近年、建設業界において、属人化される傾向にある非効率な業務などといった課題が浮き彫りになりました。それにより、他業界より遅れているといわれてきたデジタルトランスフォーメーション(DX)に追い風が吹いている状況です。また現在、受注回復の動きが見られています。
本記事では、建築設計職の最新転職市場動向や最新求人・転職事例を、建築業界の転職に強いJAC Recruitmentが解説します。
今現在、
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未経験から建築設計職への転職は難しい
建築設計職は、建物の外観や構造、機能性を考慮しながら設計図を作成し、法的な規制や施主の要望、施工現場との調整など、複雑な要素を統合してプロジェクトを遂行する専門職です。建築基準法や構造、設備、意匠といった多方面の知識が求められるため、通常は建築学科などの専門教育を受けたうえで、実務経験を積みながら建築士などの資格取得を目指すケースが一般的です。
未経験の場合、実務の遂行に必要な基礎知識や実務経験が不足しているため、いきなり建築設計職に就くことは難しいでしょう。
しかし、未経験でも、CADなどの基本操作スキルがあれば、設計事務所や建設会社などで設計補助からキャリアをスタートさせる道も存在します。前述した職種で実務経験を積みながら、資格取得を目指すことで、将来的に建築設計職への道も開けてくることもあるでしょう。
建築設計職の転職市場動向
設計職は人気がある職種です。今後、改修含めた案件の多様化から、設計の仕事も減るとは考えづらく、中途採用が活発といった状況にあります。
現在ゼネコンでは、建物の設計と施工を同業者で行う「設計施工一貫方式」にこだわりを持つ企業を中心に、設計職の採用に力を入れています。企業の採用意欲や経験にはよりますが、当社が取り扱う求人案件では、年収600万〜1,000万円程度が目立ちます。設計職は、設計事務所に転職希望者が流れる傾向にあることから、優秀な技術士を自社へ積極的に採用しようと、年収相場のなかでもハイレベルな金額を提示するケースがよく見られます。
マネジメントとして50代や60代の転職成功事例もありますが、設計経験や知見の積み重ねがあるだけでなく、最新技術にもアレルギーを持つことなく設計に取り入れることができる30〜40代の転職成功事例が多い傾向にあります。
意匠設計の転職事情
建築物の顔を決める意匠設計は、設計職のなかでも花形ともいわれてきました。また、設計業界の設計職のなかでは一番人口が多いといわれます。設計施工一貫にこだわるゼネコンでは、外観のデザインだけではなく、緻密な納まりなど内部構造にも配慮した意匠設計が求められています。
ゼネコンの意匠設計者は、企業の潤沢な資金力を生かして、莫大な研究開発費用をつぎ込んだ設計に一貫してかかわることができます。素材や工法など、最新鋭かつ意匠性の高い案件の、設計から施工・竣工まで、自分の意匠設計が現実のものとなるまでを見届けられるという魅力があります。
>>意匠設計の転職事情|仕事内容や年収、動向を解説
構造設計の転職事情
近年増加している巨大建築物、高層建築物、個性のある建築物などを建設するために、構造設計は非常に重要です。もともと日本は地震などの自然災害が多く、かつ過去の「構造計算書偽造問題」を契機に建築物の安全確保に関する法律が厳しくなっています。そのため、構造設計のキャリア形成は社会的にも非常に意義が高いといえます。
従来、構造設計は設計事務所などの外部企業が請け負うことが多く見られましたが、今はゼネコン社内で行うことが増えています。そのため、構造設計者は新工法を取り入れた設計に自らチャレンジしやすくなり、技術研究所と連携から、技術者としてのスキルをより高めることができるようになりました。
>>構造設計の転職事情|仕事内容や年収、動向を解説
設備設計の転職事情
設備設計は、設計職のなかでも就業者が少ない職務です。その一方、世の中で、「次世代エネルギー」「カーボンニュートラル」など、環境配慮対応のキャッチフレーズが飛び交っています。設備設計は、それらの目的を果たすための重要なファクターとなるため、これまで以上に重用されるポジションになると考えられます。
企業やブランドイメージ向上を目指すゼネコンにおいては、「ESG」や「SDGs」といった世界を持続可能にしようとする環境配慮(サステナビリティ)への取り組みは、今、非常に注力している分野であり、設計施工する建物においてもそういった観点での付加価値づくりを重視しています。そのため、設備設計は、そうした価値づくりの基盤を担っているといえます。
