不動産開発は、都市の景観を形作り、人々の生活基盤を創造する重要な事業です。経済全体に大きな影響を与え、年間取引金額は数兆円規模におよびます。大規模プロジェクトから身近な住宅開発まで、幅広い事業が展開されています。2025年以降も、高齢化社会や環境配慮型開発の需要増加、テクノロジーの進化による新たなビジネスモデルの創出など、さらなる発展が期待されるでしょう。
ここでは、JAC Recruitment(以下、JAC)コンサルタントが不動産開発の職種、仕事内容、年収、最新の転職・求人情報などをご紹介します。
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不動産開発とは?
不動産開発がどのような職種であるかを、不動産販売と比較しながら説明します。
不動産開発とは

不動産開発は、用地取得、企画、開発、販売・賃貸、管理といった要素を含む総合的な事業です。土地の仕入れから建物の建設、販売・貸出までの一連のプロセスを手掛けます。これを行う企業は「デベロッパー」と呼ばれ、マンション、オフィスビル、商業施設などの開発を行います。
不動産開発では、まず開発に適した土地を見つけて購入し、どのような建物や施設を建設するかを計画します。その後、実際に建物や施設を建設し、完成した物件を販売または賃貸するのが一般的です。さらに、建物や施設の維持管理も行うため、長期的なプロジェクトになることが多い傾向です。
不動産開発と不動産販売の違い
以下は、不動産開発と不動産販売の主な違いです。
不動産開発 | 不動産販売 | |
---|---|---|
主な業務 | 土地の仕入れから建物の建設、販売まで | 既存の建物や物件の販売 |
目的 | 新しい不動産物件の創造 | 既存物件の販売 |
リスク | 高い(大規模な投資が必要) | 比較的低い |
期間 | 長期(数年単位) | 短期(数カ月単位) |
必要なスキル | 企画力、資金調達能力、プロジェクト管理能力 | 営業力、市場分析力 |
不動産開発と不動産販売には、業務内容、目的、リスク、期間、必要なスキルにおいて大きな違いがあります。不動産開発は、新しい価値を創造する職種であり、デベロッパーは土地を仕入れ、建物を建設し、エリア全体の開発を行います。行政との交渉や、建築会社、ゼネコンとの協業も必要です。
一方、不動産販売は主に既存の物件を扱い、できあがった建物や土地を顧客に販売する営業活動が主な業務です。両者は不動産業界で重要な役割を果たしますが、業務内容と求められるスキルセットは大きく異なります。
不動産開発の仕事内容
不動産開発の主な仕事内容は以下の5つです。
- 土地の調査・評価
- 計画・設計
- 法規制の確認と許認可の取得
- 建設業者との連携
- 販売・マーケティング
以下でそれぞれの内容を解説します。
土地の調査・評価
不動産開発を行う際には、開発プロジェクトの立地条件や地価、土地利用規制などを詳細に調査・評価します。具体的には、土地の場所、アクセス性、近隣施設、土壌の状態、排水の良し悪しなどを調べます。法的・規制上の制約、比較市場分析、土地の価値を含む総合的な評価が行われ、プロジェクトの実現可能性や将来的な価値を見極めます。
計画・設計
不動産開発では、プロジェクトの目的や規模に応じた計画を立案し、建築設計や土木設計を行います。基本的な枠組みと方向性を設定し、アイデアを図面に落とし込み、詳細な図面や仕様書を作成します。機能性や美観、コスト、環境への配慮など、多角的な視点から最適な設計を追求します。
法規制の確認と許認可の取得
建築基準法や都市計画法などの法規制に適合しているか確認し、必要に応じて許認可を取得します。地方自治体の規制、公衆衛生、歴史的・文化的建造物の保護なども考慮に入れ、プロジェクトが法的に問題なく進められることを保証します。
建築業者との連携
不動産開発では、建築業者や設計事務所と協力して、工事の進捗管理や品質管理を行います。プロジェクトの全体像を把握し、各段階でのコミュニケーションを円滑に行うことで、計画どおりの進行と高品質な成果物の実現を図ります。予期せぬ問題が発生した際の迅速な対応や解決策の提案も重要です。
販売・マーケティング
完成した物件を市場に販売するためのマーケティング戦略を立案し、価格設定や宣伝活動を行います。ブランディングや広告・プロモーション、販売チャネルの戦略などを実施し、ターゲット層に効果的にアプローチします。市場動向や競合分析を踏まえ、物件の魅力を最大限に引き出す販売戦略を展開し、プロジェクトの成功に貢献します。
