「外資系投資銀行(外銀)への転職を検討したい」という方もいるのではないでしょうか。
外資系投資銀行への転職を進められるように、外資系投資銀行の最新転職・求人情報や部門別に求められる経験・スキルをJAC Recruitment(以下、JAC)が解説いたします。
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登録してプロの転職支援を受ける外資系投資銀行の最新転職・求人情報
本章では外資系投資銀行の最新転職・求人情報を紹介します。
※求人の募集が終了している場合もございます。ご了承ください。(2025年3月最新)
本章で紹介している求人は、JACが取り扱う求人の一部です。非公開求人も含めこれまで培ってきた経験やスキルを生かせる外資系投資銀行の求人紹介を受けたい方は、ぜひJACにご登録ください。
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未経験から外資系投資銀行に転職できるのか
未経験から投資銀行への転職は、他業界と比較するとハードルが高く、容易ではありません。
特に外資系企業の場合、実力や成果を評価する傾向が強いことから、キャリア採用では経験者が求められます。さらに、高度な金融知識やコンサルティングスキルが要求されるため、未経験者が採用されるケースは極めてまれです。
しかし、未経験であっても転職しやすい部門や職種も存在します。たとえば、IT部門やバックオフィス部門などは、分野に精通した経験や知識があれば、金融関連の経験や知識がなくても採用に至ることもあるでしょう。
外資系投資銀行への転職を成功させるには、高度な英語力と金融知識が必須となります。英語力に関しては最低でもTOEIC800点以上、投資銀行部門では900点以上のスコアの保有が望まれるでしょう。未経験者の場合、金融知識を得るために、外資系投資銀行への転職を目指す前にほかの金融業界で実績を積むのも一つの方法です。
未経験から外資系投資銀行に転職を目指す際は、中長期的な視点を持ち、計画的にキャリアを築きましょう。
主な外資系投資銀行一覧
ここでは、外資系投資銀行に代表される、次の7つの企業を紹介します。
ゴールドマン・サックス
ゴールドマン・サックス・グループ・インクは、1869年にアメリカ・ニューヨークで創業した世界有数の投資銀行です。投資銀行業務や資産運用、証券取引、不動産投資を中心に、世界各国の政府機関、企業、富裕層に向けて多岐にわたる金融サービスを提供しています。特にM&Aアドバイザリー業務や株式・債券の引受業務において圧倒的な実績を誇り、世界の金融市場を牽引する存在として知られています。
ゴールドマン・サックス証券株式会社は、東京都港区に本社を構え、約1,100名の従業員を擁しています。
J.P.モルガン
J.P.モルガン・チェース・アンド・カンパニーは、アメリカ合衆国ニューヨークに本社を置く世界有数の総合金融サービス会社です。投資銀行や証券取引、資金決済、資産運用、プライベート・バンキングなど幅広い金融サービスを提供している点が特徴です。 日本には1924年に進出し、現在も東京を拠点に投資銀行業務や法人向け金融サービスを中心にサービス展開しています。特にM&Aアドバイザリーやデリバティブ取引においては、国内外から高い評価を得ています。
日本法人の本社は東京千代田区に所在し、約1,100名の従業員が在籍しています。
モルガン・スタンレー
モルガン・スタンレーは、1935年に設立されたアメリカの大手投資銀行であり、M&Aアドバイザリーや資本市場業務、資産運用、不動産投資などを幅広く手掛けています。日本市場では三菱UFJフィナンシャル・グループと提携しており、大手企業向けの投資銀行事業を中心に強固な事業基盤を築いています。
東京都千代田区に本社を構えており、約5,700名の従業員が従事しています。
バンク・オブ・アメリカ
バンク・オブ・アメリカ・コーポレーションは、アメリカ合衆国ノースカロライナ州シャーロットに本社を置く大手金融機関です。「責任ある成長」戦略のもと、個人、法人、機関投資家向けに多様な金融商品やサービスを提供している点が特徴です。日本市場では法人向けの金融サービスを中心に、クロスボーダーM&Aやデリバティブ取引において高い評価を得ています。
