ミドルクラス転職とは?求められる要素やポイントを分かりやすく解説

公開日:2024/12/24 / 最終更新日: 2024/12/24

『「ミドルクラス転職」という言葉を聞いたことはあるけど、どのような転職のこと?自分は当てはまるのだろうか?」という疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
イメージを掴みミドルクラス転職を成功できるように、ミドルクラス転職の特徴や実現できることなどを、わかりやすく解説します。

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本章では、ミドルクラス転職の定義やハイクラス転職との違いについて解説します。

ミドルクラス転職という言葉に明確な定義はありませんが、一般的に30代後半から50代前半のいわゆる「ミドル層」に該当する世代の転職を指します。
ミドル層の多くは、ある程度の社会経験を積み、管理職としての能力や自身の専門性を築いている段階にあります。そのため転職活動ではこれまでの経験やスキルを活かし、キャリアアップを目指すケースが多い点が特徴として挙げられます。

ミドルクラス転職は、ハイクラス転職と対比される場合において、「決定年収」によって定義されることもあります。「決定年収」とは、転職によって新たに得られる年収のことを指し、基本給に加えて、賞与や各種手当、残業代などを含めた年収総額を意味します。
ハイクラス転職は一般的に年収800万円以上の職に転職することを指しますが、ミドルクラス転職においては年収600万円~800万円程度の職に転職するケースを指すことが多いようです。

ミドルクラス転職とハイクラス転職とでは、対象となる層や期待される役割、求められるスキルに違いがあります。
ハイクラス転職は、一般的に年収800万円以上の求人を対象とした転職を指し、経営幹部や管理職、高度な専門職など、企業の中でも重要なポジションに就くケースが大半です。そのため高度なスキルや経験が求められます。
一方で、ミドルクラス転職は年収600万円~800万円程度の求人を対象とした転職を指し、即戦力としての活躍が期待される一方で実務的な役割を担うポジションに就く傾向があります。

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厚生労働省が公表した「令和5年雇用動向調査結果の概況(令和6年8月)」によると、令和5年の男性の転職入職率は、ミドル世代が一番低い数値を示しています。一方女性の転職入職率は、20代後半をピークに年齢を重ねるごとに低下が見られました。また、男性・女性ともに一般社員よりもパート職のほうが転職入職率が高いことがわかりました。

ミドル世代が転職に踏み切った理由としては、「職場の人間関係が好ましくなかった」が上位に位置しており、ほかの世代と比較して仕事内容や給与に不満を抱き転職するケースは少ないようです。また、女性は40代になると「労働時間・休日等の労働条件が悪かった」ことを理由に転職した回答者が30代と比較して急増しており、家庭や育児と仕事との両立を図るために転職に踏み切る様子がうかがえます。

なお、ミドルクラス転職を実現した後の収入変化においては、年収が増加したケースは全体の4割に上りました。一方、転職によって収入が減少した割合は、全体の3割程度でした。
必ずしも転職によって年収がアップするとは限りませんが、年収が1割以上増加した割合は23%~28.4%と、転職が年収アップの1つの機会になっていることがわかります。

出典:「令和5年雇用動向調査結果の概況(令和6年8月)/p.14~16 転職入職者の状況」(厚生労働省)


本章では、ミドルクラス転職で求められる下記4つの要素について解説します。

● 専門性とマネジメント経験
● 新たな環境への適応能力
● 思考の柔軟性と謙虚な姿勢
● 高いコミュニケーション能力

ミドルクラス転職では、特定分野の専門性に加え、部下やプロジェクトを管理するマネジメント経験が求められます。
その理由として、多くの企業はミドルクラス人材に対して組織の中核として、チームの目標達成に貢献し、後進の育成を担うことを期待しているからです。そのため、プロジェクトリーダーとしてチームを成功に導いた経験や部下の育成に携わった経験、部門間の調整や交渉を行った経験などは、高く評価されるでしょう。

過去に複数回プロジェクトを成功させた経験がある、自身のスキルを活かし目標達成に大きく貢献した経験を持つなどの場合は、特定分野における専門性やチームをマネジメントした経験が培われていると言えるでしょう。

