転職活動をしていく中で、転職先をいろいろ検討した結果「やはり前の会社に戻ろうかと考えている」「出戻り転職をしたい」と考える場合もあると思います。しかし、出戻り転職について具体的に考えれば考えるほど「本当に出戻り転職は可能なのか?」「出戻り転職にはどのようなメリットがあるのか?」「失敗したらどうしよう」などと悩んでしまうことも少なくありません。
この記事では、出戻り転職のメリット・デメリットや、出戻り転職を成功させるための6つのポイントについて詳しく解説していきます。
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出戻り転職とは「一度辞めた会社に再度転職」すること
出戻り転職とは、「転職や独立などをするために一度退職した会社に再度転職すること」を指します。他の会社に入社してはみたものの、会社の風土や業務内容に違和感がある、独立してみたけれど事業を軌道に乗せることができない、などの理由から再度転職活動をするなか、「やっぱり前の会社がよかった」と出戻り転職を試みる人は少なくありません。
そんな出戻り転職ですが「近年、増加傾向」「出戻り転職は恥ずかしいことか?」についてそれぞれ解説していきます。
出戻り転職は近年増加の傾向
近年、出戻り転職は会社側にとってもそれほど珍しい現象ではなく、むしろ増加の傾向にあります。
出戻り転職が増加している背景としては、以下3つの理由が挙げられます。
1.会社が即戦力を求めている
2.求職者の人となりが分かっているので安心できる
3.転職市場における人手不足
少子高齢化にともない人手不足が叫ばれる中、新たな人員を確保するのに苦戦している会社や、社員育成に十分な時間やコストをかけられない会社にとって、即戦力となり得る出戻り転職者の存在は、仕事のミスマッチを減らせる、社員の育成コストを抑えられるといったメリットをもたらします。
出戻り転職は恥ずかしい?
出戻り転職をした場合、在籍時から自分を知る上司や同僚に「なぜ戻ってくるのか?」「転職先の会社で失敗したのか?」と疑問をもたれることを恥ずかしいと思うかもしれません。
戻った直後は気まずいこともあるかもしれませんが、悪いことをして出戻るわけでありませんので、恥ずかしがったり惨めな思いをする必要はまったくありません。
出戻り転職が注目されている社会的背景
出戻り転職が注目されている社会的な背景には、さまざまな要因が絡み合っていますが、主に考えられる背景として、次の2つの要因が挙げられます。
- 出戻り転職が注目されている背景
それぞれについて詳しくみていきましょう。
要因1. 働き方改革に代表される仕事への意識変化
近年、働き方改革によってキャリアに対する価値観が大きく変化しています。かつて高度経済成長期の日本は終身雇用制度が主流であり、ひとつの企業で一生を終えることが一般的でした。
しかし、経済の変動や企業の経営状況の変化、そして労働者の価値観の多様化によって、終身雇用制度の重要性は大きく薄れてきました。
この変化の中、多くの人々は自らのキャリアを自分でデザインすることが重要に感じるようになります。特に能力の高い優秀な人であればあるほど、一企業に縛られることなく、自らの成長やキャリアアップのために積極的な転職を検討するようになったのです。
しかしながら、すべての転職がよい結果となるわけではありません。転職先の環境や風土、キャリア展開が思い描いていたものと異なる場合には、「以前の職場に戻りたい」といった思いが生まれることも少なくありません。
このような背景から、一度退職した会社への再入社、すなわち出戻り転職が増えています。
要因2. 少子高齢化による日本の労働人口が減少
日本は少子高齢化が進行しており、労働人口が年々減少しています。帝国データバンクが2023年7月に行った「人材不足に対する企業の動向調査」(参照:帝国データバンク)によると、正社員の不足の割合は51.4%と、過半数の会社で社員の確保に四苦八苦している状態がうかがえます。
なかでも、情報サービス業のエンジニアは74.0%と人手不足が顕著です。そのため、会社間の争奪戦が激化しており、中途採用の重要性が増しています。特に、経験とスキルを持った中堅・ベテラン層は、会社にとって非常に価値のある存在となっているのです。
このような社会的背景の中、一度退職したものの再び会社に貢献できると判断される出戻り社員は、非常に魅力的です。彼らは、新たな経験やスキルをもち帰ってきてくれるだけでなく、新入社員教育や指導にも貢献できるため、会社にとって大きな価値をもつ存在となっています。
このように、働き方改革に代表される仕事に対する意識の変化や労働人口の減少という2つの大きな要因から、出戻り転職が注目されています。
出戻り転職の3つのデメリット
一般的な転職とは少し形態の異なる出戻り転職ですが、まずはデメリットについて見ていきましょう。大きくは次の3つです。
