしたってかまいません。ミスをしても、それを教訓としてPDCAを回していく。そんな機動力が高いカルチャーづくりを目指しています。

若手の皆さんがこれからキャリアを築いていくためにも、「オーナーシップ」は本当に大切だと思います。これを持たないと、どんな仕事にも「やらされ感」を抱き、つまらなくなってしまう。

「自分はこう考える」「自分はこうしたい」というマインドを持っている人は、10年後20年後、リーダーの役割を担っていけるでしょう。

なお、人事考課にかなり時間をかけているのも当社の特徴です。全階層の一人ひとりについて、どこで成果を挙げ、どこに問題を抱え、将来どのようなキャリアへ進むのかをディスカッションする機会が多数あります。 その機会に、社員からも「自分はこういうキャリアを目指したい」と意思表示することができます。もちろん、希望が全てかなえられるわけではありませんが、手を挙げられる環境があります。

―日本ヒルティへの入社を検討されている転職者へのメッセージをお願いします。

堺 直樹氏

当社は、きっちりと管理された組織で規則正しく働きたいタイプの方にはマッチしないでしょう。しかし、オーナーシップをもって働きたい方にとっては面白い環境だと思います。

そしてやはり、「世の中にどのように貢献したいか」を考えていただきたい。60代70代になったとき、「私はこういうことをして社会に貢献してきたんだ」という手応えを得られることを意識すれば、モチベーション高く働けるでしょう。

そして、ヒルティでの仕事は「社会貢献」を強く感じられると思います。

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