ミドルクラス転職においては、新たな環境に適応する能力も不可欠です。
転職による環境の変化にも柔軟に対応し、新しいルールや業務の取り組み方にも順応しながら、自身の価値を発揮できる人材は、転職先でもすぐ成果を創出できるでしょう。
過去に部署異動や転勤などを経験したことのある人や変化に対する抵抗が少なく積極的に新しいことを学ぼうとする意欲を持つ人などは、高い適応能力を持っていると考えられます。

これまでの経験や成功体験にとらわれず、常に謙虚に学び続ける実直な人材は、ミドルクラス転職において評価されるでしょう。
その理由として、ミドルクラスは、過去の経験から一定の成功体験を得ていることが多い分、自分の考えに固執するケースも珍しくないからです。

年齢や地位に関係なく他者から学び続ける姿勢を持つ人や改善提案に耳を傾け行動に移せる人は、新しい環境でも周囲と良好な関係を築き、状況に合わせて柔軟に考え方や行動を修正しながら、自身に与えられた職務や責任を全うできるでしょう。

高いコミュニケーション能力もミドルクラス転職において不可欠な要素として挙げられます。
ミドルクラスは、チームを牽引するポジションを任されることも多く、組織内外の様々な関係者と連携しながら業務を進めなければなりません。
ミドルクラス転職においては、どんなに優れた能力を持っていたとしても、高いコミュニケーション能力を示すことができなければ評価されない場合があることも理解しておきましょう。


本章では、ミドルクラス転職に臨む際に留意したい、次の3つの注意点について解説します。

● 安易に未経験職種・業界にチャレンジしない
● 希望条件を高望みしすぎない
● 実績やスキルなどの適切な言語化を惜しまない

ミドルクラス転職に臨む場合、安易に未経験職種や業界に挑戦する行為は避けましょう。
ミドルクラスは即戦力として期待され採用に至ることが多く、未経験の分野では経験不足がネックになる懸念があります。仮に採用されたとしても、周囲との経験の差から業務に馴染むまでに時間がかかる、期待されたパフォーマンスを発揮できずに早期離職に至るなどのリスクも考えられます。

未経験職種や業界に転職する場合は、これまでの経験やスキルを活かせる求人を探すことがポイントです。また、関連する資格を取得する、スクールに通う、未経験職種や業界でも活かせるポータブルスキルを洗い出すなど、十分な準備を行うことも大切です。

ミドルクラス転職では、希望条件を高望みしすぎないことも重要です。
市場の状況や企業のニーズとかけ離れた条件を提示してしまうと、転職活動が長期化したり、最終的に転職活動に妥協が生じたりする懸念があります。

適切な希望条件を設定するためには、転職市場の動向をチェックし、平均的な年収水準や求められるスキルなどの把握に努めましょう。市場の相場や水準を知ることで、自身の希望条件が現実的な範囲なのか判断できるようになります。また、転職エージェントなどに相談し、自身のスキルや経験が市場でどの程度評価されるのかをアドバイスしてもらうのも良いでしょう。

これまで培ってきた実績やスキルを適切に言語化することも、ミドルクラス転職において必要な工程です。
採用担当者に対して、どのように組織に貢献できるのかを明確に伝えられないと、経験やスキルが十分に評価されない可能性があります。
特に、ミドルクラスは経験が豊富であることから、伝えたいことが多くなりがちです。転職活動においては、要点を絞って具体的な数字や事例を交えながら伝えることを意識しましょう。


ここでは、年代別にミドルクラス転職を成功させるポイントを解説します。

30代は、給与額や会社の将来性に不満や不安を感じ転職に踏み切る傾向があります。一方、転職活動では、労働環境や自身の経験を活かせることを軸に転職先企業を選ぶケースが多く、ワークライフバランスの見直しやキャリア形成を重視している様子がうかがえます。

30代のミドルクラス転職を成功させるためには、まず自身のキャリアビジョンを明確にしましょう。
築きたいキャリアを具体化し、キャリア形成において必要な経験やスキルを洗い出し、不足している経験やスキルを補える転職先を選ぶことがポイントです。
転職活動においては、これまでの実績を定量的に示し、応募先企業でどのような貢献ができるかを伝えましょう。また、30代は、ポテンシャルが評価されることもあるため、成長意欲や学習意欲を示すことも大切です。

