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国内最大規模の顧客基盤を武器に次のステージに進む ――NTTドコモ dカード事業を担うプロフェッショナル人材とは

株式会社NTTドコモ

※このインタビューは2022年6月に実施しました。なお、所属・肩書は当時のものとなります。
前田 直氏(左)と髙篠 教之氏(右)

FinTechやデジタル化の加速にあわせてキャッシュレス決済が日本国内でも加熱しています。ITプラットフォーマーやクレジットカード会社が新たなキャッシュレス決済に参入する中で、どのような人材が求められているのでしょうか。

日本屈指の顧客基盤を有するNTTドコモにおいて、1500万件規模の会員数を誇るクレジットサービス「dカード」――。その事業の中核を担うNTTドコモ金融ビジネス部のdカード事業推進担当兼dカード制度担当部長の前田 直士氏とdカード制度担当課長の髙篠 教之氏に、JAC RecruitmentのFinTech領域専門コンサルタント堀江将平がインタビューしました。


写真左から

株式会社NTTドコモ 金融ビジネス部 dカード事業推進担当 兼 dカード制度担当部長 前田 直士氏
新卒でクレジット会社に入社。決済・金融業界内での転職を通して、企画系・営業系・バックオフィス系それぞれの実務を習得。 近年ではクレジットカード事業およびQRコード決済事業の「0→1」や「1→10」フェーズのマネジメントも経験。 2019年11月にNTTドコモへ入社しdカードの事業推進などを担当。
株式会社NTTドコモ 金融ビジネス部 dカード制度 dカード制度担当課長 髙篠 教之氏
新卒でクレジット会社へ入社。 クレジット事業に係る基本業務を経験した後、割賦販売法に基づく認定割賦販売協会に転職し、約12年の在籍期間で、協会運営並びに、業界ルールの策定および遵守状況の調査などに携わる。 2020年3月にNTTドコモへ入社し、dカード等に係る関係当局対応、関係法令遵守確認および体制整備の検討などを担当。

1.国内最大規模の顧客基盤を持つdカードのダイナミズム

──NTTドコモにおけるdカードの現状から教えてください。

前田 直士氏
前田 直士氏

前田氏:ドコモは2005年に三井住友フィナンシャルグループとの業務提携を結び、dカードの前身に当たる「DCMX」を開始しました。それから2021年時点で会員数は1500万を突破し、取り扱い高も順調に拡大しています。一方でキャッシュレス化やスマートフォンの急速な普及など、決済サービスをめぐる市場環境は事業開始当初から大きく変化しました。
こうした市場の変化を受けて、dカードのさらなるサービス向上に向けた新たなシステム開発と運営体制の見直しを検討している段階にあります。

──さまざまなクレジットサービスの企業が存在するなかで、事業としてのdカードの強みはどこにあるのでしょうか。

前田氏:クレジットサービスに参入する際、専門の子会社を設立する事業会社が多いのですが、dカードの事業部門はNTTドコモ本体の中にあります。これによって、ドコモのさまざまなサービスとダイナミックに連携したサービス展開を先行できる利点があります。たとえば通信料をdカードで支払うと10%のポイント還元する仕組みは、本業である通信キャリアと同じ組織の中にいたからこそ早期に実現できたことです。

分社化してしまうと新しい取組を提案しても、さまざまなハードルがあり実現が難しいケースもあるかと思います。また、広告展開をする際もカード事業だけではなく、ドコモのさまざまなサービスとの連携を考えて思い切った提案ができる環境があります。一方で高品質で安心・安全にサービスを提供するために、腰を据えて取り組む土壌がドコモにはあります。潤沢な経営資源とオールドコモでは9000万人規模の会員基盤に向けたサービス提供ができることが大きな魅力だと思います。

また、クレジットカード、QRコード決済、電子マネー決済(iDブランド)を揃えている企業も日本では限られています。こうした決済・金融サービスを先程述べたような環境で展開できることがドコモの強みであるといえます。

2.ゼロイチの段階から始まったチームビルディング

──お二人がNTTドコモに入社された経緯についてお聞きします。前田様はdカード事業推進部門の立ち上げ時に入社されたそうですね。

前田氏:私は2019年11月に入社しました。NTTドコモは4社目ですが、それまで決済・金融サービス業界に携わり、前職ではITメガベンチャー でQRコード決済サービスのローンチを担当しました。

