外資系経理の転職事情|求人情報・難易度や成功のポイント

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外資系企業の「経理(アカウンティング)」とはどのような役割を担い、どのような転職チャンスがあるのでしょうか。

1975年にイギリス・ロンドンで創業以来、数多くの外資系企業への転職をご支援し続けてきたJAC Recruitment(以下、JAC)が、外資系企業の経理(アカウンティング)を中心に、最新の転職動向・キャリアパスなどについてご紹介するほか、ファイナンス職についても合わせてご紹介します。

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外資系経理と日系経理との違いとは


外資系企業の経理をより理解するために、日系企業の経理と比較してみましょう。

名称は異なるが主な業務内容はほとんど同じ

外資系企業の「アカウンティング」とは、経理・財務会計の領域を指します。日本法人のアカウンティング部門では、日本法人単体の財務諸表の管理、決算、本国へのレポーティングなどを行います。

アカウンティングが担う業務は、日本企業の経理とほぼ同じです。伝票の起票・管理、勘定科目ごとの帳簿への入力、経費精算、請求書・領収書発行、月次決算・年次決算などです。本国での連結決算に向け、日本法人の決算結果を報告します。

外資系のアカウンティングチームにおいては、「売掛金管理」「銀行対応」「キャッシュマネジメント」「税務」など、職域ごとに担当が分けられています。それらをとりまとめるポジションが「コントローラー」「ファイナンスマネージャー」などです。

会計基準は外資系と日系で異なる

業務内容に大きな違いはないものの、会計基準は異なります。日本企業は、日本の会計基準であるJ-GAAPまたはIFRS(国際会計基準)に基づきます。一方、外資系企業の日本法人では、J-GAAPに基づく決算と並行し、本国での連結決算に向け、自国の会計基準でのレポーティングを行うため、両方の知識が必要となります。

また、日本の大手企業では自社の経理組織で経理業務を完結させる会社が多いのですが、外資系企業ではシェアードサービスを活用しているケースが多数あります。たとえば、「アジア拠点の売掛金・買掛金関連業務がフィリピンのシェアードサービス会社に集約されている」といったようにです。
そのため、外資系企業の正社員経理の転職は、専門特化した高度なスキルを生かすポジションの求人が中心であるといえます。

前述のとおり、外資系企業と国内企業では会計基準が異なります。
日本企業でも海外子会社を持つ企業が採用している「国際会計基準(IFRS)」を導入している企業が多く見られます。
このほか、本国の会計基準にもとづいて会計処理・報告をしているケースがあります。
IFRS対応に求められるスキルとしては、日本企業から外資系へ転職する場合、スタッフクラスであれば会計基準の違いを詳細に理解している必要はなく、入社後にキャッチアップできれば、問題ありません。

外資系企業とは?日系企業との違いや向いている人を簡単に解説

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外資系経理の最新転職市場動向


一口に「外資系」といっても、規模や方針が異なりますので、採用において求める要件はさまざまです。
一般的には、スタッフクラスなら3年前後、シニアスタッフクラスなら5~8年、マネジャー以上であれば10年以上の経理経験が求められます。また、上位ポジションになると経営会議にも参加します。本国からの指摘に対して論理的な説明をするスキル、改善策の提案を行うスキルも必要であり、総じて「経営視点でのコミュニケーションスキル」が重要となります。

基本的に即戦力採用

特定の専門領域の担当者を求める求人もありますが、「幅広い経験」を求める企業が多いといえます。
たとえば、大手企業出身者でも、細分化された組織で一部業務を担当してきた方よりも、「子会社管理」などで幅広い業務を手がけた方が好まれる傾向が見られます。
現時点では実務経験の幅は狭くても、「他領域の知識も自身で学んで身につけている」「今後、幅を広げていきたい」といった姿勢・志向を持つ方が迎えられます。

アカウンティング(経理)は、基本的に利益を生み出さない「コストセンター」と見なし、できるだけ人数を絞り込んで運営する方針の企業が多数です。

アウトソーシングやシェアードサービスも活用するなか、自社社員として迎える人材には、幅広い業務を兼務してほしいと考えています。
外資系は、基本的に「即戦力採用」です。

