エンジニアのなかでも医療機器の研究開発や設計開発を行う医療機器エンジニア。関心がありつつも、どのようなスキル・経験、マインドが必要なのか、イメージできていない方も多いかと思います。
ここでは医療機器エンジニアの転職に関して、転職動向や求められるスキル・経験、年収、キャリアパス、転職活動でのアピールポイントなどについて、JAC Recruitment(以下、JAC)のヘルスケア領域専任コンサルタントが解説します。
※ここでの医療機器エンジニアとは、研究や開発を行うエンジニアでサービスエンジニアではありません。
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医療機器エンジニアの転職動向と求人の傾向
医療機器エンジニアの求人は多く、需要に供給が追いついていない状況です。
医療機器エンジニアとして求人が多い職種は下記の通りです。
需要が高い求人1:AIエンジニア・IoTエンジニア
需要が高い求人2:機械設計・電気設計・ソフトウェア設計
では、それぞれ解説します。
需要が高い求人1:AIエンジニア・IoTエンジニア
近年では製品を作って売るだけでは、競合他社との差別化が難しくなっています。
そのため、単純に技術力が高いだけでなく、AIやIoTの技術、クラウドサービスを用いて付加価値をもたらすことのできるエンジニアのニーズが高まってきています。
例えば、AIを活用して病変を画像診断で見つけやすくするソフト、クラウドサービスを使って院内のワークフローを改善するシステム、地域医療連携を推進するシステムの開発などが、付加価値の技術として実用化されてきています。
AIによる画像診断は、今まで医師個人の経験と目視によって行われていた読影が医療機器によって支援可能となり、患者の負担だけでなく、医師・医療従事者の負担も軽減できるという付加価値が生まれます。そのため、AIやIoTなどを活用できるエンジニアの需要は日々高まっているのです。
需要が高い求人2:機械設計・電気設計・ソフトウェア設計
医療機器の設計開発は他の製造業の設計開発と共通する分野です。そのため、下記の経験があるエンジニアは医療機器エンジニアとしても活躍できるでしょう。
・機械設計や電気設計、ソフトウェア設計の経験があるエンジニア
・パソコンや家電など、電子機器を動かすためのソフトウェアを担当するファームウェアエンジニア
・家電や計測器のような完成品のハードウェア関連の設計経験を持つエンジニア
医療機器エンジニアの転職で求められるスキル・経験・マインド
ここでは医療機器エンジニアの転職で重視されるポイントについてご紹介します。
専門スキルやコミュニケーション能力
まず医療機器エンジニアとしては、機械工学や電気工学、情報工学などの技術者としての学歴や経験、バックグラウンドが必要です。
エンジニアとして求められるスキル自体は、医療業界においても他業界と同様のため、技術職としての知識やスキルはそのまま活用できます。家電や測定器、小型の電子機器の経験も、医療機器と似ていることから転職で役に立つケースが多いです。
また、医療機器メーカーはグローバルに展開している企業も多いため、英語力を求められるケースも増えてきています。英語の読み書きや英会話もできれば、転職後の業務も幅が広がりやすくなります。
さらに、エンジニアといえば手を動かす業務が連想されますが、コミュニケーション能力も欠かせません。
社内の企画担当者や各部門との連携、企業によっては医師などの医療現場から要望を聞くこともあるため、社内外の方に対する円滑なコミュニケーションが必要となります。
「医療業界に貢献したい」というマインド
マインド面では「医療業界に貢献したい」という思いが明確であることが望まれます。
他業界でエンジニアとしてキャリアを積む選択をせず、「なぜ医療業界を選ぶのか」、「なぜ医療業界でエンジニアをしなければならないのか」、これらの問いにご自身なりの説明が必要です。
医療機器エンジニアにはスキルも大切ですが、自身で開発した製品が人の生命や健康に役立つこと、社会貢献の高さにやりがいを感じられること、このような点に魅力を感じるマインドが大切です。
医療機器エンジニアの年収相場
JACを経由して医療機器エンジニアに転職された方の平均年収は700万円前後です。
役職のない方であれば、残業代を含まずで、500万円〜800万円ほどです。管理職であれば900万円〜が目安となります。
企業規模が大きく、経験値が多いほど収入も高くなる傾向にあります。
医療機器エンジニアは未経験で転職は可能?
医療機器エンジニアは未経験であっても、エンジニア経験があれば転職は可能です。 ここでは転職事例として多い業界、また、医療機器エンジニアに向いている方について説明します。
医療機器エンジニア未経験の方で転職事例が多い業界は?
