東北エリアの製造業・エンジニア転職の動向

  1. 東北×転職市場動向

公開日:2023/04/21 / 最終更新日: 2024/09/27

東北6県(青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島)における第二次産業の構成比率は、農林水産業など第一次産業と密接につながった食品製造に次いで、電子部品や半導体デバイスの製造・生産装置、自動車関連などが高く、企業ごとの付加価値(企業の生産活動によって新たに生み出された価値)額は全国平均額を超えるレベルにあります。
そのような東北エリアにおける転職のサポートを行っているJAC東北支店のコンサルタントが、東北エリアの製造業における、2024年の転職市場動向を解説します。

東北エリアの製造業


東北6県の景況感として、求人倍率は1.4倍程度を推移していています。求人の多くは製造業で、次いで建設業、IT関連に、多くの求人が出ており、職種としてはエンジニアが主に求められています。さらに詳しく見ていきましょう。

業界の動向

東北エリアの製造業は、主に半導体、電子部品、自動車関連の3つに大別されます。半導体は、世界的にも好調ですが、東北エリアでも同様に活況が続いています。一方で、自動車関連は半導体や電子部品の調達が難しいことから、当初の計画通りに製造できない企業も多いようです。そのため業績が当初の見込みに達せず、投資も控えめになっているような状況にあります。

IT関連は、主にSIerとして受託するようなビジネスモデルの会社が大半です。組織的には東京に本社があり、仙台に支店やカスタマーセンターを置いている企業が多いです。

製造業の求人トレンド

都心ではDX推進の求人増加傾向にありますが、こと東北エリアに関して言えば、省人化、DXといった取り組みは、全体としてはそれほど活発ではありません。
ただし、半導体の企業や電子部品製造大手企業は、全社的にDX化を進められているという状況があるといった経緯から、大手企業グループの工場などからは、社内方針の横展開としてDX化を推進するという流れがあります。こうしたケースでは、業種としては半導体製造関連なので、独自に考案した製造工程があるなど、DX化についても内製をする傾向にあります。DX化を外部のSIerに委託するというよりは、社内SEによる内製部隊を作ろうといった動きで求人が出てくる傾向があります。


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東北エリアの製造業で求められている職種とは?


大手企業において、特筆すべきは生産技術職。求人が顕著に増えてきています。特に高齢化の進行に伴い、社内のキーパーソン、職場のエースとして活躍されている方々が定年を迎えるという企業が増えてきており、40代や50代で次のリーダーとなり得る人が社内に少ないという課題があります。そこで、将来に備えて、今のうちに採用しておきたいという強いニーズがあります。

マネジメント経験を持つ技術職

現在は、10〜50人規模の組織をマネジメントしてきたような経験者の需要が高いです。その場合、特に東北エリアにおいて何かに特化した経験というよりも、幅広い経験が求められています。
例えば製造現場において品質の経験もあれば、生産技術の経験もあり、実際に生産機器を触った経験があるなど。つまり、より現場に近いところでピープルマネジメントもやってきたといったご経験をお持ちの方が求められるケースが、とても多いです。

半導体関連企業の技術職

半導体関連の大企業からの求人が多く見られます。半導体は製造工程が一般的な製造業とは全く異なっていることもあり、高い専門性を求める企業が大半です。各企業とも、例えば外資系企業の工場撤退といった情報をキャッチし次第、早期退職者の方々をいち早く採用するといったところに力を入れている企業もあります。

管理部門の職種

大手企業の人事部門、特に中途採用担当者のポジションの需要が多いようです。
中小企業の管理部門では経理の募集が多く見られますが、経理といっても原価企画や経営層をサポートする戦略経理に関する要素も求められることがあります。ただし、大手製造業で経理担当、かつ戦略経理の経験者という方はほとんどいないので、中小企業への転職で、当該職種の内定につながるケースは多くありません。
同様に、経営企画関連を外部から採用したいという需要があります。特に事業承継した経営者が、将来に向けた事業開発や経営戦略を立案するための経験者を探しているようなケースが主です。


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事業承継に関する職種


中小企業からの求人では、一部で後継者問題が表面化しつつあります。JACの国内拠点では、中小企業の社長など経営者層のお話を伺う機会が多くあり、そこでは組織的な課題について言及されたり、将来的には後継者候補を探す必要があるとご相談いただいたりするケースもあります。そのため東北エリアにおいても、今後は事業承継に関連した求人が出てきます。

Uターン、Iターン転職の動向

Uターン転職の成功事例としては、主に30代のご夫婦で、ご本人または配偶者が東北出身ということが多いです。これまで首都圏などで勤務されていて、子育てを始めるタイミングで地元へ戻りたいという相談が増えてきています。

一方でIターン転職としては、もう少し上の40代後半から50代の方の転職成功事例が多いです。子育ても落ち着いてきたところで、これまで自分が積み重ねてきた経験をもう一度、生かして仕事をしたいというお考えの方がメインです。こちらのケースでは、勤務地にはそれほどこだわりはないようですが、東北エリアですと業界として冒頭でお伝えした通り、半導体、電子部品、自動車関連といった領域でのIターン転職が中心になります。

Uターン、Iターン転職の待遇や採用条件は?

