持続可能な未来を築くため、エネルギー業界の企業ではSDGsの実現に注力しています。
この記事では、エネルギー業界におけるSDGsの主な取組みや、具体的な求人動向、求められているスキル・マインド、転職事例などについて、エネルギー業界を専門とするJAC Recruitment(以下、JAC)の転職コンサルタントが解説します。
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SDGsの目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」とは
スマートフォンやテレビ、冷蔵庫、電子レンジ、自動車など、これらは私たちの日常生活を支え、豊かにする技術の代表例です。これらのデバイスがスムーズに動作するためには、電気、ガス、ガソリンといったエネルギーが不可欠です。
これらのエネルギー源が利用できない生活を想像するだけで、その重要性が理解できます。日本のような先進国では、電気やガスの供給が「当たり前」とされています。しかし、世界を広く見渡せば、この考えは必ずしも当てはまりません。
国連広報センターが発表した「SDGs報告2021」によると、約7億5900万人の人々が電力にアクセスできていないという衝撃的な現実があります。加えて、石油や石炭といった化石燃料は有限な資源であり、地球環境にも大きな影響を与えます。
このため、資源の枯渇の懸念がなく、地球環境に優しい「再生可能エネルギー」の普及は、世界的な緊急課題の1つです。このような背景から、持続可能なエネルギー源への移行を促進し、すべての人々がエネルギーを安心して利用できる未来を目指す必要があります。
代表的なエネルギーの種類
エネルギーは私たちの生活に不可欠であり、エネルギーはその形態と起源により大きく2つのカテゴリーに分類されます。
第一に「一次エネルギー」と呼ばれるものがあります。これは、石油、石炭、原子力、天然ガス、水力、地熱、太陽光、風力、薪、木炭など、自然界に存在し、加工されていない状態で使用されるエネルギー源です。
石油や石炭などの化石燃料は、長い時間をかけて地質時代に堆積した動植物の残骸が変化してできた有機物です。これらの資源は有限であり、その燃焼過程で二酸化炭素を排出し、地球温暖化の原因となる問題を抱えています。
もう1つは、「二次エネルギー」です。これは一次エネルギーを転換・加工して作られるエネルギーで、電気、ガス、ガソリン、軽油などがこれに含まれます。
さらに、重要なのが「再生可能エネルギー」です。再生可能エネルギーは太陽光、風力、水力、地熱といった、自然界に常に存在し、自然の力で定常的に補充されるエネルギーを指します。
再生可能エネルギーの特長は、化石燃料のように枯渇の心配がなく、また二酸化炭素を排出しないため、地球温暖化への影響が非常に少ないことです。これらのエネルギー源の活用は、持続可能な社会を築くうえで非常に重要です。
エネルギー業界におけるSDGsの取り組みと転職市場動向について
SDGsの7番目の目標「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」の実現を担う中心的存在であるエネルギー業界。
東日本大震災以降、再生可能エネルギーへの注目が高まり、電力の小売自由化の後押しもあって、太陽光発電を中心とした再生可能エネルギー事業への取組みが進められてきました。
そして2020年、政府が「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言。
多くの企業が「カーボンニュートラル」をテーマとした取組みへ舵を切り、期待が持てる新分野として「洋上風力発電」事業の模索も始まりました。
また、新規事業部門を立ち上げる動きも見られます。
たとえば、「バーチャルパワープラント(VPP)/仮想発電所」。複数箇所に点在する小規模電源設備・機器を統合・制御し、1つの発電所のように機能させるものです。
ほかにも、EV(電気自動車)の普及に向けたカーシェアリングや充電スタンド運営などの事業、「電力トレーディング」事業などを開発する動きも出てきています。
このような新規事業展開にともない、これまでになかった採用ニーズも生まれています。
なお、コロナ禍で一時停滞した海外事業についても、大手企業を中心に再燃の傾向が見られます。2023年以降は、中堅規模の企業でも海外展開を見据えた動きが出てきています。
エネルギー業界におけるSDGsの取組みで増えている求人傾向
エネルギー業界において、採用が活発化している職種と求められる人材像をご紹介します。
新規事業開発
「カーボンニュートラル」というキーワードが出てきた2020年あたりから、新規事業開発の採用ポジションが急増しています。
かつてエネルギー業界の採用といえばエンジニアが中心でしたが、「企画系」の職種が約半数を占めるようになってきました。
なかでも求められているのは、自社が取り組む新規事業テーマと親和性がある業界・分野出身の方です。
エネルギー関連の事業企画経験者はもちろん、たとえば「EV」関連の新規事業では自動車業界や不動産デベロッパー業界などにいた方が採用されている事例があります。
