施工管理職の転職事情|難易度や成功のポイントとは

  1. 施工管理職

施工管理職は、経験や資格が重視される分建設業界外からの転職はハードルが高く、業界内の高齢化などにより需要も高い職種になります。

この記事では、施工管理職の最新転職事情や仕事内容などを解説していきます。

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施工管理職の最新転職事情


一級施工管理技士の取得が必須に

20代~30代前半の方々は転職後に一級施工管理技士を取得するケースもありますが、30代~40代のハイクラス求人においては当資格の保有が条件となることもあり、現在保有していない方もキャリアアップのためには取得が必須となります。

ミドルアッパー層と言われる50代~60代

役職定年となり年収が下がったため転職し、転職後は再度役付となって年収が上がるというケースもあります。

労働環境や会社の色はさまざまです。求人が豊富な職種のため、ご自身に合う企業が見つかれば、労働環境の改善や収入アップも期待できます。転職活動前に、ご自身がどのような工事経験、資格、職歴であるか明確にしておくとスムーズです。

施工管理職の主な仕事内容


施工管理とは、工事現場において工事が計画通りに進捗するよう工事全体を管理する仕事です。

なかでも、施工管理の仕事は「工程管理」「安全管理」「品質管理」「原価管理」の4つに分類されます。
それぞれの仕事内容を具体的に解説します。

仕事内容1:工程管理

工程管理とは、作業の進行管理や人員・必要な重機の手配などを管理する仕事内容です。工期や納期を守るための業務とされています。
たとえば、工程管理が上手くいかなければ、遅れにつながってしまうことから、予定通りに作業が進んでいるかチェックします。

仕事内容2:安全管理

安全管理とは、現場作業員の安全を守るために、設備や環境を整備する仕事内容です。
たとえば、リスクがある現場で安全性を高められるよう、手すりや消化設備の設置、安全点検などあらゆるものが業務に含まれています。

仕事内容3:品質管理

品質管理とは、建設材料の寸法・品質が仕様書、会社基準を満たすものか確認し、その品質が社内で担保されているかを管理する業務です。
客先の要望を満たすのみならず、高品質を担保するための管理も担います。
また、施工中や竣工時の状況が規定を満たしているかを確認し、同社内でも指摘や改善を指導することも業務内容の一つです。

仕事内容4:原価管理

原価管理とは、建設現場の人件費・材料費等の予算・原価を管理し、会社に利益をもたらす業務です。
常に経費を把握・管理することによって、予算との差について確認します。もし差異が発生した場合は状況分析を行い、計画や工程の改善を図り、利益を確保することが求められます。

施工管理職の年収相場


建設業界は、前職の年収をある程度確保できる構造になっていることに加え、施工管理職は人手不足による売り手市場のため、年収相場は高騰しています。

中小企業で700~900万円・大手企業で1000万円

施工管理全体の年収相場は500〜1000万ですが、条件の合う企業に出会えれば、非上場の中小企業でも年収700〜900万円、大手企業であれば年収1000万円以上を目指せる職種です。

待遇が改善される一例としては、大手ゼネコンの一次下請企業や、建設業内の専門工事会社から元請けである企業への転職事例があります。

海外勤務の場合年収1200万円~1500万円

年収は1200〜1500万円を望めます。

ただし、通常のスキルに加え、語学が堪能であることが必須です。また、海外の現場では国内の現場とは異なったプロジェクト全体をマネージメントするスキルが必要になるでしょう。

施工管理職の年収アップのポイント

同じ人材でも、企業により年収で100万円ほど差が出ることがあります。転職後の待遇は、主に施工管理実績と資格で測られますので、転職活動時にはどのような施工管理実績や資格があるか明確に説明できるようにします。

適正な待遇での転職を実現するため、ご自身の経験を企業に正確に伝え、マッチする職場を選ぶことがとても重要です。

施工管理職への転職に役立つ資格


施工管理でキャリアアップを望むために役立つ資格について、複数ピックアップしてご紹介します。自分が携わる業務に近いものを取得すると、転職市場で高評価を得られる可能性が高まります。