不動産開発の平均年収
JACがご支援した不動産開発の平均年収は1,000万円前後で、ボリュームゾーンは年収600~1,300万円です。
年代 | 年収 |
---|---|
30代 | 700~1,300万円前後 |
40代 | 850~1,200万円前後 |
50代以上 | 1,000~1,500万円前後 |
※当社実績(2024年1月~2024年12月)より
一般的には不動産開発業界、特に大手デベロッパーの年収は非常に高水準です。主要デベロッパー9社の平均年収は1,100万円前後ですが、役職によって金額に大きな違いがあります。
<役職による年収の違い>
役職 | 年収 |
---|---|
一般職(1~6年目) | 400~800万円前後 |
主任(7~12年目) | 800~1,000万円前後 |
課長代理(13~16年目) | 1,000~1,200万円前後 |
課長(17年目以降) | 1,300~1,600万円前後 |
部長(評価次第) | 1,800万円以上前後 |
このように、不動産開発業界では経験や役職に応じて年収が大きく異なり、特に管理職や部長職において高い年収が期待できることがわかります。転職を検討する際は、これらのデータを参考にし、自身のキャリアプランを考えることが重要です。
不動産開発の最新転職・求人情報
ここでは、不動産開発に関する最新の求人情報をご紹介します。必要な経験やスキル、年収条件などをご確認ください。
- ●株式会社NTTドコモ: アセットマネジメント/CRE企画【勤務地:東京】
>詳細はこちら - ●大手ハウスメーカー: 【建築企画・推進】自社開発マンション・再開発・マンション建替え事業【勤務地:福岡・北海道・神奈川・宮城・沖縄・大阪・東京】
>詳細はこちら - ●東京建物株式会社: 住宅エンジニアリング部【勤務地:東京】
>詳細はこちら - ●日産自動車株式会社: 【横浜本社】アセットマネジメント/不動産戦略・企画・管理/グローバル資産管理部(一般層 総括職/担当職)【勤務地:神奈川】
>詳細はこちら - ●積水ハウス株式会社: 【新築分譲マンションの設計・企画_東京マンション事業部】※住宅業界のリーディングカンパニー【勤務地:東京】
>詳細はこちら - ●大手ブライダル企業: ホテル建築プロジェクトマネージャー【勤務地:東京】
>詳細はこちら - ●非公開企業: 総合職 ◇総合ディベロッパー/キャリアパスが豊富/東京エリアの開発拡大中【勤務地:東京】
>詳細はこちら - ●総合デベロッパー: 自社開発物件の商品企画・計画策定【勤務地:東京】
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※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年3月最新)
不動産開発に求められるスキルや経験
不動産開発に求められる主要なスキルや経験は以下のとおりです。
- 企画力とプロジェクトマネジメント能力
- コミュニケーション能力と交渉力
- 専門知識と資格
- リサーチと商品企画能力
- 法務と権利関係の処理能力
それぞれの内容を以下で詳しく確認しておきましょう。
企画力とプロジェクトマネジメント能力
不動産開発では、地域のニーズを的確に把握し、最適な開発プランを作成する企画力が不可欠です。また、土地取得から販売までの多岐にわたるプロセスを効率的に進めるためのプロジェクトマネジメント能力も重要です。スケジュール・コスト管理、リスクマネジメントなどのスキルを駆使し、複雑なプロジェクトを円滑に遂行する能力が求められます。
コミュニケーション能力と交渉力
不動産開発は多くのステークホルダーと連携しながら進行するため、高いコミュニケーション能力が求められます。自治体、近隣住民、施工管理会社、設計事務所、金融機関など、さまざまな関係者との適切な対話が必要です。また、土地取得や契約交渉においては、双方の利益を見極めながら円滑な合意を導く交渉力も欠かせません。
専門知識と資格
不動産開発には、法律、経済、都市計画など多岐にわたる専門知識が必要です。土地利用の法規制の理解、市場分析、持続可能な開発に関する知識などが求められます。さらに、宅地建物取引士や不動産鑑定士などの資格取得も、プロフェッショナルとしての信頼性を高める重要な要素です。
リサーチと商品企画能力
