おすすめの転職タイミングはいつか?実は、人によってベストなタイミングは異なります。40代、50代、それ以降の将来のキャリアビジョンを検討し、自身の経験やスキルをどう磨いていくか、どのような転職を考えるべきなのか…。
かつては同じ会社で定年まで働く終身雇用型のワークスタイルが主流でしたが、最近ではキャリアの幅を広げる、より良い職場環境・待遇を目指して転職をするビジネスパーソンも多くいらっしゃいます。
しかし、転職はあくまで自由意思であり、「いつまでに何をしなければならない」という明確な基準がないため、なかなか行動に移せなかったり、知らぬ間にタイミングを逃してしまったりするケースもあります。また、年代という視点でとらえた場合、自身の年代で求められる経験や、必要とされるスキルがあることも事実であり、転職においてタイミングはとても重要です。
いつがご自身のベストタイミングなのか分からないという方のために、今回は具体的な転職のタイミングを8つに絞ってお伝えしていきます。
目次/Index
そもそも転職にベストなタイミングはあるのか?
転職を考えているビジネスパーソンのなかには、「そもそも転職にベストなタイミングなんてあるの?」と疑問に感じている方もいるでしょう。当然ながら、どのビジネスパーソンにも当てはまる「ベストな時期」というのは存在せず、そのタイミングは人によってそれぞれ異なります。
同業種に転職する場合
今の職場での経験・スキルが大きな武器になることは間違いありません。転職の際の面接においても、「今の職場でどんな経験を積んできたのか?」「新たに入社する会社でどんなスキルを提供できるのか?」といった点を聞かれるケースが多く、その分野のエキスパートや経験豊富な人材は重宝されやすい傾向にあります。 そのため、「現在の職場でできる仕事はすべてやり切った」「身に付けたスキルを新しい場所でも存分に発揮したい」といった理由でのステージチェンジは、企業側からも好意的に受け止められる可能性が高いです。
しかし一方で「その会社での経験や知識が十分に蓄積されていない状態」や「与えられた仕事やプロジェクトを完遂していない状態」の場合には、転職するベストタイミングとは言い切れません。特にプロジェクトの途中という場合は、印象が良くないです。会社から引き留められる(退職できない)というリスクだけでなく、転職活動における採用面接でも「プロジェクトの途中で投げ出したのではないか」「責任感が不足しているのではないか」といったネガティブな印象を持たれかねません。
転職をする意思が固いのであれば、なるべく「年度内に仕事を片付けておく」「プロジェクトが完遂したタイミングで転職活動をスタートさせる」など、スケジュール感や業務の進み具合を判断してから、退職の時期を決めるようにしたいところです。
キャリアアップを目指して転職活動を行う場合
まずは自分のスキルや経歴の棚卸しをして、新たなステージで自分が何を提供できるのか、をしっかり言語化できるように準備しておくことが大切です。その中で、「やはりまだこの会社でできることがある」「自分には〇〇の部分での経験や知識が足りない」と思ったら、それを実行してから転職活動を始めても遅くはありません。
転職活動を遅らせるというとネガティブに感じることもあるかもしれませんが、その経験がのちの転職活動でプラスに働くこともあるので、焦らずに、まずは自分の状況を客観視してみることをおすすめします。
異業種へ転職する場合
新しい業界や企業の文化や習慣などに、転職者がスムーズに適応できる年齢は30歳前後といわれています。これまでのキャリアやポジションに関係なく、転職先では「未経験者」や「初心者からのスタート」となることは理解しておく必要があります。
なかには、社会人経験が浅いことを理由に、異業種への転職にチャレンジするのを迷っている方もいるかもしれません。しかし、過度な不安を持たず「思い切って新しい業界に飛び込んでみる」「今すでに持っているスキルに目を向ける(入社後にどう活用するかを考える)」など、具体的なアクションを取ることでチャンスは掴み取れるもの。
これまでに学んだビジネスパーソンとしての心構えは転職先で通用するものも多いため、自信を持ってチャレンジしてください。
異業種への転職が多い業界・職種の傾向をハイクラス転職に強いJACが解説
ではここからは、転職にベストなタイミングについて、8種類の状況に分けて詳しく解説していきます。
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タイミング1:キャリアアップに行き詰まりを感じているとき