日本法人であるBofA証券株式会社は、東京都中央区に所在し、約630名の従業員が在籍しています。
UBSグループ
UBSグループAG は、スイスのチューリッヒとバーゼルに本社を置く世界的な金融機関であり、150年以上の歴史を誇ります。投資銀行業務や資産管理、証券取引など、幅広い金融サービスを手掛けており、世界50カ国以上に拠点を展開しています。日本においても個人富裕層向けの資産運用サービスや法人向けの投資銀行業務を展開しており、欧州系銀行の中でも存在感を示しています。
日本法人の本社は、東京都千代田区に拠点を構えています。
バークレイズ
バークレイズPLC は、イギリス・ロンドンに本拠を置く大手国際金融グループです。投資銀行業務や商業銀行業務、資産運用、個人向けには銀行業務やクレジットカード業務など、多岐にわたる金融サービスを展開しています。 特に債券・為替市場におけるトレーディング業務に強みを持ち、欧州圏内での資金調達支援にも長けています。日本市場では法人向け金融サービスを提供しており、グローバルネットワークを生かした提案力が高く評価されています。
東京都港区に本社を構え、約500名の従業員を擁しています。
ドイツ銀行グループ
ドイツ銀行グループは、ドイツ・フランクフルトを本拠地とするドイツ最大の民間金融機関です。投資銀行業務や商業銀行業務、リテール・バンキング業務、資産管理業務など、幅広い金融サービスを提供しています。特にデリバティブ取引や債券市場で強みを発揮し、欧州を中心にグローバルな金融ネットワークを構築しています。
本社は、東京都港区に所在しています。
外資系投資銀行に転職する魅力
本章では、外資系投資銀行に転職する際に挙げられる次の3つの魅力について解説します。
• 実力次第で豊富なキャリアパスを描ける
• 高い専門性を身につけられる
• 高収入を実現できる
実力次第で豊富なキャリアパスを描ける
年功序列型の企業が多い日系企業より、自分の実力でキャリアの道を切り拓いていけるのが外資系投資銀行の魅力です。能力次第でチャンスを得られる風土があり、社歴や年齢問わず、昇格といったキャリアアップを狙えるのが特徴といえます。
高い専門性を身につけられる
現在日系の金融機関に勤めている方であれば、金融業界の知識をもち合わせているでしょう。さらに金融のエキスパートとして活躍したいのであれば、一貫して同じ部門で働くことの多い外資系投資銀行は最適。専門性の高い知見を身につけられます。
高収入を実現できる
一般的に年収の高いイメージがある外資系投資銀行。給与体系は実力次第で変わります。階級によって昇給し、マネージャークラスでは年収2,000万円という方もいます。一方、成果主義ゆえに結果が出せなければ減給や解雇というリスクもあります。
>>外資系企業の年収情報|日系企業との比較や年収アップのポイント
【部門別】外資系投資銀行への転職で求められる経験・スキル
ここでは、外資系投資銀行への転職で求められる経験・スキルについて、次の6つの部門別に解説します。
• リサーチ部門
• 投資銀行(IBD)部門
• アセットマネジメント部門
• マーケット部門のセールス
• マーケット部門のトレーダー
• マーケット部門のストラクチャー
リサーチ部門への転職で求められる経験・スキル
リサーチ部門は、経済動向や金融市場、企業財務などを分析し、投資家向けのレポートを作成する部門です。株式や債券市場、マクロ経済の動向を予測する力が求められるため、経済学や金融工学の知識はもちろん、ファイナンス理論や統計分析のスキルも不可欠です。また、担当業界の最新情報を常に把握し、変化を予測する能力も必須になるでしょう。特にアナリスト職では、担当業界に関する深い知識と企業分析力が求められます。
転職にあたっては、MBAやCFA(米国証券アナリスト資格)を持っていると優遇されることもありますが、金融機関やコンサルティングファームでの調査・分析経験があれば転職できる可能性は十分にあるでしょう。
