設備設計の転職事情|仕事内容や年収、転職・求人情報を解説

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公開日:2025/03/28 / 最終更新日: 2025/03/28

建物によって用途は異なりますが、どのような用途の建物であっても人が利用するにあたっては必ず電気や上下水道、空調などの設備が必要です。そのため、建築物の設計にあたっては設備に関する設計も欠かせません。近年、建物の構造は複雑化しており、さまざまな設備も導入されるケースが多いことから、設備設計には高い専門知識と技術力が求められる傾向にあります。では、設備設計になるにはどのようなスキルが必要になるのでしょうか。

今回は、設備設計の仕事内容や年収、転職時に必要な資格、最新の求人情報などについてご説明します。

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設備設計とは?


設備設計が担う役割について簡単にご説明します。

設備設計とは建物に必要な設備の計画・設計をする仕事のこと

設備設計とは、建物を利用する際に必要な設備の計画や設計をする仕事のことです。具体的には、空調設備、電気設備、給排水設備、上下水道設備、エレベーター、エスカレーター、インターネット回線などのインフラの設計を担当し、建築物の快適性や利便性を高める役割を担います。また、近年では建物の省エネルギー化も進められており、効率の良い空調設備や電気設備、太陽光などの自然エネルギーの活用なども求められる傾向にあります。

そのほか、建物の竣工後、運用にかかる設備のメンテナンス費用や修繕費、水道光熱費なども鑑み、運用コストをできるだけ抑えられる設備の提案も設備設計に求められる役割です。

設備設計と建築設計の違い

建築設計は、建物の外観や間取りをデザインする意匠設計、建物の耐震性や強度など安全性能を設計する構造設計、導入設備の設計をする設備設計の3つに分けられます。したがって、設備設計は建築設計の1つの役割だといえます。

設備設計と施工管理の違い

設備設計は、建物に導入する設備の設計をすることです。一方、施工とは実際に工事を行うことであり、設計書と計画に沿って工事を進めるように管理する業務を施工管理といいます。

設備設計の仕事内容


設備設計とは、建築物を機能させるために必要な設備の設計を行う仕事ですが、設備設計の仕事内容をより詳しくご説明します。

施主や意匠設計者との打ち合わせ・基本プランの提案

建物の使用目的や対象とする利用者などを踏まえ、施主がどのような設備を希望しているのか、どの程度の予算を想定しているのかヒアリングをします。また、意匠設計者が施主との打ち合わせを行っている場合は、意匠設計者から要望を引き継ぐケースもあります。
施主の希望や予算に合わせた基本プランを考案し、提案をします。

設備設計書の作成

照明や受変電、LAN、映像、音響、防災、セキュリティなどの電気設備、空調や換気、排煙などの空調設備、給水や給湯、排水、ガスなどの給排水衛生設備の設計書を作成します。

設計にあたっては、意匠設計や構造設計の担当者とのコミュニケーションも欠かせません。配管を設置する場所や機械設備室を設置する場所など、どのような場所にどの程度の面積が必要なのかも早い段階で伝える必要があります。

見積もりの作成

設計書に基づき、導入する設備のコスト、配管などの建材、資材にかかるコストを算出し、見積書を作成します。

施工監理

設備工事は、各設備工事の専門業者が行います。設備設計者は工事専門業者に対し、設備の設計概要を説明し、設計どおりの工事が行われているか施工状況を監理します。

また、着工後に計画変更が必要になる場合には、施主に計画変さらに伴う性能やコストの変さらについて説明を行う役割も担います。

設備設計の平均年収は740万円前後


設備設計の平均年収は、一般的には600万円程度だとされていますが、JACが転職をサポートした事例の平均年収は740万円前後です。

JACが転職をサポートした事例では、年収のボリュームゾーンは550万円から1,000万円程度で、年代別の平均年収は次のようになっています。下の表に示したように、特に年代が高くなるほど、経験やスキルによって年収の幅が広がる傾向にあります。

