採用企業インタビュー
脱炭素とDXで転換期を迎えるエネルギー業界で、誰もが挑戦できる環境を目指す――コスモエネルギーグループが多様性豊かな組織である理由
コスモ石油株式会社
JAC Recruitment執行役員 河野由花(左)とコスモエネルギーホールディングス取締役常務執行役員 竹田純子氏(右)
カーボンニュートラルシフトや再生可能エネルギーの開発、地政学リスクの顕在化など、近年の石油業界は大きな転換期を迎えています。これまでの産業構造を改革しデジタルを活用しながらビジネスモデルを再構築するには、新たな知見や専門性を持つ人材のキャリア採用が不可欠です。
「変革を達成するには多様な人材が必要である」という方針の下、エネルギー業界でも先陣を切って積極的な人事施策を講じてきたのがコスモエネルギーグループです。同社は属性に関係なく、能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力する方針を経営目標に掲げています。
その成果は数字にも表れています。直近3年間では、女性社員採用比率の平均は約40%、管理職比率は約6%、育休取得からの復職率は6年以上連続100%という成果を上げています。
男性中心で重厚長大な石油業界において、コスモエネルギーグループは女性が活躍できる組織づくりをどのように進めてきたのでしょうか。コスモエネルギーホールディングス取締役常務執行役員の竹田純子氏に、JAC Recruitment執行役員の河野由花が伺いました。
男性のサポートから、対等な立場へ――時代を経て変遷した女性の役割
―日本で男女雇用機会均等法が施行されたのは1986年です。その4年後に竹田さんはコスモ石油に入社されています。これまでのキャリアをご紹介いただけますか?
コスモエネルギーホールディングス取締役常務執行役員 竹田純子氏(左)と、JAC Recruitment執行役員 河野由花(右)
私のキャリアの前半に当たる約15年は営業部門、残り半分はコーポレート部門です。後半は経営企画と人事部門が半々ずつですね。
私が入社した1990年は1986年に男女雇用機会均等法が施行して日が浅い、バブル経済の終盤の頃でした。当時は総合職、一般職、専任職という3つの職種があり、1989年から女性の総合職が入社していたものの、毎年数名程度しかいない状況でした。
私は一般職で入社し、最初の配属は電力会社などの大口顧客に燃料を販売する直売部(現コスモ石油マーケティング(株)産業燃料部)でした。直売部の女性社員は、ある時は男性社員に代わって得意先の前面に出てやりとりする、頼もしく組織にとってなくてはならない存在であったことが、強く印象に残っています。そういった先輩たちの活躍を見ながら、私も職場に欠かせない存在になりたいと思いながら業務に取り組んでいました。
総合職へ転向したのは入社3年目の1993年です。当時、総合職の女性は数えるほどしかいない状況でしたが、「限られた職場や業務に囚われず成長できる機会があるならば、総合職に移ってキャリアを広げてみようかな」という気持ちで転向を決めました。
総合職として名古屋支店に異動した際も、一般職の女性社員が男性社員をサポートするという組織構造の中で、私は「総合職の女性社員」というまったく新しい存在として着任しました。そういった環境で「自分だったら何ができるか」を常に念頭に置きながら、アサインされた仕事を着実に進めつつ、与えられた役割・置かれた職場で少しずつ自分の職域を広げていきました。
―時代とともに総合職と一般職の垣根も無くなり、女性の役割も変化していったかと思います
名古屋支店から本社に戻った際も、会議や打ち合わせの場に参加する女性は常に私1人しかいませんでした。数十人規模の会議に参加しても、女性は1人という状況も珍しくありませんでした。ところが、今や参加者の半数以上が女性の会議も社内では珍しくなくなりました。
特に私が2020年から部長を務めていたコスモエネルギーホールディングス人事部では、在籍の半数以上が女性で、打ち合わせの参加者全員が女性ということもありました。約30年にわたるキャリアの半分以上が「男性の中に常に女性は1人」という状況から、後半は「女性だけでの会議」や、「女性だけで経営層に報告を行う」といった光景が日常的になりました。そういった変化は、私には隔世の感があります。
働き方改革と女性活躍に、業界でいち早く取り組んだコスモエネルギーグループ
―コスモエネルギーグループは女性の積極的採用だけでなく、子育て支援制度の拡充やテレワーク・在宅勤務制度、居住地選択制度の導入など、石油産業の中でも常に先陣を切って働き方改革を進められています。
少子高齢化や労働人口減少が今日のように社会課題として叫ばれる以前から、当社では育児休職制度やフレックスタイム制を導入しています。多くの企業がコロナ禍以降に導入した在宅勤務についても、2019年よりも前から実施するなど、人事制度の充実を常に先んじて取り組んできた自負があります。
当社の業界は重厚長大な石油産業であり、製油所で働く女性もいないことが当然だった時期が長く続いていました。そこからさまざまな人事・採用制度を改革していった結果、工場では石油精製の現場で活躍する女性も少しずつ増え、本社ではどこの部署も女性がいることが一般的な状況になりました。
―男性中心の組織から、そこまで劇的に変革できた背景には何があったのでしょうか。
それはやはり変革には多様性が必要不可欠であり、その中でも女性活躍の更なる推進は急務として女性人材活用を断行するという経営の強い実行・サポートがあったからです。当社は1997年から10年ほど新卒採用を積極的に行わなかった時期があり、その年代の社員層が薄いという課題があります。また、エネルギー産業を俯瞰すると、石油精製・販売事業だけでなく、次世代エネルギーの開発やDX(デジタルトランスフォーメーション)など大きな転換期を迎えています。
石油産業にイノベーションが起きにくい中で、新しい取り組みを進めるに当たって、これまでのような画一的な組織や考え方ではなく、多様性が重要である――。その中心には女性の活躍が不可欠であり、重厚長大な産業で多様性のある人材集団にすることで、現状を変えたいという強い思いが経営層にあったのです。
―トップダウンとはいえ、男性中心の組織を変えていくことは大変なチャレンジだったかと思います。すぐに変化はあったのでしょうか?
