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プレシジョン・ヘルスを目指し、テクノロジーの実装を通じて日本の医療に貢献する

GEヘルスケア・ジャパン株式会社

※このインタビューは2021年3月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。

GEヘルスケア・ジャパン株式会社
執行役員
アカデミック本部長 兼 エジソン・ソリューション本部長

松葉香子氏

1982年に創業したGEヘルスケア・ジャパンは、医療課題の解決に取り組むヘルスケア事業を手掛ける会社だ。GEの最先端技術を活用したCTやMRIなどの各種医療用画像診断装置の開発、製造、販売に加え、AIやデジタルソリューションの提供を通じて、医療・研究機関向けに様々なサービスを提供している。同社が近年注力している取り組みやコロナ禍での変化、求めている人材などについて、同社の執行役員でアカデミック本部長とエジソン・ソリューション本部本部長を兼務する松葉氏に聞いた。

松葉様のご経歴を教えてください。

大学卒業後、郵政省にて郵便事業および地域医療連携などを含む情報通信政策に従事。その後アメリカへ留学し、病院向け業務改善コンサルタントや大学病院で病院長補佐・経営企画業務などを経験しました。
アメリカでの10年にわたる勤務を経て2010年に帰国し、GEヘルスケア・ジャパンに入社しました。その後2018年にアカデミック本部長の職に従事しています。
2020年7月には、現在もう一つ兼務しているエジソン・ソリューション本部本部長に就任致しました。病院におけるケアの質を落とすこと無く、医療の生産性や効率化、ガバナンス強化、組織改編などを、ICT系のツールを活用しお手伝いするのが部署の役割です。GEとして、お客様のアウトカム(患者さんへの診断治療の質や健康維持に限らず、運営面の効率向上を含む)に貢献するソリューション開発を目指しています。
我々がこうした活動を行う背景には、少子高齢化・人口動態の変化によって医療を含む様々な分野で新たな課題に直面するとされる「2025年問題」や、更にその先の「2040年問題」への対応が念頭にあります。日本政府として、これまで取り組みを進めてきたことで2025年問題への対応にはある程度目途が立ったとの考えもあるようですが、2040年問題などその先の課題にも対処するために、今後も医療提供体制の適正化が必要であることには変わりありません。

エジソン・ソリューション本部本部はGEヘルスケア・ジャパン様としても新しい取り組みなのですね。

はい、そうです。我々が1社で出来ることは限られているので、様々なパートナー様と連携していこう、というのが立ち上げの趣旨ですね。病院の運営には、直接の医療従事者を支えるチームとして電子カルテの開発会社様や、ITネットワークの提供会社様、コンサルティング会社様など、様々なプレイヤーが関わっていらっしゃいます。また病院内でも、複数の診療部門にまたがるような取り組みが増えています。今後予想される課題へ対処するためには、全体最適の視点から病院運営を効率化する必要があると考えています。
これまで病院において全体最適を目指す取り組みは課題として認識されながらも、なかなか進められてこなかった現状があるかと思います。しかしその分、課題解決策の実行余地が大いにあります。我々としても、これまでは診療報酬ありきの市場を前提としてきましたが、全体最適のお手伝いをすることで、診療報酬だけに頼らない持続可能な形での新たなビジネススキームを作れるのではないかと考えています。

GEヘルスケア・ジャパンの強みはどんなところでしょうか

強みの一つとして、製造工場と技術開発の拠点が日本にあり、外資系でありながら日本のお客様に近い距離感で長年にわたり業務を行ってきたということです。GEと横河電機の合弁会社として創設された当初から、日本は技術開発の拠点と位置付けられていました。外資系ですと、国外で製品の企画や製造を行い、日本では販売機能を担うという形になりがちです。しかし我々はそうではなかったため、多くの地場の日本企業様とパートナーシップを築くことが出来ました。それが今日まで繋がっていると感じています。
ICTに関しても多くのパートナー様がいらっしゃいます。体の外から中を見るための画像診断装置は、90年台の終わり頃からICT化が進み始めました。そこからICT関係のパートナー様とのお付き合いが始まり、今ではもう20年以上にもなります。
GEヘルスケア・ジャパンは、GEグループのGEヘルスケアという医療部門の、更に日本の子会社という形でありながら、日本語の社是があります。「我々は、患者さんのために最善を尽くすことに誇りを持つ」というもので、意味するところは、主役は患者さんを支える医療従事者の方であり、更にそれを支えるのが我々であるということです。こうした社是があることからも、我々が日本市場にいかに注力しているか、溶け込んでいるかをお分かりいただけると思います。

