30代から40代といったミドル世代の転職では、即戦力人材であるかどうかが重視されます。しかし、採用ポジションごとに必要なスキルや経験は異なるため、企業が「即戦力」をどのように定義しているのかわかりづらいものです。また、人によって培ってきたスキルもさまざまであり、自身が即戦力といえるのかどうか知りたい人もいることでしょう。
実際のところ、採用企業は書類選考と面接を通じ、求職者が企業の即戦力と成り得るかどうかを判断します。そのため、応募者は自身のキャリアを棚卸しして、企業が求める条件に一致するかどうかチェックしたうえで応募に臨む必要があります
今回は、30代から40代の転職で必要な「即戦力」について具体的な要件を理解するとともに、自身が即戦力であるとアピールする方法について事例を参考にしながら紹介していきます。該当する年代でキャリア採用を成功させたいと思う方はぜひ参考にしてみてください。
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目次/Index
即戦力となる人材が求められる背景
今、即戦力となるミドル層の人材が労働市場で求められています。その背景には、以下の4点が主な理由です。
・多様化する雇用形態
・日本における労働力人口の変化
・育成コストの削減
・テレワークの普及
ここではそれぞれに分けて解説しますので、詳しく見ていきましょう。
多様化する雇用形態
ミドル層の即戦力人材が求められる背景として、近年多様化する雇用形態が挙げられます。これまでは、1つの会社へ定年まで勤めることが常識とされてきました。
しかし、働き方改革やIoTの促進、ライフスタイルの変化によって転職しながらキャリアを形成していくことが普及しつつあります。
そのため、正社員以外にも契約社員や派遣社員など、あらゆる雇用形態が進んでおり、人によってはフリーランスとして企業に属さず働く人も増加中です。
また、新卒一括採用・長期的育成を前提としたメンバーシップ型雇用がフィットしなくなった点も要因のひとつだといえるでしょう。
現在では、企業に合わせて人を育てるのではなく、職種や職務に適したジョブ型雇用が見直されつつあり、即戦力となるミドル層の人材が求められています。
日本における労働力人口の変化
日本における労働力人口の変化も、即戦力となるミドル層の人口が求められる背景のひとつです。労働力人口とは、15歳以上かつ「労働する意志」があり、労働できる能力を有している人を指します。
日本は少子高齢化が進行しており、労働力人口の減少に歯止めが利かない状況です。そのため、日本の企業においてはこれらのような課題があります。
育成コストの削減
企業が即戦力を求めている理由に、育成コストを削減したいという背景があります。新卒採用後に1人を1人前に育て上げるためには、多くのコストがかかります。
即戦力でない方には、新人向けの研修などを行う必要があります。研修の方法によっては手間やコストをかけなければなりません。そういった理由により、育成コストを削減したいと考えている企業も少なくありません。
テレワークの普及
新型コロナウイルスの影響でテレワークが普及し、この変化が即戦力が求められる理由の1つとなっています。なぜなら、テレワークの場合は、誰かが近くで教育するということは難しいため、最小限の教育で業務遂行ができる即戦力の需要が高まっているのです。
テレワークについては、2020年6月の緊急事態宣言後に導入率が31%を超えており、新しい働き方のスタイルとして、今後も多くの企業でのテレワークの継続が見込まれています。
これらの課題を解決できる存在として、すぐに能力を発揮できるミドル層の即戦力人材が求められています。
現在では、多くの企業が即戦力採用に力を入れているため、能力やスキルがある人材は労働市場で高い需要があるといえるでしょう。
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即戦力採用のデメリット
企業としてメリットが大きい即戦力採用ですが、デメリットもあります。転職希望者としても、企業側が考えるデメリットについても理解を深めておくと、ほかの人材よりも「転職についてしっかりと研究している」との印象を与えられるかもしれません。
企業側が考える即戦力採用のデメリットは、ミスマッチが起こりやすく、費用対効果が悪くなるおそれがあることです。
企業と転職希望者の間に「認識のズレ」があることによって、獲得した人材が早期退職するおそれがあります。
早期離職されてしまうと、採用コストが無駄になりますし、再び人材を確保するための費用や時間を重ねて投じなければならないため、費用対効果が悪化するおそれが高まるでしょう。
この点を理解して、企業や業界を取り巻く市場動向を検討したうえで、候補となる企業を選ぶようにしてみてください。
30代前半~40代後半の即戦力の要件とは
「即戦力」とは、入社後すぐ企業に馴染み、周囲と同じレベルで仕事をこなせる人材のことをいいます。企業が即戦力採用を行うメリットは、業務内外にかかる負担の軽減です。あらかじめ専門スキルや実務経験が備わった人材を確保することで、研修や業務フォローにかかるコストと時間を削減することを目的としています。