現在お勤めの会社でのキャリアアップが困難で、転職を考えるというビジネスパーソンは多いです。
実は、キャリアを停滞させる理由には、
・スキルの極地化
・成長スピードの鈍化
・将来像が不透明
・組織の制約
・体力や気力の問題
といったものがあります。それぞれ具体的に解説していきます。
スキルの極地化
キャリアの停滞の中でも、悩む人が多いのが「業務内容が狭いことによる獲得スキルの極地化」です。スキルの極地化(行き詰まり)を感じたときには、まず「この会社で本当にキャリアアップが望めないのか?」「もう社内で学べることはないのか?」と冷静に考えることが大切です。
その上で、「やはりスキル習得や学びに限界がある」と感じた場合には、転職を考える良いタイミングとなります。
具体的には、
・語学力を活かして海外営業職への異動を希望していたが、海外事業部が閉鎖してしまった
・成績トップの業績を上げているにもかかわらず、キャリアアップが望めない
といったものが挙げられます。
ただし、今いる会社への不満を転職の理由にするのはNGです。転職を希望する企業の採用担当者に、「不満からまた転職をするのではないか」「この人の単なる力量不足なのではないか」と思われる可能性もありますので、ネガティブな要素を出すことは避けるようにしましょう。
成長スピードの鈍化
成長スピードの鈍化はスキルの極地化に近い面もありますが、長年同じ仕事を続けていて「もう社内ではスペシャリストと呼ばれる域に達してしまった」「自分がその分野の第一人者であり、社内ではこれ以上成長を期待できない」といった場合に起こります。 社内で長年経験を積むのも悪いことではありませんが、すでに熟練者レベルにまでスキルや知識が達しており、自分があまり成長できていないと感じた場合には、転職を考えてみるのも一つの手です。
また同じ規模・フローの業務で、今後も異動や昇進が望めない場合やマンネリ化が続く場合にも、転職は有効な選択肢となり得ます。
将来像が不透明
「同じ仕事の連続で、このまま企業人生を終えてしまうのだろうか」「企業にビジョンが無く、将来性を感じられない」「理想とするキャリアを築いている先輩がいない」といった悩みを持ったときは、転職のサインかもしれません。
将来像が不透明だと仕事へのモチベーションが下がりやすく、「仕事が面白くない→パフォーマンスが下がる→評価がもらえない」といった、負のスパイラルに陥る可能性が高いです。しかし、働く環境を変えることでパフォーマンスが向上したり、仕事ぶりが評価されたりするケースも存分にあり得ます。もちろん、社内の異動や配置換えなどによって希望が実現する可能性もありますが、「異動も配置換えも望めない」「そもそも会社自体のビジョンが不透明」といった場合には、転職への選択肢がより現実味を帯びてきます。
組織の制約
組織の制約とは、
・年功序列制のため、どれだけ成果を出してもキャリアアップが望めない
・成果報酬制でなく、自分が頑張ったことが数字で評価されない
・社内に昔から続く習慣や文化があり、それを守り続けるのがつらい
・数年に1回は必ず転勤がある
といった、個人ではなかなか変えることのできない会社全体のルールのことです。新入社員のころはあまり気にしていなかったものの、「年齢やスキルが上がるにつれて会社のスタイルが合わなくなってきた」「結婚や出産といったライフスタイルの変化に伴い、会社のルールに従うのが難しくなってきた」ということは往々にしてあります。
会社のルールや文化・習慣などの大きな改革は、自分一人ではなかなかできないものです。もちろん、同士を募ってプロジェクトを発足させるといった対応もできますが、時間的・体力的にパワーが割けない場合も少なくありません。そのような時には、転職を選択肢に加えてみるのも良いでしょう。
体力や気力の問題
体力や気力の問題も、転職においては見逃せないポイントです。例えば、新人の頃は深夜までの業務が苦にならなかった方も、年齢が上がるにつれて「体力がついていかなくなった」と思うケースは多いですし、ハードワークで「腰や膝を悪くしてしまった」ということも。
そんな時「もっとペースが緩やかな仕事にチェンジしたい」「立ち仕事の少ない業務をやりたい」といった思いを持つようになったら、それは転職のタイミングです。しかし、配置転換や部署異動などで軽減できる場合もありますので、「転職をするほど自分にとって重要な問題かどうか」は見極める必要があります。
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タイミング2:他社から声がかかったとき