医療機器エンジニアへの転職は、医療機器業界以外の製造業や、大手メーカー出身のエンジニアの方などが多い傾向にあります。例えば、自動車・家電・電子機器などの完成品の開発に携わっていた方は医療機器エンジニアとの親和性が高いです。
医療機器開発に必要な知識は入社後の研修でキャッチアップするケースが多いため、他業界出身でも技術的な親和性があれば採用されやすい傾向にあります。
医療機器エンジニアに向いている方の特徴とは?
医療業界は景気の波に左右されにくいため、安定感を求める方には働きやすいと考えられます。
一方で、医療業界は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)」などさまざまな規制によってルールが多い業界です。
命に関わる分野であることから品質に求められる基準も厳しいため、一つの製品開発にかける時間が3年〜5年と長くなります。そのため、さまざまな製品の開発に短期間で取り組んでいきたい方より、腰を据えて開発に取り組みたい方のほうが医療機器エンジニアの業務に向いていると考えられます。
医療機器エンジニアのキャリアパス
医療機器エンジニアのキャリアパスは大きく分けて2つあります。 ここでは、医療機器エンジニアとしてのキャリアを積み上げるパターンと、他業界に転職するパターンに分けて説明します。
医療機器エンジニアとしてのキャリアを継続
医療機器エンジニアとしてキャリアを継続する場合は、管理職として組織のマネジメントや、プロジェクトマネジメントを行う方向と、部下を持たずに技術的なスペシャリストとして開発に従事する方向に分かれます。
どちらのキャリアを選ぶかは企業規模によって選択肢の幅が異なり、大手企業のほうが選択肢は多い傾向にあります。
また、製品開発に区切りを感じた医療機器エンジニアの方は、製品企画・マーケティング・品質保証・薬事申請など、医療機器エンジニアの経験を活用して、社内の他部署で活躍する方もいます。
医療機器エンジニアから他職種・他業界への転職
医療機器エンジニアでの経験は薬事や品質保証の部門に役立つため、医療業界の他部門に転職できる可能性があります。
例えば薬事の分野では、技術的な説明が必要となる薬事申請資料の作成などに、また品質保証の分野では、市販後に起こる不具合の調整などの場面で、医療機器エンジニアの経験が役立つと考えられます。
もちろん医療機器エンジニアから他業界のエンジニアへの転職も可能です。 先に述べた通り、医療機器エンジニアとしての開発経験は医療業界だけでなく、製造業全般でも役に立つでしょう。
他業界へ転職する際の注意点
医療業界よりも他業界のほうが、薬機法などの規制・ルールが少なく、また、開発スパンが短い傾向にあります。
医療機器開発の緻密なプロセスに慣れ親しんでいる方が他業界へとキャリアを移す際には、加速度の高い開発ペースとのギャップに直面することがあります。これを踏まえ、ご自身がどのような環境で最も力を発揮できるのか見極める必要があります。
また、医療業界には他業界にはない規制があることから、他業界から医療業界に転職する場合は、医療業界に対する理解が必要となります。
医療機器エンジニアの転職で有利となる資格
必要な資格はありませんが、読み書きができる程度の英語力があると良いです。
英語はメールの読み書き、資料の読解などの際に必要となります。
TOEICの場合500〜600点あたりが目安になりますが、厳密にTOEICの点数が条件として挙げられることはあまりありません。グローバル会議に出席することもあるため、英会話もできれば好印象ですが、必須というわけではありません。
また、プロジェクトマネジメントをするポジションの採用であれば、マネジメントスキルや経験が条件となっている求人があります。そのため、プロジェクトマネジメントスキルがあれば仕事の幅が広がるといえるでしょう。