>>設備設計の転職事情|仕事内容や年収、動向を解説
建築設計職の最新転職・求人情報
ここでは、建築設計職の最新求人・転職情報を紹介します。
● 株式会社鴻池組:【建築設計職】※積水ハウスグループ/創業150年以上の優良ゼネコン/裁量権のある社風
● 定着率抜群の大手ハウスメーカー:建築設計職
● 100年間住み継ぐに値する家を建てる会社:建築設計
● 株式会社クボタ建設:国内における①建築設計 ②建築積算
● 株式会社第一コンストラクション:~売り上げ好調の管理会社~ ■自社案件の建築設計 ~立ち上げ部門
● 株式会社三信建築設計事務所:【大手企業・金融機関】の建築物 意匠・構造・電気設備・機械(空調衛生)設備設計
● 匠建設株式会社:建築設計/神奈川県平塚市内No1/創業60年以上
● 非公開:建築設計(※マネージャー候補)
● 準大手ゼネコン:建築設計職
● 株式会社美都住販:【建築士 設計職】☆相模原市☆神奈川トップクラスの成約実績
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年5月最新)
本記事で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。JACでは取り扱い求人の大半が非公開となっているため、非公開求人も含め建築設計職の求人紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。
転職支援のプロであるコンサルタントが、丁寧なヒアリングを通じて適性や希望に沿う求人を紹介いたします。
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【職種別】建築設計職への転職で求められる経験・スキル
ここでは、建築設計職への転職で求められる経験・スキルを、次の3つの職種別に解説します。
意匠設計への転職で求められる経験・スキル
かつては、「建築家」としてのアイデンティティーを発揮し、自分の流儀にのっとり設計することが求められてきましたが、現在は、少々異なります。JACがお預かりしている求人の傾向は下記のとおりです。
• 建物の利用者の気持ちに立てること
• 公共性や社会ニーズをうまく考慮できる設計ができること
つまり、自分自身のデザインの個性をアピールするよりは、「利用者や顧客の気持ちに寄り添い、それをどのように形(デザイン)にしてきたか」をアピールするべきでしょう。意外なことかもしれませんが、ゼネコンが採用する意匠設計職の求人の多くは、経験した案件の著名度や規模の大きさなどは重視されることはなく、あくまで設計者自身の能力自体を重視しています。
構造設計への転職で求められる経験・スキル
構造設計者は、安全性への工夫や配慮など構造にかかわることだけでなく、建築物を取り巻くさまざまなことに配慮して設計することが求められます。当社がお預かりしている求人の傾向は下記のとおりです。
• 建築物が施工される地域の特性などの考慮
• コストダウンにとらわれがちな発注者に対して数値を用いて論理的に説得する力
構造設計者の書類選考や面談では、どういう構造設計をしたのかということだけではなく、なぜその構造設計にしたのか、その背景としてどういうニーズを考慮もしくは想定したのか、どういう課題があったのかなど、論理的に説明できるとよいでしょう。
設備設計への転職で求められる経験・スキル
設備設計者は、日進月歩で進化する設備技術にキャッチアップし、最新鋭の技術の実装だけでなく、メンテナンス性やリニューアルのことも見越して設計しなければなりません。当社がお預かりしている求人の傾向は下記のとおりです。
• 環境配慮、費用対効果の考慮、他設備とのシステム連携や制御など、幅広く課題を見渡しての検討ができるスキル
• 建築業界以外の知見や情報収集力、高い学習意欲
転職を希望する設備設計者は、IoTやICTなど最新の技術事情に精通しているだけではなく、「もしこの技術を採用したら、このような設備が実現できそう」と考えられる想像力や発想力を、過去の設計経験に基づいて具体的にアピールしていくのがよいでしょう。
建築設計職へ転職した場合の年収相場
JAC経由で転職された建築設計職全体の平均年収は、700万円前後です。
ここでは、建築設計職の年収相場について、職種別に解説します。
意匠設計へ転職した場合の年収相場
