職務経歴書・履歴書の「退職理由・転職理由」の書き方【理由別例文あり】

公開日:2024/06/19 / 最終更新日: 2024/08/15

退職理由・転職理由は、職務経歴書や履歴書に書く必要があるのでしょうか?

結論からいえば、履歴書には定型文で退職理由を簡潔に記載し、職務経歴書には退職理由・転職理由は書かなくても問題はありません。しかしながら、貴重な面接の時間をアピールに使うために、前もって簡潔に退職理由・転職理由を書いておいたほうが良い場合もあります。

また、企業から退職理由・転職理由を記載するように指定がある場合もあります。
こちらでは、退職・転職理由を書いたほうが良い場合と、職務経歴書・履歴書での具体的な書き方について、例文とともに、ハイクラス転職のJAC Recruitment (以下、JAC)が解説しています。

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【退職理由・転職理由を書かない場合と書く場合】

項目理由を書かない理由を書くほうがよい
理由自己都合による退職会社都合による退職 ・転職回数が多い ・前職を短期間で離職 ・離職期間が長い ・アピールにつながる
理由例引き抜き・パワハラ・体調不良・鬱(うつ)・人間関係の悩み・結婚・妊娠・出産・配偶者の転勤・介護・ワークバランスの調整・企業や職種への不満・待遇が悪い・起業・海外移住・Uターン・契約満了など会社の倒産・会社の人員整理・早期希望退職制度・スキルアップ・キャリアチェンジなど

職務経歴書には、退職理由・転職理由を書くことは必須ではないため、基本的には無記載で問題はありません。履歴書には、退職理由を定型文で記載します。特に、自己都合による退職の理由については、職務経歴書には記載しないことのほうが多いです。
理由は、職務経歴書内で退職理由を伝える際の言葉選びが難しいこと、また、経歴や自己PRのほうをしっかり見ていただきたいからです。職務経歴書に記載されていなくても、面接では、退職理由・転職理由を尋ねられることは多いので、その際の準備はしておきましょう。
ただ、採用担当者が経歴を見て疑問を持ちそうな場合は、面接をスムーズにするためにも書いておくほうがよいです。そのケースが、会社都合による退職、転職回数が多い、離職期間が長くブランクがあるなどのケースです。

次に、退職理由・転職理由を記載したほうがよい5つのケースをご紹介します。

職務経歴書の自己PRの書き方【職種・ケース別】


【退職理由・転職理由を書いた方がよい場合5つ】
1. 会社都合による退職
2. 転職回数が多い
3. 前職を短期間で離職
4. 離職期間が長い
5. キャリアアップ、スキルアップでアピールにつながる場合

職務経歴書に退職理由・転職理由を記載したほうがよい5つのケースをみておきます。
1~4のケースの場合は、採用担当者が経歴の中でも気になりやすい退職・転職理由です。そのため、職務経歴書に書いておくことで、採用担当者に前もって理解を深めてもらえ、なにより面接時に説明する時間を短縮することができます。

短い面接時間の中では、懸念事項の説明に時間を割くことが惜しいです。そのため、前もって懸念事項を払拭できる理由にまとめて伝えるようにします。また、キャリアアップ、スキルアップが退職理由の場合は、退職・転職がアピールにつながるので、その場合も記載しておくとよいです。

各ケースについては、後述で例文を載せていますので、ご覧ください。


【退職理由・転職理由の書き方のポイント3つ】
書き方ポイント1. 簡潔に記載する
書き方ポイント2. 前向きな表現を一緒に記載する
書き方ポイント3. 志望動機と一貫性があるように注意する

こちらでは職務経歴書の実務的な退職理由・転職理由の書き方を3つのポイントでお伝えします。

退職理由・転職理由を記載する場合は、簡潔に記載します。
職務経歴書の中でも注目を集めたい箇所ではないため、伝わる程度で短く記載しておきます。

【前向きな表現への置き換え例】
・勤務時間が長いのがつらい → 効率的に働きたい
・上司のパワハラがつらい → 自分の能力を発揮できる環境を整えたい
・ノルマがきつい → 顧客一人一人とじっくり向き合いたい
・人間関係がうまくいかない → 周りと連携を取りながら働けるようにしたい

