採用企業インタビュー
多様なエキスパートが集うBCG X
専門性を高めあいながらクライアントを変革に導く
ボストン コンサルティング グループ
- Managing Director & Partner 中川 正洋 氏
- Partner 伊藤 健 氏
- 戦略系コンサルティングファームであるボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)は、2023年、データサイエンティスト、AIエンジニア、デザイナーなど多様な専門性を持つ人材を集めた「BCG X」を新たに組織しました。
テクノロジーやデジタルを専門とするメンバーが多数集まったBCG XがどのようにしてクライアントのDX・事業開発を進めていくのでしょうか。複数の他ファームで働いた経験を持つ中川正洋氏、事業会社からデータサイエンティストとして転職した伊藤健氏に話を伺いました。
写真左から
クライアントにファイナンシャルなインパクトを出すことがゴール
――最初に、お二人のご経歴と、BCGへ入社された経緯について教えてください。
中川氏:私は複数のコンサルティングファームを経て、2020年よりBCGに所属しています。前職は外資系コンサルティングファームでデジタル・IT領域の戦略コンサルタントとして働いていました。対象とする業界は幅広く、消費財、小売、エネルギー、保険業界のお客様のほか、官公庁などを主に担当しています。
現在は、いくつかの役割を担当しています。1つは、このBCG XでのAI領域のリーダーです。同時に、パブリックセクター、官公庁や公的機関の特にデジタル関係の案件のリーダーと、日本における生成AIのトピックリーダーも務めています。
――BCGに移られたのにはどのような理由があったのでしょうか。
中川氏:BCGへ転職してきた理由は、大きく2つあります。1つは、日本企業に対する支援の深さ。日本の有数のクライアントに対し、BCGはトピックに対してより深く掘り下げて取り組んでいると言えます。ここまでの組織規模でそのような対応をしている戦略コンサルティングファームは他にはないでしょう。
もう1つは、デジタルの観点でも一段階先を進み、顧客のトランスフォーメーションを実現まで支援するプロジェクトに数多く関与していることです。実行に移すことなく、戦略策定まで、PoCまでで終わるプロジェクトは少なくありません。それに対して、BCGでは戦略をオペレーションに組み込んでクライアントが自走化する、つまり、自分たちで作ったプロダクトやAIモデルなどを実業務で活用し、さらに目に見えるインパクトを出すところまでを支援しているケースが非常に多いです。これら2つに魅力を感じ、BCGを転職先として選びました。
伊藤氏:学生時代は宇宙物理学を専攻していましたが、証券会社に就職し、クオンツアナリストとして長く働いてきました。アメリカに9年ほど駐在し、トレーディング周りのアルゴリズムの研究開発やプロダクト営業を担当してきた経験もあります。帰国後しばらくして、BCGへ転職しました。
BCGにはデータサイエンスのエキスパートとして入社しました。対象となる業界は金融がメインですが、それ以外の消費財、小売、保険、IG(産業財)などの業界の案件に携わっています。また業界を問わず、新規事業におけるサービス、プロダクト開発におけるデータサイエンス・AI活用の部分に深く関わっています。
――金融業界からコンサルティング業界という異なる業界へ転職された経緯について、お聞かせください
伊藤氏:データサイエンスやAIのような、業界を問わず必要とされる知識・技術を持っていると、1つの会社にとどまるよりも、コンサルティングファームにいる方がいろいろな業界のプロジェクトに、しかも既存事業、新規事業の両方に関われるため、「面白そうだな」と思いました。
もう1つは、日本企業よりも外資系企業のカルチャーのほうがフィットすると考えたからです。転職者が多く、さまざまなバックグラウンドの人がいて、複数の企業、複数のカルチャーを知っている人が多い環境で働いてみたい気持ちがありました。
多様な専門家が集い、クライアントに組織・カルチャー変革をもたらす
――BCG Xの仕事の特徴、魅力はどのような点にあると思いますか。
中川氏:デジタルにより踏み込んで、デジタルを上手く活用しながら「クライアントにインパクトを出す」、そこにコミットしていることが一番大きいと思います。戦略もPoCも、すべてはインパクトを出すためのステップであるという考えが根付いていることが、他と違うところだと感じています。
また、それを実現するためのプロジェクトの進め方も特徴的です。BCGの戦略コンサルタントと、BCG Xの各分野のエキスパートが一体となってプロジェクトチームを組み、密に連携しながらプロジェクトを進めていくやり方は、他では得がたい魅力です。
