土木施工管理の転職事情|仕事内容や年収、動向を解説

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公開日:2025/03/28 / 最終更新日: 2025/03/28

道路や橋、トンネル、鉄道、港湾など、主にインフラ設備の土木工事事業を安全かつ計画どおりに進めるために欠かせない業務が土木施工管理です。土木施工管理は、私たちの生活に不可欠な構造物の管理に関わるやりがいの大きな仕事ですが、土木施工管理の仕事に就くためには、どのようなスキルや資格が必要になるのでしょうか。

今回は、土木施工管理の仕事を目指す方のために、土木施工管理の具体的な仕事内容や平均年収、最新の求人情報などについてご説明します。

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土木施工管理とは


土木施工管理の概要について、間違えられやすい建築施工管理の仕事と比較しながらご説明します。

土木施工管理とは

土木施工管理とは、土木工事の施工管理業務を指します。具体的には、工事の進捗、品質、コスト、作業員の安全などを管理し、工事が円滑に進むよう全体を調整する仕事です。

土木施工管理の対象となる土木工事には、橋や道路、港湾、上下水道の建設工事など、公共工事に関するものが多く含まれます。近年では、大規模な地震や大型台風など、自然災害による被害も多発しており、災害復旧のための工事も増加しています。

土木施工管理者は、工事の施工計画を立て、スケジュールに合わせて作業員や材料の手配を行い、工程どおりに工事が進んでいるかを管理します。また、工事のコストを管理することも土木施工管理の重要な役割の1つです。

土木施工管理と建築施工管理の違い

建築施工管理とは、ビルや住宅など、建物の建築工事の施工管理を行う仕事です。施工管理を行うという点は同じですが、携わる工事の種類に違いがあります。土木施工管理は主に公共インフラの工事に関わるのに対し、建築施工管理は主に民間の建物に関わる点が特徴です。

土木施工管理の仕事内容


土木施工管理の担当者は、幅広い仕事に携わります。以下に土木施工管理の主な仕事内容をご紹介します。

工程管理

設計図を確認し、工程ごとに必要な時間や作業員の人数、材料、重機などを計算して施工計画を立てて、作業員や材料、重機などの手配をします。工事開始後は、スケジュールどおりに工事が進んでいるかを随時確認し、定められた納期までに工事を完了させるよう調整します。

品質管理

設計図に基づいて工事が進められているかをチェックし、作業内容の品質を管理します。工事の様子を撮影し、出来高確認資料として保管することも重要です。

安全管理

事故の発生リスクを抑え、作業員が怪我なく作業を進められるように、工事中の安全管理を行います。重機の安全点検や作業員への安全教育を実施し、周辺住民の安全も確保することが求められます。

原価管理

土木工事は発注者からの依頼で行われますが、人件費や材料費、重機の費用がかさむと自社の利益が減少します。そのため、適切な施工計画を立て、無駄のないようにスタッフや重機を手配し、工事にかかる原価を管理することが重要です。

住民への説明や役所での手続き

土木工事は周囲にも影響を与えるため、騒音や工事の時間について周囲の住民に説明を行わなければなりません。工事開始後にトラブルが生じないよう、あらかじめ準備をしておくことが大切です。また、書類の作成や役所での手続きも土木施工管理者が担当します。

土木施工管理の平均年収


JACが転職をサポートした事例では、土木施工管理の平均年収は約680万円であり、ボリュームゾーンは600万円~850万円です。しかし、企業の規模、年齢、スキル、実務経験、所有資格などにより、担当する業務の内容や年収には大きな違いが生じることがあります。

JACがご支援した年代別の平均年収

年代平均年収
30代600~800万円
40代600~900万円
50代以上600~1,000万円
※当社実績(2024年1月~2024年12月)より

土木施工管理の一般的な平均年収は約450万円程度とされています。年齢別の年収の目安は以下のとおりですが、土木施工管理技士の1級資格をもっている場合は、平均よりも高い年収を得られる可能性があります。

