JAC Recruitment(以下、JAC)では、静岡に拠点を置き、静岡・山梨エリアへの転職をサポートしています。
静岡県内外から、多くのエグゼクティブや管理職の転職の成功をご支援してきたJACのコンサルタントが、同エリアにおける採用動向、求められる人物像についてご紹介します。
目次/Index
静岡エリア全体のエグゼクティブ・管理職の採用動向について
近年、首都圏をはじめ大都市圏でビジネス経験を積んだ40代~60代の方々が、静岡の企業にエグゼクティブ・管理職クラスのポジションで転職する事例が増えています。
「故郷へのUターン」と思われがちですが、実は異なります。「自身の経験・スキルを生かしたい」「理念・ビジョンに共感できる企業で働きたい」という志向を軸に企業を探した結果、静岡で活躍のステージに出会っている、といったケースが多いのです。そして、移住あるいは単身赴任という形で転職を実現していらっしゃいます。
最近の一例では、投資ファンドが、投資先である機械メーカーにおいて、社長をサポートする管理部門責任者を募集したというものがあります。こちらには、東京本社の大手企業に勤務する50代の経理・財務スペシャリストの方が、採用されました。その方は大手の縦割り組織で働くことに物足りなさを感じ、より大きな「裁量権」を求めていらっしゃいました。そして、勤務地にこだわらずに転職先を検討した結果、静岡の企業を選んだのです。
静岡エリアにどのようなエグゼクティブ採用ニーズがあるのかをご紹介します。
事業承継に際し、次世代経営メンバーを求める
事業承継時期を迎えた企業では、「新社長」あるいは「2代目・3代目社長を支える経営陣」の採用ニーズがあります。
例えば、大手企業グループの建築系子会社においてCEOを募集したところ、メーカーで子会社経営を経験した方が採用に至りました。
ある素材メーカーでは70代の社長が「次期社長候補」を募集。海外現地法人の役員を務めた経験を持つ60代前半の方が採用されました。
100名以下規模の製造業においては、70代の経営者が30代~40代の子息に引き継ぐケースも多数あります。
「現在、部長・取締役を務めている息子が数年後に次期社長に就任するが、まだ30代で経験が浅いため、参謀として支えてほしい」といったニーズがあり、40代~50代の方が求められています。 経営企画、あるいは子会社や海外法人の経営経験を持つ方が歓迎され、なかには60代のシニア層が迎えられる事例もあります。
新規事業を推進するマネジメント経験者を求める
静岡にはガソリン系の部品メーカーが多く、今後EV化にともなうマーケット縮小を見据え、新製品・新事業の開発に乗り出しています。
例えば、電子部品と組み合わせてモジュール化を図るなどの動きが見られ、メカとエレクトロニクス両方の知見を持つ人材を事業統括責任者として迎えたいとするニーズがあります。
実際、50代後半の方が新規事業部長のポジションで採用された事例もあり、こうしたニーズは今後も広がっていくと見込まれます。 プロジェクトマネジメント・ピープルマネジメントの経験を持つエンジニアの皆さんに、注目いただきたいポジションです。
海外市場の開拓/海外子会社管理を担う人材を求める
海外の販路開拓を担えるエグゼクティブの求人も、多く、出ています。
ある消費財メーカーでは、中国での販路開拓を目指して経験者を募集。BtoC商材に強みを持つ40代後半のメーカー出身者が採用されました。
近年、現地への出張が制限されるなか、リモートで海外の販路開拓を推進できる人材のニーズが高まっています。
一方、既存の海外拠点の駐在員を求める企業も多数あります。
静岡では、2011年~2015年ごろにかけて、タイやインドネシアへの進出ラッシュが起きました。また大手自動車系列企業はメキシコなどの南米地域にも拠点を持っています。
こうした企業では、COVID‑19の影響により、海外駐在中の社員が帰国できず任期延長となっています。そろそろ帰国させたい――しかし、交代で送る駐在要員が不足している状況であるということで、中途採用を行っています。
海外駐在経験があり、英語+現地語(タイ語・インドネシア語など)ができる方が求められています。
このほか、数年後に現地法人の役員や管理職として海外赴任することを前提に、当面は国内で勤務する海外事業要員を採用する動きも見られます。
IPOを目指す企業が、CFOはじめ管理部門人材を求める
浜松エリアでは、行政がベンチャー企業の支援に力を入れています。
バイオベンチャーやITベンチャーなどが多く、IPOを視野に入れ、CFOや管理部門人材の求人が発生することがあります。
「社外取締役」を求める
近年のコーポレートガバナンス強化の潮流を背景に、社外取締役を求める声も上がっています。
特定の分野での専門性を持つ方を対象とするほか、女性活躍推進法の観点から、「女性」のニーズも高まっています。 以前の「社外取締役」は形式的なところもありましたが、最近では経営会議に入って影響を与えてくれることを期待する傾向が見られます。
静岡エリアのエグゼクティブ採用で求められる人材
ここまでお話ししてきたように、時代の変化・産業構造の変化に対応する新規事業開発、事業の承継、海外展開などに際して、プロジェクトの推進をリードできる方が求められています。
地元の人材だけでは賄えないため、他エリアから人材を迎えることにも積極的になっています。 この動きは今後も加速していくでしょう。
静岡エリアには、製造業を中心に、建築・食品・ITなど幅広い業種があります。経験を生かして活躍できるチャンスがあることを、ぜひ、知っていただきたいと思います。
静岡エリアにおける40代・50代のモデル年収
静岡の管理職求人の平均的な年収モデルは次のとおりです。
<中小企業の場合> | |
40代/課長クラス | 年収600万~700万円 |
50代/部長クラス | 年収700万~900万円 |
役員クラス | 年収900万~1200万円 |
<中堅/大手企業の場合> | |
40代/課長クラス | 年収700万~800万円 |
50代/部長クラス | 年収800万~1000万円 |
役員クラス | 年収1000万~1500万円 |
当然ながら企業や個人によって異なりますので、あくまで目安としてください。
静岡で働く魅力・メリット
首都圏から新幹線でアクセスしやすい静岡エリアは、「2拠点生活」も実現しやすい立地。今後は、リモートワークも組み合わせた働き方が可能な求人も増えるかもしれません。
また、ワークライフバランスを充実させられる住環境もあり、他エリアから移住、あるいは単身赴任された方々からは、次のような声をお聞きします。
「もともと山登りが趣味だが、登れる山が増えた」
「魚が美味しい。スーパーで買える魚も新鮮さがまったく違う。漁港(清水港・焼津港・沼津港など)へも手軽に魚を食べに出かけたり、買いに行ったりできる」
「富士山を毎日眺められるのがいい」
JACでは、静岡エリアにある魅力的な企業の情報はもちろん、Iターンをお考えの方に生活面に関する情報もご提供します。