また、即戦力として活躍できる人材であれば、各セクションのリーダーや責任者となることを見込んでいる可能性もあるでしょう。同じ中途採用とはいえ、20代のポテンシャル採用と30代から40代のキャリア採用では、企業が求職者求める要件が異なります。以下、ミドル層に対する即戦力の要件をまとめてみました。
即戦力の要件1:専門性や実務経験がある
どんなに前職で功績を残していたとしても、転職した業界での知識や経験がなければ意味がありません。企業側としても求職者を採用するメリットを感じられず「即戦力にならない」と判断されてしまいます。そのような観点で転職を考えると、30代から40代の方は、これまで培ってきた知識やスキルを活かせる同業での転職が最も効率的です。
即戦力の要件2:自発的な行動がとれる
キャリア採用のねらいは業務における立ち上がりの速さにあるため、自発的に行動して業務に取り組めるかも重要視されます。たとえ前職が同業であったとしても、受動的に仕事を進めるスタイルの人材ではキャリア採用する意味がありません。転職した会社でのやり方をしっかり吸収しようと積極的に動いて確認したり、自身の知識を有効的に活用したりする姿勢が大切です。
即戦力の要件3:企業への適応力がある
たとえ培った経験やスキルがあるとはいえ、業務への取り組み方は企業ごとに異なります。キャリア採用では、自身のやり方と企業の方針を照らし合わせ、より良い方法を選択しながら業務に当たれる臨機応変さも見られると思って良いでしょう。
また、どんなにスキルの高い人材であっても、転職先の雰囲気を掴んで馴染む力がなければ、即戦力として活躍するのは難しいでしょう。適応力は仕事を行う上で重要なポイント。周囲との関係性を円滑にするためにも、普段から協調性を持って仕事に取り組むことがこの能力を高めるのには必要です。
即戦力の要件4:対人スキルが高い
対人スキルは過去の経験によって磨かれるものであり、ミドル世代ともなれば個々の差は歴然としています。企業で即戦力として活躍するには、他者とコミュニケーションを取りながら業務に臨めるかどうかが大切です。また、人間性に魅力があれば周囲からも信頼されるため、マネジメント能力があるとみなされて、相応のポジションに就けるチャンスが高まります。
即戦力の要件6:モチベーションを高める力がある
企業の即戦力になるためには、仕事に対して常に一定のレベルを保ち続けることが求められます。感情の浮き沈みが業務に影響するようでは、他の社員を引っ張っていくこともままなりません。将来への明確なビジョンをもち、目標達成に向けて行動できる力があれば「企業によい影響をもたらしてくれる」として評価されるでしょう。
このようにミドル層のキャリア転職に求められる人材とは、入社後すぐに企業の方針や業務の進め方、対人関係をキャッチアップでき、培ったスキルをもとに活躍が見込める人を指しています。20代のポテンシャル採用とは異なり、専門スキルや実務経験がどのくらいあるかがとても大事です。
企業・ポジションによって異なる即戦力
ひとこと「即戦力」といっても、企業が求めるキャリアは必ずしも同じとは限らず、採用するポジションによって求められるスキルが異なります。
管理職に求められる即戦力
管理職に求められるスキルとしては、以下のようなことが挙げられます。
- ・適応力と柔軟性
- ・ポータブルスキル
- ・マネジメント実績
- ・市場価値が高い専門スキル
管理職を目指すハイクラス人材は、大手企業を含めたさまざまな業種で必要とされています。企業の募集条件にもよりますが、ハイクラス求人ではいかに柔軟性高く組織に適応していけるかが大切で、そのためには論理的思考やコミュニケーション能力、プレゼン能力といったレベルの高い職務遂行能力が求められます。また、採用後すぐに管理職以上のポジションが用意されているケースも珍しくありません。そのため、マネジメント実績があると評価が高まるでしょう。
しかし、これらのスキルを転職検討段階ですべて備えておくのは難しいものです。ハイクラス求人で即戦力として認めてもらうには、実績を作るための努力も必要です。結果的に努力した経験が転職時の武器となり、ハイクラス人材の転職市場で戦えるようになります。
一般社員に求められる即戦力
ミドル世代で管理職に就いていない一般社員の場合は、以下のスキルを身に付けておくことがおすすめです。
- ・専門性と資格
- ・マネジメント能力
- ・基準を満たした実務経験
現在役職に就いていない状態だったとしても、ミドル世代にもなれば企業からマネジメント能力を期待されることもあるでしょう。即戦力として採用してもらうために、今後の転職をイメージしながら現在の職場でマネジメントスキルを磨いておくことも大切です。
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履歴書や職務経歴書で即戦力人材であることをアピール
