ハウスメーカーの転職動向|年収相場や必要な経験を解説

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公開日:2025/04/10 / 最終更新日: 2025/04/10

近年のハウスメーカーは、国内住宅需要が落ち着きを見せ、海外事業や非住宅領域への進出といった変化が生まれつつあります。それにともない、各社とも転職希望者に求めるスキルや経験が多様化。営業・設計・施工管理といった従来の職種に加え、不動産開発経験者、海外経験者、ITスペシャリストなど、採用の機会が広がりを見せています。

ハウスメーカーの現状、求人動向、求められる経験・スキル、年収相場、キャリアパスなど、ハウスメーカーへの転職を検討されている方にとって役立つ情報を、JAC Recruitment(以下、JAC)のハウスメーカー専任コンサルタントが解説します。

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ハウスメーカーの現状


日本の住宅市場は約15兆円という巨大な規模である一方、少子高齢化による着工棟数の減少という課題に直面しています。過去には新型コロナウィルス感染症の影響で、戸建住宅へのニーズが高まる「戸建てバブル」も発生しましたが、これは一時的な現象に留まり、長期的な着工棟数の減少傾向は続く見込みです。そのため、ハウスメーカーは住宅の建設・販売という請負事業を主力としてきましたが、市場の変化に対応するため、事業の多角化と組織力強化を急ピッチで進めています。

大手ハウスメーカーを中心に、各社はそれぞれが持つ強みやリソースを生かし、新たな事業領域への進出を加速させています。特に大手企業は資本力を背景に海外事業の展開を強化。アメリカやアジア・オセアニアなど、人口増加が見込まれる地域での住宅需要獲得を目指し、積極的な投資を続けています。

こうした事業拡大にともない、大手企業はキャリア採用を強化し、次世代の中核メンバーとなる方の採用に力を入れています。専門知識や技術をもつ即戦力の採用に加え、将来のリーダー候補の育成にも注力しており、社員の成長を支援するための研修プログラムやキャリア開発支援を充実させるなど、優秀な社員が力を発揮できる職場環境を提供しています。

ハウスメーカーに多い求人と、求められる経験・スキル


ハウスメーカーの求人というと、営業設計施工管理といった職種が一般的ですが、近年の事業多角化の動きにともない、採用ニーズは多様化しています。

国内住宅事業においては、環境性能や省エネ性能といった住宅性能を高めるための商品開発に関わるポジションの求人が増えています。また、既存の構法を非住宅分野へ展開させる動きも活発化しており、これにともなう技術開発の求人も増加傾向にあります。これらの求人においては、工法開発や構造設計、施工管理、商品企画・開発といった専門的な経験やスキルが重視されます。

また、新規事業として分譲住宅事業やリフォーム事業に力を入れるハウスメーカーも増えており、各分野の経験を持つ中小ハウスメーカー出身者の採用も活発です。

海外事業においては、駐在員として現地法人の経営を担う方や、国内側で現地法人の業績管理M&Aを推進する担当者の採用が増加中です。これらの職種では、海外事業の経験、現場での実務経験に加え、本部での企画業務やスタッフ職の経験、業績管理や子会社管理などの会計知識などが有利に働く要素となります。

前述のとおり、ハウスメーカーは激変のさなかにある業界です。同業他社での経験はもちろん、異業種で培った経験やスキルを生かせる環境が次々と生まれています。自身の専門性を生かした仕事に従事したい方にとって、ハウスメーカーはチャンスを手にしやすい業界であるといえるでしょう。

ハウスメーカーの年収相場


ハウスメーカーにおける各職種の年収の目安は以下のとおりです。

決定職種決定年収の相場
法人営業(その他)600万円~900万円
リテール営業600万円~900万円
新規事業開発700万円~1,100万円
商品企画・商品開発(技術系)700万円~1,100万円
用地仕入れ600万円~1,000万円
施工管理(建築系)600万円~1,100万円
購買600万円~1,000万円