それぞれ詳しく見ていきます。
デメリット1. 以前と役職・待遇が同じとは限らない
出戻り転職の場合、以前と同じ役職・待遇となる保証はありません。もともといたポジションには当然新しい人が就任しすでに職務に就いています。そのため、以前は部長職だった場合でも課長職からのスタートとなってしまったり、給与が下がってしまったりすることもあるでしょう。
再入社してから「条件が違う」「給与が下がってしまった」などと不満をつのらせないよう、出戻り転職する際には条件面はしっかりとすり合わせておきましょう。
デメリット2. 再度同じ理由で退職してしまう可能性がある
出戻り転職を検討する場合、「なぜその会社を辞めたのか」を改めて振り返っておくことが大切です。一度その会社を辞めたのには必ず理由があります。その理由が出戻り転職をした後に解消されないのであれば、再入社しても同じ理由でまた辞めたくなる可能性があります。
なかでも、人間関係については要注意です。前回、人間関係が理由で退職している場合には、その点が改善されているかをしっかり見極めなければなりません。
また、人間関係は良好だったので大丈夫だと思っていても、以下のように当時と人間関係が変わっている可能性もあります。
- ・会社の体制が大きく変わり、上層部が知らない人ばかりになっていた
- ・仲の良かったメンバーの多くがすでに退職していた
- ・昔の部下が上司になっている
- ・自分がいない間に入社したメンバーとなじめない
ということがあり得ます。昔の同僚などを通じ、現在の組織体系についてヒアリングしておくなど、事前に確認しておくと不安が大きく解消されます。
デメリット3. 社員全員が歓迎してくれるわけではない
会社が出戻り転職を認め、はれて再入社することができたとしても、社員全員が出戻りを歓迎してくれるとも限りません。中には「この人が戻ってくるのか…」「戻ってくるくらいなら最初から辞めなきゃいいのに…」と出戻り転職者に嫌悪感をもつ人がいる可能性も十分あるのです。
よくあるケースとして、昔部下だった社員が上司となる場合、その人からすれば「以前上司だった人が自分の部下になると扱いにくい」と感じることもあるでしょう。以前会社にいたときのイメージだけで出戻り転職をすると、いろいろな面でギャップを感じることがありますので注意しましょう。
出戻り転職の4つのメリット
一見ハードルが高そうに見える出戻り転職ではありますが、もちろんメリットもあります。
上記4つのメリットについて、掘り下げて見ていきたいと思います。
メリット1. 即戦力として活躍できる
企業が中途採用を設けている理由のひとつに、即戦力を求めているという点があります。
即戦力を求めている企業からすると、出戻り転職者は適切なスキルやノウハウを有している理想の逸材です。そのため、求職者が以前と同じ部署に配属された場合には、成果を出しやすい環境で仕事ができる点は大きなメリットとなります。
メリット2.選考過程の短縮が可能
中途採用の選考は、通常書類選考が行われ、複数回の面接を経て内定に至るケースがほとんどです。しかし、出戻り転職者においては、人柄やスキルなどがあらかじめ分かっていることもあり、面接回数が少なくなったり適性テスト・筆記試験などが免除されたりと、選考過程の短縮が可能な場合もあります。
これにより、転職活動の求人検索の負担や書類作成の時間が軽減でき、スピーディーに転職を決めることができます。
メリット3. 会社になじみやすい
社風をよく理解できていて会社になじみやすいのも出戻り転職のメリットのひとつです。
通常の転職でホームページに書かれている情報から「どんな社風をもつ会社なのか」「独特の文化や慣習があるか」などを理解するのは簡単なことではありません。
会社によっては転職エージェントを通じて話をうかがうことはできますが、完璧に把握できるわけではないので、新しい会社になじむまでに一定の時間を要することもあるでしょう。
しかし同じ会社への出戻り転職であれば、すぐに会社の雰囲気や業務に適応することができます。在職当時と多少メンバーが変わっているなどの違いはありますが、旧知のメンバーも多く、人間関係を築くのもスムーズに行える点もメリットです。
メリット4. 他社での経験をキャリアアップにつなげられる
出戻り転職者は他社を経験した分、以前とは違った視点で会社を見ることができます。
業務改善やDX化のポイントなどにも気づきやすく、課題解決や新たな戦略立案・サービス提案を行える会社成長のキーマンになれるチャンスが非常に高いです。
その結果、昇給や給与アップなど自身のキャリアアップにつなげられる可能性が高い点もメリットといえるでしょう。
出戻り転職で失敗する人に見られる3つの特徴
出戻り転職は、やり方によっては非常に効率のよい転職方法のひとつです。しかし、なかには出戻り転職が難しいタイプの人もいます。
