現在、MRのニーズは年々高まっており、20代MRの方々にとってもチャンスが豊富な環境です。一方で、20代はMRとしての経験・スキルを生かしながら異業種へのキャリアチェンジも図れる年代でもあります。
ここでは、20代MRの転職動向、求められる経験・スキル・マインド、年収相場、未経験でのMRへの転職可能性、MRから異業種への転職可能性などについて、JAC Recruitment(以下、JAC)のヘルスケア業界専任のコンサルタントが解説します。
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20代MRの転職動向・求人の傾向とは?

MRの求人はここ2~3年の間に増加。「新薬のローンチ」「オンコロジー領域を中心とした新組織立ち上げ」「外資系製薬メーカーの日本法人立ち上げ・拡充」などを背景に、採用が活発化しています。
特に20代MRへのニーズは非常に高まっており、背景にコロナ禍の新卒採用控えや、早期退職制度による40代~50代のベテラン層の多数離職が挙げられます。相対的なMR人材不足の中、営業組織を強化するうえでも次世代リーダー層の育成や、若手層の採用が急務となっているのです。
なお、20代でMRの経験がある方は、領域未経験でも採用されており、CSOのコントラクトMRから製薬メーカーに転職する事例も多数見られます。
20代のMR転職で求められるスキルや経験・マインド、アピールすべきポイント
年代を問わず、MR採用で求められることが多いのは次の経験です。20代でこれらの経験をお持ちであれば、高く評価されます。
● オンコロジー・希少疾患・免疫関連の領域経験
● 大学病院ほか、基幹病院レベル以上の病院の担当経験
● KOLとのコネクション、担当経験
とはいえ、これらの経験は必須ではありません。20代の方々には、経験以上に「成長意欲」「柔軟性」「新たな環境や手法への順応性」など将来性を期待されているのも事実。また知識だけでなく、ドクターとの面会機会を得るための「粘り強さ」や折衝力にもつながる「コミュニケーション力や言語解像度」も評価されるべきスキルといえるでしょう。
なお、業界的に理系の知識があると歓迎されるため、薬学部出身などは大きなアピールポイントに。文系バックグラウンドの方でも、独自に勉強して学術的な知識をキャッチアップしているのであれば、アピール材料として効果的です。
20代MRの年収相場は600万~1,000万円、年収アップを目指すには
20代MRの年収相場は、所属企業や担当領域によって変わりますが、諸手当を除いた基本給の相場は以下のとおりです。
日系中小メーカー・後発品メーカーなど | 450~700万円 |
大手製薬メーカー | 600~1,000万円 |
外資系ベンチャー企業 | 800~1,200万円 ※RSUなども含む |
年収アップを目指すには
MRとして年収アップを目指すなら、「オンコロジー・希少疾患領域」「大学病院」「KOLとの折衝」などの経験・スキルを身につけることが市場価値アップにつながります。現職で担当するチャンスがあれば積極的に手を挙げて経験することをおすすめします。自社内でチャンスを得られない場合は、早い段階で経験が積める企業への転職を検討してもいいでしょう。
20代MRの転職理由とキャリアパス
20代MRの方々はどのような理由で転職に向き合っているか、今後どのようなキャリアパスを描けるかをお伝えします。
20代MRはどのような転職理由が多いのか?