これらの年収は、経験、スキル、役職によって大きく変動します。一部のハウスメーカーではインセンティブ制度が導入されており、成果に応じて高収入を得ることも可能です。

また、ケースとしては稀ですが、海外事業の現地法人代表といったポジションでは2,000万円を超える年収で採用されるケースがあります。

ハウスメーカー未経験の転職の可能性


ハウスメーカー各社は事業領域の拡大にともない、異業種からの転職の受け入れを強化しています。近年では、ゼネコンや不動産デベロッパー出身者がハウスメーカーに転職し、分譲住宅や非住宅領域の事業に従事するケースも増加しています。

また、海外事業や新規事業といった分野では、住宅業界での経験にとらわれず、幅広い業界から優秀な方を求める傾向が強まっています。

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ハウスメーカーの転職で有利となる資格


ハウスメーカーは建築、不動産の両面の経験や知識が求められる業界です。専門スキルや深い知識を求められる場面は多く、転職市場において有資格者は高く評価される傾向があります。特に以下の資格所有者は、多くの企業で求められています。

宅地建物取引士(宅建)

宅地建物取引士は、不動産取引に関する専門知識を持つ国家資格です。重要事項の説明や関連書類への記名といった独占業務があるため、住宅の建築・売買を生業とするハウスメーカーでは重要な役割を果たします。

参考:宅地建物取引士(宅建)について

建築士

建築士は、建築物の設計や工事監理を行うための国家資格です。大規模な建築プロジェクトに関わる際に必要な資格であり、建築設計や施工管理の分野で高い評価を得られます。
建築士の資格には一級と二級があり、一級は設計できる建築物の規模や構造に制限がありません。

参考:一級建築士について

一級建築施工管理技士

建築施工管理技士は、建築工事の施工管理を行うための国家資格です。部門の管理や品質管理、安全管理を担当します。請負金額が3,500万円以上の建設現場への配置義務がある重要な資格であり、取得には建設に関する深い知識と優れた判断力が求められます。

建築施工管理技士の資格は一級と二級に分類され、一級のみ監理技術者として現場配置が認められています。

参考:一級建築施工管理技士について

ハウスメーカーでのキャリアパス


ハウスメーカーにおけるキャリアパスは、一般的に営業系と技術系に分類されます。営業系は総合職としての採用となり、経験を積んだ後には人事部門、管理部門、マーケティング部門といった本社スタッフの職種へキャリアチェンジする道が開けます。

技術系の場合は、大学院卒であれば、研究所や技術開発部門への配属も考えられます。また、学部卒であっても、戸建住宅部門からアパートや非住宅部門へと、技術職としてのキャリアアップを目指すことは可能です。さらに、一部の企業では、FA制度や社内公募制度を活用し、新規事業にチャレンジする機会も用意されています。

海外事業に携わる場合、大手企業では新卒入社後に営業職として戸建住宅の販売などを経験した後、ローテーションの一環として海外部門に異動するケースが一般的です。一方でこれから海外進出に力を入れる中小企業では、海外事業の経験を持つ方をキャリア採用しています。

近年は各社とも海外企業の子会社化にともない、駐在員として海外で活躍するチャンスが拡大しています。

大手ハウスメーカーで海外事業に携わる場合、各社の事業フェーズによりさまざまなキャリアパスがあります。既に海外事業を展開し拡大を加速している企業では新卒で海外事業要員の採用を初めていますが、駐在員のローテーション要員はキャリア採用に頼る部分が大きいため、入社後数年内に海外駐在をかなえられるケースが多いです。即戦力として活躍が期待できる30代~40代で、北米や豪州などの英語圏の駐在員を目指したい方にはチャンスが広がっています。

一方でこれから海外進出に力を入れる企業では、経営に近い立場で大きな裁量を持ち、海外事業全体の戦略や方向付け、組織の立ち上げに携わることができるケースもあります。40~50代などより経験豊富な方が活躍いただけるフィールドがあります。