伊藤氏:「多様性」が特徴であり、魅力だと思います。仕事やプロジェクトの観点では、クライアントの業界もさまざまですし、既存事業の改善から、新規事業の開発まで、1つの事業会社にいては経験できないような幅広い経験ができることが極めて大きいです。
それと、人材の多様性です。さまざまなプロジェクトを進めるためには、多様な分野の専門家が必要になります。例えばデータサイエンティストもその1つですし、いわゆるコンサルタント、デザイナー、新規ビジネス開発に特化したベンチャーアーキテクトなど、多数の職種がワンチームになって働くことで、新しい価値が生まれます。そうした幅広い分野の専門性を持つ人たちに囲まれて日々新しい知見に触れられる環境は、非常に刺激的です。
――BCG Xではどのようにプロジェクトを進め、インパクトを出しているかお聞かせください。
中川氏:BCGでは「10/20/70ルール」と呼んでいるルールがあります。われわれがAIのプロジェクトに取り組む際には、10%の力をアルゴリズムに、20%をデータと技術インフラに、そして70%をオペレーションに充てることが必要だと考えています。
AIプロジェクトはAIモデルの構築やアルゴリズム開発が主役になりがちですが、われわれはそれをわずかプロジェクト全体の10%だと捉えています。代わりに力を注ぐのがデータとテクノロジー、そしてオペレーションの構築であり、それをしなければ最終的にクライアントにおいてAIが使われるものにならない、そう考えているのです。
そうした前提をクライアントにも理解していただき、大部分を占めるオペレーション構築の部分にクライアントにもコミットしていただいているからこそ、BCGの特徴的なプロジェクトの進め方が実現できているのだと思います。
伊藤氏:われわれが関わるプロジェクトのほとんどはDXが大きなテーマですが、何か1つプロダクトをつくる、サービスを部分的に改善するだけではトランスフォーメーションにはなりません。組織やカルチャーまで含めて、企業を進化させていくことこそが最も重要です。
ですからBCGでは、クライアントに戦略をまとめたスライドやソフトウェアをお渡しすることだけがプロジェクトのアウトプットだとは考えていません。より重要なのは、デジタル組織としてのケイパビリティ、カルチャーをお渡しすることです。そのために、時には泥臭く、クライアントと伴走してプロジェクトを進めていきます。
メンバーは競争相手にあらず。互いの専門性をリスペクトし、補完し合う関係
――BCG Xのメンバーにはどのような方がいらっしゃるのでしょうか。組織のカルチャーや風土についてお教えください。
中川氏:かなり多様なメンバーがいますね。スタートアップにいた人、大手の事業会社にいた人、他のコンサルティングファームから来た人、研究がバックグラウンドの人など。加えて新卒のメンバーもいて、それぞれが得意領域を持っています。
BCGのパーパスである「Unlock the potential of those who advance the world」に共感しているという意味では共通しています。クライアントにインパクトを出す、単なる「技術屋」にとどまらず社会に対して何らかの貢献をしていく、という価値観を同じくするメンバーです。
伊藤氏:多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍するBCGの中でも、BCG Xは特に専門性の高い人材が集まっていると感じます。職種もさまざまなものがありますし、恐らくこれまで接したことがないような専門性に接することができるのではないかと思います。
また、メンバーは概して仲がいいです。普段から一緒に食事に行っていたり、親睦を深めるためのオフィス・イベントも定期的に開催されたりしていて、自然と良い関係ができていると思います。
――多様な専門性を持つ個が強い方々が集まる中で、関係が良好なチームを築き上げる仕組みや働きかけていることはありますか。
伊藤氏:メンバーそれぞれの専門性が強いので、お互いに補完し合わないとプロジェクトを遂行できません。ですから自然と他のメンバーに対して「自分にはできないことができる人材だ」というリスペクトを持ち、お互いの力を最大限生かすべく動けるようになっていると思います。
中川氏:プロジェクトの進め方も、それぞれのメンバーの責任範囲を明確にして、ある程度独立したタスク群を持って動く形になります。ですから2人で1つの事に当たるという場面は基本的にありません。もちろん完全に独立しているわけではなく、お互いに少しずつ重なってはいるので、相手の状況を見ながら進めています。