一般的な年代別の平均年収

年代平均年収
20代400~480万円
30代500~600万円
40代600~650万円
50代以上600~700万円

土木施工管理の最新転職・求人情報


JACが取り扱う土木施工管理に関連する求人情報から一部をピックアップし、ご紹介します。

  • ●大手建設会社:【東証プライム/準大手ゼネコン/福利厚生◎】土木施工管理職【勤務地:愛知・秋田・青森・千葉・愛媛・福岡・福島・岐阜・群馬・広島・北海道・兵庫・茨城・岩手・香川・ 鹿児島・神奈川・高知・熊本・京都・三重・宮城・宮崎・長崎・奈良・大分・岡山・沖縄・大阪・佐賀・埼玉・滋賀・島根・静岡・栃木・徳島・東京・鳥取・和歌山・山形・山口】
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  • ●大手不動産グループ・グローバル建設会社:土木施工管理職(国内/海外)【勤務地:愛知・千葉・福岡・広島・北海道・神奈川・宮城・大阪・埼玉・東京・中国・インド・インドネシア・韓国・シンガポール・南米・タイ・ベトナム】
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  • ●スーパーゼネコン:土木施工管理【勤務地:東京】
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  • ●公共土木工事専門業者:土木施工管理【勤務地:神奈川】
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  • ●多田建設株式会社:土木施工管理/経験者歓迎/転勤なし/施工管理(土木) 【勤務地:福島】
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  • ●株式会社クボタ建設:土木施工管理【勤務地:愛知・広島・大阪・東京】
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  • ●非公開企業:技術系総合職:土木施工管理【勤務地:東京】
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※求人の募集が終了している場合もございますので、ご了承ください。(2025年3月最新)

  • 土木施工管理の職務経歴書サンプルと書き方

    「土木施工管理」の職務経歴書を作成する際に役立つサンプル・テンプレートをご用意。職種別の書き方ポイントも解説しています。 プロが書類選考対策を行います 今現在、 職務経歴書に何を書けば良いのかわからない 書類選考で落ちた… 続きを読む 土木施工管理の職務経歴書サンプルと書き方

土木施工管理に求められるスキルや経験


土木施工管理の仕事への転職を検討している場合、次のようなスキルや経験があると転職活動を優位に進められる可能性があります。

施工管理の経験や測量などに関する知識

土木施工管理に限らず、施工管理に関わった経験がある方は、その経験を土木施工管理に生かすことができます。また、測量に関する知識や設計図についての理解があると、土木施工管理の業務をスムーズに進める助けになります。

マネジメント能力

土木施工管理では、施工計画を立てるだけでなく、計画どおりに工事が進むようスケジュールを管理しなければなりません。現場の安全性を確保するためには、作業員に安全教育を実施し、ルールを徹底して守るように促すなど、さまざまなシーンでマネジメント能力が求められます。

コミュニケーション能力

土木施工管理では、発注者側の担当者、協力会社の担当者、現場の作業員、周辺住民など、さまざまな立場の人とコミュニケーションを図り、円滑に業務を進めなければなりません。従って、土木施工管理者にとって、コミュニケーション能力は必要不可欠なスキルとなります。

トラブルの対処能力

土木工事は天候に左右されることが多く、スケジュールどおりに工事が進まない場合もあります。また、機械の故障や作業員の不足など、さまざまな事態が発生する可能性も少なくありません。そのため、土木施工管理者には、こうしたトラブルに臨機応変に対応できる能力が求められます。

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土木施工管理への転職に生かせる資格


土木施工管理の仕事には必ずしも資格が必要なわけではありませんが、建設業法により建設工事の現場には主任技術者や監理技術者の設置が求められています。主任技術者や監理技術者になるためには、施工管理技士の資格が必要です。以下の資格を保有していると、好条件で転職できる可能性が高まります。

土木施工管理技士

土木施工管理技士は、土木工事の施工管理に必要な知識と技術をもつと認められる国家資格です。土木施工管理技士には1級と2級があります。

  • 2級土木施工管理技士:主任技術者として認められる資格で、試験は第1次検定と第2次検定に分かれています。第1次検定は17歳以上であれば誰でも受験可能ですが、第2次検定を受けるためには3年以上の実務経験が必要です。
  • 1級土木施工管理技士:監理技術者として認められる資格で、第1次検定試験は19歳以上であれば受験可能です。しかし、第2次検定試験を受験するためには5年以上の実務経験が必要となります。

土木施工管理の仕事を目指すのであれば、ぜひ取得を目指したい資格です。

一般財団法人全国建設研修センター「2級土木施工管理技術検定」
一般財団法人全国建設研修センター「1級土木施工管理技術検定」

土木施工管理になるには


土木工事は公共事業が多く、土木施工管理担当者の求人ニーズは高まっています。特に、建設現場に必要な監理技術者や主任技術者として認められる土木施工管理技士の資格保有者のニーズは非常に高く、さまざまな企業が土木施工管理の求人を募集しています。そのため、土木施工管理の仕事を目指すのであれば、求人不足に悩むことは少ないでしょう。