投資銀行(IBD)部門への転職で求められる経験・スキル
投資銀行部門は、企業のM&Aや資金調達を支援する業務を担う部門であり、花形部門と例えられることもあります。未経験からの転職は難易度が非常に高いものの、財務・会計の知識や財務モデリングスキル、投資分析の経験を有していると、経験が評価され採用に至ることもあるでしょう。また、戦略コンサルティングや財務アドバイザリー業務の経験者、もしくは国内証券会社での投資銀行業務経験者も、業務の親和性が高いことから前職での経験が評価され、内定を獲得できるかもしれません。
花形部門であり、高年収が期待できる一方で、長時間労働が常態化するため、ハードワークに耐えられる体力やどんなストレスにも耐えられる強靭な精神力も不可欠です。
アセットマネジメント部門への転職で求められる経験・スキル
アセットマネジメント部門は、機関投資家や富裕層の資産を運用し、収益を最大化する役割を担う部門です。主に運用(ポートフォリオマネージャー)と営業(リレーションシップマネージャー)の2つの職種があり、前者には投資戦略の立案やリスク管理のスキルが求められ、後者には顧客との信頼関係を築くための営業力が必要です。どちらの職種においても、常に最新の金融情報を収集し、変化に対応する探求心が求められるでしょう。
転職に向けては、投資信託会社や機関投資家向けの営業経験もしくは運用経験があると優遇される場合があります。
マーケット部門のセールスへの転職で求められる経験・スキル
マーケット部門のセールスは、自社の金融商品を機関投資家などに販売するポジションです。扱う商品は株式や債券、デリバティブなど多岐にわたり、顧客ニーズに応じた提案力が求められます。高いコミュニケーション能力と交渉力はもちろんですが、マーケット動向をリアルタイムで把握する分析力も必須となるでしょう。
金融業界における営業経験があれば優遇されますが、異なる業界でも営業職で高い成果を残していれば採用に至る可能性が期待できます。
マーケット部門のトレーダーへの転職で求められる経験・スキル
マーケット部門のトレーダーは、外資系投資銀行の資金を用いて金融商品を売買し、収益を上げる業務を担います。市場の変動を読み取る高度な分析力のほかに、高度な金融知識も求められます。また、クオンツトレーディングでは、数学やIT技術に関連するスキルも求められるでしょう。
トレーディング部門やリスク管理業務の経験を有していれば、実力主義傾向の強い外資系投資銀行でも内定を得られることがあります。
マーケット部門のストラクチャーへの転職で求められる経験・スキル
マーケット部門のストラクチャーは、金融商品の設計・開発を担当する職種であり、高度な数学力・統計解析能力を生かし、投資家向けにカスタマイズされた商品を提供します。物理・数学・工学系のバックグラウンドが強みとなる分野のため、クオンツとしての実務経験があると採用選考で優遇されるでしょう。
外資系投資銀行への転職で求められる人物像
本章では、外資系投資銀行への転職で求められる人物像として、次の4つの例を紹介します。
• 判断力と情報収集能力に優れている
• 英語力とグローバルコミュニケーション能力が高い
• 大局的な視点で物事を考えられる
• 学び続ける姿勢がある
判断力と情報収集能力に優れている
外資系投資銀行では、判断力と情報収集能力に長けた人が求められます。
その理由として、金融市場は常に変動しており、瞬時の判断が成果に大きな影響を与えるからです。業務を遂行するにあたっては、金融市場の動向や経済指標、企業業績などの情報を的確に収集・分析し、データにもとづいた素早い意思決定が必須となります。また情報源の信頼性を見極め、多角的にデータを比較検討するスキルも必要とされるため、論理的思考力やデータ分析能力も重要な要素となるでしょう。
英語力とグローバルコミュニケーション能力が高い
高度な英語力やグローバルコミュニケーション能力も、外資系企業では採用選考において評価される傾向があります。
