近年、製造業各社はニューノーマルでの生き残りをかけ、さまざまな課題に取り組んでいます。なかでも半導体業界では、慢性的な半導体供給不足の解消や、さらなるDX深化への取り組みに向けて、設備投資や人材確保が活発化しています。
ここでは注目度が急上昇している半導体業界における転職事情を取り上げ、特に中堅以上にある40代エンジニアが知っておくべき情報について、コンサルタントが解説します。半導体業界で働くエンジニアにも、さまざまな職種がありますが、その中から「半導体デバイス設計」と「半導体製造装置設計」に携わる40代のエンジニアにフォーカスし、お伝えいたします。
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40代エンジニアに求められるスキルと経験――半導体デバイス設計
半導体デバイスの設計エンジニアに対して、特に40代という年齢層に対して求められるスキルの柱はマネジメント力です。前職でマネジメント経験がなかったとしても、開発チームを束ねて運用していくといった推進力があるかどうか、その資質を備えているかが重要なポイントになります。
チームのリーダーとしてお客様の要望をきちんと理解して、どのような製品が求められているのか、その要件定義の洗い出しから、プロジェクトを確実に回して進捗させる実行力が求められています。したがって、一定の半導体設計開発の経験がある上で、マネジメント寄りのスキルが求められる傾向にあります。年収帯としては、850~1200万円くらいの案件が相場の中心になっています。
転職先の傾向
現職が半導体デバイス設計であれば、転職先の傾向としては、同じ設計担当として別のデバイスメーカーに転職するケースが多く見受けられます。求人が豊富なこともあり、同じ職種を希望される方が多くなっていますが、中にはより上流を目指すということで、転職先として商品企画部門を狙う方もいます。顧客対応を中心に考えると、例えば技術営業やフィールドアプリケーションエンジニアといったところも候補になるでしょう。
また、製造装置メーカーから求められて転職される方もいます。製造装置メーカーでは、半導体デバイスメーカーに装置を販売した時点で手を離れるため、エンジニアにとって、実際にお客様が製造装置をどのように使われているのかを知る機会は多くないようです。その点、半導体デバイスのエンジニアには40歳になるまで実際に機器を使ってきた経験がありますから、どう使えば良いのか、その使い勝手なども十分に把握されています。つまり製造装置メーカーとしては新製品の企画やマーケティングに活躍が期待できる人材として欲しいわけです。こうしたケースでは、転職後は元の会社が顧客になる場合もあるでしょうし、デバイスメーカーとの窓口になることが期待されているので、コミュニケーション能力は重要です。デバイスメーカーでの経験を活かして顧客ニーズを的確に把握し、装置メーカー側の現場に対して分かりやすい言葉で伝える、そうした動きができれば自身の強みとして生かせるでしょう。
40代エンジニアに求められるスキルと経験――半導体装置設計
半導体製造装置の設計エンジニアですが、こちらも40代という年齢層に対しては、プロジェクトを推進したり、マネジメントの立場で活躍されたりしている方を求めるという傾向はあります。半導体装置設計という職種は、主として機械、機構、ソフトウェアの3つの要素に分かれていますが、40代であればこの全体を把握しイメージして推進できる、システム設計ができるような経験を積まれている方が、転職しやすい状況にあります。年収相場もデバイス設計同様で、800~1200万円程度の案件が多いようです。
スマートファクトリーへの取り組み
製造業ではDXへの取り組みが深化していますが、特に製造装置メーカーはその変化点にあると言えます。各社はスマートファクトリーを目指すべきゴールに据えているため、エンジニアに求めるスキルもそれに沿ったものになります。例えばソフトウェアであれば従来のような組み込み開発というよりも、オンプレミスの環境をインフラと接続し、生産時の計測データを蓄積したり、装置の状態を管理したり、故障予測に基づいて予防メンテナンスなどのサービスを提供したりといった、自動化の推進に不可欠な要求仕様に対応するアプリケーションが増えてきています。
元来、半導体製造工程では極力作業員に依存しないクリーンな製造環境が求められており、他業種よりもスマートファクトリー化は進んでいると言えます。工場自動化に向けて、例えるならば自動車メーカーにおける自動運転と比べても遜色ない技術が求められており、それが半導体製造装置の中にぎっしり詰まっているわけです。使われている領域は限定的で狭いかもしれませんが、そこに使われている技術の広がりはとても大きいと言えるでしょう。
半導体業界で求められる職種とは
スマート化に伴い、DXで利用できるさまざまなデータが、製造プロセスのあらゆるところから取得できるようになりました。製造装置をいかに可視化して、スマートファクトリーに組み込んでいくのか、DXを推進するための技術が求められています。AIエンジニア、ITエンジニアからデータサイエンティストまで、多くの人材が渇望されている状況にあります。
加えて、クラウドを使ったIoTビジネス、B2Bのビジネスをどう構築していくのか、装置メーカーとしてどうSaaSを実現していくのか、これまでになかった新しい視点で考えられる人材が求められるようになっています。こうした技術領域に対して、IT業界、ネットワークインフラ関連を手掛ける企業から、半導体製造装置メーカーに転職されて、新たな業種でのチャレンジをする方もいます。こうしたマッチングでは、転職先でその技術領域の第一人者として活躍され、IT技術者としてより高い付加価値を発揮しているケースも少なくありません。最近では製造業でもアジャイル開発で進める流れも出てきていますから、旧態依然としたイメージから脱却しつつあることを認識した上でチャレンジするのであれば、とてもやりがいがある環境だと言えるでしょう。
半導体業界におけるキャリアプランは
半導体デバイス設計と製造装置設計というところで見ましたが、いずれも職種として専門性が高く、また40代であれば技術も極められた方が多いので、転職先としては同業他社、あるいはデバイスメーカーと製造装置メーカー間といったケースが大半という印象です。職種としては、お客様により近いところで企画や製品開発に携わりたいと考えるエンジニアが多いようです。
異業種を目指すパターンとしては、最近は少なくなってきましたが、自動車メーカーや家電メーカーがASIC(特定用途向け集積回路)を自社開発するため、半導体メーカーの方を採用したいというケースもあります。半導体メーカーという部品サプライヤー側からメーカー側へと移ることで、より上流に立てることになります。そこで今までの経験を活かし、どのような製品が必要かという要件を定義して半導体メーカーに外注するといった設計開発業務を担当することになります。
また、40代エンジニアということであれば、今後のキャリア、年齢を考えた場合、一番息が長い職種は品質保証という見方もあります。品質マネジメントシステムに関するISO9001などの国際規格や顧客対応に必要な経験を積んできたスペシャリストであれば、転職需要は60歳を過ぎても十分にあると言えるでしょう。
半導体業界はどこも活況で、求人は豊富に出ています。どの企業もとにかく人が足りていないという状況にある今だからこそ、40代でも新たなキャリアを作り直せる可能性がある絶好のチャンスと言えるでしょう。
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