意匠設計の転職事情|仕事内容や年収、動向を解説

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公開日:2025/03/10 / 最終更新日: 2025/03/10

意匠設計は、建築物の設計に携わる人にとって憧れの対象となる仕事です。街を歩く中で目を引くデザインのビルや住宅を見たとき、意匠設計の仕事をしたいと考える方も多いでしょう。では、意匠設計に転職するためにはどのようなスキルが必要なのでしょうか。

本記事では、意匠設計の仕事内容や年収、求められるスキル、最新の求人情報など、転職に役立つ情報をお届けします。

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意匠設計とは?


建築設計の仕事は「意匠設計」「設備設計」「構造設計」の3つに区分されます。このうち、意匠設計が果たす役割についてご説明します。

意匠設計とは建築物の外観や内観のデザインをする仕事のこと

意匠設計とは、主に建築物の外観や内観をデザインする仕事です。施主から要望をヒアリングし、その要望を反映させた外観や間取りなどのデザインを行います。意匠設計では、美しさだけでなく、使いやすさや機能性への配慮も求められます。

また、意匠設計は設計チームの代表として施主の要望をヒアリングし、ほかの設計担当者にその内容を伝える役割も担います。つまり、意匠設計には設計チームをまとめるリーダー的な職責も求められるのです。

意匠設計と構造設計の違い

意匠設計はデザインを担当しますが、構造設計は安全性を考慮した構造計算を行う仕事です。両者は密接に関連しており、効果的なコラボレーションが求められます。

意匠設計と基本設計の違い

基本設計は施主の要望を大まかに反映させた段階でのデザインを表現しますが、意匠設計は基本設計の内容をもとに、詳細な実施設計へと進みます。

意匠設計の仕事内容


意匠設計は、施主の要望を具体的に設計し、形にする仕事です。具体的な仕事内容を詳しく見ていきましょう。

施主からのヒアリング

施主から建物の用途や目的、予算、外観や内装についてのイメージをヒアリングし、要望を把握します。施主が抱く理想を正確に理解するために、しっかりとコミュニケーションを重ねる必要があります。また、建築予定の土地や周辺環境についても調査を行い、建築条件を確認します。

基本設計

ヒアリング内容をもとに、建築物の外観の造形や間取り、概算の工事費などを盛り込んだ提案書を作成します。施主の要望を反映させつつ、予算内であるか、建築基準法に適合しているかを確認します。合意が得られた場合、契約を交わし、詳細な設計に入ります。

実施設計

契約後、主要構造物の寸法や強度、ドアやサッシ、水回りの配置など、詳細な部分まで図面に落とし込みます。構造設計や設備設計の担当者と連携しながら、意匠、構造、設備のバランスを考慮して最適な設計を目指します。

意匠設計図や構造設計図、設備設計図、建具表、仕上がり表、設計説明書などとともに資料をまとめ、工事を発注します。

建築監理

施工開始後、設計書に基づいて工事が進行しているかを監理します。現場に足を運び、施工の状況を確認し、必要に応じて施主に進捗状況を報告します。設計の変更が必要な場合は、適切な打ち合わせを行うことが求められます。

意匠設計の平均年収


JACがサポートした意匠設計職の方々の平均年収は約650万円、ボリュームゾーンは550万円から1,000万円です。以下に、JACの転職サポート事例をもとにした年代別の平均年収を示します。

<JACサポート事例による意匠設計の平均年収>

役職年収範囲
30代550万円~800万円
40代600万円~900万円
50代以上750万円~1,100万円
※当社実績(2024年1月~2024年12月)より

このように、意匠設計職は経験を積むことで高い年収を得られる可能性があります。現在、意匠設計の求人市場は活発で、さまざまな企業が専門的なスキルをもつスタッフを求めています。最新の求人情報も含め、転職を検討される方には非常に魅力的な職種といえるでしょう。

一方、意匠設計の平均年収は約520万円前後とされています。勤務先の種類や規模、経験年数、スキルによって年収は大きく異なりますが、一般的な年代別の意匠設計の平均年収は次のようになります。