外資系投資銀行の場合、日常的に英語を使用するケースが多いため、英語での交渉力やプレゼンテーション能力が不可欠です。また、多国籍の同僚と協力して業務を進める場面も多いため、異なる文化的背景を理解し、柔軟に対応できる姿勢も求められるでしょう。
英語力の目安としてはTOEIC800点以上となり、ポジションによっては英語を用いた実務経験も評価の対象になることがあります。
大局的な視点で物事を考えられる
金融市場は、政治や経済、社会など、さまざまな要因によって影響を受けます。そのため、個別の事象だけでなく、全体像を把握し、長期的かつ大局的な視点で物事を捉える視座の高さも求められます。
また、短期的な利益だけでなく、クライアントや金融市場全体にとっての最適解を考えられる視野の広さも不可欠です。多様な要因を考慮しながら、リスクを分析し、長期的な視点で戦略を立てられる人は、外資系投資銀行で活躍できる素養を備えているといえるでしょう。
学び続ける姿勢がある
外資系投資銀行では、入社後も自ら学び続ける姿勢が不可欠です。
というのも、金融市場は、変化のスピードが速く、新しい金融商品やテクノロジー、規制の変化などに常に適応し続けなければなりません。そのため、CFA(公認証券アナリスト)やFRM(金融リスクマネージャー)などの資格取得を奨励する企業も多く、日々の業務と並行してスキルアップに努める風土が根付いています。
このような業務環境から、採用選考でも常に最新の情報を収集し、自己啓発や研磨に励む人物が求められる傾向があります。新しい金融商品や技術について積極的に学び、業務に生かせる人は、まさに外資系投資銀行が求める人物像に合致するでしょう。
外資系投資銀行へ転職した場合の年収相場
JACの転職支援サービスを利用し、外資系投資銀行に転職した方の平均年収は1,110万円前後であり、ボリュームゾーンは700〜900万円程度です。
最高年収は、2,000万円程度(ポジション:課長以上)でした。
なお、役職別および年代別の平均年収は、次のとおりです。
【役職別平均年収】
役職 | 平均年収 |
---|---|
課長未満(14名) | 900万円程度 |
課長以上(5名) | 1,600万円程度 |
【年代別平均年収】
年代 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 950万円程度 |
30代 | 1,200万円程度 |
※当社実績(2019年1月~2023年12月)より
※母数が少ないため、判断材料の一つとしてご参照ください
外資系投資銀行への転職で役立ちやすい資格
ここでは、外資系投資銀行への転職で役立ちやすい資格を、次の3種のカテゴリーに分けて解説します。
• 【語学力】TOEIC、TOEFL、国連英検
• 【ビジネス】海外MBA
• 【経理・会計】日商簿記検定1級
【語学力】TOEIC、TOEFL、国連英検
外資系投資銀行では、日常的に英語を多用するため、採用選考でも英語力を証明する資格が重視されます。特に、投資銀行部門やマーケット部門など、海外のクライアントと頻繁にやり取りする部門では、高い英語力が求められます。
■TOEIC(Test of English for International Communication)
TOEICは、ビジネスや日常での英語力を測定する国際的な試験であり、多くの企業で採用基準や昇進要件に用いられています。外資系投資銀行ではTOEIC 800点以上が一般的な目安であり、投資銀行部門(IBD)やマーケット部門では900点以上が求められることもあります。
■TOEFL(Test of English as a Foreign Language)
TOEFLは、アカデミックな英語力を測る国際的な英語試験であり、主に海外大学や大学院への進学や留学時に必要になります。また、外資系企業の採用選考時に評価対象の一つとして要件に含まれることがあります。
投資銀行ではTOEFL iBT 90点以上が一つの基準になることが多く、グローバルな案件を扱う部門ではさらに高いスコアが求められることもあります。
■国連英検(国際連合公用語英語検定試験)