>>30代の転職動向

40代は、仕事内容と労働条件のミスマッチや自身のキャリアに対する評価がきっかけとなり転職に至るケースが多いようです。一方、現在の勤め先を選んだ理由としては自分の技能・能力を評価してくれる点や仕事内容に対する満足度が挙げられ、キャリアや能力、スキルに焦点を当てて転職活動に取り組む傾向が見られます。

40代の転職動向を踏まえ、満足度の高い転職を実現するためには、これまで培ってきた経験やスキルを活かせる求人を探すことがポイントです。ある程度専門性を高めている40代の場合、少しのミスマッチによって本来持つ能力を発揮できなくなる恐れがあります。そのため企業が求めている人材や期待されている役割について、入念にリサーチしておきましょう。
また、新しい環境への適応力や柔軟性を示すことも大切です。新しい考え方や取り組みを吸収する姿勢を企業に示すことで、応募先企業の採用担当者に「新しい環境でも柔軟に適応しながらこれまでの経験を発揮してくれる」と捉えてもらうことができるでしょう。

>>40代の転職動向

50代になると、キャリア形成も集大成のフェーズに突入します。会社での地位が高くなる一方で、その分人間関係に悩み転職に至るケースも目立ちます。

50代のミドルクラス転職では、転職の目的を明確にしておくことが大切です。これまでのキャリアを活かし社会に貢献したいのか、セカンドキャリアを見据えた転職なのか、ワークライフバランスを充実させたいのかなど、理由によって転職先として選ぶ企業や働き方は異なってくるでしょう。
また、50代は、年齢がネックになり思うように転職活動が進まないこともあります。「転職しないこと」も視野に入れながら、給与やポジションに関して現実的な条件を設定することが大切です。

>>50代の転職動向


本章では、JACが提供する転職支援を利用して転職を成功させた人の中で、ミドルクラス転職に該当する30代~50代の事例をピックアップして紹介します。

 業種職種年収
転職前中堅メーカー法務700万円
転職後大手グローバルメーカー法務850万円

大手企業に新卒入社したのですが、グローバルビジネスを学びたいと考え、退職して法科大学院に入学しました。司法試験合格後、前職とはまったく異なる業種の中堅メーカーに法務職として入社。出産も経て、育児と両立しながら働いていました。コロナ禍の間はリモートワークができたのですが、コロナ禍が落ち着くと出社を求められるようになり……ワークライフバランスの充実が難しいと感じたため転職を決意し、JAC Recruitmentに相談しました。

転職先への希望は、「柔軟な働き方ができる(リモートワーク/フレックスタイムなど)」「海外展開に積極的な企業で、英語力を生かして国際法務を手がけられる」「年収アップ」。結果的に、これらの要望をすべて満たす企業への転職を果たしました。前職と同じ業種で、従業員規模は数倍の大手グローバルメーカー・A社です。

面談をしてくれたJACのコンサルタントは、A社との付き合いが長く、組織の状況や課題、必要としている人材像などの詳細を把握していました。私のキャリアと希望を踏まえて、提案してくれたのです。A社では海外展開を加速させるにあたり、法務職を求めているとのこと。仕事の進め方や働く環境もイメージできたのでA社に応募すると、「司法試験合格」「英語力」に加え、法務に関する幅広い経験を評価していただきました。

私は、1社目は異業種・異職種でしたし、法科大学院の通学期間もはさんだので、年齢に対して法務実務経験は短いといえます。しかし、以前の企業は中堅規模だったことから1人が任せられる範囲が広く、契約法務、訴訟、M&A関連、新規事業関連と、多様な業務を経験していたため、期待を寄せられたようです。ほかにも20社程度の紹介を受け、複数社に応募しましたが、当初の希望条件をすべて叶えられるA社を選びました。年収は150万円アップとなりました。

