転職したいと思ったけれど、いつから始めたらよいのか?と開始する時期で迷うことがあります。
また、「転職活動をはじめてから在籍中の企業を退職するまでどのくらいかかる?」「転職しやすい時期はある?」など、転職活動に関する時期の目安も気になりますね。
実際に、転職活動は、活動期間の目安や活動しやすい時期がわかると活動計画もたてやすくなります。
こちらの記事では、転職活動にかかる期間、転職活動をはじめるおすすめの時期、転職活動をはじめるタイミングについてハイクラス転職のJAC Recruitment (以下、JAC)が解説しています。
目次/Index
転職活動はいつからがベスト?かかる期間の平均は「約2ヵ月」
転職活動はいつからはじめるのがベストなのか?
結論からいうと、転職活動は、早ければ退職希望日の6ヵ月前、遅くとも3ヵ月前に始めるのがよいでしょう。
また、転職活動にかかる期間の平均は約2ヵ月です。
厚生労働省の調査結果によれば、転職活動を始めて退職するまでの期間で、全世代で最も多いのが1~3ヵ月未満で、次に多いのが1ヵ月未満という結果が得られています。
(出典:厚生労働省 令和2年転職者実態調査の概況)
これらの結果から、3ヵ月未満で転職が決まった方は半数近くになるため、転職活動期間の目安は約1~3ヵ月、かかる期間の平均は約2ヵ月といえます。
全世代だと年齢幅が大きいので、こちらでは30~50代のミドル層のデータもみてみましょう。
年代別でみると、40代は1ヵ月未満で終える方も多いです。
また、3ヵ月未満で転職活動を終えて退職される方は50~54歳で50%以上、35~40歳で47.9%と、30代・50代でも半数近くが3ヵ月未満で転職を終えて退職されています。
しかし、3~6ヵ月未満の割合も少ないわけではなく、各世代で15%以上いるので、場合によっては6ヵ月かかることもあります。
(出典:厚生労働省 令和2年転職者実態調査の概況)
これらのことから、ミドル層においても、転職活動を始めて退職までは1~3ヵ月が目安ですが、長くなれば6ヵ月以内とみておくのがよいでしょう。
いつから始める?転職活動開始から入社までの全体スケジュール
こちらでは、転職活動開始から在籍中の企業の退職、そして転職先への入社までの全体スケジュールをみていきます。転職活動の開始時期は、転職活動全体のスケジュールから逆算して決めるとよいです。
次に、逆算でのスケジュールの立て方をみていきます。
転職活動は希望の入社時期から逆算してはじめるのがコツ
退職希望 1ヵ月後 |
退職希望 3ヵ月後 |
退職希望 6ヵ月後 |
|
転職準備(自己分析・企業研究) | 1週間~2週間 | 1週間~2週間 | 1ヵ月~2ヵ月 |
書類作成 (履歴書・職務経歴書) 応募【書類選考】 |
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面接 | 1週間~2週間 | 1週間~1ヵ月 | 1ヵ月~2ヵ月 |
内定獲得・承諾 | 1週間程度 | ||
退職準備 (意思を伝える) (引継ぎ・挨拶回り) |
1週間~2週間 | 1ヵ月~2ヵ月 | 1ヵ月~2ヵ月 |
上記の図は、退職希望時期から逆算した、転職活動期間の目安です。逆算して考える場合は、希望退職時期を決め、そこから転職活動にかける予定の期間を決めます。
スケジュールは、退職→内定獲得→面接→応募書類作成・応募→転職準備(自己分析・企業研究)の順でゴールから考えていくと進めやすいです。
ゴールから順にみていきます。
退職準備・退職 :1ヵ月~2ヵ月
【退職までのスケジュール】
1ヵ月半~2ヵ月前・・・直属の上司に退職の旨を伝える
1ヵ月半前・・・退職日を決める
1ヵ月前・・・退職願を提出・業務の引継ぎ・取引先などへのあいさつ回り
転職後、円満退職で退職するために、退職意思を伝えるのは1ヵ月半~2ヵ月前の時期、遅くとも1ヵ月前に伝えるのが一般的です。
退職時期を決める際は会社の契約や就業規則を確認しましょう。理由は、退職の意思表示の時期を会社の就業規則で「〇ヵ月前」と定めているケースもあるからです。
退職時には、引継ぎとあいさつ回りをしっかりしておくことが円満退職の秘訣です。一般的に1ヵ月もあれば可能ですが、時間がかかりそうな場合は長めでみておきましょう。
また、有給休暇を消化してから退職したい場合は、有給休暇にかかる日数も想定しておきましょう。有給休暇が始まる前に引継ぎ・あいさつ回りをすませる段取りを考えておきます。