国連英検は、国連の理念である「国際協力」「国際理解」をコンセプトにした試験であり、英語力の測定だけではなく、国際的な問題も試験に出題される点が特徴です。外資系投資銀行では、リサーチ部門やグローバルな視点が求められる職種において有効性を発揮することがあり、特A級・A級を取得していると高く評価されるでしょう。
【ビジネス】海外MBA
MBAは、日本語で「経営学修士」や「経営管理修士」と称される学位を指し、経営に関する高度な知識とスキルを対外的に証明できます。特に投資銀行部門(IBD)やアセットマネジメント部門において評価される可能性が期待できるでしょう。
MBAは日本国内でも履修可能ですが、外資系投資銀行への転職を目指すなら海外MBAの履修を推奨します。
原則カリキュラムや教材に大きな違いはありませんが、海外MBAでは、国籍や職種の異なる多種多様なビジネスパーソンと交流する機会を得られるため、外資系投資銀行と同じグローバルな環境を体験できるでしょう。また、ハーバード・ビジネス・スクール、スタンフォード大学、ウォートン(ペンシルベニア大学)などのトップスクールは、各国からのエリートが参加しているため、ビジネスパーソンとしての視座を高める絶好の場となります。
受講資格は、スクールによって異なりますが、学士(四年制大学卒業)以上の学歴、一定年数以上の職歴、TOEFLやIELTSのスコアなどが要項に含まれます。レベルもスクールによって違うため、海外MBA取得を目指す際は、自身のキャリアプランに合うスクールを選択しましょう。
【経理・会計】日商簿記検定1級
日商簿記検定1級は、商業簿記や会計学、工業簿記、原価計算などの高度な知識を問う試験であり、財務分析やM&A評価を行う部門では、高く評価されます。
2級でも評価の対象になることもありますが、投資銀行部門(IBD)やアセットマネジメント部門への転職を希望する場合は、1級を保有していることが望ましいでしょう。
日商簿記検定1級は年2回(6月・11月)実施されます。商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目から成る試験を受け、全体の70%以上の正答で合格となります。ただし、どの科目も最低40%以上正答しなければなりません。合格率は10%前後と非常に低く、日本国内の公的資格の中でも最上位の難易度に位置するといわれています。
外資系投資銀行への転職を成功させるポイント
本章では、外資系投資銀行への転職を成功させるうえで意識したい、次の4つのポイントについて解説します。
• 外資系投資銀行で必要とされる水準まで英語力を向上させる
• 職種や年齢的に相応するスキルを習得する
• 投資銀行ならではの想定質問も踏まえ英語面接対策を行う
• 外資系投資銀行の転職に強い転職エージェントを利用する
外資系投資銀行で必要とされる水準まで英語力を向上させる
外資系投資銀行への転職を成功させるには、外資系投資銀行で必要とされる水準の英語力を有していることが前提となります。外資系投資銀行では、日常的に英語を使用するため、目安としてTOEIC800点以上が求められるでしょう。
なお、転職に向けて英語力を高める際は、TOEICやTOEFLのスコアアップを目指すだけでなく、実際のビジネスシーンを想定したディスカッションやプレゼンテーションなどの練習を重ねておくことも大切です。特に、金融や経済の専門用語を習得し、英語での説明力を鍛えておくと、実践の場でも役立つでしょう。
職種や年齢的に相応するスキルを習得する
職種や年齢的に相応したスキルの習得も、外資系投資銀行への転職を成功させるうえで不可欠です。例えば、投資銀行部門(IBD)を目指す場合はM&Aや企業財務(コーポレートファイナンス)に関する知識が必須であり、アセットマネジメント部門ではポートフォリオマネジメントやリスク管理のスキルが求められます。
特に30代以上の転職は、金融業界における経験が重視されるため、過去のキャリアで培った専門知識や経験が、入社後どのようにして企業の成長に寄与するのかを明確に示せるか否かが転職成功を大きく左右するでしょう。現職では、自身の市場価値向上に向けて、即戦力となるスキル強化に努めましょう。