新卒採用を行っていない企業も多く、「育成する」という考えがあまりありません。中途入社者は、新しい知識を独自で学んでキャッチアップしていく必要があります。

逆にいえば、国内企業で一部業務しか経験できないことに物足りなさを感じている方は、外資系企業への転職で経験の幅を広げ、キャリアを開発していくチャレンジができるといえます。
また、早いタイミングでマネジメントポジションに就きたい方は、日本の大手企業と比較すると外資系企業の方が早期昇格のチャンスが豊富です。

「システム導入」の経験はプラス評価

外資系企業のアカウンティング(経理)の採用においては、先ほど「必要なスキル」でご紹介した「経理の実務経験」「英語力」「コミュニケーション」が評価指標となります。

このほかに、「システム導入」の経験もあれば評価がアップします。近年、新たなシステム導入やアップグレードを行う企業が増えており、経理の立場でシステム導入プロジェクトに携わった経験を持つ方が歓迎されます。

外資系経理への転職で有利になる資格

外資系企業への転職に際し、資格は必須条件ではありません。
しかし、公認会計士、USCPA(米国公認会計士)、簿記といった資格の有無を聞かれるケースもあります。

資格を取得している場合、一定レベル以上の専門知識を備えていると判断できるためです。日系企業の経理・財務職から外資のアカウンティングに転職したいと考えている場合は、転職前に取得を検討しても良いでしょう。

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外資系経理の年収相場|400~1200万円


外資系企業のアカウンティング(経理)の年収相場は、もちろん企業によって異なりますが、下記が目安となります。

スタッフクラス年収400万~600万円
シニアスタッフクラス年収600万~800万円
マネジャークラス年収800万~1200万円
部長クラス1200万円以上

日本企業で経理経験を積んだ方が、外資系企業へ転職することで、職務の内容・レベルはほぼ変わらず年収アップとなるケースが多く見られます。
例えば、国内企業勤務・30代半ばくらいまでの主任クラス・英語力がある経理の場合、年収600~700万円→800万円など、100万程度年収がアップできる転職事例は珍しくありません。
マネジャーレベル以上では、当然、求められる英語力は上がりますが、年収200万円以上の年収アップとなる転職事例もあります。

外資系企業の年収情報|日系企業との比較や年収アップのポイント

外資系経理に求められる3つのスキル


外資系企業のアカウンティング(経理)に求められるスキルには、次のようなものがあります。

スキル1:経理としての実務経験

外資系企業が、経理の未経験者を受け入れることはまずありません。経理・財務会計領域の何らかの経験・スキルが必要とされます。

また、外資系企業でのアカウンティング経験がなかったとしても、日本企業での経理経験があれば問題ありません。日本企業から外資系企業に転職した方々からは、「業務の8割程度は同じ」との声が聞かれます。

スキル2:ファイナンスの専門性を備えた英語力

「英語力を磨くために外資系企業に入りたい」と転職を希望する方も多いのですが、少数精鋭体制の外資系企業では、選考段階ですでに一定レベルの英語力を備えている必要があります。
特にファイナンス業務に対応できるビジネス英語力が求められます。

一方、ジュニアスタッフ、シニアスタッフ、マネジャーなど、階層によって求められる英語力のレベルは異なります。TOEICスコアで判断されることはあまりなく、その職務で使用する英語力があるかどうかが重要です。

採用面接時においては、ジュニアクラスからのスタートであれば、「英文の読み書きができる」「海外旅行程度の英会話ができる」程度のレベルであっても、これから英語力を磨いていく意欲があれば受け入れられることもあります。

一方、マネジャークラスになると、本国への英文レポーティングをはじめ、英語で日本法人の状況を説明したり質問に答えたりする役割を担います。そのため、読み書き・会話力ともに高度な英語コミュニケーション力を求められます。