医療機器エンジニアの転職を成功させる3つのポイント
医療機器エンジニアへの転職成功のポイントは大きく3つあります。
では、それぞれ解説します。
エンジニアとしてのスキルの棚卸し
医療機器エンジニアへの転職では、エンジニアとしての経験と採用企業側が求めるスキルが合っていることが前提です。
スキルセットは書類選考の段階でみられるポイントであり、合わないと面接に進むことも難しい傾向にあります。
そのため、どのような製品の開発を、どのような技術を使って、どういう立場で携わってきたか、自身の経験・スキルを適切に伝えることが大切です。
医療業界を志望する動機を明確にする
他業界でもエンジニアをすることが可能な場合、「なぜ医療業界なのか」を説明する必要があります。
医療機器に興味を持ったきっかけや、なぜ医療機器の開発をしたいと思ったのかを整理しておくことをおすすめします。
日々の業務において、人の命や健康を守るという意識を持ちながら取り組めるかどうかは、医療機器エンジニアとしては外せないマインドです。
コミュニケーション能力をアピールする
エンジニアとはいえ、作業だけでなく、社内外の方々とチームを組んで業務を進める力が必要です。
医療現場からニーズを聞き出すこと、別部署の方と協業すること、相手が話す内容から意図を適切に汲み取ることなども業務のうちに含まれます。
これらは特に、面接での受け答えでみられるポイントであるため、質問に対して明瞭かつ、適切な会話をすることが大切です。
医療機器エンジニアの転職でよくある質問と回答
ここでは医療機器エンジニアの転職でよくある質問とその回答についてお答えします。
Q. 医療業界は未経験ですが大丈夫でしょうか?
A. 入社後の研修では、医療業界のことをキャッチアップする機会が設けられている場合が多いです。
そのため、入社後の研修で学習する意欲があれば、大きな心配は不要と考えられます。
Q. テレワークや在宅勤務などの働き方は可能ですか?
A. 医療機器エンジニアは基本的に製品をつくる職種であるため、現場にいることが多く、フルリモートの就業は難しい傾向にあります。リモートワークができる場合でも週に1回~2回ほどの企業が多く、企業ごとに確認が必要になります。
Q. 残業はどのくらいですか?
A. 企業の状況にもよりますが、残業はあることが多いです。
繁忙期にもよりますが、20時間~40時間くらいの残業はあります。
医療機器エンジニアの転職事例
ここでは実際にJACを通じて、医療機器エンジニアに転職された方の事例をご紹介します。
転職成功事例1
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | 大手医療機器メーカー | 医療機器の研究開発(管理職) | 1,200万円 |
転職後 | 大手医療機器メーカー | 医療機器のグローバル組織(管理職) | 1,300万円 |
Sさん(男性/40代半ば)は大手医療機器メーカーで管理職の医療機器エンジニアとして活躍されていました。しかし、会社内で組織変更や方針の変化があり、将来のキャリアに漠然と不安を感じられ、JACにご相談されました。
研究されてきた分野がニッチではありましたが、新しい技術を使い新しい市場を開拓していくという難題に取り組まれてきたご経験と、グローバルでの活躍に関心をお持ちだったことから、グローバル企業A社の求人を紹介。
ご紹介したのは、研究開発をするポジションではなく、グローバルベースで会社の新しい開発プロセスを導入・推進していく立ち上がったばかりの部署です。
Sさんは前職と仕事内容は異なるものの、これまでの研究開発の経験を生かせる点、裁量をもって業務に取組める点、自身で考え課題を見つけてチャレンジできる環境に魅力を感じ応募。A社は研究開発の知見を持ち、業務を推進してきたこれまでのご経験を評価し、新しい部署の管理職として迎え入れたのです。
転職成功の詳細は下記にてご確認いただけます。
医療機器エンジニアの転職成功事例|不安を払拭しエンジニアの枠を超える新天地へ
転職成功事例2
業種 | 職種 | 年収 | |
---|---|---|---|
転職前 | 自動車業界 | ソフトウェア開発 | 550万円 |
転職後 | 医療機器メーカー | ソフトウェア開発 | 1,300万円 |
Nさん(男性/30代前半)は自動車業界のソフトウェアエンジニアをしていましたが、プログラミングの技術を生かすことよりも外注先の企業対応業務が多くなり、エンジニアとしての成長を感じられず、他エージェントを活用し転職活動を開始。Nさんは、大学時代に医療や介護の研究をしていたため、医療機器メーカーのエンジニアにも応募していましたが、書類選考が思うように進まず、悩まれていた時にJACへ相談されました。
自動車業界でのご経験は、開発は下請け会社に依頼をしていたため、エンジニアとしてのスキルが不足していたことからお見送りが多くなっていたようです。そこで、JACからは医療機器メーカーB社のセキュリティエンジニアの求人を紹介。
B社はソフトウェア開発の仕組みを理解できていればセキュリティに関しては学習意欲があればよいとされていたため、エンジニアとしての今後のキャリアを、セキュリティ領域から始めるのもよいのではとお伝えしました。
結果、Nさんの学習意欲の高さと大学時代のバックグラウンドが評価され、年収150万円アップでB社に入社されました。
医療機器エンジニアの転職ならJAC
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Step 3応募・面接
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