出戻り転職が失敗してしまう人の特徴として以下の3つがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
失敗する人1. 在籍時に何らかのトラブルがあった
以前の在職時に以下のようなトラブルがあって辞めている場合は、出戻り転職は難しいケースが多いです。
- ・勤務態度が極端に悪かった
- ・遅刻・欠席を繰り返していた
- ・喧嘩や犯罪に関わった
- ・理由もなく突然退職した
どれだけ他社ですばらしい経験や実績を積んでいたとしても、「あえてトラブルを起こすような人を選ぶ必要はない」と判断されてしまいます。
失敗する人2. 在籍期間が極端に短かった
会社が出戻り転職を受け入れるのには、「即戦力を採用したい」という明確な理由があります。
しかし以前の在職時に数カ月と短期間で辞めてしまった場合、会社が求める必要スキルや経験を十分に身に付けられていなかった可能性もあり、「即戦力としては難しい」と判断されて、採用を見送られることも少なくありません。
また、採用担当者から「今度もすぐに辞めてしまうのでは?」と思われやすく、出戻り転職は難しいと言わざるを得ません。
失敗する人3. 周りからの人望が薄かった
「同僚や部下とよく衝突していた」「部下にパワハラ行為をしていた」というような場合、メンバーの人望が薄かった可能性は高く、書類選考や面接段階で落とされてしまう可能性は非常に高いです。
特に人間関係に問題があって退職していた場合には、出戻り転職は難しいと思っておいた方がよいでしょう。
出戻り転職に成功する人の特徴4選
一方で、出戻り転職に成功しやすい人の特徴として以下4つが挙げられます。
それぞれについて、細かく見ていきましょう。
成功する人1. 在籍時に評価されていた人物だった
在籍中に会社に目覚ましい活躍をした、目に見える実績があった場合は、出戻り転職を歓迎してもらえる可能性が高いです。
もともとの高い評価に加え、他社で身に付けたスキルや経験を生かして、出戻り先の会社でビジネスに大きく貢献すれば、その信頼は揺るぎないものになるはずです。
成功する人2. 在籍時の人間関係が良好で離職後も付き合いがあった
「退職を惜しまれるほど人望が厚かった」「辞める時にもまた一緒に働きたいと言ってくれるメンバーが多かった」という人も、出戻り転職で快く受け入れてもらえる可能性が高いです。
また、辞めた後も交流が続いているようであれば、出戻り転職を検討した際にいろいろ相談したり、企業によっては採用の口添えをしてもらえる場合もあります。
成功する人3. 退職時に円満退社であった
「退職」は、会社にとっても社内メンバーにとってもマイナスの影響が大きいものです。そのため、退職時に円満退職であったかどうかは出戻り転職の重要なポイントとなります。
出戻り転職を行う際には、退職時の理由を覚えている社員も多いです。そのため、出戻り転職を考える場合には、まず「どのような理由で退職したのか」「退職時にトラブルがなかったか」「円満に退社できているか」などをしっかり振り返っておきましょう。
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成功する人4. 転職理由に明確な根拠があった
出戻り転職では、出戻り理由に明確な根拠が求められます。たとえば、出産や子育て・親の介護といったライフイベントのため、やむなく退職し、両立しやすい会社へ移ったといったケースであれば「子育てがひと段落したので、またもとの会社で仕事がしたい」といった理由は比較的受け入れられやすいものです。
また、「前の会社で得たスキルを活かして、今度はこの会社の○○分野で活躍したい」といったキャリアアップにつながるものであれば、出戻り転職の明確な理由となるでしょう。
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出戻り転職を成功させる6つのコツ
いざ、出戻り転職を検討してみても何からしていけばいいかよくわからない、そんな場合も多いでしょう。出戻り転職を成功させるためにはちょっとしたコツがあります。
そのコツとは、以下6つです。
ここからはそれぞれを紐解いていきます。
成功のコツ1. 前回辞めた理由を振り返る
まず出戻りしたい会社を退職することになった「理由」や「きっかけ」を振り返りましょう。人間関係や給与面・福利厚生などへの不満など、辞めた理由や状況によっては、出戻り転職の実現は難しい可能性があります。
たとえば、社内の状況が悪く耐えられなかったことが理由である場合、所属する部署や担当の上司が変わったとしても、根本的には同じ状況であるケースも少なくありません。そのため「なぜ当時その会社を辞めたのか」について、きちんと言語化することが重要です。