<JACがサポートした設備設計者の年代別平均年収>

年代平均年収
30代600万円~800万円
40代650万円~1,000万円
50代以上780万円~1,100万円

また、設備設計の年収は、所属する企業の規模や経験年数、年齢、スキルなどによって変わります。

設備設計の最新転職・求人情報


JACでは、多数の設備設計の求人を取り扱っています。当社が取り扱う求人の中から一部をご紹介しますので、転職時の参考にしてください。

スーパーゼネコン:設備設計

大手・独立系・環境エンジニアリング企業:建築設備設計エンジニア

株式会社アイ・ピー・イー:設備設計(換気設備や冷暖房設備・給排水設備など)

非公開:設備設計(電気/機械)

非公開:技術系総合職:設備設計

非公開:電気・機械設備設計

株式会社プランテック:【設備設計(電気/機械)】

東証プライム/準大手ゼネコン:設備設計職

株式会社耕設備設計企画:建築設備設計

株式会社日建技術コンサルタント:建築設備設計

プライム上場/日本を代表する総合設備企業:設備設計

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年2月最新)

JACでは取り扱う求人の約7割が非公開求人であり、本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。非公開求人も含め自身の適性やキャリアビジョンに合う求人の紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性やご希望に沿う求人をご紹介いたします。

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設備設計に求められるスキルや経験

設備設計の仕事では、次のようなスキルや経験が求められます。

高いコミュニケーション能力

設備設計では、意匠設計や構造設計の担当者と協力しながら、より良い建築物を実現しなければなりません。設備設計の担当者として、設備面からの意見を主張するだけでは、ほかの分野で不都合が生じるケースもあるのです。そのため、意匠や構造の設計担当者の意見も尊重しながら、互いが納得できるポイントを探る必要があり、設備設計の担当者には高いコミュニケーション能力が求められます。

リスク管理能力

設備設計をするにあたっては、設備導入後に想定される問題を事前に考慮し、トラブルを未然に防ぐような設計が求められます。万が一、建物が完成した後に不具合が生じた場合、改修には大きな手間とコストが生じる恐れもあります。そのため、設備設計者には発生しうるトラブルを事前に想定しながら設計を進める、リスク管理能力が必要になるでしょう。

CADの知識と実務経験

設備設計では、設備設計に特化したCADをして設計をするケースがほとんどです。そのため、転職時にはCADのスキルや知識をもつ方が優遇される可能性が高くなります。

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設備設計への転職に生かせる資格


設備設計は資格が必要な仕事ではありません。しかし、次のような資格を保有している場合、転職活動を有利に進められる可能性があります。

建築士

建築物の設備設計を行うにあたっては、建築士の資格があると設計についての専門的な知識を保有していることの証明にもなり、転職にも役立つでしょう。 建築士は国家資格ですが、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3つの種類があり、資格によって設計できる建築物の規模や構造などが異なります。全ての建築物の設計・工事監理ができる資格は一級建築士です。一級建築士の取得に際しては、試験合格後、一定以上の実務経験が求められるため、難易度の高い資格だといえます。

参考:公益財団法人建築技術教育普及センター「一級建築士試験」

設備設計一級建築士

2006年12月の改正建築士法によって創設された資格です。3階以上かつ床面積の合計が5,000㎡超の建築物の設備設計については、設備設計一級建築士が自ら設計するか、設備設計一級建築士による確認が必要になります。
設備設計一級建築士の資格を取得するためには、一級建築士の資格が必要です。一級建築士として5年以上、設備設計の業務に従事し、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関の講習を修了することではじめて設備設計一級建築士の資格を取得できます。
資格取得までのハードルが高い資格ですが、保有していればどのような建築物の設備設計もできる、設備設計のスペシャリストであることを証明できる資格です。

参考:公益財団法人建築技術教育普及センター「設備設計一級建築士」

建築建設士

建築設備士は、建築設備全般に関する知識および技能を持ち、建築士に対し、高度化・複雑化した建築設備の設計・工事監理に関する適切なアドバイスを行える国家資格です。大学や短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業能力開発大学校などで建築や機械、電気などいついての課程を納めており、建設設備に関する一定以上の実務経験をもつ人のみが受験を認められています。また、一級建築士や1級電気工事施工管理技士、1級管工事施工管理技士、空気調和・衛生工学会設備士、電気主任技術者(第1種、2種、3種)の資格保持者は2年以上の実務経験があれば、受験が可能です。

