重電・重工メーカーの中途採用が活発化しており、求人数は過去最高値に。重工・重電業界経験者はもちろん、異業界からの転職事例も多数生まれています。
最近の転職市場動向について、JAC Recruitment(以下、JAC)の重工・重電業界専任のコンサルタントが解説します。
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重工業界・重電業界を代表する企業
重工メーカーとして分類される代表的な企業としては、三菱重工業、川崎重工業、IHI、住友重機械工業などが挙げられます。
重電メーカーの代表的な企業には、日立製作所、東芝、三菱電機、富士電機などがあります。
重電・重工メーカーの市場動向・転職動向
重電・重工メーカーの現在の市場動向、転職者の動向についてご紹介します。
中途採用は「過去最大級の増員」。異業界出身者も歓迎
重電・重工メーカーの求人数は毎年・毎月、右肩上がりで増加しています。業界全体で増えており、各社の中途採用は過去最大級の規模に。前年と比較して倍の採用数を打ち出す企業も約3~4割に達しています。
こうした意欲的な採用には、大きく下記3つの背景があります。
- ・既存事業の拡大
- ・DX推進
- ・新規事業
既存事業では、「エネルギー関連(原子力、再エネルギー(水素、水力)、火力、地熱、バイオマス等)」
「脱炭素」への取り組みをはじめ、EV(電気自動車)やデータセンターといった成長分野、防衛などの事業拡大を図っています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)推進においては、社内全体のシステム刷新・浸透(ガバナンス、育成等)や営業の効率化のため、デジタルの活用(CRM等)を強化しています。
新規事業については、「宇宙」「医療」「農業」など、自社がこれまで手がけていない領域での新規事業開発を進めています。
こうした背景から、多様な職種・ポジションの求人が出てきており、異業界からの転職も活発化しています。
業界をまたいだ転職事例が増加
働く方々に目を向けると、重電・重工メーカーにおいてもここ数年で転職が一般化し、20代から50代まで幅広い年代の方々の転職が増えてきました。「在宅勤務」「オンライン面接」が定着したことから、面接を受けやすくなり、転職活動の動きが活発化したのです。「自分の市場価値を知りたい」「他社からどう評価されるか試したい」と応募に踏み切り、転職を決意されるケースも多数見られます。
重電・重工メーカーで経験を積んだ方々は、電力会社や事業会社など「発注者側」の企業やプラントエンジニアリング会社などの「EPC事業者」に転職する傾向があります。
逆に、発注者側企業やEPC事業者から重電・重工メーカーに転職する方々もいらっしゃいます。機械・装置・電子部品・自動車・化学などのメーカーから重電・重工メーカーに転職するケースや、重電・重工メーカーで勤務し、その後コンサルティングファームで経験を積んだ方が重工・重電業界へ「DX担当」「事業企画」などの職種で戻っているケースも多く見られます。
このように、業界をまたいだ転職が活発化している状況です。
重電・重工メーカーに特化した専任コンサルタントが、あなたの転職をサポートします。
業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、企業傾向の情報収集など、
JACのコンサルタントにご相談ください。
重電・重工メーカーで求められている職種・ポジション
現在、重電・重工メーカーで求められている主な求人の職種・ポジションをご紹介します。
- 品質管理/保証
- プラントエンジニア
- 研究開発
- 機械設計
- 電気設計
- 回路設計
- 組み込みエンジニア
- DX推進担当
- 事業企画/新規事業企画
- 調達/生産管理
- 施工管理/工事管理
機械設計・電気設計・品質管理/保証などは同業界・隣接業界での経験者を求める傾向がありますが、「DX」「新規事業」に携わるエンジニアや企画職などは自社にない知見を求めているため、異業界出身者を歓迎しています。
20代のメンバークラスから30代~40代のリーダークラス、40 ~50代の管理職まで幅広い年代の方が採用に至っています。