──急成長するメガベンチャーの新規事業から、通信業界最大手のドコモへ移った決め手は何だったのでしょうか。

前田氏:dカードはその当時ですでに1000万人を超える会員基盤があり、その環境で新しい仕組みを作るという仕事に強い魅力を感じました。 業務提携してカード事業に参入した大手企業が、自前での新たなサービス構築を検討すること自体は珍しいものではありません。しかし、そういったケースは数十万から数百万人の会員規模であることが大半でした。ドコモの場合には既存のケースと比較しても、会員数の桁が違います。ビジネスパーソンとしての残りの時間を考えたとき、この規模のチャレンジに携わる機会は限られていますから、挑戦するしかないという気持ちで転職を決めました。

入社後はdカード事業推進の組織立ち上げが最初の仕事でした。事業を進めるための必要なリソースを見極め、採用要件を定義し、転職エージェント様にも協力いただきながら、2年半の間に30名近い社員を採用しました。前職でも新規事業のローンチという「ゼロイチ」のフェーズを経験しましたが、ドコモという大企業の中で不足している役割を見つけ、必要な組織を作る「ゼロイチ」に再び携わることができたのは、非常に幸運だったと思います。

髙篠氏:私はクレジットカード会社に新卒で入社した後、割賦販売法に基づく認定割賦販売協会に転職し、クレジット業界向けの規則制定や各社に対する法令遵守状況の調査や体制整備等に係る助言などの業務に12年ほど携わっていました。

転職を考えたきっかけは自分が携わった制度やルールが実際にどのように運用されているのかを知りたかったことがあります。加えて今後のクレジットカード業界は豊富な顧客基盤をベースにした企業がさまざまなサービスを提供し、成長が加速していく将来像が私の中にありました。NTTドコモという今後のクレジットカード業界を牽引する可能性の高い企業で、自分のキャリアを活かし、高いサービス品質提供の寄与へ挑戦したいと思い入社しました。

髙篠 教之氏
髙篠 教之氏

──dカードに携わる方は金融業界やクレジットカード業界出身の方が多いのでしょうか?

前田氏:大半は銀行やクレジットカード業界出身者ですが、決済・金融業界から異業界を経てドコモに入社した社員も多く在籍しています。監査法人やコンサルティングファーム、弁護士法人から転職した社員もいます。

3.攻めと守りを意識したdカードのカルチャー

──dカード推進と制度をゼロから立ち上げた前田様がチームビルディングで重視していたことについて教えてください。

前田氏:ドコモは品質を重視し、中長期的な視点で事業を運営する発想です。ですから、短期間で大量に採用するのではなく、事業の広がりと連動した採用計画を前提にしています。dカード事業推進担当とdカード制度担当のメンバーの大半は中途採用者ですが、私が採用する際は入社前と後でギャップを生じさせないことに注力していました。

もちろん、これまでの経歴や職務について細かく確認もしていますが、募集要項に記載されている情報や面接で聞いていた内容と、入社後のイメージが違っていたという事態を生じさせてはいけません。そのため、面接では私たちのプロジェクトに対する共感度を確認することに多くの時間を割きました。

──適材適所での採用を軸としながらも、ビジョンに共感できる方を採用するために意思疎通を丁寧に図っていたのですね。入社後のコミュニケーションはいかがでしょうか。

髙篠氏:現在はリモートワークが前提で出社も月1回程度ですが、チーム間のコミュニケーションは大事にしていますよね。全メンバーと2週間に1回は1on1を実施したり、1日1回30分担当者全員が参加するミーティングで各自の仕事の目線を合わせたり、抱えている課題や悩みをチーム全体で共有しています。

個々が孤独を感じないよう、チームで業務を進めているという認識を持てるようなコミュニケーションを心がけています。そうしたこともあり、各自が自由に意見を言い合える環境ができていると思います。年齢や性別、役職を気にすることなく、それぞれのバックグラウンドが活かせる環境がありますし、思い切った提案もしやすいと感じています。

前田氏:メンバーとのコミュニケーションは髙篠さんなど担当課長にお任せしつつ、私と担当課長の1on1を2週間に1回は実施しています。一人で抱えずにチームで全て共有できている状態を維持する努力は意識的にしています。

──中途採用で入社された方に求められる共通のスキルはありますか?