退職を決めてから退職日までに行うフローなどについては、以下記事にまとめています。
内定獲得・承諾:1週間~10日
【内定獲得・承諾の期間】
・内定通知をうけたあとの返事:平均1週間程度
・早く返事をする必要があるので面接の段階で自分の気持ちも確認しておく
転職の面接で採用の内定通知を受けた場合、入社するかどうかの返事は、平均的に1週間程度です。
急な海外出張が入ったなどの事情で、2~3週間程度保留できる場合もありますが、保留期間が長引くほど自社で働くことへの意欲が低いのでは?とマイナスな印象になります。 ただ、複数社に応募している場合、内定獲得の時期がずれることもあるため、最終面接後10日ほどの余裕を見ておくとよいです。
面接:2週間~2ヵ月
【面接の期間】
・面接は1社あたり2~3回が一般的
・面接の準備をする
〇自己紹介・志望理由・自己PRといった定番質問に対する回答の準備
〇面接を想定した話し方の練習
〇面接当日の服装・動きの確認
・話すのが苦手な場合は、面接対策の時間を長めに確保するとよい
転職の採用面接は1回で終わることはあまりなく、1社あたり2~3回が平均的です。そのため、面接は少し時間がかかると思っておくとよいでしょう。
面接にかかる期間の目安としては早くて2週間、長くて2ヵ月ほどかかる場合もあります。
面接が2回である場合は、1回目の面接官は採用担当者など人事の方、2回目は役員であることが多いです。
書類選考を通過し面接まで進んだら、面接に向け十分に準備をしましょう。もし面接で話すのが心配な場合は、面接対策の時間を長めに確保し計算にいれておきましょう。
応募・応募書類の作成:1週間~1ヵ月
【応募・応募書類作成の期間】
・応募書類ができればすぐに応募できる
・複数社応募することが一般的なので複数社分の応募書類の作成が必要
・職務経歴書・履歴書の作成
〇早めに自分のキャリアの棚卸し・自己分析に取り掛かる
〇並行して求人検索を行い、応募企業を絞り込む
〇企業研究を行い、自分のスキル・経験と志望先企業の合致点を探し応募書類に記載する
求人応募は、応募書類が揃えばすぐにできます。
応募書類完成から応募までの目安としては早くて1週間、長くて1ヵ月程度です。
応募書類は、一次選考となる書類選考の要になりますので、しっかり書き上げることが大切です。これらの作成には応募したい企業の企業研究を行い、企業が求める人物像と自分がもつ職歴・スキルの合致点を把握した上で行う必要があります。
また、複数社に同時に応募したい場合は、共通して記載できる項目もありますが、応募する企業ごとに志望動機や自己アピールを考えて記載する必要があります。
そのため、転職しようと思ったら、早めにキャリアの棚卸し・自己分析、企業研究に取り掛かり、応募スケジュールを考えながら進めるとよいでしょう。
転職準備(キャリアの棚卸し・キャリアプラン・企業研究):1週間~1ヵ月
【転職準備期間】
・「この転職で何を実現したいのか」という軸を明確にしておく
・軸を明確にすることで、後悔しない転職を実現しやすい
・キャリアの棚卸し・自己分析:自分の望み・キャリアプランを明らかにする
・企業の情報収集・研究:採用基準・採用動向・求められるスキル・経験・給与額など調べる
転職準備期間はあとで後悔しない転職をするために必要な自分と向き合う作業と情報収集の期間です。転職をしようと思ったら、まず最初に「この転職で何を実現したいのか」という軸を明確に把握します。
軸が明確でないと、条件だけで自分に合わない企業を選んでしまい、結果的にまた転職を繰り返すことにもなりかねないからです。
そのため、自分のキャリアの棚卸しや自己分析を行い、自分のキャリアプランを明らかにするとともに、応募企業について情報収集・企業研究を行います。この転職準備作業にかかる時間は、早くて1週間、比較的ゆっくり行えば1ヵ月ほどかかります。
これらの下調べがしっかりしていれば、職務経歴書などの応募書類が書きやすくなるので、この作業を省くことなくしっかり行いましょう。
転職エージェントを活用すると転職活動がスムーズ
転職活動のスケジュールを逆算して立ててみたとき、自分にできるだろうかと不安になることがあります。そのようなときは、転職エージェントを活用しましょう。転職エージェントは、人材を求める企業と、希望の転職先をみつけたい方を仲介してくれるサービスで登録料などはかからず、無料で利用できます。
