港町である神戸には、「外資系企業が多い」という特性があり、大阪も含めた西日本エリアにおいて、これだけ外資系企業が集積しているエリアは他に見られません。特に機械系企業が多数あります。外資系企業で経験を積んだ方、グローバルな環境を望む方には、ぜひ注目いただきたいエリアです。
一方、神戸製鋼や川崎重工に代表されるような歴史ある重厚長大企業も多く、業種のバリエーションが多彩なエリアでもあります。そうしたバックグラウンドで、事業拡大・事業変革・新規事業創出を手がけられる、刺激的な環境といえます。
JAC Recruitment(以下、JAC)では、神戸に拠点を置き、兵庫エリア全域への転職をサポートしています。JAC神戸支店のコンサルタントが、多くの転職成功実績や、現在の転職市場の最新情報をもとに、エグゼクティブクラスの採用動向、求められる人材像についてご紹介します。
目次/Index
神戸エリアにおける採用ニーズの変化
数年前までは、兵庫県内からの転職で採用ニーズをカバーできていた企業においても、「視野を広げて幅広く人材を受け入れたい」という意識へと変わってきています。
本業のみの継続に限界を感じて新規事業に乗り出す企業、これまでの実績を生かしつつ新たな価値提供を目指す企業など、「変革にチャレンジする」動きが活発していることもあり、事業を推進するキーマンの採用ニーズが高まっています。
首都圏でビジネス経験を積んだ方にとっては、兵庫エリアにUターン、あるいはJターン・Iターンにより、活躍するチャンスが広がっているといえるでしょう。
事業承継に際し、次世代経営メンバーを求める
オーナー企業では、経営者の高齢化にともない、事業承継の時期を迎えています。60代~70代の経営者が40代のご子息に経営を引き継ぐケースが多く、これを機に経営幹部層の一部を入れ替えるため、経営メンバーのニーズが高まっています。また最近では『M&A』を積極的に行い、子会社化した会社の経営者を外部から招くパターンも増えています。
採用企業の規模は50名~500名程度で、製造関連メーカーや消費財メーカーをはじめ、業種は多様です。
世代交代を機に、新たな販売チャネルの開拓を強化するため、マーケティングや営業などの部長クラス以上を求めるケースが多く見られます。デジタルマーケティングのほか、広報・PRとからめた「マーケティングコミュニケーション」、店舗を持つ企業などでは「ダイレクトマーケティング」「トレードマーケティング」「通販」などのキーワードで募集が行われています。
外資系ヘッドクラスの募集が増加
神戸といえば外資系企業が集積しているエリアとしても特徴的です。近年では、外資系企業の各事業領域におけるDirectorクラスの案件が増加しています。
また、事業転換、新規事業、配置転換などグローバル本社からの要請に伴う求人も増加傾向です。タイミングが突発的なことも多いため、常にアンテナを張っておく必要があります。
IPOを目指すスタートアップが、CxO/部長クラスを求める
近年、神戸市はスタートアップの誘致・支援に力を入れ、「神戸発ベンチャー」の創出を図っています。そのなかで順調に成長を遂げているスタートアップではIPOを視野に入れた準備を始めており、IPO経験を持つ「CFO」ほか、経営ボードメンバーを求めています。また投資ファンドからの依頼でCxOクラスをコンフィデンシャルで探すケースも増えています。
最近はSaaSビジネスを手がける企業が多く、30代~40代の経営者が、同年代でIT・Web業界での経験を持つ「CTO」「CMO」などを募集。CxO経験がなくても、部長クラスのポジションで陣頭指揮をとり、事業をスケールさせた経験を持つ方が採用ターゲットとなっています。
なかには、「フルリモートワーク」「フルフレックス」を導入し、「居住地不問」で全国から人材を募っている企業もあります。
新規事業・事業変革を推進できる人材を求める
企業規模に関わらず、新規事業に乗り出す企業では、プロジェクトを推進する人材のニーズがあります。
たとえば、「工業系メーカーが地域創生事業に取り組む」「食品メーカーが新たなジャンルの商品を開発する」など、異分野に進出するにあたり、その分野での事業開発・事業推進経験者を求めているのです。
また、社会構造の変化により主力製品のマーケットが縮小に向かっている企業では、これまで築いた販売チャネルやマーケティング手法が生かせる新製品・サービスの開発に取り組んでいます。そのなかにはグローバルで高いシェアを誇るニッチトップ企業もあります。
