大阪エリアの製造業におけるエンジニアの転職市場動向

  1. 転職マーケット×大阪

公開日:2022/05/06 / 最終更新日: 2024/09/27

古くから商業の街として栄えてきた関西の大都市、大阪。大阪市内の工場集積地である東部4区や東大阪を中心としたエリアには、基礎素材から加工組立まで幅広い業種の製造業が集積し、日本の製造業を支える大きな基盤となっています。

ここでは、大阪エリアに本拠を置く大手~中堅製造業にフォーカスし、30~40代のエンジニアを対象に、代表的な業種における製造業の転職事情について、多くの転職サポート実績をもつJAC Recruitment(以下、JAC)大阪支店のコンサルタントが解説します。

大阪エリアの製造業動向


はじめに大阪の製造業の特徴として、業種ごとに淘汰が進み、それぞれ一強が残っているという状況です。例を挙げれば、家電大手のパナソニック、農業機械のクボタ、空調のダイキン、自動車部品の住友電気工業、フィルムの日東電工など、それぞれの業種で非常に強い企業が存在する点が特徴です。

全体的な動向としては、製造業全体にいえることですが、新規事業重点事業への投資先端研究開発、ハードウェア製品に加えてサービス事業の創出と拡充、そうしたところでの積極的な動きが多く見られます。自動化やAI、ICTの活用も含めた新しい価値創造や、生産や業務の改善・改革、DX化につながるニーズが強く出てきています。そしてSDGsの実現に向けた、例えば電池や新エネルギー関連など、カーボンニュートラルをキーワードとするトレンドも非常に強くなっています。

また、最近では感染症の影響や地政学的なリスクなどを含めて、SCMの正常化を狙って調達を複線化したり、リスクヘッジのために体制強化したりというニーズも増えているようです。

Topへ

大阪の製造業の求人の動向


大手企業を中心に、社会課題の解決社会貢献性の高い事業を強化しています。また、以前はデバイスやプロダクトに限定される事業が中心でしたが、最近のトレンドとしてSaaS型、IT/IoTを活用したサービスや、DX実現のためのプラットフォームを自分たちで構築するためのポジションが増えてきています。プロダクトに加えて、SaaS型ビジネスや、高付加価値型ソリューションを提供するプラットフォーマーという方向に向いた新規事業、新規ビジネスが多くなっています。

こうした新規事業を実現していくために、自社のリソースや技術だけでは難しいと考える企業も多くあります。そのため、スタートアップやベンチャー企業と協業してシナジーを生み出すことを考えられる方を外部から採用したり、それを製品化するにあたり、技術的にどう実現するのかを考えるという研究開発側で採用したりという動きが、各社共通して多く見られます。特に大手ではCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)としての動きを強めているところもあり、非中核事業を投資先として求める傾向が見られます。こうしたケースでは、新規事業開発というタイトルで、投資先、買収先の検討などを考えられるポジションで人材を求めるような動きになります。

これに呼応する形で、ご登録者、求職者の方々においても、自身の仕事を通じて社会にどのような影響を与えられるのかといった観点が、転職先を選択する際の価値観として、たいへん強くなっているという印象があります。

Topへ

大阪の製造業大企業における転職動向


電気や機械の大手企業を中心に、先端領域にかかわるところ、AIやIoTなど新しい分野に投資する余力が出てきたこともあり、応用研究に投資したり、新規事業に投資したり、それに関連した研究開発職関連の求人が増えてきています。

企業によっては、自社の既存のリソースとしてソフトウェアやIoT/ICT関係などが弱いなど、対応するエンジニア人材が不足している状況があるようです。また、新規事業として企画立案や事業推進、業務改善など課題・テーマを明確にするため、また社内外多部署と連携して物事を推進するため、プロジェクトマネジメントの経験者を求めるようなトレンドもあります。

加えて、経営の効率化、ビジネスの迅速化といった観点から、コンサル会社の出身者を求めるところも増えています。新規事業だとおそらくSIerやITベンダー、IT系に強いコンサルファームの方まで対象を広げて、積極的に採用しようという大きな流れを感じます。コンサル出身者は、課題を把握して部署内で連携して、そこから対策の立案実行まで持っていくことに長けており、製造業でもそうした点が高く評価される傾向があります。また、金融業界や総合商社出身者は、案件組成、例えばM&Aを完成させるだとか、シンジケートローンを組成するとなったときに、営業活動のみならずファイナンスやリーガルというフロント・ミドルオフィスの業務の大枠を理解しているというところが、製造業でも評価されているポイントになります。