重電・重工メーカーで求められる経験・スキル・マインド
重電・重工メーカーの採用で求められる要素、選考で注目されているポイントは以下のとおりです。
「調整力」「協調性」「主体性」が重視される
職種問わず求められる要素に「調整力」「協調性」があります。
企業規模が大きく、他部署との連携が欠かせないからです。面接では「これまでにどのような場面でどのように連携・協働してきたか」を問われることもよくあります。ビジネスサイドの方々の場合は、工場との折衝経験があるかどうかも注目されます。
また、自ら判断して主体的に動ける力も重視されます。重電・重工メーカーは、企業規模の大きさから「トップダウン型の組織なのではないか」というイメージを持たれることもあるのですが、全体規模は大きくても事業規模が多岐にわたるため、個々の部署を見ると少人数で運営していることもあります。そのため、指示を待って動くのではなく、能動的に行動を起こせる方が歓迎されます。
職種・ポジションによっては「英語力」も必要
いずれの企業もグローバルに事業を展開しているため、「英語力」も選考ポイントの一つです。
求めるレベルは職種・ポジションによって異なります。技術職であれば「仕様書を読めれば可」とすることもある一方、新規事業企画であれば海外マーケットの開拓や海外企業との連携も見据え、高度な英語力が求められます。管理職や管理職候補では英語力を必須とする求人が多くを占めます。
入社時には英語力不問でも、社内の昇進試験の際には一定レベルのTOEICスコアをクリアする必要があるため、英語学習への前向きな姿勢が必要といえるでしょう。
重電・重工メーカーの年収相場
重電・重工メーカーの年収相場は以下のとおりです。
- メンバークラス/ 500万 ~550万円
- リーダークラス/700万~1000万円以上
- 管理職クラス/1000~1400万円以上
リーダークラスで差が開くポイントの一つは「階級」です。たとえば「係長級」「課長代理級」では年収差があります。また、管理職クラスに関しては、マネジメント(部下あり)もしくはスペシャリスト(部下なし)で迎えられます。DX推進や新規事業企画など、希少価値が高い経験を持つ方は高年収で迎えられます。
近年、製造業ではIT専門職などを採用するために、既存の給与テーブルに当てはめず新たな報酬体系を設ける企業が増えています。重電・重工メーカーにおいてもそうした動きが出てきました。自社にない知見・スキルを持つ方であれば、リーダークラスでもマネジャークラスの報酬を適用するなど、柔軟な対応が見られるようになっています。
なお、重電・重工メーカーにおいては、給与以外の「福利厚生」も魅力のポイントです。社宅や住宅費補助をはじめ福利厚生が充実しているため、転職によって年収が変わらない場合であっても、可処分所得が増える可能性があります。
重電・重工メーカーへ転職するメリットと注意すべきポイント
重電・重工メーカーへ転職するメリットと、注意すべきポイントをご紹介します。
メリットは「キャリアの広がり」
高い技術力を身に付けられるため、エンジニアの方であれば専門領域を極めていく道も、技術力を生かして異分野に移る道もあり、選択肢が広がります。発注者側の企業や自動車など異分野のメーカーへの転職の可能性があります。
転職をしなくても、社内でのキャリアチェンジも可能です。事業の柱が多岐にわたるため、仮に所属部門の事業が不振、あるいは撤退となった場合にも、経験・技術を生かせる他部署に移れる可能性が高いのです。そうした意味で、長期的に安定感を持って働ける環境といえます。
企業によっては「公募制度」があり、自ら立候補して他部署に異動するチャンスもあります。
ほかにも、グローバル展開を進めていくため、海外ビジネスに携わるチャンスも増えています。
重工・重電業界では「脱炭素」「省エネ」などに直結する事業が多く、「社会へのダイレクトな貢献を実感できる」という動機で入社する方も多くいらっしゃいます。
「個人の裁量」「スピード」を求める人は注意が必要
役割が細分化され、他部署と調整・協力しながら進める場面が多いことから、「裁量権を持って個人でどんどん進めていきたい」というタイプの方には向かない風土といえるかもしれません。しかし、「多くの人と協力してスケールが大きいプロジェクトを成し遂げたい」という志向を持つ方には向いています。