首都圏をはじめ全国各地から東北エリアの転職となる場合、前職との会社規模の違いから年収面でダウンしてしまったり、東北エリア外からの転職なのに住宅面での十分なサポートが得られなかったり、などという声が聞かれることもあります。こうした待遇面の課題は企業側でも改善すべきポイントだと認識されていて、徐々に都市圏と水準を揃える企業も出始めています。例えば住宅補助をオプションに設けるなど、応募者の事情にも配慮した形で条件を提示できるよう、制度化する動きも出ています。

こうした制度が整っていない企業への転職だとしても、応募者個人がそうした条件を会社側と交渉しながら引き出していくのは、なかなか難しいでしょう。


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東北エリアの製造業のモデル年収


東北エリアの製造業で多い生産技術系の職種では、例えば40歳エンジニアをモデルケースとした場合、東北が地場の中小企業では約400〜600万円、管理職になると会社によって幅が広がり約500〜850万円で内定をいただいています。これが大手企業になると200万円ほど高く、エンジニアの一般層で約600〜800万円、管理職になると約900〜1100万円台まであたりが過去実績として出ています。

大手企業の年収水準ですが、これはエンジニア系に限ったものではなく、例えばバックオフィスや営業職でも、ほぼ同じ年収レベルが提示されるケースが多いようです。中小企業では難しいところもありますが、大手製造業であれば職種に関わらず、経験年数、年齢によって変わってきます。これは例えば、東北エリアで人事担当として採用する場合、工場人事としての採用になるため、工場単位、事業部単位の賃金体系が適用されます。そのため、職種によって年収レンジにばらつきがあるということにはなりません。

転職を成功させるためのポイント


転職は、人生に大きく関わる重要事項です。転職をご検討される際には、単に目の前にある求人情報だけを見るのではなく、俯瞰してご自身のキャリアを考えることが大切なポイントになります。求人を出している企業の状況や今後の展望を把握し、ご自身が今後成し遂げたいことと照らし合わせて考えることが大切です。ご自身が将来的に、この東北の地で何をやりたいのかというところを踏まえたキャリア形成を考えていく必要があります。

まずは職務経歴書の更新から

職務経歴書の書き方ひとつで書類選考の結果が決まります。採用担当者に「自社に貢献してくれそうだ」と思ってもらうには、応募企業が必要とするポジション・スキルを把握し、ご自身の経験でそのポイントをアピールする必要があります。単に経歴だけを羅列したような職務経歴書を提出しても、それを企業側の採用担当者が「経験は良さそうだが、自社にどのように貢献してくれるのか、あまりよく見えてこない」と感じてしまえば、そのまま不採用になってしまうケースもあります。

東北エリアの企業は、採用に際して受け身な姿勢で接することが一般的です。特に企業側が転職希望者様に幅広い領域での経験を求めているようなケースでは、職務経歴書の書き方の難易度が上がります。
ただ経験を箇条書きにするだけではなく、企業が必要としている経験やスキルに対して、何を提供できそうかがわかるよう、具体的な経験を書いていくとよいでしょう。

JACでは転職希望者だけでなく、企業側とも密接なコミュニケーションをとるコンサルタント型のサービスを特徴としています。採用企業側の状況や求人の背景を十分に把握しているので、職務経歴書や採用面接でどのような点をアピールしていけばいいのか理解しています。そのため、JACのコンサルタントに相談するというのは、転職を成功に導く重要なポイントになってきます。

JAC東北支店を利用するメリット


JACは2023年4月に東北支店を新設、これまで以上に地元に密着したサポートを提供することが可能になりました。製造業には必ず「現場」がありますので、JACのコンサルタントも東北エリアの企業の工場見学を増やし、実際に働いている方のお話を伺ったり稼働している設備などを拝見したりして、現場に関する情報量も増やしています。
また採用企業側とは、人事担当者だけでなく、経営者や役員、また人事の決裁権のある方達とコミュニケーションを取っています。そのため、経営戦略や事業戦略、求人の背景といったところまで把握しており、転職希望者様が応募する際に必要な情報を十分に持っています。

「東北の地場×全国・グローバル」といった幅広いご提案

製造業での業務は、東北エリアに限定されたものではなく、日本の他の地域はもちろん、世界とつながった仕事もあります。JACのコンサルタントは製造業出身の者もおり、全国にある他の支社で蓄積した情報もあります。JAC東北支店にご登録いただくことで、「東北の地場×全国・グローバル」というマクロな情報に基づいた、転職希望者様に最適なご提案ができると考えています。

東北エリアご在住以外からUターン・Iターンをご検討されている方であれば、リモートでの面談にも対応しております。まずはオンラインでお問い合わせいただければと思います。

東北エリアにおける製造業の転職をお考えなら、まずはJACへご相談ください。

この記事を監修した転職コンサルタント

川畑

川畑

東北支店 支店長


2014年JAC Recruitment入社。担当領域は大手製造業(半導体・電子部品)。技術職(開発・設計・品質・生産技術など)、管理職、海外関連ポジションを得意とする。前職においては、電子部品メーカーで10年間の法人営業、および保険会社の個人向けコンサルティング営業に従事。B to B・B to Cに携わった経験を生かしたいと考え、求人企業と転職希望者双方を担当するコンサルタント型コンサルタントのJAC Recruitmentへ入職。マネージャー経験を経て、2023年4月に開設された東北支店の支店長に就任。



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