20代MRの方々は、「領域経験を増やしたい」「特定の専門領域で経験を積みたい」といった「領域チェンジ」を希望するケースが多く見られます。
一方、20代も後半になると、結婚・出産といったライフイベントが近づいてくるため、「このエリアで勤務したい」「勤務エリアを固定したい」といった希望も出てきます。「初任地だけでも選べる企業に転職したい」という声が多く聞かれます。
20代MRのキャリアパス
20代MRの今後のキャリアパスとしては、大まかには次のような方向性が考えられます。志向や価値観に応じて選ぶといいでしょう。
● 社内でリーダー、マネジャー、所長。エリアマネジャーなどに昇進していく
● 「新組織立ち上げのフェーズで経験を積む」→「その経験を生かして新たなバイオベンチャーなどの進出の際に立ち上げメンバーとして活躍する」を繰り返し、年収を上げていく
● 本社で「マーケティング」などの営業支援を手がける
● 理系のバックグラウンドがあれば、社内でMSLなどの職種にキャリアチェンジする
MR未経験での転職の可能性
MR未経験でMRへの転職を目指す場合、「CSO」と呼ばれる医薬品販売業務受託機関(Contract Sales Organization)であれば可能性があります。CSOは製薬メーカーと契約し、医薬品の営業やマーケティング活動を受託します。CSOに所属するMRは「コントラクトMR」と呼ばれます。
CSOでは、例えば「4月」「10月」など、あるタイミングで未経験者も対象としたコントラクトMRの採用を行うことがあります。そのタイミングを狙って未経験から入社し、MR経験を積むことで製薬メーカーへの転職の可能性が広がります。
未経験からコントラクトMRとして採用されている方の多くは営業経験者、あるいは看護師や薬剤師など医療関係の経験者です。MRは価格の案内や交渉を行わないものの、売上目標数字にコミットするマインドがある異業界営業出身者は歓迎される傾向が見られます。
異業種への転職の可能性

20代MRが異業種への転職を目指す場合、選択肢は豊富にあります。
MRとして得た知識・スキルを生かすのであれば、やはりヘルスケア関連の営業職が筆頭に挙げられるでしょう。例えば「医療機器」「医療広告」「ヘルステック製品(医療や健康維持を支援するデジタルツールなど)」などの営業では、医療機関に対するアプローチや折衝のノウハウが生かせます。ただし、MRは「お金の話」をしてきていないため、売上目標数字にコミットするマインドを備える必要があるでしょう。
「コンサルティングファーム」「シンクタンク」といった選択肢もあります。コンサルティングの対象は、製薬メーカー・開業医・公共機関など、企業によって多様です。コンサルティング業界では、新たな知見やスキルのキャッチアップが重要であるため、疾患・薬剤に関する勉強や情報収集の習慣が生かせるでしょう。
ただし、一領域について専門知識を深掘りすることが多いMRに対し、コンサルタントはクライアントの「マーケット」の広がりに目を向け、「面」で捉えていく必要があるため、その点では意識転換が必要といえそうです。
また「M&A仲介」への転職事例もあります。経営者など社会的地位が高い顧客とのコミュニケーションや折衝に際し、ドクターとお付き合いしてきた経験・スキルが生かせる点が評価されるのです。
20代MR転職で有利となる資格
20代MRが転職するにあたり、特に必要とされる資格はありません。
しかしながら、何かしらの医療系資格を持っているとプラス評価され、選考に有利にはたらくケースもあります。例えば、薬学部出身で「薬剤師」の資格があれば、MSLへの門戸が開かれる可能性があるでしょう。
また、外資系企業内で将来的なキャリアの可能性を広げていくなら、「英語力」は早い段階から磨いておくことをおすすめします。マネジャークラスの昇進、あるいは本社でマーケティングなどを手がけるキャリアパスを描いている方にとっては、英語力は必須といえます。
20代の方が入社する段階では英語力は求められませんが、TOEICスコアの目安として750点以上あり、これからも英語力をブラッシュアップしていく意欲を示すと、プラス評価につながる可能性があります。
なお、MRの転職においても、外資系ベンチャー企業などでは外国人幹部が面接相手となり、英語で面接が行われるケースもあります。
20代のMR転職を成功させる4つのポイント
20代のMRの方々が転職を成功させるために意識しておきたいポイントをご紹介します。
「キャリアプラン」を立て、明確に語れるようにしておく
20代の方は、面接の場で「今後、自身のキャリアをどのように築いていきたいか」と聞かれることが多々あります。さらには、そのキャリアプランを踏まえ「今回の転職で何を実現したいのか」を掘り下げて質問されることもあります。そこで具体的な「ストーリー」を筋道立てて語ることができれば、「入社後、活躍してくれそうだ」と期待され、選考通過率が上がる傾向が見られます。
「学習継続意欲」「キャッチアップ力」をアピールする