退職理由・転職理由を記載する際は、前向きな表現で記載するようにします。
採用担当者も、退職・転職するのは、現状に何かしらの不満がある、現状を変えたい、やむを得ない事情があるためだということは承知済みです。

そこに、「~が嫌だから」とネガティブな理由での記載があると、入社後に、同じ理由で「早期に辞められるのでは?」「文句ばかり出るのでは?」と懸念を抱かせてしまいます。そのため、退職理由・転職理由は、「~をやりたいから」などの、なりたい自分を目指すための転職だという前向きな気持ちが伝わる表現で記載しておきます。

退職理由・転職理由を記載する際は、志望動機と一貫性があるように注意しましょう。
転職は、現状改善のためにすることが多いので、退職理由・転職理由と志望動機は、表裏一体のところがあります。また、退職理由・転職理由からは、応募者が働くうえで重視していること、仕事に対する考えが自然と伝わります。

そのため、退職・転職理由と志望動機とで食い違いがないように、面接で答える内容も含めて、調整しておきます。退職理由・転職理由と志望動機に一貫性がないと、信頼性を損ねる原因にもなるので特に注意しておきましょう。


【退職理由・転職理由をアピールにつなげる書き方例文5つ】
理由別例文1. 会社都合による退職
理由別例文2. 転職回数が多い場合
理由別例文3. 在籍期間が極端に短い場合
理由別例文4. 離職期間が長い場合
理由別例文5. キャリアアップ、スキルアップでアピールにつながる場合

こちらでは、職務経歴書の「退職理由・転職理由」の書き方例文を退職・転職理由別にまとめています。
アピールにつなげる書き方のポイントも記載しているので、参考にご覧ください。

会社都合による退職例文1. 業績不振による倒産
会社都合による退職例文2. 会社の人員整理
会社都合による退職例文3. 早期希望退職制度を利用

会社の倒産や人員整理など、会社都合による退職で転職せざるを得なかった場合は、マイナスに受け取られる可能性が低いため、率直な理由を簡潔に記載します。

■職務概要
〇〇株式会社の法人向け営業職として、中小~大手企業を対象に人材戦略・人材活用の積極的提案を行ってきました。ですが〇〇年に業績不振で〇〇社は倒産しました。大変残念ですが、このことを好機として捉え、新たな挑戦を続ける所存です。入社後は、業績不振時でもうまくいった戦略や経験を生かし、貴社のさらなる発展に尽力したいと考えております。

■職務経歴
〇〇年 〇〇株式会社 倒産により退職

業績不振での倒産・規模縮小の場合は、退職理由欄を設けるよりも、職務概要や職務経歴内でさらりと触れておくとよいです。ポイントは、倒産で退職した逆境をチャンスと捉え、次の経験で新たに頑張る意欲があると一緒に伝えることです。
そうすることで、退職理由よりも、志望先企業で役立てられるスキルに視点を移してもらいやすくなります。

所属していた企業の事業縮小に伴い退職の対象となりました。しかしながら、この経験を通じて変化への対応力や危機管理能力を身をもって学びました。新たな環境に適応し、チームと協力して結果を出す重要性をあらためて認識しています。貴社では、これらの困難な状況を乗り越えた経験と前向きな姿勢で、新規市場開拓に尽力したいと考えています。

会社の人員整理の場合も、状況をさらりと記載するだけにし、退職経験を通じて得たスキルや意識を、志望先企業先で生かせる強みに変換して記載するとよいです。

業績不振に伴う早期退職制度を、キャリアチェンジの機会と捉えました。私の強みは、クライアントの要望を的確に把握し、会計・給与計算・勤怠管理システムを設計・開発する技術力です。今後は、画像・映像にソフトウェアで付加価値を提供する領域にも興味があるため、これまでの経験を生かしながら、スキルアップにも挑戦していきたいと考えています。

早期希望退職制度で退職する場合も、よいキャリアチェンジのチャンスと捉え、退職理由は簡潔に記載しておく程度にします。これまで得られた経験と、次に生かせるビジョンを示すことで、退職理由をさりげなく伝えるのがポイントです。

