※このインタビューは2025年1月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
採用企業インタビュー
AIソリューションのトップ企業として「社会実装」を実現するヘッドウォータース。日本で実績のないプロジェクトを多数リード
株式会社ヘッドウォータース

- 株式会社ヘッドウォータース 代表取締役 篠田庸介氏
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AIソリューション領域において日本トップクラスの実績を持ち、「マイクロソフト ジャパン パートナー オブ ザ イヤー 2024」においては「AI イノベーション パートナー オブ ザ イヤー アワード」を受賞したヘッドウォータース。多様な業種の大手企業とAI活用プロジェクトを「伴走型」で手がけ、多くの先進事例を生み出しています。設立20年目で大きな事業拡大フェーズを迎え、プロジェクトマネジャーやテックリードの採用を強化しています。
代表取締役の篠田庸介氏に、現在の地位を築くに至った経緯と背景、独自の強み、今後の展開、チーム作りへのこだわりなどについて伺いました。
AI企業として、他社とは異なる生まれ方・育ち方をしてきた
―― AI開発領域において日本トップクラスの実績をお持ちであり、2024年にはマイクロソフト社の「AI イノベーション パートナー オブ ザ イヤー アワード」を受賞されました。どのようにこの地位を築かれたのか、これまでの歩みをお聞かせください。
ヘッドウォータースはAI企業として、ほかの多くのAI企業とは異なる生まれ方、育ち方をしています。AI企業にはアカデミックから立ち上がった研究型企業が多く見られますが、私たちは「AI×ビジネス」「AI活用で費用対効果を生む」ことにコミットし、そのために必要なもの全てを一気通貫で提供する会社として歩んできました。AI活用を目的とするのではなく、ビジネスを成立させるためにAIを活用し、誰かを幸せにすることや企業活動の成功に寄与することが基本的なスタンスとしてあります。
この会社はもともと私が1人で、2005年に立ち上げました。その当時から、エンジニアは技術だけでなく「ビジネス」の観点でスキルを兼ね備えるべきだと主張してきました。世の中を変えるイノベーションを起こす主役はエンジニアなのだから、作業者としてシステム開発だけして満足していてはいけない、と。当時まだコーディングスキルのみを重視するエンジニア採用が一般的な中、「説明会に来てくれた3%でもこの考えに共感してくれる人を仲間に迎えたい」と思ってこのメッセージを送っていましたね。
そのようなスタンスでデジタル領域に取り組み続け、2014年にはソフトバンクロボティクスの人型ロボット「Pepper(ペッパー)」のアプリケーションを独占的に開発するようになりました。何千台もの人型ロボットが社会で働くのは歴史上で初めてのこと。新たな領域でNo.1になることに、大きな価値があると考えていました。仲間たちと一緒に「この事業で世の中を変えた」という実感をもって走り抜けたいという気持ちがベースにありました。
Pepperのコアテクノロジーは「AI」であり、そのAIを活用したソリューションを抽出して事業化しました。ただし、AIというワードに集約しているものの、私たちは「一歩先の未来の『こうあったらいいな』を実現するソフトウエア」と捉えています。そして、AIは最先端テクノロジーではあるものの、単独で動けるものではありません。データを蓄積・分析するためのクラウドなどの基盤構築、スマートフォンなどのアプリケーション開発の技術も必要です。それら全体を最適な形で構成して継続運用できなければ、AIはビジネスになりません。だから、AIを中心としつつ、さまざまな最新テクノロジーを組み合わせた「実装」にこだわってきました。
―― 2016年にはマイクロソフト社のパートナーとして、AI事業を開始されたのですね。
当時はAWS社が注目されていましたが、「Microsoft Office」を持ち、BtoBのための体制整備を徹底しているマイクロソフト社と手を結ぶ道を選択しました。Azure AI サービスを活用した画像解析や音声認識、Azure Machine Learningを活用した機械学習、Azure IoT Edgeを活用したエッジAI開発など多くの開発に取り組み、2023年からは生成AIを積極的に導入。案件の実績が増え、先進的な事例も公開して、さらにAI活用支援サービスのラインナップを拡充しています。