不動産開発では、開発対象不動産の鑑定や周辺地域の調査など、綿密なリサーチ能力が求められます。また、マーケティング分析に基づく商品企画の策定や、競合他社との差別化を図る価格設定など、市場ニーズを的確に捉えた企画力も重要です。
法務と権利関係の処理能力
土地所有者との交渉、契約書類の作成、法務局対応、各種登記手続きなど、不動産の権利問題を解決する能力も求められます。複雑な権利関係を整理し、スムーズな開発プロセスを実現するためのスキルが必要です。
不動産開発への転職に生かせる資格
不動産開発では、取得しておくべき資格がいくつか存在します。ここでは、不動産開発の転職に生かせる資格を5つご紹介します。
宅地建物取引士(宅建士)
宅建士は不動産業界における基本的な資格で、不動産取引の重要事項説明や契約締結の際に必要とされます。国家資格であり、難易度は中程度です。学習期間は2〜10カ月程度で、年1回10月に試験が実施されることが一般的です。
不動産開発においても土地の取得や販売に関わるため、この資格は非常に重要といえます。多くの企業で採用時に優遇されるほか、資格手当として月額2〜5万円程度が支給されることが一般的です。
不動産証券化協会認定マスター
不動産証券化協会認定マスターとは、不動産の証券化に関する専門知識をもつことを証明する資格です。大規模プロジェクトを手掛けるデベロッパーにおいて、資産管理や投資の観点から重要視されます。
難易度は中〜高程度で、取得までの期間は半年から1年程度かかることが一般的です。この資格をもつことで、不動産の資産価値を最大限に引き出すための戦略的なアプローチが可能となります。
参考:ARES 一般社団法人 不動産証券化協会「不動産証券化協会認定マスターとは」
再開発プランナー
再開発プランナーの資格は、不動産開発における企画立案やプロジェクト管理、地域再生事業に携わるために役立ちます。
難易度は中〜高程度で、取得までには1年程度の学習期間が必要です。再開発事業では、土地利用の最適化や住民との協議など複雑なプロセスをともないますが、この資格をもつことで、地域活性化に貢献できる点が魅力でしょう。
参考:再開発コーディネーター協会「2025年度 再開発プランナー試験案内(第34回)」
不動産鑑定士
不動産鑑定士とは、不動産の経済価値を判定するプロフェッショナルとして認められる国家資格です。不動産開発では、土地や建物の市場価値や投資価値を正確に見極めるスキルが求められるため、この資格は非常に有用です。
難易度は非常に高く、学習期間は10カ月〜2年程度かかります。短答式と論文式の2段階試験があり、合格後は独立開業も可能です。
一級建築士
一級建築士は、建築物の設計や工事監理に関する最高峰の国家資格です。学科試験と設計製図試験の2段階があり、合格後は大規模建築物の設計や工事監理が可能となります。
難易度は高く、学習期間は7〜10カ月程度です。不動産開発において、建築物の品質と安全性を確保するために不可欠な資格であり、特に大規模プロジェクトを手掛けるデベロッパーでは高く評価されます。
参考:公益財団法人 建築技術教育普及センター「一級建築士試験」
不動産開発になるには

不動産開発への転職を成功させるためには、書類選考と面談での重要なポイントを押さえておく必要があります。
まず、履歴書と職務経歴書では、自身の強みや経験を不動産開発に関連付けて具体的に記載することが大切です。特に、数値化された成果や関連資格の取得状況を明記することで、印象を強化できます。
面談では、志望動機や業界理解度が重視されます。不動産開発の役割や市場動向について十分な知識をもち、自身のキャリアビジョンと結びつけて説明できることが求められます。また、コミュニケーション能力や顧客志向の姿勢も重要な評価ポイントとなります。
このような複雑な転職プロセスを効果的に進めるためには、JACのような専門的な転職エージェントを活用することが賢明です。業界に精通したコンサルタントのサポートを受けることで、自己アピールの方法や面接対策など、より的確な準備が可能となり、転職成功の可能性を高めることができます。
不動産開発のキャリアパス
不動産開発には、さまざまなキャリアパスが存在します。ここでは、5つの主要なキャリアパスを挙げ、それぞれについて解説します。
プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャーは、不動産開発プロジェクト全体を統括する重要な役割を担います。リーダーシップスキルと戦略的思考力をもつ人に適したキャリアパスです。