――中川様はこれまでに複数のコンサルティングファームを経験されていますが、違いがあると感じますか。
中川氏:そうですね。BCGでは、他のメンバーが競争相手ではないと感じます。メンバーはあくまで仲間であって、誰かが先に昇進したらポジションが無くなるようなこともありません。人事評価の仕組みも、相対的な評価ではなく、その人のスキルが絶対条件を満たしていれば昇進できる制度です。特にBCG Xは、メンバーの専門性が異なりますから、そういう点でもお互いが協力しやすい文化が醸成されていると思います。
仲間の専門性に対する理解を深め、より大きなバリューを
――BCGからBCG Xに期待されていることや、BCG Xとして今後どういう方向を目指していきたいか、今後の展望について教えていただけますか。
中川氏:BCG Xでは、AI関連のプロジェクトが多いです。中心にいるのは主にデータサイエンティストやAIエンジニアで、彼らがAIモデルをつくり、クライアントのオペレーションに組み込むということをやっています。
ただ、BCG Xの中ではAIとは別の専門性を持つメンバーもいます。例えば、ベンチャービジネスの立ち上げ専門のベンチャーアーキテクトや、ストラテジックデザイン、AIに特化しないエンジニアなどです。そういう人たちと共にクライアントをトランスフォームするプロジェクトを、今後より増やしていきたいと思っています。それこそが、2023年にBCG Xを立ち上げた目的の1つです。
伊藤氏:クライアントは大企業が多いのですが、DXとして組織・カルチャーのトランスフォーメーションまでを見据えると、多くの企業でまだまだDXを進める余地があると考えています。
BCG Xが立ち上がってからそれほど時間が経っておらず、人材の多様性をまだ活かし切れていない部分があると思っています。お互いの専門性に対する理解がより深まると、よりできることが増えて、クライアントに対して組織としてのバリューを一層出せていけるのではないかと思っています。
難題を恐れない、むしろチャレンジの過程を楽しめる人が向いている
――私たちが面談でお会いするデータサイエンティストの方は、事業会社にいたほうがプロダクトづくりに携われて、成果を残し続けられると思っている方が多いと感じます。データサイエンティストやエンジニアがコンサルティングファームで働くことに、どのような価値があると思いますか。
伊藤氏:コンサルティングファームにおけるデータサイエンティストの仕事は「ブリッジング」、つまりデータサイエンスとビジネスの間を橋渡しするという役割です。ですから、データサイエンティストという肩書だからといって、ずっとデータを触っていたり、モデル開発ばかりしたりするわけではありません。かといって、完全に戦略コンサルタントの仕事だけをするのかというと、それも違います。
事業会社の中では、事業部やデジタルを推進する部署に属すると、経営戦略の中で決定したプロダクトをアウトプットとして作る仕事を担当することが多いと思います。一方、コンサルティングファームでの仕事は、より経営に近く、高い視座をもってビジネスに関われます。イメージとしては、事業会社でいえば経営企画の中にいるデジタル専門家です。ですから、「経営層と同じ高い視座から俯瞰してデジタルとビジネスをブリッジする」という役割を担うことになります。
事業会社にいるエンジニアは、携わるプロダクトの数は比較的限られています。それに対して、コンサルティングファームでは多様なプロジェクトに数多く関わることができます。どちらが良いかはその人の志向にもよりますが、私はBCG Xに来て、素晴らしい経験ができていると思っています。
――最後に、BCG Xへの転職を検討している方へのメッセージとして、どんな方と一緒に働きたいかを教えていただけますか。
中川氏:知的チャレンジを楽しめる人に来ていただきたいと思っています。私たちが取り組む課題は本当に難しいものが多いので、それを「無理難題しか降ってこない」と思えてしまう人には厳しい環境かもしれません。でも逆に、難題を解く過程を楽しめる方にとっては、BCG Xは次から次へとチャレンジできる刺激的な場所だと思います。
伊藤氏:難しい課題に取り組んでいると私も感じますね。私ももともとは研究職だったので分かるのですが、研究者は専門を深く掘るような仕事ですよね。でも、コンサルティングファームでの仕事は、広い視野から全体を見るので、脳の使い方がかなり異なります。深い専門性を持つ人にもぜひ来ていただきたいですが、同時に幅広い視点を持つこと、物事の全体を俯瞰することに関心がある方に、ぜひ来ていただきたいですね。
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