2024年には、マイクロソフト社の「AI イノベーション パートナー オブ ザ イヤー アワード」も受賞しました。マイクロソフト社における生成AI領域のトップということは、日本のエンタープライズ企業への導入に関して日本No.1のポジションを獲得できたということです。現在、生成AI関連で難易度が高い開発案件は基本的に最初に私たちのところに話しがきており、実績を蓄積し続けています。
多様な業種のエンタープライズ企業と「日本初」のAI活用事例を生み出す

―― これまでの実績として、どのような事例があるのでしょうか。
幅広い業種で多数の事例があり、エンタープライズ企業とのプロジェクトが8割以上を占めています。最近では、大和証券様との協働により、お客さまからの問い合わせに応対する「大和証券AIオペレーター」を開発しました。お客さまを待たせることなく応対し、目的に応じて有人対応の窓口とAIオペレーター専用番号を選択。会話形式の応答でマーケット情報提供から事務手続きまで対応します。AIが対応するなかで金融商品取引法に抵触しないためには、複雑なバックサイドを作り上げなければなりません。厳しい法律がある先進国で、AIオペレーターでここまで広範なサービスを提供できた事例は日本の金融機関初、おそらく世界でも初だと思います。
また、西日本旅客鉄道(JR西日本)様では、駅員さんの業務をサポートする生成AI「Copilot for 駅員」の開発支援を手がけました。例えば、「この状況で、このルートで予約したチケットをこのタイミングでキャンセルしたらいくら返金される」といった複雑な仕組みも、タブレットで瞬時に回答を得られるといった機能を備えています。
ローソン様では、商品棚の状況を効率的に自動検知して可視化。さらに顧客の店内動線や滞留時間などの行動データを解析し、棚の最適化や店舗施策の改善へつなげる取り組みをしています。
このように、ここ7~8年で最先端の事例を蓄積してきたので、続々と新たな依頼をいただけています。もちろんマイクロソフト社からの紹介もありますが、事例を積極的に公開することで超大手企業から会社のinfoアドレス宛に問い合わせがくることもあります。そうしてまた、誰もやったことがない新たな事例を生み出せるのです。
―― お客さまから評価、信頼を得ているのはどのようなポイントなのですか。
いくつかありますが、大きなポイントとしては、作って終わりではなく、実際に現場で使うところまで伴走することです。PC上でデータを見せるだけでなく、例えば、お客さまの店舗・工事現場・倉庫などへAIエンジニア自身が足を運び、画像解析を適切に行うためのカメラの調整などを行うこともあります。最先端のテクノロジーを使いながら、「現場で一緒に汗をかいてくれる」というのは喜ばれるポイントの一つです。
そして、「コスト」を考え抜くこと。精度の高さが重要な部分にはAIが必要ですが、その運用にはコストがかかる。そこで「この部分はAIではなく普通のプログラムでいい」といったように、全体を俯瞰してコストパフォーマンスを最大化する「構成」を提案できることも私たちの強みです。
日本企業が世界での競争力を取り戻すため、イノベーションの裏側の中心にいたい
―― 今後の展開をお聞かせください。どのような会社にしていきたいと思われますか。
最先端のテクノロジーを社会実装していくという方向性は今後も変わりません。2025年は「AIエージェント」の活用範囲拡大がテーマとなります。その実装には、セキュアな環境や「即答が必要」「間違いが許されない」などさまざまな問題が出てきます。全てのプロセスをAIで処理していたらコスト的に使い続けることは難しいです。そこで先ほど触れたように、私たちの「構成」の力がより活きてくるでしょう。
近年、日本の大企業はさまざまな分野で海外企業との戦いで苦戦を強いられています。日本の大企業がもう一度力を取り戻して世界に打って出るにあたり、ヘッドウォータースがデジタル分野のパートナーとして裏側にいる状態にしていきたいと思います。名前は知られていなくても、日本のイノベーションやDXの中心にヘッドウォータースがいる状態を目指していきます。
これまで、その役割を担っていたのは大手SIerでした。けれど事業が大きく強くなっているSIerでは、既存のビジネスモデルとそれによって築いた基盤も守っていかなければならないでしょう。そうしたなか、これからの企業のイノベーション創出をフットワーク軽く支えられるのは、私たちのような企業であると考えています。後発の小規模ベンチャーは自己否定ができるからこそ、大資本をもつ先行企業を差し置いてGoogleやAmazonなどが生まれ成長できたわけですから、私たちは、日本のDXやデジタルを活用したイノベーションの裏側にある基盤を根こそぎ引き受けられるようになりたいと思います。
