持続可能な未来を築くため、ヘルスケア業界の企業でも世界的な目標であるSDGsの実現に注力しています。また、転職を検討する方々からも「SDGsに関連する仕事に興味がある」と、JAC Recruitment(以下、JAC)にご相談いただくケースが増えてきました。
JACのヘルスケア専任事業部は、東西に6事業部・20チーム以上あり、約140名のコンサルタントが在籍しています。ヘルスケア業界をここまで細分化し、全方位の専門分野をカバーしているのは、JACならではの強みといえます。
今回は、ヘルスケア業界におけるSDGsへの取組みと転職動向を、ヘルスケア業界を専門とするJACの転職コンサルタントが解説します。
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ヘルスケア業界におけるSDGsの取組みと転職市場と求人傾向について
SDGsの3番目の目標「すべての人に健康と福祉を」。この達成を中心的に担うのが「医薬品」「医療機器」といったヘルスケア業界です。
一方、ヘルスケア以外の業界でも、SDGsへの取組みの一環として「すべての人に健康と福祉を」を掲げ、ヘルスケア事業に乗り出す動きが活発化しています。
ヘルスケアをテーマとした各社の取組みについて、「製薬業界」「異業種からの参入」「ヘルステック」に分けて最新動向をお伝えします。
製薬業界はアンメットメディカルニーズへの研究開発に注力
最近でも感染症のワクチンや新薬の開発などパンデミックの対応への意識は依然として続いています。
現在、製薬企業の多くでは「がん」「希少疾患」をはじめとした、いまだ有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズに応えるべく新薬開発に取り組んでいます。
製薬業界の求人おいては、研究開発、品質保証、MR、臨床開発、MSL(メディカル・サイエンス・リエゾン)、メディカル・アフェアーズなど、幅広い職種で採用が活発です。
ここでは、特に新たな動きが見られる職種を取り上げ、解説します。
研究開発
新薬の研究開発においては、「バイオインフォマティクス」「ケモインフォマティクス」など、いわゆる「創薬のDX(デジタルトランスフォーメーション)」の取組みが進んでいます。
情報技術を活用して新薬開発の精度とスピードアップを推進できる研究開発職、バイオインフォマティシャンのニーズが高まっています。
品質保証
SDGsの観点では、「正しいサプライチェーンマネジメント」も課題視されています。体制の見直し・再構築にあたり、生産・品質を強化するため、採用も増えています。
MR
学術的な情報提供をしっかりと行えるMRのニーズは今も継続しており、採用は活況です。
また、日本に参入してくる外資系メーカーも後を絶ちません。「日本法人設立」「新分野の事業部門立ち上げ」など、数十人規模の大型MR採用も行われています。
他にも、MR組織では「女性活躍推進」にも注力。製薬業界は、研究開発や臨床開発部門で女性が多いのに対し、MR組織では女性比率・女性管理職比率が低い状況です。
SDGs 5番目の目標「ジェンダー平等を実現しよう」の達成のためにも、外資系を中心に日系企業でも女性MRの採用を強化する傾向が見られます。例えば、ご希望の勤務地を受け入れるなど、家庭との両立に悩む女性でも活躍できる体制づくりを進めています。
異業種からヘルスケア事業へ参入
SDGsへの取組みのため、そして新たな収益の柱を構築するため、異業界からヘルスケア事業に参入する動きが増えています。特に、化学・素材、電機、機械、食品などのメーカーはヘルスケア分野と親和性があることから、新規事業開発への取組みに意欲的です。
化学メーカーはもともと医薬品業界に材料を提供しているため、ヘルスケア業界への参入が活発。高付加価値機能を持つ医薬品原料や診断薬のほか、化学素材の特性を生かした医療用具・医療機器の開発を強化しています。
電機・機械メーカーは医療機器分野に参入。たとえば、産業用ロボットを手がける機械メーカーが医療機器メーカーと組んで外科手術ロボットを開発するなどの事例が見られます。
工業製品や民生品のメーカーによる医療事業への参入は以前から頻繁に見られました。しかし、法規制・予算規模・タイムスケジュールなどのギャップから頓挫することも。
しかし、「SDGsへの取組み」「ESG経営」が企業価値の判断基準とされるようになった現在、本腰を入れて取り組む企業が増えています。10年ほど前と比べ、「覚悟」の強さを感じます。
このような背景から、ヘルスケア事業への進出や拡大を図る化学・素材、電機、機械などのメーカーでは、次のポジションのニーズ高まっています。