資格1:建築施工管理技士

建築工事の施工計画・施工図の作成から工程管理、品質管理までを行う技術を証明する資格

大前提として、年齢問わず、1級施工管理技士保有者は採用率が高いです。

参考:施工管理技術検定

資格2:建設機械施工技士

建設機械を用いる建設現場で施工管理する技術を証明する資格

参考:建設機械施工管理技士

資格3:土木施工管理技士

橋や道路、トンネルなどの土木工事で施工管理の技術を証明する資格

参考:土木施工管理技術検定

資格4:管工事施工管理技士

空調設備やガス配管、ダクト工事など、管工事の施工管理者になれる資格

参考:管工事施工管理技術検定

資格5:電気工事施工管理技士

変電設備や照明や配線などの電気設備工事で施工管理を行う国家資格

参考:電気工事施工管理技術検定

資格6:電気通信工事施工管理技士

電気通信工事の現場において、施工管理ができる資格

参考:電気通信工事施工管理技術検定

資格7:造園施工管理技士

道路緑化工事や庭園、遊園地などの造園工事の施工管理に携われる資格

参考:造園施工管理技術検定

施工管理職の将来性


冒頭でお伝えした通り、施工管理職の求人は豊富な状況で、就業人口の減少が想定されるため、現在以上に市場価値が上がる職種だと考えられます。

建設業界の近年の動向として、土木分野割合は大きく変化ありませんが建築分野においては公共案件割合が減り、民間案件が増えて、工事自体が多様化しています。景気や災害によるブレはあっても業界自体は比較的堅調で、インフラや他業種に関連する建設業は仕事がなくなることはありません。 一方、長く続いてきた業界なだけに、昔から変わらない働き方を強いられる職種というイメージをお持ちの方が多いかもしれません。しかし、建設業界にも時代の波が押し寄せています。

DX導入

特に企業規模が大きくなるほど、DX化によるアプリを使用した業務の効率化や、リモートワークの導入などが進み、多様な働き方が増えています。アナログからデジタルへと業務の遂行方法が変化していくのは、一時的には困難を強いられるかもしれませんが、ロングスパンで見ると重要、かつご自身の業務が効率化されることになります。デジタル化、DX化に、前向きに意識を持つことが大切です。

働き方改革や社内制度の緩和

労働環境は改善の傾向が見られます。資格手当や住宅補助だけでなく産休・育休などを含めた福利厚生が安定している企業が多いので、男性はもちろん女性も働きやすいという側面もあります。現在、女性の就業人口は多くありませんが、今後は時代の変化と共に増加することが予想されます。

業務や労働環境は時代によって変化しているにもかかわらず、外部には伝わりづらいものです。実は、企業側も昔からのイメージを払拭できないという課題を抱えているようです。

転職活動の際には、求人概要だけでなく、企業の内部事情を知る転職コンサルタントに話を聞くことも重要です。中長期的な視点でのアドバイスも受けられます。

施工管理職のキャリアパス


施工管理職は、基本的に経験を重視されるため、工事請負金額とマネージメント規模が大きくなるほどキャリアが上がります。キャリアをしっかりと築いて行けば、転職が難しいと思われる50代になっても、大手企業から中小企業のマネジメントポジションへ、また中小企業から大手企業で採用されるというケースもあります。

転職時、ビジネスの川上である発注者側(メーカーなど)への転職を希望される方もいらっしゃいますが、当社はお勧めしない場合があります。主には下記2点の理由です。

  • 発注者側が求める部分と、ご自身の施工管理のキャリアが必ずしもマッチせず、転職後、培ってきた力を発揮できない、また市場価値を下げてしまう可能性があるため。
  • 一度施工管理職から離れてしまうと、最先端技術に触れていないので過去の経験での対応となる為、自身のキャリア優位性が止まってしまうため。