スキル3:経営視点でのコミュニケーションスキル

外資系企業のアカウンティング(経理)は、ファイナンス部門とコミュニケーションをとる機会も多数あります。
数値についての確認を行ったり、必要な情報を自ら取りにいったりするスタンスが求められます。
状況を理解し、周囲と連携・交渉・調整するコミュニケーションスキルが欠かせません。


JACはイギリスで創業以来、40年以上にわたり、外資系企業への転職を支援し続けています。
外資系企業への転職のご相談(無料)は、JACへ。


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外資系経理のキャリアパス


外資系経理(アカウンティング)のキャリアパスとしては、「スペシャリストとしての道を極める」を選択する方が多く見られます。

スペシャリストとしてスキルを磨き、より上位企業や高待遇の企業へ転職するパターンもあれば、「ワークライフバランス最優先」で働く40代~50代既婚女性なども多数。

「与えられた役割を果たし、成果を出していれば、どのような働き方をしても構わない」――それが外資系の特徴ですので、自分らしい働き方・キャリアを選択しやすい環境といえるでしょう。

一方、キャリアアップを目指す場合、会社規模によりますが、ファイナンシャル組織も含めた部門全体を統括するマネジャー、小規模企業であればCFO(最高財務責任者)などの道もあります。 若手層であれば、日本の大手企業よりも早期にマネジメントポジションに就くことも可能です。実際、30代前半で40代以上の部下を持つマネジャーとして活躍している方もいます。

外資系経理のファイナンス組織の転職事情


ファイナンス組織の仕事内容

経理・財務会計を手がけるアカウンティング組織に対し、管理会計の領域を担うのがファイナンス組織です。ここで働く方々は「ファイナンシャルアナリスト」の名称で呼ばれるのが一般的です。ファイナンシャルアナリストは、日本法人の予実管理を行い、その分析結果を踏まえて改善の提案、戦略への提言を行います。

ファイナンス組織の採用で求められる要件

ファイナンス組織が採用に際して求める要件は、企業により異なります。経理・財務会計の経験を「必須」とする会社、「まったく必要なし」とする会社に分かれます。ファイナンシャルアナリストは事業部のヘッドと対等な立場で、「売上目標を達成し、利益を確保するには、どの部分を改善していくべきか」についてコンサルテーションを行います。分析・提案力があれば、経理経験は問わない企業も多いのです。

日本企業でいう「事業企画」「事業管理」「営業管理」「海外子会社管理」などを経験してきた方も採用に至っています。 一方、これまで経理経験しかなくても、スタッフレベルであれば、利益改善に取り組む意欲があり、分析・提案に力を入れていきたい志向を持つ方であれば、受け入れられることもあります。

ファイナンス組織の年収相場

ファイナンス組織の年収相場は、アカウンティング(経理)よりやや高めです。

●シニアスタッフ/アシスタントマネジャークラス……年収800万~1000万円

●スタッフクラス……年収600万円前後

●マネジャークラス……年収1200万円以上

ファイナンス組織でのキャリアパス

ファイナンス組織では、アカウンティング(経理)と同様、スタッフ、シニアスタッフ、マネジャーへとポジションが上がっていきます。その先は、企業によっては「ディレクター」、また、経営課題の解決の実績を積めば「CFO」への昇格・転職もの可能性もあります。キャリアを横展開し、周辺業務まで統括するマネジャーポジションに就く、あるいは小規模企業にCFOとして転職するなど、選択肢は幅広いといえるでしょう。

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Q. 外資系企業へ転職をする場合、レジュメは必ず英語でなければならないのでしょうか?

A. 業界にもよりますが、必ず求められるものではありません。
しかしながら、求められる企業もあるので、書き方をマスターしておいたほうが良いと思います(日系・外資を問わず海外勤務希望の場合は必ずといってよいほど英文レジュメの提出は求められます)。多くの場合、同時に日本語の職務経歴書の提出も求められます。当然のことですが、英文のレジュメと日本語の職務経歴書で、まったく同様の形式である必要はありませんが、記載内容(アピールポイント)が異ならないように注意して下さい。