参考:公益財団法人建築技術教育普及センター「建築設備士」

設備設計士になるには


設備設計士を募集する企業の多くは、設計事務所やゼネコンです。戸建て住宅などを建設するハウスメーカーの場合は、設備設計は外部に依頼するケースが多くなっています。設備設計の求人は、経験者を求めるケースがほとんどですが、経験者の採用にあたっては前職での経験や自社への応募理由についての明確な説明が求められます。

1人で転職活動をしている場合、求人票に記載されている以外の情報を得ることは簡単ではありません。そのため、自身の経験をどのように生かせるのかを確実に把握できないケースもあるでしょう。また、求人内容は魅力的でも、職場環境や企業風土が自分に合うかどうかまでは、判断しにくいものです。

そこでおすすめしたいのが、転職エージェントの活用です。特に建設業界に強い転職エージェントは、業界内の情報にも詳しく、企業ごとの特徴や得意分野、職場の雰囲気などについてのアドバイスも得られます。そのため失敗の少ない転職活動を進められるでしょう。

JACは、建設業界出身のコンサルタントが多数在籍している転職エージェントです。転職にあたっての悩みや相談にも親身に対応しており、より納得できる転職活動を実現できるよう力強くサポートしています。設備設計への転職を検討されている場合には、JACにお気軽にご相談ください。

設備設計のキャリアパス


設備設計士のキャリアパスには、次のような選択肢が考えられます。

設備設計一級建築士を目指す

設備設計の業務についている方の中には、設備設計に必要な知識や技術の研鑽に励み、設備設計一級建築士の資格を目指すケースがあります。設備設計一級建築士は、大規模な建築物の設備設計を担える設備設計のスペシャリストです。より大規模なプロジェクトに関わりたい場合やよりコストを抑え、快適な設備を整える建築物の設計に関わりたい場合などは、スペシャリストを目指すとよいでしょう。

マネジメントスキルを身に付ける

設備設計の仕事へのやりがいはもちろん、同じ目標をもってチームで業務を進めることにやりがいを感じる人は、マネジメントスキルを身に付け、管理職を目指してもよいでしょう。チームを率いるリーダーシップがあり、人材育成に関心が高い人などは、マネジメントのポジションがおすすめです。

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設備設計の転職事例


JACでは、設備設計の方の転職支援実績が豊富にあります。一例として30代後半の男性の転職事例をご紹介しましょう。

Fさん(男性/30代後半)

業種職種年収
転職前建築事務所機械設備設計・工事監理680万円
転職後建築設計会社機械設備設計・工事監理800万円

大学院終了後、設計事務所や建築事務所などで設備設計に携わってこられた方です。知識と技術の研鑽に熱心な方で、一級建築士、建築設備士、設備設計一級建築士の資格も保有されています。物流倉庫やオフィスビルなどの設備設計の経験を豊富にお持ちでしたが、データセンターや大規模なホテルなど、多様な建築物の設備設計に関われる環境を希望し、転職を決意されました。

ご本人の意思を尊重し、当社からは建築設計会社の求人をご紹介しました。設備設計だけでなく、カーボンニュートラルやエネルギーマネジメントなどSDGsの実現に貢献する設備設計のコンサルティング業務なども担う能力をもつ方を募集されていた会社です。ご紹介後、大規模な施設の設備経験に携わった経験と設備設計一級建築士や建築設備士としての資格が大きく評価され、将来的にはプロジェクトを率いるポジションを任せたいと、見事、採用が決定しています。転職先の大きな期待を受け、入社後は国内外のさまざまな用途の建築物の設備設計に関わる予定です。

設備設計の転職なら、JAC Recruitmentへ


建物を快適にかつ便利に利用できるようにするためには、建物の用途や構造、デザインに合わせた的確な設備設計が必要です。国際社会においても建設物を運用する際の省エネルギー化やCO2の排出抑制が求められており、設備設計には幅広い役割が求められるようになってきました。

JAC Recruitmentには建設業界出身のコンサルタントによって構成される建設業界専門チームがあります。設備設計への転職を希望される方の希望をしっかり受け止めながら、目指すキャリアを実現する最適な求人をご紹介します。設備設計への転職をご希望の際には、ぜひJACにご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




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