他社との違い、といった観点ではいかがでしょうか。

エジソン・ソリューション本部本部の取り組みとも一部重なりますが、これからは競合他社様とも一部協力出来る部分が出てくると考えています。医療が高度になればなるほど、例えば「A社は脳神経領域のこの部分に強い」「B社は胸部腹部領域のこの部分に強い」といったことが出てきます。我々としては自社の利益のみを追い求めるのではなく、地域の病院ありきで考え、勇気を持って他社製品の素晴らしさを認め、最適なものの導入を促すべきではないかと考えています。
その一方で、我々が扱う医療機器の中にも汎用機は存在します。そうした製品の品質を落とさずにいかに安くご提供出来るかは、それぞれの企業のプロダクティビティに依っていると思いますので、そこでの競争には勝たなくてはなりません。

新型コロナウイルスの影響はいかがでしょうか。

コロナによって世界的なパンデミックが起き、「先行きが不透明な事象にどう対応するか」が医療現場における大きなテーマになっています。
ただ、医療現場は普段から、不連続なことに連続して対応する場所です。何らか有事があって患者さんへの対応が始まりますが、患者さん個々人の症状やご家族の状況などは様々に違っており、そういった不連続なことに都度対応されています。今回は、そこにコロナによる予測不可能性が加わったことで、医療従事者の方のキャパシティー確保、質と効率のバランスが大きく影響されていることが最大の課題だと認識しています。 そのため、不確実性に対してICTツールでどこまで現状の可視化と予測可能性を上げられるかということの重要性がより強くなっているのではないかと感じています。
一方、新しいツールを入れても対価に見合った価値を提供出来ないと導入が広がらないとも思いますので、市場を形成出来るかはこれからの我々の取り組みにかかっているということも感じております。
我々のコロナ対応ということで言えば、CTスキャナーの新しい提供形態を短期間でご用意することができました。PCR検査だけではコロナに罹患しているか確定出来ない場合がありますが、CTスキャナーによって肺炎の症状を見ることで、判断が可能になるケースがあります。ただ、院内にある従来の画像診断検査の導線を使うと、感染の疑いがある方とそうでない方が接触してしまいます。そのような状況を防ぐために、我々は可搬のプレハブでCTスキャンが利用出来るようにして提供しました。また、お買い上げいただくのではなくリースでご利用いただける仕組みを構築しましたので、技術面と経営面の両方で医療現場のお役に立てたのではないかと思っています。

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今後の方針を教えてください。

グローバル全体で掲げているのが「プレシジョン・ヘルス」です。よく「プレシジョン・メディシン」という言葉が使われます。これはそれぞれの患者さんに合った最適な治療を行うことを指しているのですが、我々のプレシジョン・ヘルスは、それぞれの患者さんへの予防医療や未病を防ぐこと、また治療が行われた後のモニタリングまで含めたヘルスケア全体を含む概念を指しています。
ただ、個別の患者さんに対応しようとすると全体のコストは上がります。それを抑えるためには、人の配置や医療機器を効率化する必要があります。例えば、診断装置は技術を磨くことで検査時間を短く出来るはずですし、装置の運営効率を上げるには検査予約枠の運用を変えたりスタッフの配置を工夫したりといったことも検討されます。
こうした改善可能な課題を見つけて実施するため、医療従事者の方との関係性がより重要になっていくと思いますし、我々としても課題の深堀と改善策の実施までしっかり伴走出来るような人材を育てていく必要があると考えています。

GEヘルスケア・ジャパンでは、どんな方が働かれていらっしゃいますか。

医療を支える裏方として長年技術開発に取り組んで来た”という自社のカルチャーに誇りを持っている社員が多いと思います。また特定の技術や製品に特化した、深い知識や技術を持つ人材が多いです。ただ、これまでお話したように、我々にとって今後大切になるのは全体最適や、病院側の立場に立つといったことなので、様々な視点を持てるようになることが必要です。 以前の組織体制であれば、様々な視点を持ちたいと考える社員は会社を離れてしまっていたかもしれませんが、今後は社内ローテーションなども取り入れ、社内に居ながら様々な経験が出来るよう、少しずつ環境を変えていけたらと考えています。

GEヘルスケア・ジャパンへの転職を考えていらっしゃる方にどういったことを期待されますか。

GEが創業してから130年程経っており、社会インフラを作る企業として技術力を身に着けてきました。GEヘルスケア・ジャパンにご入社いただくと、アメリカやイギリス、インド、中国など、様々なバックグラウンドや専門性を持った同僚と関わることになり、その経験はとてもエキサイティングだと思います。
一方で、我々がやっているヘルスケアビジネスというのは、地場での泥臭いビジネスです。競合との争いも激しく、仕事としては地味であり、厳しい部分が多いと思います。ですので、GEというブランドが持つ華やかさに対して興味・関心を持っていただけるのはとても嬉しいですが、同時にそういった厳しい環境に対する覚悟も持っていただけたらと思います。

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