英文レジュメの書き方に関しても押さえるべきポイントは日本の職務経歴書と同じです。数値化できる点はできるだけ数字にして記述するように心がけてください。特に気をつけておくべきことは、外資家企業の場合、応募職種に関連する実績と評価を重要視するので、そこに絞って記述するのがポイントです。しかしながら、求められる企業もあるので、書き方をマスターしておいたほうが良いと思います(日系・外資を問わず海外勤務希望の場合は必ずといってよいほど英文レジュメの提出は求められます)。多くの場合、同時に日本語の職務経歴書の提出も求められます。当然のことですが、英文のレジュメと日本語の職務経歴書で、まったく同様の形式である必要はありませんが、記載内容(アピールポイント)が異ならないように注意して下さい。 英文レジュメの書き方に関しても押さえるべきポイントは日本の職務経歴書と同じです。数値化できる点はできるだけ数字にして記述するように心がけてください。特に気をつけておくべきことは、外資家企業の場合、応募職種に関連する実績と評価を重要視するので、そこに絞って記述するのがポイントです。

Q. 外資系企業の採用面接で注意すべきことは?

A. 外資系企業の面接では、具体的な実績をアピールする必要があります。
一般的に外資系企業においてはポテンシャル採用という概念はなく、即戦力採用が原則だからです。 受け答えに関しては、質問に対しては結論(イエスかノーか)から先に、その後に理由を説明することが重要です。理由については3つ程度にまとめて、簡潔に説明するようにしましょう。また、声の大きさも重要です。他の国に人に比べて小声の日本人は、普段よりも大きな声で、自信を持って話をすることがマナーです。

もし面接に少しでも不安があるのなら、ジェイ エイ シー リクルートメントにご相談ください。基本的な面接のマナーから、一つひとつ丁寧にアドバイスさせていただきます。

Q. 外資系企業の転職先の社風が自分に合うか知るには?

A. 企業と密にコミュニケーションを取っているコンサルタントにご相談ください。
コンサルタントにご相談いただければ、何度も企業に足を運んでいますので、そこからリアルな情報やエピソードをお伝えすることもできます。まずはお気軽にお尋ねください。応募企業が消費者向け製品メーカーやサービス系の企業であれば、面接準備も兼ねて店舗に足を運ぶのもいいでしょう。

Q. 年俸・年収面以外で、外資系企業で働くメリットを教えてください。

A. 外資系企業の場合、本国を中心に、世界各国の情報が容易に手に入るため、常に世界を意識することができます。むしろ世界を意識していなければ、十分な成果を出すことは難しいでしょう。そのため、外資系企業で働けば、グローバルな視点を持つことができます。

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ここでは、JACを通じて外資系経理が転職に成功した方の事例を紹介します。

業種職種年収
転職前外資系企業CFO3,000万円
転職後外資系企業CFO候補2,800万円

Rさん(50代前半)は外資系企業のCFOとして重要なプロジェクトを任され活躍されていました。そのプロジェクトも目途がつき、今後のキャリアを考えた時、現職では更なる飛躍は期待できないと思い、転職活動を開始。

今後さらに事業拡大を期待できる外資系企業のCFO候補として転職に成功。裁量をもち活躍されています。

業種職種年収
転職前外資系企業経理財務部門責任者1,300万円
転職後外資系企業経理財務部門部長1,200万円

Tさん(40代後半)は外資系企業の経理財務部門の責任者としてアカウンティング体制の再構築を任されるなど活躍されていました。そのミッションも完遂できたので次のキャリアを考え転職を検討。

現職よりも規模は小さくなりますが、より経理財務のスキル経験を詰めると感じる外資系企業の部長として迎えられました。年収は少し下がりましたが、今後のキャリアアップも望める環境でさらに裁量をもちチャレンジできる点で入社を決意されました。

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外資系経理の転職なら、JACにご相談を


JACでは、業界や職種に精通したコンサルタントが、求人企業と日々コミュニケーションを取っており、最新の転職市場動向を把握しています。

また、転職ご希望者様に対しては、選考通過しやすい職務経歴書の準備や面接の取り組み方についてのアドバイスはもちろん、英文での職務経歴書の添削や英語面接対策などもご希望に応じて行っております。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


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