建設業界の転職事情|年収相場や必要な経験を解説

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公開日:2025/04/14 / 最終更新日: 2025/04/30

建設業界では近年、技術革新や働き方改革が進み、大きな転換期を迎えています。市場規模は拡大傾向にあり、転職市場も活況を呈しています。

建設業界の現状、求人動向、求められる経験・スキル、年収相場、キャリアパスなど、建設業界への転職を検討されている方にとって役立つ情報を、JAC Recruitment(以下、JAC)の建設業界専任コンサルタントが解説します。

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建設業界の現状


建設業界は倒産数の増加や人手不足といったネガティブなニュースが取り沙汰される一方、民間の建設需要は堅調に推移しています。それにともない求人数は増加傾向が続いており、昨年比で1.2倍程度に増加。特に30代中盤から40代中盤の経験豊富なミドル層、50代60代の専門職を中心に採用ニーズが高まりを見せています。

施工管理や設計といった職種は依然として需要が大きいことに加え、現場を支える技術系ポジションの需要が顕在化しているのも近年の特徴的な傾向です。コンクリート技術や土質の専門家、ロボット、BIM/CIMなどを専門にしたDX人材の需要が高まっており、転職の選択肢が施工管理や設計に限定されていた時代に比べ、求められる方が多様化しつつあります。

その背景にあるのは、2024年問題と呼ばれる「働き方改革関連法による時間外労働の上限規制」の影響です。大手ゼネコンや準ゼネコンでは、時間外労働が常態化していた現場に代わり、施工計画や設計変更に関わる業務を本社に吸収する動きが出始めています。専門的な知識やキャリアが求められる一部の業務の本社集約にともない、技術系内勤の求人が増加しているのです。

現場の人材不足や労働時間の短縮傾向は続きますので、技術系スペシャリストの需要は今後も高まり続けることが予測されます。

建設業界に多い求人と、求められる経験・スキル


現在、建設業界における採用が活発な職種と、求められる経験やスキルは次のとおりです。

施工管理・設計

従来からの建設のイメージを支えている職種であり、高い採用ニーズが続いています。特に近年では各社とも専門性の高い方を求めており、コンクリート、土、トンネル、シールド、橋梁、ダム、外装、内装、山留めなどの特定分野の専門家が求められています。

専門性の種類や経験が影響しますが、30代中盤から50代後半まで幅広い層が受け入れられている状況です。大手ゼネコンが専門工事会社出身のスペシャリストを採用するケースも増えていますので、スキルを生かしたキャリアアップを目指す方のチャンスが広がっています。

技術系ポジション

建設業界全体のDX推進の加速にともない、デジタル人材の採用増加が顕著です。建設業界の経験や知見を求められる採用が多い一方、SEや情報システムといった内勤では、他業種からの転職者がゆるやかに増加中です。特にDX推進の経験者や、ベンダーコントロールの知見を持つ方が注目されています。

技術研究所などアカデミックな部門では、豊富な経験と知見をもつ60代が採用されるといった事例も出てきています。年齢や業界歴を問わずに挑戦できる土壌がある領域ですので、変化を厭わずに挑戦する方が求められています。

営業職

近年増加が著しいのが受注営業の求人です。各社とも慢性的な営業不足が続いていることもあり、業界経験を持つ営業職が好待遇で迎えられるケースが増えています。構造が複雑な建設業界の知見を求められるため、業界経験者の採用が多い傾向があります。

建設業界の転職で求められるマインド


近年の建設業界は、転職希望者にチャレンジ精神を求める傾向が顕著です。昨今の建設業界は、残業規制の適用やデジタル化の促進などの影響をうけ、業界の在り方が根本的に変わりつつあります。業界全体に求められる変化という課題に対し、新たな発想や行動で解決方法を模索できる方に期待が寄せられています。