施工管理職の転職成功事例


JACが実際にご支援した施工管理転職の成功事例をご紹介します。

50代を前に、請負側から発注者側への転身

会社と自身が考えるエンジニアリングのDX化の方向性に乖離が発生し、今後も溝は埋められないと感じたため転職を決意しました。そのような時、JACのコンサルタントからキャリア提案・求人紹介があり、一度話を聞いてみようと思いました。面談では、求人紹介だけでなく、自身だけでは言語化が難しい部分やどのようなキャリアの選択肢があるかなど、親身になって相談に乗ってくださいました。
転職活動中、面接の度に模擬面接対応いただいたことにまず驚きました。面接は約25年ぶりで不安もありましたが、複数回の模擬面接と丁寧なフィードバックを行ってくれたことで、本番では自身の等身大の言葉で思いを伝えることができました。
現職は社内組織がフラットで風通しも良く、前職と比較してワークライフバランスも改善されて家族との時間も増えました。

※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。

施工管理職への転職のポイントとJACを活用すべき理由


忙しい日々の時間の合間を縫って転職を成功させるには、プロの転職コンサルタントを活用すべきです。転職のポイントと合わせて、その理由をご紹介します。

丁寧な応募書類作成で、8割以上が書類審査を通過

工事の際にさまざまな必要書類を整えるのと同様、どの業界での転職活動でも応募書類が必要です。また、施工管理職は経験が重視される職種のため、その内容や記載方法がとても重要です。多忙であってもまずは書類作成の時間を取り、工事経歴や資格を詳しく丁寧に記入しましょう。
応募書類は明確な実績を示す事が必要です。「書類審査の通過が難しく、何十社も提出しなければならないと他社から聞いた」という方が散見されますが、当社の実績では資格と経験がある方であれば8割以上が書類審査を通過しております。

資格のアピールの方法

施工管理技士に加え、業務に関わる民間の専門資格なども、履歴書や職務経歴書に細かく記載しましょう。ご自身が不要と感じていても、それを判断するのは企業側ですので、すべてご記入ください。

また、ただ資格を記載するだけでなく、その資格を活用した業務やプロジェクトなどの実例や実務経験を添えると、いっそう説得力が増します。

これは、履歴書や職務経歴書のみならず、面接でも話せるように準備しておくと良いでしょう。

JACを活用すべき理由

前述の通り、JAC Recruitmentの建設業界専門チームは建設業界出身者で構成されており、転職ご希望者と同じ目線でのコンサルティングが可能です。実際に、経歴・経験を共有する上で、「他の転職エージェントでは、分かってもらえなかった専門的な話ができてよかった」との声もあります。

JACのコンサルタントは人事部のみならず、部門や経営層ともやり取りをしており、応募企業のニーズに合わせた書類作成、転職活動を的確にサポートいたします。目の前の転職だけでなく、中長期的なキャリアプランや業界動向も熟慮した上で、プロとして的確にコンサルティングいたします。

ぜひご登録のうえ、建設業界専門チームの転職コンサルタントとの面談で、ご希望を詳しくお聞かせください。


    施工管理職の求人募集を行う企業の専任コンサルタントが、あなたの転職をサポート。
    市場価値や転職動向の把握・企業ごとの選考対策は、JACのコンサルタントにご相談ください。


    この記事を監修した転職コンサルタント

    村井 義徳

    村井 義徳

    建設チーム コンサルタント


    【得意分野】空間デザイン・建築領域

    不動産業界、建設業界を合計して約15年に亘って携わり2017年にJAC Recruitmentに入社。
    業界経験者しか理解できない慣習や環境、仕組み、案件のフロー、独特の商流を実際に経験し、 一方でプライベートではアート、美術領域への知識がある為、建設・不動産から空間デザインまでの幅広い知識を活かしキャリアをサポートさせて頂きます。