転職回数が多い場合の例文1. 家庭の事情による転職の場合
転職回数が多い場合の例文2. 転職回数が多いものの軸がある場合
転職回数が多い場合の例文3. キャリアに一貫性がない場合

転職回数が多い場合は、入社後の早期離職を懸念される可能性もあるので、採用担当者が納得できる理由を記載しておきましょう。ただ、嘘や婉曲は信頼を失うので厳禁です。記載できる理由を簡潔に書き記し、キャリアに対する自分の考えを添えてまとめましょう。

転職回数が多いと採用に不利? 転職回数が2回以上の方向けの内定獲得方法

家族の介護を理由に、転職を3度経験しました。介護環境の整備に専念しつつ、人事職の経験を積み重ねており、多様な業務経験、変化への対応力、人との調整力を培ってきております。現在は、介護環境が整っておりますので、職務へのコミットメントは変わらず、貴社の人事部門で経験を生かして尽力いたします。

家庭の事情で転職回数に影響がある場合は、理由を記載し、家庭の事情の解決が進んでいることを伝えます。また、過去の職歴の中で、家庭の事情があってもスキルアップにつなげられていることなどを盛り込み、転職回数への懸念をやわらげるとよいでしょう。

営業・販売でのカスタマーサービスの情熱から、前向きな成長を目指して4回の転職を経てきました。これらの経験から得たお客様第一主義のスキルをもとに、貴社のお客様に最高の価値を提供することで、営業目標達成に貢献したいと考えています。

転職回数が多いものの、キャリアアップの軸があることを伝えることで、キャリアアップのための前向きな転職であると捉えてもらいやすくなります。こちらの例は自己PRに転職理由を盛り込んでいますが、過去の職務経歴に一貫性がある場合は、転職理由とまとめて記載してアピールするのも有効です。

私はこれまでに3回の転職経験がありますが、自分のスキルや知識を生かし、さまざまな業界でチャレンジを続けております。特に転職で得た変化への対応力、柔軟な発想、多様な視点などにより、飛躍的な成長を遂げており、各分野に通じるスキルを獲得しています。今後はこの前向きな姿勢で、貴社の発展にも貢献していきたいです。

転職回数が多いものの、キャリアに一貫性がない場合は、転職経験自体がビジネス面での大きな成長につながっていることを伝えると視点が未来に向きやすいです。チャレンジする意欲、行動力などで、転職回数が多いことをカバーして伝えると効果的です。

在籍期間が極端に短い例文1. 結婚・配偶者の転勤など理由が明確
在籍期間が極端に短い例文2. パワハラなど人間関係が理由

在籍期間が極端に短い職歴がある、前職を短期間で辞めている場合は、入社後の早期離職を懸念されないためにも、簡潔に退職理由を記載します。「一身上の都合により退職」だけでは、伝わりにくいためです。
ポイントは、不満やネガティブな理由を記載せず、自分にあった職種に出会うためという前向きな姿勢につなげることです。

早期退職・希望退職による転職事情と転職成功のポイント

■職務経歴内に記載
・〇〇株式会社で〇〇職 (XXXX年〇月 結婚のため退職)
・〇〇株式会社で〇〇職 (XXXX年〇月 夫の転勤のため退職)
・〇〇株式会社で〇〇職 (XXXX年〇月 病気治療のため退職。〇月〇日現在、既に完治しており勤務に支障はございません。)

在籍期間が極端に短い場合でも、家庭の事情が理由で短くなっている場合は、納得感があります。その旨を職務経歴内に簡潔に記載するだけで十分に伝わり、在職期間が短いことも気に留められにくくなるでしょう。
体調不良等の場合は、完治していれば、今は問題なく働けることを伝えておくと安心材料になります。

■転職理由
前職では業務負担が個人に偏っている部分があり、自分の力を発揮し切れない環境だったと反省しています。そこで早期に軌道修正し、チームワークを重視するオープンな社風で再出発したいと考え、貴社を志望いたしました。自分の強みを生かしつつ、メンバーと協力し合いながら結果を出せる仕事につなげていきたいです。