「キャリアアップに限界を感じた」以外の理由で、転職のタイミングとして多いものの一つが「他社から声がかかったとき」です。これはいわゆる引き抜きのこと。もともとは転職のことなんて考えもしなかったという方が、「うちで一緒に働いてみないか?」「今こんなポストが空いているのだけどチャレンジしてみないか?」と声をかけられて、心が動くケースは少なくありません。
「今までお世話になった会社になんとなく悪い気がする」と感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、そんな時は、自分の知識やスキルの棚卸を行うとともに、「仮に転職したらどんな未来が待っているのか」「何が実現できるのか(それは今の会社では難しいか)」などを冷静に判断したうえでの検討が必要です。
引き抜きのメリットとは
引き抜きのメリットは、希望のポジションや年収といった条件面が優遇されやすい点にあります。基本的に、相手はあなたの実力やスキル、能力などを高く評価しているケースがほとんどなので、今の会社よりも「より良い待遇」を提示してくれるはずです。
ただし、待遇面だけを重視するのは少々危険です。オファーしてくれる企業のビジョンや働く環境などに共感できる場合は問題ありませんが、なかには「引き抜きをされて転職したけど、働く環境は前の職場のほうがよかった」「給与は高いけど、求められるスキルが高すぎて精神的にきつい」といった場合もあります。引き抜きをされた際には、相手先の職場環境をよく理解したうえで、転職するか検討する必要があります。
タイミング3:希望していた会社や職種で求人が出たとき
企業の求人状況は、景気や災害や疫病などといった不測の事態、企業の事業戦略や組織都合に左右される場合も多く、毎年必ず人材募集がかかるとは限りません。そのため、就職後に「新卒の際には募集していなかった憧れの企業が経験者を募集している」「自分が目指していた職種でたまたま募集がかかっている」といったケースに遭遇することも。 そうしたチャンスは滅多に現れないばかりか、次にチャレンジできる可能性があるとも限らないので、「絶対に応募したい!」「この機会は逃せない!」と強く思ったら、臆せず転職に挑戦するべきです。
ただし、飛びつきたくなるような求人があったとしても、先述したように「プロジェクトや期の途中での退社」は転職においてマイナスとなる場合もありますので、基本的なマナーを守りながら転職活動を進めてください。
未経験の職種にチャレンジする場合のポイント
憧れていた職種が未経験である場合には、会社に対する思いや熱意といった感情的な部分を前面に押し出してしまいがちですが、それだけでは転職の内定を勝ち取ることはできません。
多数のライバルがいる中で、転職を優位に進めていくためには、自己分析と業界・会社研究を行いながら「今までの経験が生かせる点」「アピールポイント」「その会社で実現したいことやビジョン」などを具体化していくことが大切です。企業が求める人材と、自分のスキルやPRポイントをいかにマッチングできるかが、成功のカギとなります。入念な分析をするとともに、日ごろからアピールできるセンスを磨いておきましょう。
タイミング4:大きなライフイベントがあったとき
結婚や出産、介護など大きなライフイベントがあった場合も、転職を考える一つタイミングとなります。
例えば、
・結婚して家を買ったため、転勤族のようなスタイルでは仕事をしたくない
・子どもが生まれたので、残業の少ない仕事や土日休みの仕事に切り替えたい
・子どもの受験に際して金銭的な負担が増えるため、今より高い給与の会社で働きたい
・親の介護が必要となり、テレワーク勤務がメインの会社に移りたい
といったケースです。
現在は、産前産後休暇(労基法で規定)や育児休暇、子の看護休暇、介護休暇などが認められている企業も増えてきましたが、なかには制度が十分ではなかったり、制度はあるけれど雰囲気的に使いづらかったりする場合もあります。そんな時には、転職によって環境を変化させるのも有効な選択です。
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タイミング5:資格を生かせると思ったとき
現在の勤務先へ勤めながら資格を取得し、生かすことができる職場が見つかった場合は転職のタイミングだといえます。 例えば、勤務終了後の時間などを活用して、社会人向けのビジネススクールへ通い、MBAを取得した人などが挙げられます。転職先の候補としては、コンサルティングファームや経営に携わる業務などです。
他にも、社会人に人気がある資格としては以下のようなものが挙げられます。
・宅地建物取引士
・ファイナンシャルプランナー
・行政書士