投資銀行ならではの想定質問も踏まえ英語面接対策を行う
外資系投資銀行の面接では、一般的な転職面接の質問に加え、ケーススタディが実施されたり金融市場に関して問われたりすることもあります。そのため、投資銀行ならではの想定質問も踏まえた英語面接対策を講じましょう。
例えば、「今後の金利動向が金融市場に与える影響についてどう考えるか?」といったマクロ経済に関する質問や、「現在のM&A市場のトレンドを説明してください」といった投資銀行業務に直結する質問が例として挙げられます。各質問に正確かつ迅速に回答するには、日頃から金融ニュースをチェックし、経済動向について自分の考えをまとめる習慣を持つことが大切です。
また、英語面接では、英語で自分の意思を伝えたり、金融業界特有の用語や市場動向を英語で説明したりできるよう、実際の面接シーンを想定しながら練習を重ねましょう。
>>英語面接の質問・回答例と対策ポイントを本番の流れに沿って解説
外資系投資銀行の転職に強い転職エージェントを利用する
外資系投資銀行への転職は、ほかの業界と比較して転職ハードルが高いため、外資系投資銀行の転職支援に長けた転職エージェントの活用を推奨します。特に、JACをはじめとする、外資系企業や金融業界、エグゼクティブ職への支援に強みを持つ転職エージェントであれば、業界に精通したコンサルタントから、履歴書・職務経歴書の添削や模擬面接のサポートを受けることができます。
また、外資系投資銀行の採用は非公開で進められるケースが多く、個人では見つけられない求人も転職エージェントであればコンサルタントを通じて紹介されることがあります。特に、外資系金融業界ではリファーラル採用の文化が根付いているため、転職エージェントのコネクションを活用することで、転職のチャンスが広がるでしょう。
外資系投資銀行への転職成功事例
本章では、外資系投資銀行への転職成功事例として、3つの事例を紹介します。
証券業界から外資系投資銀行のコーポレートファイナンスに転職した事例(男性/30代後半)
業種 | 職種・ポジション | 年収 | |
転職前 | 日系証券会社 | コーポレートファイナンス | 800万円 |
転職後 | 外資系投資銀行 | コーポレートファイナンス | 1,550万円 |
Kさんは、大学卒業後に大手日系証券会社へ入社し、コーポレートファイナンス部門にてエクイティファイナンス、デットファイナンス、M&Aのオリジネーション業務に従事していました。学生時代から、日本企業のグローバル展開を支援したいという思いがあり、将来的にはPEファンドで企業価値向上に携わることを目標としていました。
しかし、入社後に直面したのは、案件の少なさとリレーション営業の比重の高さでした。自ら案件を開拓する機会が限られ、M&Aのエクセキューション経験を十分に積めないことに課題を感じるようになりました。また、社内異動の機会が乏しいため転職を考えるようになったのです。
そこでKさんは、より多くのM&A案件に関与できる外資系投資銀行への転職を決意しました。若手らしい素直さ、爽やかさに加え、冷静で論理的な思考力、そして目標達成へのストイックさを持ち合わせたKさんは、見事外資系投資銀行のコーポレートファイナンス部門への転職を成功させ、大幅な年収アップも実現しました。この転職は、Kさんの明確なキャリア目標と、それを実現するための積極的な行動力が実を結んだ事例といえるでしょう。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
日系信託銀行から外資系証券会社のミドルバックオフィスへ転職した事例(男性/30代後半)
業種 | 職種・ポジション | 年収 | |
転職前 | 日系信託銀行 | 金融ミドルバックオフィス | 600万円 |
転職後 | 外資系投資銀行 | 金融ミドルバックオフィス | 850万円 |
Iさんは、大学卒業後に日系信託銀行へ入社し、信託記帳やカストディ業務、口座開設・閉鎖業務などを担当しました。約10年間のキャリアを通じて、国内外の投資信託関連業務に携わり、業務改善や外国市場の調査・分析にも積極的に関与するとともに、出張を通じて海外のカストディアンや税理士との交渉経験も積み、金融バックオフィス業務に関する高い専門性を築いていました。