パワハラなど人間関係が原因で短期に離職した際は、「想定していた環境と異なるため、早期に軌道修正を考えた」ことに視点を向けて伝えるようにします。「あの上司がだめだった」などの文句や不満は記載しません。同じ理由で離職するのではと懸念されるからです。そのため、短期間での離職になったことに対して反省している、短期間の中でも学びがあったことを伝え、それらを生かした前向きな志望動機につなげます。

在籍期間が短いことは職務経歴を見れば分かるのですが、一言あることで、採用担当者の目にも理由が明確なものとなり、その他の自己PRの内容も伝わりやすいです。

離職期間が長い例文1. 出産・育児のため
離職期間が長い例文2. 資格取得のため

離職期間が長い場合、その間に何をしていたかは採用担当者も気になるところです。そのため、離職期間中に行っていたことを簡潔に退職理由と共に記載しておきます。ポイントは、離職期間中にも自己研鑽を行っており、努力していた点を前向きに伝えることです。

同業である前職には6年勤務しておりましたが、出産・育児のため3年の離職期間がございます。ですが、育児期間も同業者の情報収集などに励んでおりましたので、業務は問題なくこなすことができます。

離職期間に出産・育児をしていた場合は、離職理由と共に、復職後の業務に支障がないことも一緒に明記しておくと、企業側も安心です。職務経歴書内には簡潔に記載するだけとし、詳しい復職後の働き方については面接で語れるようにしておくとよりよいでしょう。

前職を退職後、公認会計士の資格取得のために勉強をしてきました。残念ながら合格はできませんでしたが、今後は学んだ知識を役立てて仕事に集中したいと考えています。勉強で習得した財務知識で貴社の業務に貢献いたします。

資格取得が目的で離職期間が長い場合は、離職した理由と、そのブランク期間を有効に活用できたことを記載します。資格取得が叶った場合は、資格を志望企業で生かせることをアピールにつなげます。
資格取得が叶わなかった場合も学んだ知識・スキルを志望先企業の業務で生かせることを伝えることで、ブランク期間の長さをカバーします。

アピールにつながる例文 キャリアアップを軸にした転職理由

自己都合による退職が理由でも、アピールにつながる退職理由は職務経歴書でも記載しておくとよいです。例えば、キャリアアップ、スキルアップを目指して積極的な理由で退職した場合などです。

自動車部品の営業経験のみではキャリアの限界を感じ、異業種の営業にチャレンジしたいという思いから転職を決意しました。医療機器分野では専門知識の習得から始める必要がありますが、これまで培った営業スキルを活用しつつ頑張りたいです。お客様第一主義の姿勢を貫き、貴社の医療機器営業部門で実績を上げ、営業能力をさらに向上させたいと考えています。業界や分野を変えてもセールスパーソンとして成長できる自信があります。

キャリアアップが転職理由の場合は、前職での経験、どのようにキャリアアップしようと考えたのかを記載すると、より前向きな印象で伝わりやすいです。転職理由は志望動機と結びついていることが多いため、キャリアビジョンや熱意と共に伝えることでアピールにつながります。


履歴書に記載する定型文退職理由
一身上の都合により退職引き抜き・パワハラ・体調不良・鬱(うつ)・人間関係の悩み・結婚・妊娠・出産・配偶者の転勤・介護・ワークバランスの調整・企業や職種への不満・待遇が悪い・起業・海外移住・Uターン・
会社都合により退職倒産・業績不振によるリストラ・人員削減・親会社の撤退・企業合併・事業部門の売却・事業撤退・希望退職・早期退職制度
契約期間満了により退職非常勤・契約社員や派遣社員の契約満了 雇用契約の満了

こちらでは、履歴書に退職理由・転職理由を書く際の基本的な3つの定型文についてまとめておきます。履歴書に退職理由・転職理由を記載する際は、定型文で簡潔に記載します。
理由は、書くスペースが限られていることと、詳細な退職理由までは書類上には必要ないためです。そのため、理由別にどの定型文で記載をしたらよいかに絞ってチェックするとよいです。


「退職理由」「転職理由」は基本的には職務経歴書には書かない項目ですが、事前に記載しておいたほうが面接時にスムーズに進みやすい場合もあります。そのため、退職理由や転職理由をネガティブでない、前向きな表現で志望動機につなげておくことが大切です。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


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