意匠設計の平均年収は400万〜600万円程度が一般的ですが、デザイン性の高い建築物を手掛ける著名な事務所や大規模プロジェクトを担う企業では、年収700万円を超えるオファーを受けられることもあります。ただし、独立系事務所や小規模設計事務所では、年収が低くなる傾向にあり、ほかの建築職種と比べて「作品性」を重視する分、成果報酬型に近い報酬体系になる場合もあります。
年収に影響を与える要素としては、個人のデザインセンスや提案力、顧客とのコミュニケーション能力、そして実績として手掛けた建築物の質や規模などが挙げられます。
なお、JACが支援した意匠設計職の転職後平均年収は、650万円前後です。
年代 |
年収範囲 |
30代 |
550万円~800万円 |
40代 |
600万円~900万円 |
50代以上 |
750万円~1,100万円 |
※当社実績(2024年1月~2024年12月)より
構造設計へ転職した場合の年収相場
構造設計は建築物の安全性を支える根幹の業務であり、耐震性や強度解析など高度な技術力が求められます。年収相場は500万〜800万円程度であり、一級建築士や構造設計一級建築士などの資格保持者、大規模な建築物や特殊な構造物の設計経験を持つ場合は、さらに高い年収オファーを受けられる可能性が期待できます。
年収レンジに影響する要素としては、構造設計一級建築士などの資格の有無、BIMや構造解析ソフトに関するスキルなどが挙げられます。さらに近年は、デジタル設計に関する知見も年収に直結する要素になりつつあります。
なお、JACがご支援した構造設計職の転職後平均年収は、830万円前後です。
年代 |
年収範囲 |
20代 |
400~500万円 |
30代 |
500~600万円 |
40代 |
600~800万円 |
※当社実績(2024年1月~2024年12月)より
設備設計へ転職した場合の年収相場
設備設計は、空調・給排水・電気設備など建物のインフラ設計を担う分野であり、近年では、省エネルギーや環境負荷低減などの観点から、高度な設備設計の知識や技術を持つ技術士のニーズが高まりつつあります。
年収は600万円程度が一般的ですが、ほかの建築職種と比べて専門領域が明確な分、経験年数や設計実績による評価が年収に直結しやすいといわれています。また、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)や環境配慮型設計のニーズが高まる昨今においては、環境工学の知識や最新技術への理解が今後の年収水準を左右する要素になると予想されます。
なお、JACがご支援した設備設計の転職後平均年収は、740万円前後です。
年代 |
年収範囲 |
30代 |
600~800万円 |
40代 |
650~1,000万円 |
50代以上 |
780~1,100万円 |
※当社実績(2024年1月~2024年12月)より
【年代別】建築設計職への転職事情
ここでは、建築設計職への転職事情を、年代別に解説します。
20代の建築設計職への転職事情
20代はポテンシャルが評価される年代であり、実務経験よりも建築学科での学びや、AutoCAD、Revitなどの設計ソフトの基礎的な操作スキルが評価される傾向があります。第二新卒層であれば設計補助やBIMオペレーターなどアシスタントポジションからスタートすることが多く、実務経験を積みながら一級建築士などの資格取得を目指すキャリアパスが一般的です。設計事務所やゼネコンでは、若手の柔軟な発想や新技術への順応性を期待し、採用するケースもあります。
採用活動では、新しい知識を積極的に吸収する姿勢を示すことを意識しましょう。
30代の建築設計職への転職事情
30代は即戦力としての活躍が期待される年代であり、意匠設計・構造設計・設備設計いずれの分野においても、3〜5年程度の実務経験が問われることが多くなります。
特に30代前半であれば、チームの一員として着実に成果を出せる実務力が評価され、中小の設計事務所やゼネコンでは設計担当者としての採用が一般的です。30代後半になると、設計のリーダー補佐やサブマネジメント的な役割を担うポジションへのニーズも高まり、マネジメントスキルやプロジェクト全体を管理する能力も重視されるようになるでしょう。
40代の建築設計職への転職事情
40代は、高度な専門性に加え、プロジェクトマネジメント経験や部下への指導経験も重視される傾向があります。また、いずれの分野においても、複数案件を主導してきた実績や顧客との折衝経験、法規制対応に関する知見などが求められるでしょう。