しかし、Iさんは自身のキャリアパスの不透明さ、年収アップの可能性、そして業務の細分化による効率の悪さから、より専門性を高められる環境を求めるようになりました。さらに、最大60時間に及ぶ残業が続いていたため、ワークライフバランスの改善も転職理由となりました。
Iさんは、これまで培った金融バックオフィスの専門性をさらに高められる環境を求め、転職活動を開始。当初は日系・外資系を問わず、金融業界のミドルバックオフィスのポジションを幅広く検討しましたが、最終的には外資系投資銀行のミドルオフィスポジションからの内定を承諾しました。
転職の成功要因としては、Iさんの落ち着いた人柄と着実に業務を進める能力、そしてビジネスレベルの英語力(TOEIC915点)が挙げられます。また、信託銀行で培った幅広いバックオフィス業務経験と、海外関連業務の知識も高く評価されたと考えられます。転職により、Iさんは年収アップとワークライフバランスの改善を実現するとともに、専門性を深められるキャリアも手にすることができました。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
外資系証券会社のミドルバックオフィスへの転職事例(女性/30代前半)
業種 | 職種・ポジション | 年収 | |
転職前 | 日系証券会社 | リサーチ | 700万円 |
転職後 | 外資系投資銀行 | ミドルバックオフィス | 850万円 |
Hさんは、大学卒業後に日系証券会社へ入社し、支店のリテール営業を3年間担当しました。その後、英語力と会計の知識を生かせるポジションを希望し、リサーチ部門に異動。アシスタントの肩書きながら、実質的にはジュニアアナリストと同等の業務を担当し、主に自動車・部品セクターの分析を手掛けていました。
しかし、Hさんはエリア総合職として採用されたため、現職においてキャリアの限界を感じるようになりました。総合職と同等の業務をこなしているにもかかわらず、給与面での伸びが期待できないという状況に不満を抱いていたうえに、会社の将来性にも不安を感じ、転職を決意しました。
転職活動では、英語力を生かしつつ、将来的に年収の伸びが期待できる環境を重視し、外資系証券会社を中心に検討。当初は米系外資のコーポレートアクセス部門を中心に応募していましたが、最終的にはミドルバックオフィスのポジションに絞り込みました。
その理由として、これまでのリサーチ業務で培った分析力とクライアント対応経験を生かせること、またデスクワークだけでなくコミュニケーションが求められる業務に適性を感じたことが挙げられます。選考では、Hさんの金融業界での実務経験、英語力(TOEIC870点)、リサーチ業務の実績が高く評価され、外資系投資銀行のミドルバックオフィスの内定を獲得しました。
Hさんの転職成功のポイントは、自身の市場価値を客観的に分析し、より良い条件でキャリアを形成できる環境を選んだことにあると考えられます。また、企業の将来性を考え、早期に転職活動を開始した決断力も成功の要因となりました。
エリア総合職という枠を超え、自身の能力を十分に発揮できる環境と、それに見合う待遇を手に入れた事例といえるでしょう。
※事実をもとにしておりますが、プライバシー保護のため、個人が特定されないように内容を一部変更しています。
外資系投資銀行へ転職後のキャリアパス
下記は、JACが提供する転職支援サービスを利用し、外資系投資銀行から別の業界・企業に転職した方のキャリアパス例です。
外資系投資銀行から次のステップに向けたキャリアパスをイメージする際の参考にしてみてください。
年齢・性別 | 業種 | 職種・ポジション | 年収 |
40代前半・女性 | 外資系投資銀行→投資信託 | ストラクチャリング業務→マーケティング・商品開発 | 1,400万→1,050万 |
40代前半・女性 | 外資系投資銀行→流通・小売業 | PM→IT系PM | 1000万→1200万 |