>>法務の転職成功事例|法務として中堅企業から大手グローバル企業に転職成功

 業種職種年収
転職前上場ネットベンチャー人事総務部長850万円
転職後スタートアップ企業CHRO候補900万円

大手企業をはじめとする複数社での人事を経て、数十名規模のネットベンチャーに転職し、総務人事部長としてIPOを達成しました。しかし、それ以降の事業拡大・組織拡大の見込みがなく、人事としてのキャリアをこれ以上伸ばせないと判断し、再び転職活動を開始。部長・役員クラスの求人が多いJAC Recruitmentに登録しました。
私が提示した希望条件は、「組織の柔軟性が高いスタートアップ/ベンチャー企業」「人事の責任者として裁量権を持てる」「ポジションアップを目指せる」「事業に成長性がある」です。経験が生かせる求人としては数十社の選択肢がありましたが、結果的に選んだのは、コンサルタントの方から提案を受けた企業でした。

コンサルタントの方との面談では、私がこれまでの転職でBtoC事業を選んできた思いを話しました。すると、「Fさんの価値観にマッチしていて、やりがいを感じられるのではないか」と提案いただいたのが、まだ設立数年のBtoCサービス企業・A社です。A社の事業は「どのような人に喜ばれるか」「どのような人を救えるか」が明確にイメージでき、理念に共感できました。面接を受けたところ、社長とも意気投合し、入社を決めました。
A社ではこれまで他職種の方が人事を兼務していましたが、IPO準備に向けた体制整備にあたり、人事のスペシャリストを必要としていたのです。私はCHRO候補として、人事制度作り、採用、労務など幅広く任されることになりました。これまでの経験を生かし、事業の成長、IPOの実現に貢献したいと思います。

>>人事の転職成功事例|IPO達成経験を生かし、IPO準備企業のCHRO候補へ

 業種職種年収
転職前中堅サービス企業アーキテクト850万円
転職後大手メーカーデータエンジニア1000万円

これまでSIerや事業会社など5社以上に勤務し、一貫してデータベース関連業務に携わってきました。直近勤務していた中堅サービス企業ではアーキテクトを務めていましたが、会社がIT投資を縮小し業務が減少。
まだまだこの領域を突き詰めてキャリアを磨きたいと考えていたため、転職を決意しました。
JACのコンサルタントに伝えた要望は「IT投資に積極的な企業で、技術を生かす&磨くことに加え、事業サイドにも関わっていきたい」。その条件に合う求人を20〜30件紹介いただきました。
SIer・ネット企業・事業会社と求人ラインナップは多様でしたが、その中に含まれていたのが大手メーカー・A社です。

大手メーカーは、私にとって思いがけない選択肢でした。そのメーカー・A社の製品を愛用していたこともあり、思い入れがある会社なので、ぜひ挑戦したいと思いました。
しかし、「50代で転職歴も多い自分が本当に応募していいのだろうか」と半信半疑でした。それでも、JACのコンサルタントはA社の採用部門と綿密なすり合わせを行った上で、私の経験・スキルがぴったりはまると判断したようです。
「今までの経験に自信をもって」と背中を押され、応募したところ、採用に。専門スキルはもちろん、マネジメントの経験があること、かつ技術を高めていきたいという志向性が、A社が求める人物像にマッチしたのだそうです。
年収150万円アップとなったことも想定外の喜びでした。

>>【データエンジニアの転職事例】50代で大手メーカーの新規部門に転職し年収150万円アップ


JAC Recruitmentは、オリコン顧客満足調査「ハイクラス・ミドルクラス転職部門」(※)において6年連続でNo.1に選ばれた実績を誇ります。評価項目別ランキング(利用のしやすさ・担当者の対応・紹介求人・交渉力)や年代別ランキング(30代・40代・50代以上)のいずれにおいても1位に選ばれており、多くの利用者から高い評価をいただいております。

JACでは、業界や職種に精通したコンサルタントが伴走型の転職サポートを提供しています。経験やスキルが評価される傾向のあるミドルクラス転職においては、業界や職種への理解が深い転職支援のプロからのサポートが不可欠です。
ミドルクラス転職を検討している方は、ぜひJACが提供する転職支援をご活用ください。

出典: オリコン顧客満足度ランキング「おすすめのハイクラス・ミドルクラス転職ランキング・比較」

(※)実際にサービスを利用した1,411名の消費者へのアンケートをもとに、調査企業12社を対象に徹底比較。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。