建設業界の年収相場


建設業界におけるおおよその年収目安は以下のとおりです。会社規模が年収に影響する傾向が強く、大手ゼネコンは準大手に比べて10%前後アップします。

年代大手ゼネコン準大手ゼネコン役職
20代700万~800万円600万~700万円
30~40代前半800万~1,100万円700万~1,000万円主任クラス
40代中盤以上1,000万~1,300万円900万~1,200万円管理監督職

建設業界の転職で有利となる資格


建設業界の転職では、職種ごとの専門性が問われる傾向があります。それまでのキャリアで積み重ねてきた実績はもちろん、資格の有無も専門性の高さのアピールに繋がります。特に次のような資格を取得していると、ご自身のスキルに説得力を持たせやすくなるでしょう。

一級施工管理技士

一級施工管理技士は、工事の施工計画の立案や工程管理、安全面に対する現場指導などを行うための能力が認められた国家資格です。大規模な工事には資格者の配置が義務づけられているため、建設業界においては非常に需要が高い資格だといえます。

施工管理技士は土木・建築・設備(電気・機械)の4領域に分類されており、それぞれの資格は独立しています。

参考:1級土木施工管理技士について
参考:1級建築施工管理技士について
参考:1級電気工事施工管理技士について
参考:1級官工事施工管理技士について

一級建築士

一級建設士は、建設物の設計や工事監理、調査・鑑定等を行うことを認められる国家資格です。扱える建造物に制限がなく、商業施設や学校、病院などの大規模建造物を扱うことが認められています。

参考:一級建築士について

技術士

技術士は、科学技術に関する知識と応用力を証明する国家資格です。建設業務の責任者である「監理技術者」、成果物に対する技術上の照査を行う「照査技術者」に求められます。21の技術部門ごとに資格が細分化されており、建設業界では建設部門、上下水道部門、電気電子部門などの有資格者が高く評価されます。

参考:技術士について

コンクリート主任技士

コンクリート主任技士は、コンクリートの製造、検査、管理などの業務を遂行する高度な能力を証明する資格です。コンクリート技士の上級資格にあたる難関資格であり、合格率は14%前後と、高い難易度の試験に合格する必要があります。

参考:コンクリート主任技師について

コンクリート診断士

コンクリート診断士は、既存のコンクリートの劣化状態を診断し、維持管理の提案を行う能力を証明する資格です。コンクリートの製造に携わるコンクリート技士とは異なり、すでに建造物に使用されたコンクリートを対象とした診断を行います。

参考:コンクリート診断士について

RCCM(シビルコンサルティングマネージャー)

RCCMは、土木工事に関する高度な専門技術と経験を証明する資格です。施主に対して適切なアドバイスを行う建設コンサルタントに必要な資格のひとつです。技術士同様に、管理技術者や照査技術者の業務遂行に必要な技術や知識が求められます。

参考:RCCMについて

第三種電気主任技術者

第三種電気主任技術者は、電気設備の工事や保守、運用の監督を行うための国家資格です。第一種から三種に分類されており、第三種は5万ボルト未満の事業用電気工作物を扱うことが認められています。

参考:第三種電気主任技術者について

建設設備士

建築設備士は、空調、給排水、電気などの建築設備に関する広い知識と技術を持つことを証明する国家資格です。建築設備の専門家として、建築士に助言を与える役割を担います。

参考:建設設備士について

建築積算士

建築積算士は、建築工事に必要な工事費を算出する能力を証明する資格です。設計図や仕様書に基づき、数量算出から工事費算出まで行います。工事の進捗状況に応じたコスト管理を行うには、上位資格の「建築コスト管理士」が必要です。

参考:建築積算士について

建設業界でのキャリアパス


建設業界におけるキャリアパスはマネジメントとスペシャリストに二分されます。

マネジメントは本社勤務の後に地方支店の管理職を経験し、本社に戻った後に役職を上げていくケースなどが想定されます。総合職として多くの経験を積む間に職種を転換するチャンスも得られます。

スペシャリストは、自身の専門性を生かせるプレイヤーとしての成果が期待されるポジションです。業界全体としてもスペシャリストの活躍が求められる傾向があります。

ただし、スペシャリストとして従事し続けられるかは会社の制度次第です。チームを率いるマネジメントを求められるケースもありますので、転職検討時に入社後に実現できるキャリアパスを確認しておく必要があります。 なお、建設業界から他業界への転職も可能です。主な転職先としては不動産、建機メーカー、建設テック系のベンチャー企業、コンサルティングファーム、人材紹介といった業界が挙げられます。

建設業界の転職で多い質問と回答


Q:自分のキャリアでどのような転職の可能性がありますか?