MRには、新しい知識を学び続ける向上心が求められます。そこで、自身の担当領域、あるいはこれからチャレンジしていきたい領域について、最新情報をキャッチアップする力、学習を継続していく力をアピールするといいでしょう。具体的にどのように学んでいるか、面接で伝えられるようにしておいてください。20代のMRの選考では、「成長意欲」や「学ぶ姿勢」が注目されているのです。
異業種への転職では「素直な姿勢」が重要
異業種への転職を目指す場合、「素直な姿勢」で臨むことが大切です。これまで専門領域で活躍してきたプライドは持ち続けながらも、これまでの「当たり前」が当たり前でなくなることを覚悟し、柔軟に、素直に受け入れるマインドでチャレンジすると歓迎されます。
現職で「巻き込み」「連携」の経験を積んでおく
面接では「会社を巻き込んで活動した経験があるか」「社内で他部署との連携経験があるか」について聞かれることが多く、それらの経験があれば評価につながります。現職で積極的にこれらの経験を積んでおくと、転職活動のアピール材料として生かせるでしょう。
また、ほかの製薬会社と組んで一つの製品をプロモーションするなど、社外と連携して活動するチャンスがあれば手を挙げてチャレンジすることをおすすめします。
20代MRの転職成功事例
希望の転職を叶えた20代MRの事例をご紹介します。
日系のプライマリー領域担当から外資系のオンコロジー領域へ
Nさん(20代後半/男性)は薬学部を卒業し、日系製薬メーカーに新卒入社。プライマリー領域を担当してきましたが、「オンコロジー領域を手がけたい」という思いを持ち続け、先々には「MSL」のキャリアも視野に入れていました。現職では早期退職募集や事業縮小の動きがあり、社内でその希望を叶えることは難しいと判断。転職活動に踏み切りました。
希望に該当するMR求人は10社以上、また、薬学部出身であるため、未経験者を対象とする臨床開発モニターや研究職の求人も10社ほどと、選択肢が豊富だったNさん。しかし「まずはオンコロジー領域のMRとして経験を積みたい」という意志を貫き、外資系大手製薬メーカーに応募。面接では、オンコロジー領域への志望動機が明確でいて説得力があること、学習意欲が高いことが評価され採用に至りました。未経験領域ながら、年収100万円アップを果たしています。
転職事例の詳細は下記をご覧ください。
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20代MR転職事例|日系のプライマリーから外資系のオンコロジー領域へ
Nさん(男性/20代後半) 業 種 日系製薬メーカー 外資系大手製薬メーカー 職種 MR MR 年 収 550万円 650万円 現職では希望のキャリアを叶えられないと判断し、転職活動を開始 大学の薬学部を卒業後、日系製薬… 続きを読む 20代MR転職事例|日系のプライマリーから外資系のオンコロジー領域へ
MRから、マーケティング会社のデジタルソリューション企画営業へ
Eさん(20代後半/男性)は、特定領域に強みを持つ日系中小製薬メーカーのMR。「より自分自身の介在価値を実感したい」という思いから、「ヘルスケア」を軸としながらもより多くの人々への影響や社会貢献性を感じられる仕事に移りたいと考えました。
Eさんが目を向けたのは、製薬メーカーを対象にマーケティング活動ができる業界。選択肢を探った結果、マーケティングリサーチ会社内に新設されたデジタルマーケティング事業に興味を抱きました。新規事業の立ち上げ段階から携われることにやりがいを感じ、ヘルスケア領域のデジタルソリューションの企画営業ポジションで転職されました。
企業からは、「周囲を巻き込んだ活動」「相手の意図を汲み取った折衝力」などに期待が寄せられました。また、前職でMR活動以外に、オウンドメディアを活用したデジタルマーケティングに自ら手を挙げて取り組んでいたこともプラスの評価を受けたのです。
20代のMR転職ならJAC
JACには、MRを含めヘルスケア領域を専門に担当するコンサルタントが210名近く、MRに特化したコンサルタントは東京と大阪で30名ほど在籍しています。大手からスタートアップまで多様な企業・職種・ポジションの求人を網羅し、日々情報をアップデートしています。企業と深くつながっているため、グローバルの動きや今後予定されているパイプライン、組織展開など、企業サイトでは公表されていない水面下の情報も、開示可能な範囲でお伝えすることができます。そのため、転職希望者の方々からは「効率よく情報収集ができた」というお声をよくいただきます。
20代は、このままMRとして、あるいは製薬業界内でキャリアを積んでいくことも、異業種にキャリアチェンジすることも可能な、選択肢が豊富な年代です。ネットで調べれば、さまざまな情報を得られますが、選択肢が多すぎて迷うこともあるでしょう。そのようなとき、私たちコンサルタントと対話することで「自分はこのような思いを持っていたんだ」「自分にとって大切なのはこういうことなんだ」といった気づきを得られる可能性があります。
転職を決意していなくても、キャリアの振り返りや自身の考えを整理するために、JACのコンサルタントのサポートを活用してください。