ミドル世代の転職では、企業の即戦力になる人材かどうかが重要視されます。そこで大切なのが、企業の採用担当者に即戦力人材であることをアピールすることです。転職活動では、履歴書や職務経歴書を作成し、企業へ提出することで書類選考や面接につながります。そのため応募書類の出来如何で、即戦力人材と見られるかどうかが決まると言っても過言ではありません。
ここからは、文例を用いて自らが即戦力であるということを伝えるためのポイントを見ていきましょう。
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役職者の場合
役職者の場合には、これまでのマネジメントの実績をアピールすることが大切です。
『前職ではエリアマネージャーを4年経験しました。その中で得意としてきたのが、売り上げ達成に向けたプロセスの提案です。まずは隔週で支店ごとの問題抽出を行い、KPIの分析と設定を行いました。これらのKPIに基づいたプロセスを遂行するようスタッフに指示した結果、管轄エリアの全支店が達成、売り上げ目標も106%という成果を残すことができました。全社平均が80~90%で推移するなか、非常に高い数値を上げられたと思っております。』
上記のような場合、業績アップの工夫にくわえ、実績が比較データとして数値化されている点がポイント。これだとわかりやすく、企業側の採用担当者に高い評価を得られます。
役職者でない場合
役職者ではない場合には、業績アップのために行った工夫やプロセスをアピールしてみると良いでしょう。
『これまで外資系生命保険の営業を5年経験してきました。その中で培ったのが、お客様の信頼を得る対人スキルと専門知識です。お客様の相談・質問にプラスアルファの対応ができるよう、ライフコンサルタントや外貨建保険販売資格試験、ファイナンシャルプランナー2級取得に励みました。こうした姿勢と知識により、営業成績の毎期達成に加え、ご契約いただいたお客様のご家族からのご相談や、紹介実績も多数いただいております。』
上記のような場合、業績アップにつながる工夫や努力が記載されている点がポイントです。結果が単発的でないことも踏まえることで、採用担当者に即戦力人材としての可能性を期待させるものとなります。
面接で即戦力人材であることをアピール
履歴書や職務経歴書といった書類選考を通過すれば、次に行われるのは採用担当者との面接です。面接では、書類上だと分かりづらい人間性や企業への順応性を見られることも多く、いかに論理的に分かりやすくエピソードを伝えられるかがポイントになります。
ここからは、面接で即戦力をアピールする際の面接応答例を見ていきましょう。
役職者である場合
役職者が面接に挑む際には、これまでのマネジメント実績を伝えるほか、「将来どのように活躍していきたいか」というビジョンを伝えるようにするのがポイントです。
『私がマネジメント業務を務めた2年間で、5名の社員をプロジェクトリーダーへ昇格させました。これは社内のリーダー職における30%の数にあたり、組織に大きく貢献しました。貴社では所属部署の潜在ニーズを捉え、より高いレベルでの人材育成に励みます。』
具体的な数値を出すことでスキルの高さを伝え、それを上回る成果を挙げようとする姿勢を持っている旨をアピールすることが、即戦力として評価されるためには必要となります。
役職者でない場合
役職者ではない求職者が面接に挑む場合 、実績と併せて行動力や積極性をアピールできると良いでしょう。
『私は前職で営業を務めた5年間、毎期達成を目標に業務へ当たってきました。そのために行ったことは、専門性の高い資格取得と、お客様本位の営業です。お客様の変化にすぐ対応できるよう、3カ月に一度のヒアリングと専門知識を踏まえた商品提案を行った結果、目標に対して100~115%という数値での達成を成し遂げました。』
目標達成に向けた行動力と持続力の高さがうかがえ、転職先での活躍がイメージできる内容であるとベストです。
即戦力が求められるミドル世代の転職はJAC Recruitmentへ
30代から40代といったミドル世代の転職では、企業で即座に活躍できる即戦力スキルが求められます。専門性の高い技術や実務経験、転職先での自発的行動力や適応能力など、即戦力に必要とされる能力は多岐にわたります。これから転職活動をする方にとって、「自分自身のどのような能力をアピールすることで、即戦力人材として見せられるか」は腕の見せどころです。
しかし、客観的な意見が欲しい、自分一人ではどうアピールしてよいかわからないという方には転職エージェントの活用がおすすめです。なかでもJAC Recruitmentであれば、各業界や職種に精通したコンサルタントがこれまでの経験や能力に対する価値を見定め、あなたに合った求人を引き合わせてくれるでしょう。また、ハイクラス・ミドルクラスの求人に強く、2019年から2023年におけるオリコン顧客満足度は5年連続第1位を獲得。サポートの実績は折り紙付きです。また、外資系企業への転職を希望する場合には、世界11カ国、34拠点に広がる独自のネットワークを通じ、グローバル企業への転職の可能性も広げてくれるでしょう。
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