転職で実施される「筆記試験」の内容と対策、選考における重要性を解説

公開日:2024/08/09 / 最終更新日: 2024/10/16

転職活動の選考過程で筆記試験が実施されることも少なくありません。いわゆる「適性検査」と呼ばれるもので、一般教養の確認や性格診断を行うものが多いですが、職種によっては業務に必要な専門知識を問うテストが実施される場合もあります。
具体的にどのような対策をすればよいのか、企業がどのような意図を持って筆記試験を実施しているのか、ハイクラス転職のJAC Recruitment(以下、JAC)が詳しく紹介します。

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1. 選考の補助ツールとして利用
2. 一般教養レベルの確認
3. 業務に必要な専門知識の確認

まずは、筆記試験を実施する企業側の意図や目的を理解しておきましょう。
どのような意図で筆記試験を実施しているのか理解しておけば、企業側の立場になって考えられるため、求められている答えに近い回答ができるようになります。

企業が筆記試験を実施する意図の一つとして、選考の補助ツールとしての利用が挙げられます。これによって、面接だけでは測れない応募者の能力・適性を評価しようとしています。

例えば、論理的思考力や問題解決能力、基礎的な計算力などを、筆記試験を通じてより正確に把握しようとしています。また、応募者が多い場合、足切りラインを設定するための手段としても活用されています。全員のエントリーシートを読んだり、面接を実施したりする余裕がない場合は、効率的に候補者を絞り込み、面接に進むべき応募者を選定しています。

また、目的がはっきりしていると転職先を探す際にもブレがなくなり、自分にとって最適な企業を見つけやすくなります。

もう一つの目的は、応募者の一般教養レベルやビジネスマナーを確認することです。
企業は最低限の教養やマナーを持っている人を求めています。そのため、筆記試験では応募者が基本的な知識を持ち、職場での基本的なルールやマナーを理解しているかどうかを見極めることを目的としています。

中途採用では特にこの基準が重要視されており、ビジネスマナーや一般常識が欠如していると、周囲のメンバーに迷惑をかけたり、業務の遂行に影響が生じたりするなど、企業に貢献できません。また、客先などで失礼を働いてしまい、企業イメージや取引先との関係に悪影響を及ぼす可能性もあるため、多くの企業が一般教養を確認しています。

業務に必要な専門知識を確認することも、筆記試験を実施する大きな目的の一つです。特に専門的なスキルが求められる業種や職種においては、応募者がその分野の基本的な知識を持っているかどうかの確認が必須となります。
例えば、ITエンジニアや薬剤師などの職種では、専門知識は欠かせません。筆記試験を通じてその分野における基礎知識や応用力を評価することで、企業は応募者が入社後に即戦力として活躍できるかどうかを判断しています。

このように、筆記試験は専門知識の確認手段としても有効であり、企業にとって重要な選考ステップの一つといえます。


企業によって多少の比重の違いこそあれ、基本的には面接が重視されますが、筆記試験も重要な役割を果たしています。また、適性検査は多くの企業で選考の補助的な役割を担っています。

適性検査は、応募者の一般教養や性格診断、専門的なスキルの確認を行うことで、面接では見えにくい側面を補完するために実施されます。企業の文化やチームに合うかどうかの判断材料の一部となるため、合否に影響することもあります。
一方、専門知識を問う筆記試験は、適性検査よりもさらに重視されており、多くの場合足切りラインが設定されます。専門知識を問う試験では高得点が求められ、入社後に即戦力として活躍できるかどうかが判断されます。

転職活動中の方は、面接対策はもちろん、筆記試験対策も疎かにすることなく、時間をかけて取り組むことが重要となります。


1. 基礎能力・性格検査を行う「適性検査」
2. 専門的な知識を問う筆記試験
3. 自身の考えを述べる作文試験

転職の筆記試験にはさまざまな種類が存在しますが、代表的なものは適性検査と専門知識を問う筆記試験、そして自分の考えを述べる作文試験です。それぞれの目的や対策方法を紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

適性検査は、転職の筆記試験で最も一般的なものです。応募者の基礎能力や性格を評価するために行われます。

適性検査では、一般教養や言語能力、数理能力、そして性格診断が実施されます。これらのテストは、応募者が職場で求められる基本的なスキルを持っているかどうか、そして企業文化やチームに適応できるかどうかを判断するために利用されます。

企業によっては、専門的な知識を問う筆記試験を行うことがあります。特定の業界や職種において、応募者の専門スキルを評価し、場合によっては足切りをするために行われる試験です。

例えば、ITエンジニアや研究開発、薬剤師などの専門性が求められる職種においては、このような試験がよく行われます。試験内容は業務に直接関係する知識や技術を問う問題が多いです。
このタイプの試験では、応募者がその分野の基本的な知識を持っており、実務に対応できるか、つまり即戦力として活躍できるかどうかが確認されています。

自分の考えを述べる作文試験においては、応募者の言語能力や論理的思考力、そして表現力が評価されています。企業は応募者が自分の考えを整理した上で、論理的に説明できる能力を持っているかどうかを確認しています。

作文のテーマとしては、入社後の抱負や時事問題に対する見解などが挙げられます。「入社後に成し遂げたいこと」「最近のニュースで気になったものと、その理由」などの質問は頻出であるため、回答できるように対策しておきましょう。

作文試験は特にコミュニケーション能力が重視される職種や、リーダーシップを求められるポジションで実施されることが多いです。作文試験に取り組む際は、問題文をよく読み、求められている内容を把握しましょう。また作成する前に論理的な流れとなるようアウトラインを作成しましょう。情報を詰め込みすぎず、一文一義を意識すると読みやすい文章を作成できます。