そのためには、国内外のパートナー企業と連携も強化していきます。マイクロソフト社をメインに、代表的なIoTデバイスとしてソニー社、データ基盤では今年、米データブリックス社との協業でラボを新設しました。
―― グローバルへの展開も視野に入っていますか。
アメリカで開催されている世界最大級のテック展示会「CES」へ視察に行き、さまざまなセッションに参加しましたが、事例においては当社の方が進んでいると思いました。アメリカで「このようなことが起きている」「このようなことができる」と紹介された個別事例で、「うちはとっくにやっているよ」というものが結構あって。プラットフォームやAIエージェントはアメリカの方が強いですが、個別事例となれば十分戦えるという手応えを得ました。
ただ、私たちはまだまだ小さな企業なので、グローバル企業へ成長するためには自社だけでなく、大手企業の顧客基盤やセールス基盤を活用するのが有効です。例えば、マイクロソフト社がIBMにOSを提供して拡大したように。私たちのパートナーであるマイクロソフト社では、CEOのナデラ氏が本社で私たちの事例を紹介していたり、ソニー社がIoTデバイスを活用したソリューションをシンガポールやニューヨークなどの展示会で紹介していたりします。データブリックス社は時価総額10兆円規模の企業ですが、データ統合といった価値観が生まれてまだ間もなく、アジアにパートナー企業がまだほとんどありません。私たちはベトナムにも拠点を持っているので、アジアを中心にしながらデータブリックス社の基盤に乗って世界へ展開していきます。このように、世界のトップ企業と組んで成長し、世界へ打って出たいと思います。
フラットで主体的に動けるチーム作りで、クリエイティビティを最大化する
―― ビジョンの実現に向けて、どのような組織・チームを作っていくのでしょうか。

AIビジネスとは何か、まだまだ誰も分かっていない段階です。そのような事業に取り組むためには、クリエイティビティを最大化しなければなりません。日本の多くの企業は、上意下達の組織で運営されてきました。事業構造によっては、そうした組織形態も悪くないでしょう。しかし、イノベーションをリードするためにクリエイティブであろうとするなら、ヒエラルキーがないフラットな環境で、ボトムアップで運営していくのがいいと思います。一定の価値観やルールに基づきながらも、一人ひとりが主体性をもって動くチームを作っています。上からの圧力がなく、自主性とプロとしての責任感をもって、チームを良くするため、お客さまに価値を提供するためのクリエイティビティを発揮できることが理想です。
実際、当社は9割以上がリモートワークで、年1回出社するかしないかというメンバーが多数いますが、生産性は上がっています。
―― リモートワークが定着しているのですね。
今、200名前後の規模ですが、1割程度は関東圏以外に住んでいます。宮城、愛知、大阪、あとは広島にも結構な人数がいますね。関東在住でも、2年ほど出社していないメンバーもいます。
ただ、先にも触れたとおり、お客さまに伴走して一緒に頑張ることが私たちの重要なテーマのため、自社オフィスには来ていなくても、お客さまのところには行っています。つまり、無意味な出社は強制しないし、リモートワークを推奨もしていない。各自、目的のために必要なことを自分で判断してハイブリッドワークをしているのです。
―― 新たな仲間として、どのような人を迎えたいと思われますか。
人に対して敬意を持ち、相手を尊重して接することができる人、仲間が困っていたら「協力したい」と自然に思えるような人が、当社のカルチャーにマッチすると思います。
また、指示されたことを着実にこなせる人も評価しますが、主体性をもって行動を起こせる人であれば、中途入社であっても上のポジションに上がっています。例えば、自社を良くするための施策や仕組みを提案したり、クライアントに新しい提案をしたりなどです。自分自身で考えて動きたい人にとっては、好きなキャリアを積めるし、ワークライフバランスもとれるし、最高に自由な環境です。
現在、事業拡大に向けて採用を強化しております。私たちの理念に共感し、一緒に働いてみたいと思っていただいた皆さまからのご応募を心よりお待ちしています。
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