ただし、土木施工管理の求人が多いという事実は、土木施工管理を担えるスタッフが不足しているという状況の裏返しでもあります。スタッフが不足している場合、土木施工管理担当者にかかる負担が大きくなり、残業が多くなる可能性があります。また、遠方の土木工事現場の担当になることもあり、その際は長期にわたる出張が求められることもあります。

土木施工管理の求人が多いからこそ、応募先企業は慎重に見極めることが重要です。求人サイトに掲載されている情報には、残業時間や出張の頻度が記載されていないこともあります。そのため、転職後に「このようなはずではなかった」と後悔しないためには、求人企業の情報を詳細に把握している転職エージェントの活用をおすすめします。

JACでは、土木施工管理の求人を多数扱っており、多くの建設関連会社への転職サポート実績があります。そのため、求人企業の特徴を把握しており、詳細な情報を提供できます。土木施工管理への転職を検討される場合には、業界に詳しい転職エージェントの利用を検討してみましょう。

土木施工管理のキャリアパス


土木施工管理のキャリアパスとしては、次のような方向性が考えられます。

大規模プロジェクトの責任者を目指す

土木施工管理の仕事では、現場をマネジメントし、工事を納期までに完成させる能力が求められます。必要な知識や経験を身に付け、資格も取得していくことで、大規模なプロジェクトの責任者として多くのメンバーをまとめるポジションを目指すことができます。

海外プロジェクトへの参画を目指す

日本の土木施工技術は高く、大手企業などでは海外でのプロジェクトに取り組むケースもあります。土木施工管理に必要な知識とノウハウを身に付けると同時に語学力を磨けば、世界を舞台に活躍できる可能性が広がります。海外での仕事に関心がある方は、海外プロジェクトへの参画を目指して転職活動を進めることをおすすめします。

マネジメント職を目指す

土木施工管理の仕事では、現場をマネジメントする能力が鍛えられます。その経験を生かして施工管理部門を率いる管理者のポジションを目指すことも可能です。現場で培った知識やノウハウを生かし、後進の育成とともに会社の発展に貢献したいと考える方は、マネジメント職を目指すのが良いでしょう。

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土木施工管理の転職事例


JACが転職をサポートした土木施工管理職の方の中から、50代男性の事例をご紹介します。

Jさん(男性/50代前半)

業種職種年収
転職前土木系建設会社土木施工管理750万円
転職後建築・土木会社土木施工管理950万円

Jさんは、土木系の建設会社で橋脚や港湾建造物、桟橋、ガスプラント、工場、製鉄所など、さまざまなコンクリート構造物の補修や補強工事に関する調査、提案、工事などに長く携わってきました。1級土木施工管理やコンクリート診断士、コンクリート主任技師、コンクリート構造診断士の資格も保有しており、土木施工管理の仕事に情熱をもって取り組んできました。

しかし、出張や残業も多いため転職を決意し、当社に相談されました。JACからは、長年の土木施工管理の実務経験とノウハウを生かせる仕事として、建築・土木会社の土木施工管理業務をご紹介しました。Jさんは土木施工管理の実務経験に加え、顧客や地元住民との折衝業務で生かせる明るい人柄と高いコミュニケーション能力が評価され、見事採用されました。

現在では新たな職場で前職の経験を存分に発揮し、残業が減り、ワークライフバランスも改善されたと喜びの声をいただいています。

土木施工管理の転職なら、JAC Recruitmentへ


土木施工管理は、暮らしを支える構造物の建築や修繕に関わる、社会貢献度の高い、やりがいのある仕事です。土木施工管理者は不足傾向にあるため、求人数は多いものの、担当者にかかる負担が大きくなる傾向があります。

納得できる転職活動を進めるためには、業界に詳しいコンサルタントに相談できる転職エージェントの活用がおすすめです。JAC Recruitmentには建設業界出身のコンサルタントが在籍しており、転職希望者の気持ちにしっかり寄り添いながら、目指すキャリアを実現できる求人をご紹介します。土木施工管理への転職をお考えの際には、ぜひJACにご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




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