プロジェクトマネージャーや設計監理者、あるいは部門リーダーなど、職務にマネジメントが含まれるポジションでの採用が一般的であり、特に中堅〜大手企業では、組織強化や若手育成を目的とした採用もみられます。
50代の建築設計職への転職事情
50代は求人数が限られるものの、豊富な実績と高度な専門知見を有していれば、企業からオファーを受けられることもあります。特に、構造設計や設備設計など技術系分野では、長年の経験が重宝されることが多く、技術顧問や社内講師、後進育成など、経験と知識を生かせる上級職が多くなります。
また、定年延長制度やフリーランス契約を活用した柔軟な雇用形態を結ぶ企業も増えており、業界全体としてシニア層の雇用が活況傾向にあります。
ただし、上級職として迎え入れてもらえるのか、現場の一社員として雇用されるのかによって待遇や働き方、求められるスキル・経験は大きく異なります。転職後の年収変化や働き方の変化などを考慮し、慎重に応募先を検討しましょう。
建築設計職への転職を成功させるためのポイント
ここでは、建築設計職への転職を成功させるために意識したい、次の3つのポイントについて解説します。
• 建設業界のキャリア形成の大枠を捉える
• 転職エージェントをうまく活用する
• 担当物件・規模・構造など漏れなく職務経歴書に記載する
建設業界のキャリア形成の大枠を捉える
建築設計職への転職を成功させるには、建設業界におけるキャリア形成の基本的な枠組みを理解することが重要です。特に建築設計職は、資格の有無や担当する構造種別、物件の規模などの要素がキャリア形成に直結し、ポジションや年収にも影響します。
例えば、一級建築士資格の有無や大型物件の設計経験があるかどうかで、採用選考での評価は大きく変動するでしょう。転職によって年収を上げたい場合、自身のスキルや経験が業界内でどのように評価されるのか、そして今後どのようなキャリアを目指すべきかを戦略的に考えることが大切です。
転職エージェントをうまく活用する
建築設計職への転職を効率的かつ効果的に行うためには、転職エージェントを活用することを推奨します。転職エージェントは、一般には公開されていない非公開求人を取り扱っていることが多く、これまで培ってきた経験を生かせる求人やキャリアパスに合致する求人の紹介を受けられる可能性が期待できます。また、スキルや経験を客観的に評価してもらえるため、自身の市場価値や適正年収を正確に把握できるでしょう。
さらに、職務経歴書の添削や面接対策、条件交渉や入社日の調整など、転職活動にまつわるサポートも受けられるため、効率的に転職活動を進められます。
担当物件・規模・構造など漏れなく職務経歴書に記載する
建築設計職への転職では、職務経歴書に自身が担当してきた建築物の詳細を正確かつ具体的に記載することを意識しましょう。企業の採用担当者は、職務経歴書に記載されている実績詳細を通じて、応募者の能力や技量の把握に努めます。担当した物件の種類(住宅、商業施設、オフィスビルなど)、規模(延床面積、階数など)、構造(鉄骨造、鉄筋コンクリート造など)など、具体的な情報を漏れなく記載することで、採用担当者に自身の実務経験をより具体的に示せるでしょう。
>>建築設計の職務経歴書サンプルと書き方
建築設計職の転職事例
ここでは、JACが提供する転職支援サービスを利用し、建築設計職に転職した事例を紹介します。
ハウスメーカーの建築設計職への転職事例(男性/40代)
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業種 |
職種 |
年収 |
転職前 |
建築業界 |
設計士 |
非公開 |
転職後 |
ハウスメーカー |
設計士 |
非公開 |
新卒として就職して以来、個人住宅、オフィス、マンション等、一級建築士としてさまざまな建築物の設計に携わりました。しかし40歳を前に、「今任されている仕事は“やりたいこと”なのか」と、ふと振り返りました。私は設計士として、一軒一軒大切に住まい作りがしたいという気持ちを持っていたため、会社の方針で施主さんとの直接の接点もなく、フローの一部として機械的に図面を書いたり部下の指導をしたりする仕事に忙殺されることに耐えられなくなっていました。そして考えた末「管理職としてステップアップするより、スペシャリストとして力をつけてお客さまを喜ばせたい」という結論に至りました。