成功のコツ2. 今回出戻り転職したい理由を考える
「一度辞めた会社でなぜまた働きたいのか」という理由を明確にしておくことも大切です。「転職に失敗したから戻りたい」のような安易な理由では、出戻り転職は難しいでしょう。
他社での経験を経て「出戻りしたい会社の強みや良さに気づいた」「転職先で得たスキル・知見が改めて生かせると感じた」「労働環境が良かった」というように、納得できる理由を用意しておかなければなりません。
成功のコツ3. 転職先で得た経験やスキルを棚卸しする
転職した会社で得た経験やスキルを棚卸しして、出戻り転職の際どのように生かせるかアピールできるように準備しておくことも大事です。
会社側が自身を再雇用することで得られる「貢献ポイント」や「解決可能な課題」を具体的に伝えることで採用されやすくなります。そのため、出戻りたい企業の現状や課題を可能な限り調べておくのも重要なポイントです。
たとえば、転職エージェントに登録して企業情報を入手するのも有効な手段のひとつです。
成功のコツ4. 雇用条件を改めて確認する
出戻り転職で再雇用してもらえたとしても、退職時の役職や待遇といった条件面で同じになることはかなり厳しいでしょう。もちろん、他社で身につけたスキルやキャリアが高く評価された場合、以前より好条件でオファーしてもらえる可能性もあります。
しかし、一般的には転職活動時点での社内制度や体制、採用基準に応じて給与が確定するため、雇用条件は転職前と同じもしくは悪くなるケースは多いです。そのため、内定後に後悔することがないよう、事前に詳しい雇用条件を確認しておきましょう。
成功のコツ5. 以前の仕事のやり方・進め方にこだわらない
出戻り転職では、以前の仕事の進め方や組織体制・役職に求める役割などに変化があり、浦島太郎化してしまうことはよくあります。特に近年は、DX化が推進されており、業務フローのデジタル化が急激に進んでいる会社は多いです。
そのため、以前のワークフローやルールにこだわることなく、全く新しい職場で働く感覚で社内に溶け込むようにしましょう。
成功のコツ6. 前の上司や同僚から事前に情報を得る
出戻り転職を何のコネクションもなく行おうとしたら、真正面から他の求職者と同じ土壌で転職活動に臨むことになります。出戻り転職のメリットは、過去にその会社で働いていたことによる社内風土や人間関係への理解があることです。
そのためにも、退職後も以前の上司や同僚と話ができる関係にあれば成功の可能性が高いです。出戻り転職を考えた段階で一度相談してみると「〇〇さんが退職するのでポジションが空きそうだ」といった情報などを知ることができ、転職が成功しやすいタイミングを図れるチャンスを得ることができます。
出戻り転職の際の志望動機の伝え方
実際に出戻り転職を考えたら、志望動機をまとめていきましょう。志望動機を出戻りする会社に伝える際には以下のように伝えることがポイントです。
それぞれについて、解説していきます。
伝え方1. 前回の退職理由・今回の志望動機を明確に伝える
出戻り転職では、志望動機を会社に伝える一方で、なぜ前回退職するに至ったのかをきちんと伝えなければなりません。当時と今とでは置かれている環境などに違いがあることを考慮し、相手が納得できるような退職理由を準備しておきましょう。
伝え方2. 前向きな転職であることを伝える
転職を考える際、多くの理由は「人間関係がうまくいかない」「給与への不満」「思ったような仕事をさせてもらえない」といったネガティブな理由がはじめに頭に浮かびやすいと思います。
しかし、そういったネガティブな理由をそのまま伝えては転職活動がうまくいくはずがありません。仮にそのような理由が過去にあったとしても、今回出戻り転職をするにあたっては、ポジティブで前向きな理由に変換して相手に伝える必要があります。
伝え方3. 他社の経験をどうこの会社に生かすことができるか伝える
出戻り転職をするということは、もしかすると他社で何らかの失敗したことがきっかけとなる場合もあるでしょう。他社での失敗経験を含めて何がこの会社で生かせるのか、そのことを具体的にまとめておきましょう。
自身の経験が会社のビジョンにマッチすれば、出戻り転職の成功に一歩近づきます。
出戻り転職を後悔しないための注意点2つ
出戻り転職は、一般的な転職活動といろいろな点が異なります。そのため出戻り転職で再雇用されたものの「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないように気をつけて行動しなければなりません。
出戻り転職を後悔しないためには以下2点に注意して転職活動を行う必要があります。
それぞれの注意点について解説していきます。
注意点1. 出戻り転職であることを認識した上で行動に移す