また、人命に関わることも多く「安全」「信頼」を優先するため、新しい技術を取り入れる際にはどうしても慎重になります。スピード感を求める方にとってはもどかしさを感じる可能性があります。
もちろん、これらは一概には言えず、所属部署やポジションによって異なります。スキルがあっているかどうかだけでなく、仕事の進め方や風土が自身に合うかどうか、ぜひJACのコンサルタントからの情報提供や面接で確認することをお勧めします。
重電・重工メーカーに転職された方の事例
異業界から重電・重工メーカーへ転職された方々の事例をご紹介します。
プラントの施工管理から重電メーカーの販売推進企画へ
Fさん(40代前半/男性)はプラントエンジニアリング会社の施工管理職。残業や長期出張が多く、「家族との時間を大切にしたい」と転職活動に踏み切りました。
Fさんご自身は、転職先として同業界・同職種を想定し、「少しでも労働条件が改善されれば」と考えていらっしゃいましたが、JACからは選択肢の一つとして「重電メーカーの販売推進企画」の求人をご提案しました。その重電メーカーは「建設現場の安全」に関するソリューション提供に際してプラント建設現場の知見を持つ方を求めており、Fさんの経験が評価されたのです。
意外な選択肢に驚いたFさんでしたが、興味を抱いて応募し、入社されました。
残業や出張は大幅に減り、年収は前職とほぼ同水準を維持。リモートワークも可能とあって、ワークライフバランス改善の希望をかなえられました。
>プラントの施工管理から重電メーカーの販売推進企画へ転職成功したFさんの事例へ
品質管理として転職。労働環境改善と年収アップを実現
Kさん(30代後半/男性)は、電気機器メーカーで輸送関連装置の品質管理を手がけていました。品質管理といえども、社内業務は少なく現場に赴く仕事が大半だったため、「ワークライフバランスの改善」を希望し、いい求人があれば応募するというスタンスで情報収集をされていました。
結果、転職を決めたのは、重電メーカーの電気設備の品質管理ポジションです。求人情報の要件は「強電系の経験者」でしたが、Bさんは弱電系が中心でありながら、現場での知見が多くある点を評価され、採用に至りました。
社内業務が中心で、土日や夜間の現場対応がなくなったため、当初のご希望どおりワークライフバランスの改善につながり、年収も100万円アップとなっています。
重電・重工メーカーの転職に関してよくある質問
重電・重工メーカーへの転職を考えている方からよくお受けするご質問について回答します。
Q. 新卒入社者と中途入社者では、昇進で差がつくことはあるのでしょうか。
A. 以前と比べて差はなくなってきており、仕事ぶりや成果が公平に評価されています。いずれの企業でも、中途入社後に昇進されている事例が多数見られます。
Q. 縦割りのイメージが強いのですが、組織の風通しなどどのような雰囲気でしょうか。
A. 新しい部署が増え、異業界からの転職者も増えていることで、組織に新風が吹き込まれ、「以前より風通しが良くなっている」という声を社内の方々からお聞きしています。
Q. 入社後の研修、フォロー体制はいかがでしょうか。
A. 大手企業だけに、研修体制は充実しています。ただし中途採用では、その領域の経験者の方々をお迎えするため、座学というよりはOJTをベースに仕事を覚えていくことになります。
重電・重工メーカーへ転職するならJACへ
数ある転職エージェントのなかでも、「重工・重電系」の専門チームを設けているのはJACのみ。その分、より詳細な情報収集を行っており、転職ご希望者にリアルタイムで情報をお届けできることを強みとしています。募集ポジションにおいて、採用背景や仕事内容をはじめ、何を期待されているか、選考ではどのようなポイントを重視しているかなどもお伝えしています。
各社の幹部層との対話により企業課題やニーズを把握していること、これまでに多くの転職サポートを行ってきたことから、転職ご希望者の経験・スキルがどの募集ポジションで生かせるかを判断してご提案することが可能です。すぐには転職を考えていなくても、ぜひ一度ご相談ください。