最初から順調に進んだわけではありません。順調に進まない時期もありました。そこで原因を調査した上で、「実現に向けて何か障壁があるなら、経営層も解決に向けて行動する」ことを徹底しました。こうした甲斐もあって、以降は少しずつ順調にさまざまな施策が結果に結びつくようになりました。
一方で当社は国内の石油元売業界の中では3番手であり、常にチャレンジが求められる立場です。組織の規模から見ても、比較的フットワークが軽く動きやすいということもあり、「やってみよう」という精神で取り組んできたからこそ実現できた経緯もあります。
かつては結婚と同時に「寿退社」といって退職したり、産休を取得したとしても復職できずに退職したりといった方が圧倒的に多かった時代もありました。今では結婚後も仕事を継続できる環境がありますし、保育園探しを手助けする保活支援制度や育児との両立支援セミナーの効果もあって育児休職からの復職率も6年連続で100%を達成しており、子育てとキャリアアップを両立する女性社員が多く活躍しています。
―竹田さんは一般職から総合職に転向し、その後コーポレート部門を経て役員を務めるなど、新しいチャレンジを積み重ねてキャリアの幅を広げています。一方でチャンスが舞い込んできた際に「自分にできるかわからない」という理由で、チャレンジをためらう方もいらっしゃると思います。竹田さんであれば、どのようなアドバイスをされますか?
「とにかくやってみたらどう?」と思いますね。私も一般職から総合職に転向して、管理職へとステップアップしましたが、管理職になる前日と、なった当日では何も変わりません。もちろん、時が経つにつれて職責は重くなりますが、会社の仕事は1人で解決できることはなく、状況に応じてそれぞれ得意なスキルを持つ方と協力することで、「自分にはできそうにないな」と思っていたことでも一つ一つ達成することが大事です。そういった意味でも、まずはやってみるということが大切です。次にまた知らないこと、出来そうもないことに遭遇した時も、同様に協力者を探し、共にクリアする。この繰り返しが自身のキャリアと自信になるのです。
逆に登用する側から見ても、「まずはやってみなさい。やるにあたって難しいことがあれば、私がサポートします」という意思を示すことも重要です。
大転換期にあるエネルギー業界に求められる人材とは
―コスモエネルギーグループは2023年3月に発表した第7次連結中期経営計画の中で、風力発電などのグリーン電力供給網や次世代エネルギー開発を組み合わせたGX(グリーントランスフォーメーション)や、DXによるビジネスモデルの変革を主要テーマに掲げています。エネルギー産業全体でも大きな転換期を迎えている今、どのような人材が求められているのでしょうか。
GXとDXは当社がこれまで進めていた事業領域に新たに加わる要素ですので、当社にはない専門的なスキルや知識を持った方に参画いただきたいと思います。外部の人材を積極的に採用し、その方たちが活躍することで、より精度と成果を高め、スピードを上げて新しい事業や課題に取り組んでいきたいと考えています。
実際に私がキャリアの前半を過ごした営業の現場でも、今や石油だけではなく、デジタルを活用しながら次世代エネルギーや電気など石油以外の商品をお客様に提供する取り組みも進めています。
石油のサプライチェーンは原油の開発・生産と、原油を輸送して製油所で精製し供給するプロセス、そして、石油製品を販売し消費者の皆様へ届けるという3つの領域があります。この3つともビジネス面では大きな変革がないまま長く続いてきた産業ではありますが、世の中のエネルギーを支えるという面においては非常にスケールが大きく、責任とやりがいのある仕事です。
コスモエネルギーグループは、この3つの領域に関わる仕事とコーポレート部門、新規事業を横断して、本人の意志と受け入れ先の現場のニーズが合致すれば、さまざまな仕事にチャレンジできる可能性があります。私自身がまさしくそういったキャリアを体現してきたのですが、コスモエネルギーグループは石油業界の中でも会社規模が大きくない分、フットワークが軽く、変革するスピードが早いという点で、非常にやりがいのある会社だと思います。
―最後に、コスモ石油へのエントリーを検討している女性に向けて、メッセージをお願いします。
コスモエネルギーグループは変革期にある会社です。さまざまな職種があるなかで、専門性をお持ちの方であれば、どのポジションにもチャレンジできる環境があります。
意欲を持って仕事に取り組む方々を全力で応援・バックアップし、社員は自身の能力を高め自律的にキャリアを考えることで、会社と社員が双方向でエンゲージメントとウェルビーイングを高めていくという指針を中期経営計画で打ち出しました。さまざまな方が活躍できる場がありますので、是非チャレンジできる方にエントリーいただきたいと思います。
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