「出戻り転職だから簡単に転職ができるだろう」と安易に考えてはいけません。在職時や退職時に時間を巻き戻せるわけではなく、いろいろなことが変化している点を知ったうえで転職活動を行わなければ、いくら社風が合っていて知ったメンバーがいるといっても入社できる可能性は低いままでしょう。
「なぜ自分は一度退職したのか」「改めて会社に戻る理由は何なのか」を深く考え、再入社した際のイメージをしっかり理解した上で行動に移しましょう。
注意点2. 再度「辞める」とは言いにくい状況になる
出戻り転職で覚えておきたいこととして「再度辞めるとは言いにくい」という点があります。仮に退職理由としては本人に落ち度がない場合であっても、出戻り転職者が再度辞める場合、周囲からの印象が悪くなる可能性は否定できません。
また、一度辞めて再雇用してもらえたから次回も再雇用してもらえるかもしれない、という安易な期待は禁物です。再々の出戻りで雇ってくれる可能性は著しく低いと肝に銘じておきましょう。
出戻り転職をする3つの方法
出戻り転職へのルートはいくつかあります。会社によっては出戻り制度のあるところもあるようですが、一般的には以下3つの方法です。
これら3つの方法でまずは転職活動をスタートすることになるでしょう。
出戻り転職方法1. 元上司や同僚に相談する
以前の同僚・上司に相談できる関係である場合、直近の会社の状況や最新情報が聞けるため、出戻りのチャンスや関係性が作れるという上で大きなメリットになります。ただし、そうした関係作りや情報交換が必ずしも「即採用」に直結するわけではありませんので、あまり過度に期待しすぎるのも考えものです。
出戻り転職方法2. 通常の求人募集に応募する
会社の求人募集ページから応募する場合、特にライバルが多い状況だと「出戻り転職者」と判断されにくい部分もあり、メリットである即戦力的な要素が見落とされることも少なくありません。
ただし、履歴書・職務経歴書を見れば元社員であることはわかるので、一言添えておくなどの工夫は必要です。
出戻り転職方法3. 転職エージェントに登録する
出戻り転職を成功させる確率を上げたいのであれば、転職エージェントを活用するのもひとつの方法です。転職エージェントは転職のプロフェッショナルとして、出戻り転職を成功させるための秘訣だけでなく、会社の最新情報や採用傾向なども十分に把握しています。
また、面接対策や書類作成アドバイス・キャリア相談に乗ってくれる点などもメリットとなります。効率的に転職活動を進めていきたいなら、ぜひ積極的に転職エージェントを活用していきましょう。
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出戻り転職についてよくある質問集
Q.出戻り転職は辞めてからすぐ(3カ月・半年程度)でもできる?
A. さすがに3カ月での出戻り転職は早すぎます。半年程度経ったうえで、子育てや介護など家庭の事情といった理由であれば多少は考慮されるでしょう。
実際のところ出戻り転職が受け入れられやすい再入社までの期間は1年程度。それくらいの期間であればメンバーも多く残っているでしょうし、外で得た知見を会社で発揮してくれるのでは?と期待してもらえる可能性が高いです。
Q. 出戻り転職をした場合の入社あいさつ・あいさつ文はどうしたらいい?
A. 出戻り転職で再入社した場合、初日のあいさつはつきものです。その際、各所にどのようなあいさつをすればいいかは悩むところです。そんな時には、たとえば以下のようなあいさつ文を使うとよいでしょう。
以前、○○部に所属していました○○です。過去1年半ほど別の会社に在籍していましたが、再度ご縁をいただいてお世話になることになりました。
私のことをご存じの方も多いとは思いますが、新しく入られた方の中には知らない方もいらっしゃることと思います。過去の経験を活かしつつも、新たに身に付けたスキルをこの会社で十分発揮できるよう、新人のつもりで頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。
上記は口頭でのあいさつの参考例ですが、あいさつはできるだけ簡潔に短く伝えるようにします。ポイントですが、自分が離職していた間に新しく入社した人に対し、過去にこの会社で働いていたことを盛り込むことについては忘れずに行いましょう。
また、関係部署にあいさつ回りはせずメールであいさつを行う場合には、先ほどの文章と同じように、短く端的な内容で送るようにしましょう。
Q. 出戻り転職する場合の退職理由はどう伝える?
A. 出戻り転職が決定した際、現在所属している会社への退職理由を伝える必要があります。ただ、今いる会社を辞めるにあたっては、転職のひとつにすぎません。
そのため、あえて「元いた会社に戻ります」と伝える必要はなく「キャリアアップを図りたい」「興味のある〇〇をさらに専門的に極めたい」といった一般的な理由でよいでしょう。