A: 建設業界は一社に長く勤める方が多い傾向が強いため、自身が所属する企業以外の事情をご存じない方が少なくありません。一方で、建設業界全体としてキャリア採用を強化する傾向がみられるだけでなく、他業種へ転職されるケースも増えています。JACでは、市場に出ている求人情報や経験・スキルの情報から、希望する働き方を実現するためのさまざまな選択肢を提示いたします。

Q: 定年後にはどのようなキャリアの選択肢がありますか?

A: 近年の建設業界では、経験やスキルを持つシニア層を活用する動きがみられます。60歳以降もそれ以前と同様にご活躍される方が増えている一方、役職定年制度や給与規定などは会社ごとに扱いが異なります。JACでは、入社を希望する企業における役職定年の有無やシニアの活躍事例、企業がシニアに求める仕事内容などを丁寧にお伝えしますので、まずはお気軽にご相談ください。

建設業界の転職事例


建設業界内で転職し年収アップに成功した方の事例をご紹介します。

Aさん(男性/40代後半)

業種職種年収
転職前専門工事会社技術営業職1,000万円
転職後大手ゼネコン専門技術職1,300万円

専門工事会社に約20年所属し、専門工事の技術職から技術営業を歴任されたAさん(40代後半/男性)。技術営業として約10年間全国転勤を継続されましたが、技術職として東京で働きたいという思いから転職を決意されました。

JACのコンサルタントが提案したのは、大手ゼネコンの専門技術職。当初ゼネコン側はAさんが該当する専門技術職を探していませんでしたが、コンサルタントが企業との話し合いの中で潜在的なニーズの存在を感じ取り、Aさんをご紹介しました。その結果、専門技術を生かした働き方がしたいAさんと、顕在化した人材ニーズを満たす技術者を採用したい企業側の思いが合致し、年収300万円アップの1,300万円で入社が決まりました。

転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。

建設業界の転職ならJAC


近年、建設業界の構造が大きな変化の兆しを見せています。競争の激化や他事業への進出といった背景から、これまでに無かった職種へのニーズが発生する一方、企業側が必要な人材を正しく把握しきれない状態が続いているため、転職におけるミスマッチが発生しやすいのも事実です。

JACでは建設業界専門のコンサルタントが各社の事業責任者、採用担当者と密なコミュニケーションをとり、常に最新の情報を取得し続けています。顕在化している採用ニーズはもちろん、各社とのコミュニケーションの中から潜在的に求める人物像、スキルを導き出し、転職希望者のご紹介に生かしています。

建設業界出身のコンサルタントを多数擁する転職エージェントが希少である中、JACはチームの6割以上を業界経験者が占めています。机上の空論ではなく、業界のリアルな情報に基づいた転職支援を可能とするのがJACの強みです。

建築業界への転職をご検討される方は、ぜひJACまでお気軽にご相談ください。

この記事を監修した転職コンサルタント

常見写真

常見 亮平

建設・不動産ディビジョン 建設チーム マネージャー



大学卒業後、中堅ゼネコンに入社し、施工管理・設計業務に約9年間従事。その後、人材紹介業界へ転身し、建設業界専門のコンサルタントとしてゼネコン・建設Tech企業を中心に転職支援を担当しています。現在の環境に悩んでいる方、新しい挑戦を考えている方、まずは一度お話をお聞かせください。業界の変化や今後のキャリアの可能性を一緒に考え、最適な選択肢をご提案いたします。