前田氏:先程述べたように大半が金融業界出身者ではあるものの、ドコモはカード専業の企業ではありません。ですから、何かアクションを起こそうとすると、自分たちの範囲外にまで影響がおよびます。そうした環境で常にアンテナを張り巡らし、必要に応じて他部門とも円滑にコミュニケーションできる能力は不可欠です。自分たちが扱う領域に対する知識が無い方が理解できないと先に進まないことは多々あります。

髙篠氏:dカードに係る規約や規程を変更する場合にもdカードだけでなく、ドコモが提供する全てのサービスへの影響を考慮する必要があります。関係部門との調整や、ドコモ内の規定やルールも積極的にキャッチアップする姿勢が中途採用者には求められます。システムやセキュリティ、法務など、さまざまな部門との連携は欠かせません。

──ドコモ全体とのダイナミックな連携を目指す「攻め」のアプローチと、安心・安全を提供する「守り」のアプローチの両輪が重要ということですね。

前田氏:カード専業企業にない魅力として、ドコモ全体の決済ネットワークを含めた資産を活かせる環境があります。それらを活かすためには短期間で拙速に立ち上げるのではなく、時間をかけて品質の高いものを生み出すという「守り」の意識も必要になります。

4.キャッシュレス社会のトップを目指せる組織

──現在も中途採用を募集されていますが、どういった方と一緒に働きたいと思われますか?

前田氏:国内でも数少ない、1500万人の会員規模を持つdカードの運営体制見直し検討に魅力を感じる方にぜひ来ていただきたいと思います。 中途採用で入社する方には周囲に配慮しすぎず、フレッシュな視点で意見が言えることを期待していますし、取り組むべきことが膨大にあるなかで、率先的にキャッチアップして自分の仕事にできる積極性や当事者意識を持った方と働きたいですね。

そのためにもプロジェクトに対する共感は重視したい点ですが、目の前にある運営体制の見直し検討だけでなく、その先でのヴィジョンを自ら描ける方を求めています。

過去に成功を収めた方は、その成功体験をドコモで再現していただきたいと思うと同時に、失敗を経験した方にも来てほしいですね。失敗を糧に努力してきた方と次のdカード事業を作っていきたいですね。

髙篠氏:私たちはカード発行枚数と取り扱い高で国内1位を目指しています。そこに共感できる方と働きたいですね。そのためには多くのお客様に選ばれる存在でなくてはならないので、新しいサービスやビジネスの創出に加え、大前提に安心・安全の提供が必須になります。この二つを実現することで社会全体のキャッシュレス化にも寄与できると考えています。そういった先のヴィジョンまで見据えた人たちと一緒にdカードの事業に取り組みたいと思います。

──将来のお話が出ましたが、お二人が今後実現したいことについてお聞かせください。

前田氏:クレジットカード事業では後発参入に当たるので、後発ならではの魅力やオリジナリティあるカード事業を目指しています。クレジット業界全体を見渡すと半世紀以上の月日が経った中でレガシーになりつつある部分も散見されます。そういったところを変えていける可能性がドコモにはあると思います。

髙篠氏:安心・安全、選ばれるdカードを実現し、社会から最も信頼され、支持される事業に成長させ、社会のキャッシュレスにも貢献したいと思います。

前田氏:日本は2025年までにキャッシュレス決済比率を約40%、その先の将来には80%まで拡大したいとの目標を掲げています。そのためには大きな変革が必要であり、私たちから起爆剤になることをしていきたいと思います。

※所属組織名およびインタビュー内容は取材実施当時のものとなります。



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堀江 将平
  • 担当コンサルタント
    堀江 将平
    Saasスタートアップでのセールスを経験後、2019年にJAC Recruitmentへ入社。
    金融ディビジョン:銀行・ノンバンクチームに所属し、金融機関向けにセールス・管理職種系の採用支援を担当。 現在はFintech領域に向け、金融専門職の採用支援に従事。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment 編集部

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。



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