<意匠設計の年代別の平均年収>

年代平均年収
20代300万円~400万円
30代400万円~500万円
40代以上500万円~1,200万円

意匠設計の最新転職・求人情報


JACでは、多数の意匠設計求人を取り扱っています。ここでは、当社が取り扱う意匠設計の求人の一部をご紹介します。

  • 東証一部上場・創業100年以上の老舗企業:意匠設計・設備設計【勤務地:東京】
     詳細はこちら
  • ・非公開求人:建築意匠設計/プロジェクトマネージャー ~創業75年の老舗建築事務所~【勤務地:東京】
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  • ・南海辰村建設株式会社:南海電鉄グループ/公共から民間まで幅広い案件に携われる意匠設計【勤務地:大阪・東京】
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  • ・非公開求人:意匠設計(自社開発案件の建築設計)【勤務地:北海道】
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  • 大手ゼネコン:意匠設計職【勤務地:東京】
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  • 大手組織設計事務所:意匠設計(スペシャリスト/ゼネラリスト)【勤務地:大阪・東京】
     詳細はこちら

※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年3月最新)

意匠設計に求められるスキルや経験

意匠設計職への転職を希望する場合、以下のスキルや経験が求められます。

建築デザインのセンス

意匠設計では、施主の要望を具現化するためのデザインセンスが不可欠です。建設予定の土地の状況や周囲の環境を考慮し、魅力的な外観や内装、間取りを提案することが求められます。また、住宅設計では家族の人数やライフスタイルを考慮し、使い勝手の良いデザインを考案する必要があります。

構造や設備に関する知識

意匠設計者は設計チームのリーダーとして、構造設計や設備設計の担当者に施主の要望を伝える役割を担います。

また、構造設計や設備設計に施主の要望が反映されているかのチェックをする必要もあるため、構造や設備に関する基礎的な知識が求められます。

コミュニケーション能力

コミュニケーション能力は意匠設計を目指す人にとって不可欠なスキルです。施主のニーズを的確に把握し、詳細な部分まで希望を反映させるためには、施主との密なコミュニケーションが重要です。

また、意匠設計者は設計チームのリーダーでもあり、構造設計や設備設計の担当者とも打ち合わせを重ね、施主の希望や意匠設計の意図を明確に伝えなければなりません。工事施工会社との調整も必要です。そのため、意匠設計者には高いコミュニケーション能力が求められます。

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意匠設計への転職に生かせる資格


意匠設計の業務には、建築士の資格が必要です。以下に主な資格を紹介します。

木造建築士

高さ13m以下かつ軒高9m以下、2階建て以下、延床面積300㎡以下の小規模の木造建築物の設計、工事監理を行うことができる資格です。木造住宅のほか、要件を満たす店舗や公共施設などの設計に携わることもできます。

木造建築士は国家資格です。木造建築士試験を受験するためには、大学や短期大学、高等専門学校、高等学校、専修学校、職業訓練校などにおいて指定の科目を修め、卒業をする必要があります。また、建築設備士の資格をもつ人、7年以上建築に携わった経験をもつ人、都道府県知事が特に認める人の場合は、学歴要件を満たしていない場合でも受験が可能です。

試験合格後、都道府県知事が管理する名簿に登録されると建築士免許が交付されます。ただし、大学、短期大学、高等専門学校の卒業者の場合、実務経験は不要ですが、高等学校の卒業者は、2年以上の実務経験が必要です。
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二級建築士

木造に加え、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造などの設計・工事監理ができる資格です。ただし、木造の場合は高さ13m以下かつ軒高9m以下、延床面積1,000㎡以下の建物の設計に限られます。木造建築以外の場合は、延床面積300㎡以下と、さらに厳しい制限がなされます。

二級建築士も国家資格であり、試験合格後、都道府県知事が管理する名簿に登録されると建築士免許が交付されます。二級建築士の受験要件、免許取得要件は、木造建築士と同じです。
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一級建築士

一級建築士には、木造建築士や二級建築士のような建築物の制限がありません。そのため、一級建築士の資格があれば、全ての構造・規模・用途の建築物の設計と工事監理ができます。