業界的に調子のいい時期ではないのはわかっていました。しかし年齢的な危機感もあり、「今転職しなくてどうする」と心に決めて転職エージェントに登録。その後、転職活動をはじめました。探すポイントは「顧客目線を持って一つずつ“家創り”ができること」でした。単に設計士を募集している会社はほかにもありましたが、私の希望をよく汲み取ってくれたコンサルタントに紹介を受け、最終的に2社に絞りました。JACのコンサルタントは、タイプの違う2社に関して、どのように仕事内容が異なるかを明確に示してくれました。
そしてその中に、今の会社がありました。徹底した顧客目線を貫く姿勢に共感を持ち、設計のスペシャリストとしての力を高める機会や、マネージャーの経験も生かせるという希望どおりの会社で、将来を託す決心ができました。
今はハウスメーカーで、実際にお客さまの前に立ってご要望を聞きながら建築する注文住宅を担当しているので新鮮な気持ちです。したかったことに取り組むと充実感が違います。お客さまの喜ぶ姿を見るために、毎日スタッフと一丸となってよりよい“家創り”に取り組んでいくなかで、将来はさらにこの部署を盛り立てていきたいと色々考えています。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
>>建築業界の転職成功事例|忙殺される毎日、スペシャリストとして力を発揮したい
設計事務所からゼネコンの建築設計職への転職事例(男性/50代前半)
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業種 |
職種 |
年収 |
転職前 |
メーカー系設計事務所 |
設計 |
650万円 |
転職後 |
大手ゼネコン |
設計部長 |
900万円 |
前職では同業務を行う他社員との待遇差を感じていました。ほかの業界や企業の経験もなく、これが当たり前なのかと考えていた矢先、大学時代の友人にプライベートで会う機会がありました。そこで彼に相談をしたところ、最近転職サイトに登録をしたと聞きました。
彼とは業界や経歴も異なったので、自身の年代に合う求人を扱うエージェントを探し、ミドル・シニアに強いJACに辿り着きました。
職場に知られてしまうのでは?と不安にも思いましたが、上場している企業はリスク管理しているはずと考え、腹をくくって登録。また、どうせ動くなら……と、比較目的でほかの転職エージェントにも登録手続きを行いました。
最初はなかなかうまくいかず、JACが紹介してくださった企業では面接に落ち、ほかの紹介会社でも書類選考にすら通らないことが続きました。
現職に残るべきかと夜通し悩んだ日もありました。そのようなとき、コンサルタントから「もっと面接であなたの過ごしたい環境を考えてみては?」と少し驚いた意見をもらいました。
その真意を聞いたところ、「転職は社名ではなく、現職で叶わない悩みを解消できる企業に行くべき。それが叶えられるとわかれば面接も前向きになるはず。まずはそこをおさえることが大切」とアドバイスをいただきました。正直な所、衝撃を受けましたが、ご意見をお聞きして、大変腑に落ちました。
その後、コンサルタントから紹介された企業で、選考をスムーズに通過し、250万円の年収アップを果たしました。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
>>【建設業界の転職成功事例】メーカー系設計事務所の契約社員からゼネコンの部長クラスに
50代後半で建築設計職へ転職した事例(男性/50代後半)
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業種 |
職種 |
年収 |
転職前 |
大手建設会社 |
品質管理 |
非公開 |
転職後 |
コンサルティング会社 |
設計業務 |
非公開 |
新卒で入社以降、長年建築設計業務を中心に行ってきました。しかし、50代も半ばを過ぎると設計の第一線からは退く形となり、後進の指導や、チェック業務、品質管理といった後方支援に回るようになりました。年齢構成や若手を育てるという会社の方針から仕方がないと思うところもあったのですが、さらに設計業務に携わっていたい気持ちも持っていました。60歳の定年を迎えるにあたり、会社に残る道もありましたが、もう一度設計の第一線で活躍したいという思いを捨てきれず、雇用延長はせずに、新しい環境での活躍を希望して、転職を決意。
JACには業界専門のコンサルタントがいるということで、相談も兼ねて登録しました。