事業部門責任者や研究開発のマネジメントクラス
前述のとおり、化学・素材、電機、機械などのメーカーではヘルスケア関連の新規事業を強化していますが、各社、その知見がありません。そこで、新規事業の企画・推進を担う事業部門責任者~研究開発のマネジメントクラスを採用。医薬品・医療機器メーカーで開発責任者~リーダーを務めていた方が採用されています。
医療機器を手がけようとする電機・機械メーカーの場合は、新規製品の製造・販売のため薬事申請を行う必要があるため、薬事戦略を立てられる方が求められています。
マーケティング
開発フェーズから一段階進んだ企業では、これから拡販していくに際し、ターゲット層や販売手法を策定するため、マーケティングの求人も出てきています。医療機器のプロダクトマーケティングなどとして、現場での実務に強い方にチャンスがあります。
製販三役
医療機器業界への参入時、医療機器の製造販売業の取得には、「製販三役」の有資格者が必要となります。
「医療機器等総括製造販売責任者」「国内品質業務運営責任者」「安全管理責任者」です。
この役職を揃えるにあたり、ヘルスケア業界で豊富な経験を持つベテラン層を求めています。
役職定年を迎えた50代後半の方などが採用された事例があります。
「ヘルステック企業」の立ち上げも続々
SDGsの目標「すべての人に健康と福祉を」においては、「治療」に限らず「病気にならない」「健康寿命を延ばす」といった意味も含まれています。
そこで、「ヘルスケア×IT」の掛け合わせにより、予防医療を強化するための「診断」に関する製品・サービスの開発も進んでいます。スタートアップから、医療企業とメガベンチャーが共同出資する子会社まで、「ヘルスケアに強いIT企業」が続々と生まれています。
「ヘルステック」を手がける企業では、新しいシステムやアプリの開発を行うITエンジニアをはじめ、セールス、マーケティングの採用を行っています。
医療機関を顧客とする製品・サービスの場合、MRとして医療機関向けの情報提供活動を行ってきた方が採用されるケースが見られます。
遠隔診療システムなど医療用機器を扱う企業では、厚生労働省の許可が必要になるため、薬事申請、製販三役などのニーズもあります。
ヘルスケア業界におけるSDGs求人で求められるマインド
さまざまな業界がヘルスケア事業に進出する中では、歴史ある製薬・医療機器企業で「品質維持」「改善」を中心に担ってきた方にとっても、「0→1」での製品・事業立ち上げに参画するチャンスがあります。
経験・スキルを生かし、裁量権を持って新規プロジェクトを推進できること、世の中に新たな価値を提供できることにやりがいや面白みを感じられます。
ただし、「社内ベンチャー」のような立ち位置で新規事業を推進するのは、さまざまな軋轢が生じることも。障害を突破していく姿勢やスピード感が求められる覚悟が必要です。
また、自身の専門業務だけとどまらず、幅広い業務や役割にも柔軟に対応していく姿勢が欠かせません。
ヘルスケア業界におけるSDGs転職成功事例
医療機器分野での経験を生かし、大手電子部品メーカーの新規事業部門に転職された方の事例をご紹介します。
大手電機メーカーのグループ会社である医療機器メーカーで薬事関連業務を行ってきたFさん(40代後半/男性)。担当するプロダクトが縮小されることになり、「自身の経験を生かして、成長性がある企業に行きたい」と転職を決意されました。
JACからは、医療機器メーカーをはじめ、医療機器事業に参入する異業種メーカー、医療機器ベンチャー企業などの選択肢をご提案。結果、異業種である大手電子部品メーカーのA社に入社されました。
A社は高性能な電子部品を強みとし、数年前から医療機器事業に参入。開発段階から参画して、市場に出るまでをリードできる薬事戦略の責任者を求めていました。
Fさんの経験がまさに企業が求める人材像と合致し、年収100万円以上アップで採用に至ったのです。
ヘルスケア業界におけるSDGs転職ならJACへ
JACのコンサルタントは、医薬品・医療機器業界の全般の動向から、異業界のヘルスケア業界への参入の動き、スタートアップ企業の立ち上げの計画まで、幅広く情報を収集。マーケットの動向と採用ニーズを把握しています。
こうした豊富な情報の中から、転職希望者の方々の経験・スキル・志向・キャリアビジョンに合う求人をご紹介しています。
ヘルスケア業界出身のコンサルタントも複数在籍しているため、業界の共通言語で対話ができ、転職ご希望者の経験・スキルの価値を適正に判断いたします。まだ具体的に転職を決意していない段階でも、ぜひ一度ご相談ください。