Topへ

大阪の製造業中堅企業における転職動向


中堅企業としては業態がほぼ専業メーカーとなりますので、エンジニアであればその道のスペシャリストを求める傾向があります。そのため幅広く求人を出すというよりは、同業他社や大手から手堅く、スキルとか経験がわかりやすい方を引き抜くケースが多いようです。

大企業はある意味その業種のフロントランナーであり続ける使命がありますから、新規事業の創造、まだ世の中にないものを作っていくための募集に重きを置き、自社にないリソースを招聘したいという傾向が強くなります。一方の中堅企業は、やるべきこと、達成すべき日程感が明確で、出来る人材を中途採用するという傾向が強くなると言えるでしょう。

Topへ

大阪の製造業におけるエンジニアのモデル年収


大手製造業では、企業ごとに賃金テーブルが決まっていて、部署によって給与に差がでるようなことは基本的にはありません。例えば電気・機械系メーカーであれば、35歳で管理職手前の職位で700万円台半ば、35~40歳係長までで750万~950万円の間、40歳以上課長職になると、950万~1100万円というレンジが多いようです。

化学系メーカーでは、35歳で600万~700万円、40歳で900万~1000万円弱という求人が出ています。エネルギー系になると、35歳の主任・係長クラスで800万~1000万円、40歳課長職で1100万~1200万が中心になります。

Topへ

大阪の製造業におけるエンジニアの転職を成功させるには


将来的に転職活動を始めるのであれば、有利に進められる経験のキーワードは、海外駐在プロジェクトマネジメントなどになります。職種寄りのキーワードでは、データ分析スキル事業企画・推進関連の経験があると良いでしょう。特に大手でも新規事業の人材を自前で確保できないという状況があり、将来的にもスタートアップとの連携や他の企業とコラボレーションするような動きは増えていくと思います。こうしたところでは、高いコミュニケーション力、強力なリーダーシップを発揮できるリエゾン型の人材は強く求められていくと思います。

大阪圏の特徴として、IT系・ソフトウェア系エンジニアが関東圏に比べると少ないので、売り手市場になりやすい傾向はあります。あと、自動車関係も少ないです。製造業全体として、データサイエンスやM&A、DXなど、いろいろなキーワードが出てきていますが、これからの時代にはどれも必要になるものです。転職を考えるのであれば、これからの5年10年でご自身が何をしたいのか、それに向けたスキルや経験を積んでおくことが重要だと思います。

Topへ

JAC大阪支店を利用するメリット


JAC大阪では、質にこだわったサービス提供に心掛けています。100以上のエージェントを使っているクライアント企業も多い中、私たちだけがお預かりしている求人ニーズもありますし、求職者の方々にとって一見似かよった案件が多くある中で、どの求人がベストと言えるのか、その方の経験などを踏まえた上でご紹介、ご提案ができます。採用企業と転職ご希望者の両方をひとりが担当する「コンサルタント型」というスタイルのコンサルタントとして蓄積している情報量が多く、企業と候補者の間にある乖離を埋め合わせていくことができるのも、他のエージェントと差別化できる点です。マッチングにおいて、この企業のこのポジションこそがその方にとって最適だと、きちんと精査してお話できることが、私たちの強みです。

採用しようとする企業側の視点では、候補者が備えているポータブルスキルの高さは重要な評価ポイントになります。私たちは、登録者の方々と面談を繰り返してきていますので、どこに共感するのか、どこがエッジの効いたポイントなのかを、企業側にご提案することができます。短時間の面接ではなかなか見抜けないところを私たちがしっかりと押さえ、さらにそれを企業側への提案として仕掛けていく、それによって候補者の付加価値を高めていく、それができるコンサルタントが大阪支店にいることが、最大のメリットだといえます。


大阪エリアの製造業の転職に強いコンサルタントが、あなたの転職をサポート。
採用企業の情報や職務経歴書・面接の対策、あなたの市場価値など、ぜひご相談ください。


この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。




Topへ