新卒から1社経験だったため、転職活動をはじめるにあたって、履歴書・職務経歴書の書き方もわからない状態でした。まずは自分の経歴を振り返り、担当コンサルタントからアドバイスをいただきながら、履歴書・経歴書の作成をはじめました。求人企業に応募するにあたり、自分の印象やイメージだけで応募先を選んでしまうところを、その求人が私の希望を叶えられるのかという観点から一緒に考えていただき、半年程の期間をかけて複数の企業に応募しました。結果は設計のポジションでの採用が決まり、かつ非常にキャリアも評価していただけて、年収面でも再雇用されるよりも良い条件でオファーをいただけました。
実は、応募するなかで、会社のイメージや年収で目移りすることもあり、設計職ではない求人に応募したりと、紆余曲折もありました。就職が決まった会社も、当初紹介された際には、応募することはなかったのですが、他社選考も経て、再度応募しませんかとコンサルタントから提案された会社でした。現在の厚遇は、コンサルタントの方が、私の希望を尊重しつつ、転職の目的を常に念頭において寄り添ってくださった結果だと考えています。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
>>建築業界の転職成功事例|59歳で初めての転職活動、新しい環境で活躍したい
建築設計職へ転職後のキャリアパス
本章では、建築設計職から描ける次の3つのキャリアパス例について解説します。
• スペシャリストとして専門領域を極める
• 建築設計部門の管理職を目指す
• 一級建築士の資格を生かしデベロッパーへ転職
スペシャリストとして専門領域を極める
建築設計職として経験を積んだ後、さらに自身の専門性を深く追求する方も少なくありません。意匠設計、構造設計、設備設計の各分野において、特定の領域や技術に特化し、スペシャリストとして自身の市場価値を高めるキャリアを指します。
例えば、特定構造種別に精通した設計士やBIMの活用に強みを持つ設計エンジニアなどが該当します。
特に大手ゼネコンや設計事務所では、高度な知識と経験が評価の対象になることもあり、採用時に厚遇されることもあります。
建築設計部門の管理職を目指す
設計スキルに加えてマネジメント能力を養うことで、建築設計部門の課長・部長など、管理職ポジションを目指すことも可能になるでしょう。プロジェクトリーダーとしてチームをまとめ、設計から監理まで一連の業務を統括したり、設計部門のマネージャーとして組織運営や後進育成に携わったりするキャリア例が挙げられます。
特に企業規模が大きくなるほど、専門性に加えて管理能力や対外的な折衝スキルが問われるようになります。
設計職出身者が管理職に就くには、一定数の大型案件経験や複数名のチームを率いた実績などが求められます。そのため、採用選考では実務経験や技術力だけではなく、組織をどのようにして牽引してきたのか、自身のマネジメントがどのようにして企業成長に寄与したのかを示すことを意識しましょう。
一級建築士の資格を生かしデベロッパーへ転職
一級建築士の資格を持つ建築設計者は、自身の知識と実務経験を生かしデベロッパーに転職するケースもあります。デベロッパーは、土地の仕入れから企画、設計監修、販売まで、不動産開発の全工程に携わるポジションであり、意思決定にかかわる職務が増える点が特徴です。
建築設計職の職務と親和性が高く、かつ事業視点やコスト意識も養われるため、より幅広いビジネススキルを身につけられるキャリアパス例といえるでしょう。
>>デベロッパーの転職市場動向
建築設計職への転職なら、JAC Recruitment
建築設計職への転職では、高度な専門性が求められることから、職種理解の深い転職エージェントの活用が不可欠です。
その点、JACには、建設業界出身者で構成された専門チームがあり、単なる求人紹介にとどまらず、これまでのキャリアや将来設計を見据えたアドバイスを提供できる点が強みです。一口に建築設計職といっても、意匠設計・構造設計・設備設計など専門性が細分化されており、求められるスキルや経験も多岐にわたります。
JACでは、職種における特徴や専門性、企業ごとの採用背景を理解したうえで、一人ひとりに合った求人情報やアドバイスを提案し、転職活動全体をサポートいたします。
建築設計職への転職をお考えの際は、ぜひJACにご相談ください。
客観的な視点から強みや適性を分析し、建築設計としての長期的なキャリア形成をご支援いたします。
この記事の筆者
株式会社JAC Recruitment
編集部
当サイトを運営する、JACの編集部です。
日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。