兵庫県には鉄鋼・機械などの企業が多く、各社デジタルの導入をはじめ事業の変革に力を入れているため、製造業の事業変革にチャレンジしたい方にとっては、チャンスと刺激が多い環境といえるでしょう。
DXへの取り組みを視野に、推進できる人材を求める
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が活発化していますが、神戸エリアでも多くの企業が意欲を見せています。
まだ検討段階の企業が多く、具体的な求人は出てきていませんが、戦略の方向性や報酬体系が固まるにつれて採用が活発化すると見込まれます。
「社外取締役」を求める
近年のコーポレートガバナンス強化の潮流を背景に、社外取締役を求める声も上がってきており、今後、ニーズが高まっていくと見込まれます。
「DX」をはじめ特定の分野での専門性を持つ方を対象とするほか、ダイバーシティ・SDGs施策の一環として「女性」を社外取締役として迎えたいとするニーズがあります。
以前の「社外取締役」といえば、形式的に置いておく企業も多かったのですが、最近では経営会議に入って影響を与えてくれることを期待する傾向が見られます。
また、従来は「知人」を社外取締役に招聘することも一般的でした。しかし最近では、「独立性の担保」「しがらみがない分、後々のトラブルを防げる」といった観点から、転職エージェントを介して迎え入れるケースが増えています。
神戸エリアのエグゼクティブで求められる人材
神戸エリアのエグゼクティブ採用においては、「プレイングマネジャー」として活躍できる方が求められています。管理だけではなく、自ら現場に入り、ハンズオンで推進する姿勢と行動力が重視されます。
また、「メンバーの育成」にも期待が寄せられます。
事業拡大や新規事業推進を担うポジションでは、これまでに事業をスケールさせた実績があるかどうか、かつその成功体験がノウハウ化されており、自社で再現できるかどうかが注目されます。
ただし、自身のやり方を一方的に推し進めるのでは、既存社員から反発を招くことが危惧されます。まずは謙虚な姿勢でその会社のやり方やカルチャーに融合し、人間関係を築いたうえで、推進できる人材が求められています。
また最近は、フルリモートワークで、他府県に住み続けながら働けるポジションも出てきています。
神戸エリアのエグゼクティブ40代・50代のモデル年収
神戸エリアのエグゼクティブクラス求人の平均的な年収モデルは次のとおりです。
40代/部長クラス | 年収800万~1,200万円 |
50代/本部長クラス | 年収1,100万円~1,600万円 |
50代/CxOクラス | 年収1,500万~1,800万円 |
外資系/部門ヘッドクラス | 年収1,600万~2,000万円 |
当然ながら企業や個人によって異なりますので、あくまで目安としてください。
神戸で働く魅力・メリット
今後も新規事業が増え、これまでのキャリアを活かせる神戸エリアですが、ワークライフバランスを充実させられる住環境もあります。
台風が直撃することが少なく、住みやすい気候。海と山、両方へのアクセスがしやすいため、休日のアウトドアレジャーを充実させられるでしょう。日本海側へ向かえば、荒波にもまれて身が引き締まった魚介類を堪能できる一方、瀬戸内海側では牡蠣・海苔・タコなどの名産品が楽しめます。南部エリアは冬季もほとんど雪が積もらず、スタッドレスタイヤが必要ない気候でありながら、車で1時間強でスキー場に行くこともできます。
東京から神戸へ来た方からは、「テレビで耳にする関西弁よりもあたりがやわらかく、意外とスムーズになじめた」「親切な人が多くて安心した」といった声もお聞きします。
もともと交易が盛んな港町ですので、異文化の受け入れには寛容な土地柄。他エリアから移住するにしても、なじみやすい環境であるでしょう。
神戸エリアのエグゼクティブ転職ならJACへ
JACのコンサルタントは長年にわたり、神戸エリアの経営トップとコミュニケーションを重ね、関係を築いてきました。そのため、各社の戦略や今後のビジョンを理解しているため、「求人」として顕在化していない人材ニーズを想定することができます。
エグゼクティブの皆様から「自身の経験・スキルを神戸の企業で生かしたい」といったご相談をいただいた場合、求人を出していない企業にも、「こんな人材がいますが、採用を検討してみませんか」と提案することも可能です。
選択肢を増やすためにも、JACにご相談ください。