いずれも、不動産業や金融関係、士業など、スキルアップを目指した転職から独立起業まで狙うことができる資格ばかりです。
資格を取得してすぐに転職するには要注意を
資格を取得して転職を検討するビジネスパーソンのなかには、「長年その資格を取って、その業界で働くのが夢だった」という方もいると思います。しかし、「資格が取れたからすぐに今の仕事を辞める」ということでは、仕事への責任感や社会人としてのマナーを疑われかねません。また、資格を取得したことが必ずしも転職で評価されるとは限らないため、自分のスキルや強みなどを事前にしっかりと棚卸し、転職市場における自分の価値を把握してから、転職活動に臨みましょう。
タイミング6:事業に方針転換があったとき
近年、業績悪化を理由に企業が「早期退職者制度」を導入している場合があります。早期退職者制度とは、退職金を上乗せして、給与ベースが高い50代以上の社員を対象とし、定年前に退職者を募るものです。
上記の制度の対象者以外でも、業績悪化や事業方針の転換によって、多くの社員がリストラの憂き目にあうことも考えられます。
これらのような場合、自分の意思とは関係なく転職を検討しなければならないことがあります。会社にこのような動きが見られたときは、転職するタイミングです。
タイミング7:昇給・昇格が見込めないと感じたとき
自分が予想していたよりも、上司から評価されないことは珍しいことではありません。また、大手企業に勤めている方は、上が詰まっていてポジションアップを目指していても叶わない場合もあります。このように、昇給や昇格が見込めないと感じた場合、転職を検討する場合も多いでしょう。
人事評価は給与やボーナスとも連動しているため、収入面から考えても納得がいかないことも増えてしまいます。
そうなると「今の会社で働き続けるのは難しい……」という人も少なくありません。このような場合、キャリアや実績の棚卸しをしてみてください。そのうえで、自分のことを適正に評価してくれる、ポジションアップが可能な会社へ転職することで、実績に見合った給与・モチベーションの向上が期待できます。
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タイミング8:ワークライフバランスを大切にしたいと感じたとき
ブラック企業は減少傾向にあるとされています。しかし、一般的な仕事から考えても激務だったり、長時間勤務・休日出勤が多かったりする場合、労働環境への不満を抱くことが普通です。そのため、勤務時間などに不満を感じた人は、転職を考えるタイミングです。
年収の高さよりも、ワークライフバランスを優先する人は、今勤めている会社が変わるのを待つのではなく、長時間労働を抑制されている企業へ転職していく傾向にあります。
転職の際のリスクも念頭に
転職すればすべてが解決するとは限りません。「介護休暇が認められている会社に転職したが、配属先はとても取得できる雰囲気ではなかった」「転勤のない会社に転職したつもりだったが、部署異動で転勤をすることになった」「子どもの看護休暇を使っている実績がほとんどなかった」など、入社してからはじめてわかる事実もあります。
そのため、転職の際には「各休暇の具体的な取得実績」や「入社後のキャリア」など、気になる部分のデータ・情報収集を抜かりなくやっておくことをおすすめします。
ベストなタイミングでの転職はコンサルタントに相談を
今回は、「転職のベストタイミングが知りたい」という方のために、具体的な転職のタイミングを下記の8つに絞ってご紹介しました。
タイミング1:キャリアアップに行き詰まりを感じているとき
タイミング2:他社から声がかかったとき
タイミング3:希望していた会社や職種で求人が出たとき
タイミング4:大きなライフイベントがあったとき
タイミング5:資格を生かせると思ったとき
タイミング6:事業に方針転換があったとき
タイミング7:昇給・昇格が見込めないと感じたとき
タイミング8:ワークライフバランスを大切にしたいと感じたとき
転職には人それぞれ「旬」があります。ベストなタイミングで転職へのスタートが切れるように、「転職スケジュールの入念なチェック」「後任への引継ぎ」「現行のプロジェクトの完遂」など、しっかりと事前準備も行っておきたいところです。自分史上最高のパフォーマンスが発揮できるよう、最適なタイミングを見計らって転職活動を行いましょう。 そのためにも、転職のアドバイスを常に行っており、多くの転職成功事例を持つJAC Recruitmentのコンサルタントにぜひご相談ください。
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