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ハウスメーカーの転職を成功させるポイント


ハウスメーカーへの転職を成功させるためには、自身の専門的な経験やスキルを効果的にアピールすることが重要です。設計、施工管理、商品開発などの専門性にひも付く具体的な実績を明確に伝えることが大切です。

特に、設計や施工管理の実務経験を積んだ後に本部の企画スタッフへ転属した方、ある程度のマネジメント経験を積んだ方は、多くの企業から高い評価を得られる可能性があります。

また、前述のとおり業界全体として海外進出に注力しているため、海外事業経験者の希少性は非常に高く評価されています。中でもハウスメーカーの海外事業に携わった経験者を求める企業は非常に多いですので、積極的にご自身の経験・スキルをアピールしましょう。

ハウスメーカーの転職で多い質問と回答


ハウスメーカーへの転職を検討する方からよくいただく質問をご紹介します。

Q:他社とどのような点で差別化を図っていますか?

A:ハウスメーカー市場において、大手企業が占める割合は20%程度です。残りの80%は地域の中小ハウスメーカーが占めており、各社とも地域の特性や顧客層に適した独自の工法による住宅を手掛けています。また、近年では大手を中心に非住宅領域や海外への進出など、国内住宅の域を超えた事業展開に力を入れています。

同じハウスメーカーのくくりであっても、各社の個性はさまざまです。ご自身のキャリアを生かせる企業選びは、ぜひJACのコンサルタントにご相談ください。

ハウスメーカーの転職事例


ハウスメーカー業界内での転職成功事例をご紹介します。

Yさん(男性/40代後半)

業種職種年収
転職前大手ハウスメーカー商品開発850万円
転職後大手ハウスメーカー商品開発1,100万円

40代後半のYさんは、前職のハウスメーカーで営業や設計、海外赴任をご経験の後、商品開発に従事。会社の事業縮小にともない設計への転属を命じられたことを機に、商品開発として活躍できる企業への転職を決意しました。

JACのコンサルタントが紹介したのは、同じ大手ハウスメーカーの商品開発職です。もともとこの企業は30代中盤の採用を検討されていましたが、ご希望のスキルをお持ちの30代中盤は市場に出てこないことを説明。求める人物像とYさんがお持ちの経験やスキルが合致することを案内し、年収250万円アップで採用に至りました。

Yさんの転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

ハウスメーカーの転職なら、JAC Recruitmentへ


JACは、数多くのハウスメーカーと強固な信頼関係を築いており、非公開求人を多数保有しています。通常であれば社内異動で充足されるような希少性の高い本部系ポジションや、特殊なスキルを求める海外求人など、各社がピンポイントな人物を求める求人をお任せいただけるのがJACの特徴です。

また、企業との密接なコミュニケーションを通じて、潜在的な採用ニーズを把握。あなただけのポジションを創出し、ご提案することも可能です。

ハウスメーカーへの転職をご検討中の方は、ぜひJAC Recruitmentにご相談ください。

この記事を監修した転職コンサルタント

佐々木写真

佐々木 光希

建設・不動産ディビジョン 住宅チーム リーダー

大学卒業後、不動産会社に勤務し、地主様向けの土地活用の提案営業や新卒の採用担当に従事。ハウスメーカーの不動産部門にて収益・分譲用地仕入・販売の一連の業務を経験後、JAC Recruitmentに転職。現在は大手ハウスメーカーを中心に住宅・不動産領域を担当しております。中長期のキャリア形成を一緒に考え、ご提案させていただきます。まずはお気軽にお問い合わせください。


吉﨑写真

吉﨑 愛

建設・不動産ディビジョン 住宅チーム プリンシパルコンサルタント

2007年にJAC Recruitmentに入社後、約10年間にわたり、大阪、神奈川エリアの製造業、首都圏における不動産・建設領域における転職支援に携わっております。あなたに寄り添ったご支援をさせていただきます。安心してご相談ください。



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