通常、入社後5~7年程度の実務経験を積み、小規模プロジェクトの担当から始めます。その後、中規模プロジェクトの責任者を経て、10年以上の経験を積むことで大規模プロジェクトの統括責任者になることが一般的です。プロジェクトマネージャーのキャリアを歩むためには、プロジェクトマネジメントスキルの向上と、宅地建物取引士などの関連資格の取得が重要です。
事業企画スペシャリスト
事業企画スペシャリストは、新規プロジェクトの立案や市場分析を行う専門家です。分析力と創造性に優れ、市場トレンドを読み取る能力が必要です。
事業企画スペシャリストを目指す場合、用地仕入れや営業などの現場経験を3~5年程度積んだ後、事業企画部門に異動することが一般的です。プロジェクト全体の収益計画立案や新規事業の提案などを担当し、最終的には事業企画部門のリーダーや部長職を目指せます。
アセットマネージャー
アセットマネージャーは、不動産ポートフォリオ全体の運用戦略を立案し、資産価値の最大化を図る役割を担います。財務分析能力と長期的視野をもつ人に適したキャリアパスです。
アセットマネージャーになるためには、プロパティマネージャーとして5~7年程度の経験を積んだ後、アセットマネジメント部門に移ることで実現できます。不動産投資や市場分析の知識を深め、大規模修繕計画の策定など、より経営的な視点が求められる業務を担当します。不動産証券化協会認定マスターなどの専門資格の取得が有利です。
開発本部長・役員
開発本部長や役員は、会社全体の開発戦略の策定や意思決定に関わる重要なポジションです。ビジョン構築力とリーダーシップ、幅広い業界知識をもつ人に向いています。
プロジェクトマネージャーや事業企画スペシャリストとして10年以上の経験を積み、大規模プロジェクトの成功実績を重ねることで実現可能です。部門長や統括責任者としての経験を経て、40代で執行役員クラスへの昇進も期待できます。経営戦略やファイナンスに関する知識の習得が重要です。
専門デベロッパー
専門デベロッパーは、特定の不動産分野(例:商業施設、物流施設、再生可能エネルギー施設など)に特化した開発を行う専門家です。特定分野への深い興味と専門知識をもつ人に適しています。
総合デベロッパーで3~5年程度の基礎経験を積んだ後、専門分野のプロジェクトに携わることで実現できます。専門分野の市場動向や技術トレンドに関する知識を深め、特定のニーズに応じた開発プロジェクトを主導します。一級建築士や不動産鑑定士の取得が重要です。
不動産開発の転職事例
ここからは、JAC経由で官公庁から大手不動産会社へ転職した事例をご紹介します。
Tさん(男性/30代後半)
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | 官公庁 | 政策立案 | 800万円 |
転職後 | 大手不動産 | 不動産開発 | 1,300万円 |
Tさんは、不動産開発と制度設計の両面からキャリアを築いてきました。鉄道会社勤務での9年間では、ホテル開発やエキナカ事業再編に従事。その後、官公庁で政策立案を担当し、高齢者住宅制度の緩和策などに携わりました。
制度設計にとどまらず、より現場に近い環境で機動的に開発業務に携わりたいと転職を希望。そこで、JACのコンサルタントは、Tさんのスキルを存分に生かせる大手不動産企業を提案しました。
結果として、オフィスビルや商業施設、ホテルの開発業務を担うポジションに採用が決定。ボトムアップ型の環境で、国内外の不動産事業において実力を発揮されています。
不動産開発の転職なら、JAC Recruitmentへ
JACは、不動産業界専任のコンサルタントが多数在籍し、多くの企業との取引実績をもつJACは、業界の最新動向を常に把握しているのが強みです。
また、経営層や幹部クラスとの強い信頼関係により、非公開求人も多数用意されており、キャリアアップを目指す方々に魅力的な機会を提供しています。さらに、各コンサルタントが企業と転職希望者の双方のニーズを深く理解し、高い満足度のサービスを提供できることも特徴です。
転職活動の開始から入社後まで、一人ひとりに合わせた細やかなサポートを行い、5年先、10年先を見据えた中長期的なキャリアコンサルティングを提供することで、不動産開発業界での成功をサポートします。
不動産開発への転職をご検討の方は、ぜひJACにご相談ください。