一級建築士も国家資格です。一級建築士の受験資格は、大学、短期大学、高等専門学校などにおいて指定科目を修めて卒業した人、二級建築士の資格をもつ人、建築設備士の資格をもつ人、その他国土交通大臣が特に認める人です。

国家試験に合格後、公益社団法人日本建築士会連合会に免許・申請の手続きを行う際、大学卒業者は2年以上、3年生の短期大学卒業者は3年以上、2年制の短期大学・高等専門学校の卒業者は4年以上の実務経験が必要となります。また、二級建築士、建築設備士の場合は、それぞれ4年以上の実務経験が必要です。
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意匠設計になるには


意匠設計は建築物の設計を行う専門職であり、意匠設計を目指すためにはまず資格の取得が必要です。資格によって関わることができる建築物の構造や大きさが異なるため、住宅だけでなく、幅広い建築物の意匠設計に携わりたい場合は、一級建築士の資格取得を目指すことが推奨されます。

意匠設計の勤務場所としては、設計事務所やハウスメーカー、ゼネコンなどが考えられます。一般的には、規模の大きな組織の方が扱う建築物の種類も豊富であり、より大きな建物の意匠設計を目指す場合には、規模の大きな企業への転職がおすすめです。

ただし、大手の設計事務所やゼネコン、ハウスメーカーの求人は一般公開されていないケースもあります。そのため、意匠設計としての転職を検討している場合には、建築関連分野への転職サポート実績が豊富な転職エージェントへの相談が重要です。特に、働きながら転職活動を進めたい場合には、効率よく進めるためにエージェントを活用することが有益です。

JACは、意匠設計の転職サポート実績を豊富にもつ転職エージェントです。納得できる転職活動を希望される際には、建築業界に詳しいコンサルタントが在籍するJACにご相談ください。

意匠設計のキャリアパス


意匠設計のキャリアパスには次のような方向性があります。

専門領域を極める

建築士として専門分野の知識や技術、実務経験を積むことで、専門領域のエキスパートとしてプロジェクトを牽引する立場に就くことが可能です。専門分野を深く追求したい人や、デザインや機能性を重視し、納得できる建築物の設計・監理に携わりたい人に適したキャリアパスです。

建築設計部門の管理職を目指す

意匠設計担当者として十分な実績を積んだ後、建築設計部門の管理職に就くこともあります。この場合、部署全体の案件管理や施工会社との折衝、メンバー育成などを担います。後進の育成に関心がある人や、プロジェクトを円滑に進めることに興味がある人に向いています。

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意匠設計の転職事例


JACがサポートした意匠設計の方の転職成功事例をご紹介します。

Dさん(男性/40代前半)

業種職種年収
転職前大手建設会社意匠設計850万円
転職後大手建設会社意匠設計950万円

Dさんは大学院卒業後、大手建設会社で分譲マンションの意匠設計に携わっていました。仕事内容にはやりがいを感じていましたが、残業による心身への負担が増えたことから転職を考え、JACに相談されました。

転職では、これまでの経験を生かしたいとの希望があり、設計だけでなくコンセプト策定や商品力の向上に携わることのできる大手建設会社を紹介しました。応募先では、一級建築士の資格、前職での大規模プロジェクトの経験、行政との調整経験が高く評価され、面接後すぐに採用が決まりました。

現在は、マンション設計に関わる部門で活躍しており、残業時間が減ったことで肉体的な疲労も軽減されたことから、より精力的に業務に取り組めるようになったとご報告をいただいています。

意匠設計の転職なら、JAC Recruitmentへ


JAC Recruitmentには、建設業界専門チームがあり、多数の意匠設計への転職希望者をサポートしてきた実績があります。建設業界出身のコンサルタントが転職に関するお悩みやご希望をしっかりお伺いし、理想のキャリアプランを実現するために適切なアドバイスと求人のご案内を行います。

意匠設計への転職を検討の際には、ぜひ専門分野への転職サポートを得意とするJACにご相談ください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




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