1. 「適性検査」は一般常識と教養の対策を行う
2. 「専門知識を問う筆記試験」は業務で使う基礎知識の復習を行う
3. 作文の試験対策について

続いて、転職の筆記試験の対策方法を紹介します。先ほど紹介した適性検査、専門知識を問う筆記試験、そして作文のそれぞれの対策方法を詳しく紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

適性検査への対策は、一般常識や教養の学習を行うことです。適性検査は言語能力や数理能力、そして性格診断が含まれるため、幅広い分野での知識が求められます。

適性検査の問題集や参考書を利用して試験形式に慣れることも大切です。また、模擬試験を受けてみて、自分の弱点を把握し、重点的に対策を行うこともおすすめの対策方法です。

性格診断に関しては対策をするというよりも、正直に答えることを意識しましょう。企業の文化や価値観に合うかどうかを判断するための検査なので、自分を取り繕わず、正直に表現することが重要です。 無理に取り繕って内定を獲得しても、入社後にギャップを感じてしまい、早期離職につながってしまう可能性があります。また、性格診断で取り繕って回答をしてしまうと、整合性を取ることが難しくなります。性格診断では整合性の有無を判定基準としていることもあるため、本音ベースで回答するようにしましょう。

専門知識を問う筆記試験への対策は、業務で使う基礎知識の復習を行うことです。特定の業界や職種において求められる知識を確認するための試験なので、業務に関連する知識を身に付けておくことが重要です。

IT系のエンジニアであれば、使用している言語の基礎的な部分の復習や、各言語の能力検定試験を試してみる、といった方法があります。不動産業界であれば、宅地建物取引士試験の問題集を利用するなど、資格試験対策と同じような手法を取ることで、自然と筆記試験の対策になります。

また、今まで業務で使用していた知識だけでなく、転職先で活用すると予想される知識の勉強をすることも一つの手です。

作文の試験対策は、一朝一夕にできるものではなく、対策の難易度が高いです。文章で表現する能力に自信がない場合、日頃から自分の考えを整理し、論理的に表現する練習を行い、習慣化していくことでレベルを上げられるでしょう。

日記をつけたり、時事問題に対する自分の意見を文章化したりすることで言語化能力を鍛えられます。また、ニュースや新聞を定期的に読むことで時事問題に関する知識を深めることも有効な対策となります。ただし、すぐにスキルが伸びるわけではないため、作文試験の対策よりも、比重が多い面接対策に時間をかけるべきです。

前述した通り、転職において最も重視されるのは面接の内容です。まずは面接対策に力を入れて、時間に余裕があれば作文試験の対策をするとよいでしょう。


1. IT系エンジニア
2. 機械・電気系の技術職
3. 化学・食品系の技術職
4. 薬剤師

続いて、専門知識を問う筆記試験が多い業界や職種について紹介します。以下の4つの業界や職種を目指す方は、専門知識を問う筆記試験を実施される可能性が高いため、あらかじめ対策しておくことをおすすめします。

・プログラミングスキル
・システム設計の知識
・アルゴリズムの設計スキル
・トラブルシューティングスキル

ITエンジニアの転職においては、プログラミングやシステム設計の知識が求められるため、専門知識を問う筆記試験が実施されることが多いです。アルゴリズムの設計やコードの記述、システムのトラブルシューティングなど、さまざまな試験内容があり、目指す職種に応じた試験が実施されます。

適切に対応できるか、即戦力として活躍できるかを評価するために実施されるため、回答できるように対策しておきましょう。

外資系ITエンジニアの転職事情|難易度や成功のポイントとは

・設計図の読解力
・回路設計や材料力学の知識

機械や電気系の技術職においては、設計図の読解や回路設計、材料力学などの知識が求められることが多いです。専門知識を問う筆記試験においては、このような技術的な要素を確認する問題が出題されます。
特に、実務に直結する内容が多く、基礎知識の理解度が評価されるため、抜け漏れがないように学習しておくことをおすすめします。

機械設計職の転職事情|難易度や成功のポイントとは

・化学反応や食品加工に関する知識
・化学式の計算能力
・実験データの解析スキル
・食品安全に関する法規制の知識

化学・食品系の技術職においては、化学反応や食品加工に関する知識が重要です。従って、専門知識を問う筆記試験においては、化学式の計算や実験データの解析、食品安全に関する法規制などが出題されます。
知識の有無は業務の進行や製品の安全性に大きく関わるものであるため、知識がない人材をふるいにかけるために行われることが多いです。

化学メーカー転職情報

食品/飲料業界に強い転職エージェント・求人情報

・薬理学や調剤の知識
・薬の効果や副作用に関する知識

薬剤師の転職においては、薬理学や調剤の知識が重視されます。専門知識を問う筆記試験においては、薬の効果や副作用、調剤方法に関する問題、つまり薬剤師国家試験のような問題が出題されます。

薬剤師としての基礎知識を持っているかどうかを評価するための試験であり、就職後、薬剤師として活躍するために必要なスキルがあるかを確認されています。国家試験に合格したのがしばらく前の方はもちろん、ここ数年で合格した人も、復習しておきましょう。

薬剤師の転職事情|難易度や成功のポイントとは


この記事では転職試験における筆記試験の内容や対策、選考における重要性を解説しました。

転職を成功させるために最も重要なのは面接試験ですが、筆記試験の結果で足切りをされる可能性もあるため、対策は必須です。しかし、この記事を読んで筆記試験の概要は理解できたものの、いざ自分に置き換えてみると、何から対策をすればよいかわからない人もいるでしょう。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。