これまでにない新規事業も多く、「経験者」がいない状態。そのため、応用できる類似分野の知見を持ち、環境や社会貢献への共感や知見が高い方が求められています。
DX/GX推進プロジェクトマネジャー
エネルギー事業においては、「バーチャルパワープラント(VPP)/仮想発電所」を例に挙げたように、システムで制御するものが多くなっています。
そこで、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を担う、デジタルの知見を持つプロジェクトマネジャーが求められています。
このようなポジションは、「GX(※)推進プロジェクトマネジャー」といった職種名で募集されているケースもあります。
※GX=グリーントランスフォーメーション。化石燃料をなるべく使わず、クリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動を指す。
エネルギー業界は大きな変革期を迎えており、「2050年カーボンニュートラル」に向けてまだまだ手探りで進んでいる状態。未成熟で不安定であるからこそ、チャンスも多い環境です。
経済活動や日常生活に欠かせないインフラであるため、手がけるプロジェクトが社会に大きなインパクトを与える可能性も。社会への貢献を強く実感できる、新たなキャリアを構築できる環境であるといえます。
電力トレーダー
発電事業者と小売事業者をつなぐ「電力トレーディング」の事業においては、金融の知識が必要となります。
従来のエネルギー業界には経験者がいないため、金融業界出身者が採用されているほか、リスク管理の経験を持つ方も選考対象となっています。
実際、証券会社のリスク管理コンサルティング経験者で、「環境」「エネルギー」に強い興味を持つ方が、商社系のエネルギー企業に採用された事例があります。
エネルギー業界におけるSDGs求人で求められるスキル・マインド
エネルギー企業の新規事業の取組みにおいては、人材が足りていない状態。そのため、自ら企画を立てて推進できる、ハンズオンで動ける方が求められています。
情報収集やパートナー候補企業への交渉など、主体的に行動を起こせる方に期待が寄せられます。
また、新たなエネルギー開発に取組む経営者たちは、「世の中を変えたい」「社会に貢献したい」という強い思いを抱いています。政策の方向も含め、先の見通しが不透明な状況においても、「自分たちの手で変革していく」「新しい業界を創造していく」という意思と覚悟を持っている方を歓迎しています。
未知のものにチャレンジし続ける業界でもあるため、好奇心を持って新しいことを吸収していく姿勢も重視されます。
エネルギー業界におけるSDGs転職成功事例
エネルギー業界への転職に成功したお2人の事例をご紹介します。
「社会貢献」に意欲を燃やし、電力サービス企業のDX推進担当へ
Kさん(40代前半/男性)は、IT企業を経て、消費財を扱う事業会社でアプリ開発マネジャーやDX戦略を手がけていました。「よりDXに注力する企業でチャレンジしたい」と、JACに登録。
対象とする業界は絞っていなかったKさん。自動車・アパレル・運輸など、さまざまな業種の求人を検討されました。
コンサルタントとの対話の中で浮かび上がったのが、Kさんの「社会貢献意欲の強さ」です。その志向を汲み、コンサルタントが提案したのが、エネルギー業界でした。
エネルギー業界の現状と今後の可能性を知り興味を深めたKさんは、最終的に大手企業系列の電力サービス企業に入社を決めました。多様な選択肢を検討していた中で、「もっとも社会に影響を与え、貢献できる可能性がある」と判断されたのです。
「リスク管理」の経験を生かし、コンサルから電力企業へ
Nさん(40代半ば/男性)は金融機関で経験を積んだ後、コンサルティングファームに所属。リスク管理や経営管理の領域を強みとしていました。
「より伸びしろがある、新しい業界に行きたい」と考え、エネルギー業界に注目したNさん。自身で業界動向を研究したうえで転職を希望し、求人情報を求めてJACに相談されました。
リスク管理の経験を生かせるポジションを募集している企業は、商社グループ企業やベンチャー企業など複数社ありました。比較検討の結果、最終的に選んだのは、大手企業複数社の出資で設立された電力小売会社です。面接で会った企業担当者の人柄や社風が決め手になったようです。
Kさんは電力に関する知識・経験はなかったのですが、リスク管理経験の深さが評価されました。電力の知識は他のメンバーが補完できると、採用企業に判断いただけたのです。
エネルギー業界におけるSDGs転職ならJACへ
JACのエネルギー専門チームは2013年に設立され、10年にわたる実績を持ちます。20名体制でエネルギー業界に特化して支援を行っているのは、JACならではの特長。多くの情報量、転職支援事例を保有しています。業界全体を俯瞰した動向の情報提供も、個々の企業の採用背景・求める人材像に関する情報提供も可能です。
そして、経験・スキルにあった求人案件をご紹介するにとどまらず、転職希望者の方の志向・価値観に寄り添うことを大切にしています。将来のキャリアビジョンも見据え、選択肢のご提供を行います。
まだ具体的に転職を決意していない段階でも、ぜひ一度ご相談ください。