転職エージェントには登録が必要で、登録をすると、キャリアコンサルタントと呼ばれる担当者とサービスの申込者で面談を行い、キャリアコンサルティングを行ってもらえるのが大きな特徴です。
また、その方に合致している募集案件の紹介や情報提供に加え、職務経歴書等応募書類の添削、面接対策など転職活動全般のサポートを行ってもらえます。
そのため、転職活動を不安に思う場合は、転職活動をはじめるときから転職エージェントを活用しましょう。スムーズに転職活動を進められるので安心感も違います。
JAC Recruitmentでは各業界・職種のプロがあなたに合った転職支援を行います。
より満足度の高い転職にするために、JACのコンサルタントにご相談ください。
転職活動はいつから?おすすめの時期は「1~3月」と「9~10月」
こちらでは、転職活動がしやすいおすすめの時期についてみていきます。
転職活動は、新入社員の就職活動とは異なり、採用期間が特に決まっていませんが、採用や求人数が増える時期というのがあります。
そういった意味で、求人数が多い傾向があるため転職活動におすすめといえる時期は、「1月~3月」と「9月~10月」です。
この時期は、4月の新年度の体制整備のための採用、10月の下半期のスタートの組織体制整備のための採用が多いためです。
特に、2月・3月は、新卒が入社する4月までに入社させることで教育コストを低く抑えようとする企業も多いため、最も求人数が多くなる傾向があります。
また、8月後半~9月は、10月の下半期を前に、下半期の戦略を担う方の採用、人事異動や人の入れ替わりで不足しているポジションの募集などが増えます。
そのため、もし特に支障がないのであれば、求人数も多く採用活動が活発しているこの時期に転職活動を行えるように準備をするのがよいでしょう。
次に、おすすめの時期に転職活動を行うメリット・デメリットをみていきます。
「求人数が多い時期」に転職するメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・求人数が多いため選びやすい ・幅広い選択肢で探しやすい ・選考が進みやすい ・複数社に応募しやすいため内定獲得率があがる | ・人気の求人は競争率が高くなる ・募集期間が短い求人も多い ・求人内容を吟味する時間が確保しづらい |
「求人数が多い時期」に転職するメリットは、求人数が多いと、幅広い選択肢から希望にあったものを選びやすいことです。
また、1~3月、9月~10月の時期は、企業側も採用活動に力を入れて時間も割いているため、採用活動も進みやすい傾向にあるという点もあります。
さらに、多くの企業で採用活動が行われているため、複数社に応募しやすいので、内定獲得の確率があがりやすいのもこの時期ならではです。
反対に、デメリットとしては、人気の求人である場合は、応募が集中して競争率が高くなることです。また、求人の募集期間が短いものも多いため、じっくり吟味する時間がとりづらいことなどがあげられます。
そのため、求人数の多い時期に転職活動を行う場合は、自己分析や企業研究といった転職準備活動を早めに行い、職務経歴書も完成させておくのがよいでしょう。
転職活動に適さない時期は「11~12月」
転職活動としてあまり適さない時期は、11~12月です。
11月は10月採用のあとになり求人数が減るからです。12月は、次の年度に向けて「4月1日入社」を前提とした採用募集が出始めますが、クリスマス・年末年始・師走のイベントごとをはさむため、選考が進みづらくなります。
ただ、12月はボーナスをもらってから退職する人が現れるため、退職者の穴を埋める欠員補充が目的の募集が多くなりやすいです。欠員補充の場合は、通年採用とは違って、応募要件を絞り込んだピンポイント採用であることが多いため、退職者と同レベルの即戦力を求められることが多いです。
そのため、自分のスキルに合致した募集があればチャンスになります。しかし、そうでない場合は、1~3月の求人数が増える時期に備えて準備するほうがよいでしょう。
目的別|転職活動を始めるベストなタイミング8つ
【転職活動を始めるベストなタイミング8つ】
- キャリアアップに行き詰まりを感じているとき
- 他社から声がかかったとき
- 希望していた会社や職種で求人が出たとき
- 大きなライフイベントがあったとき
- 資格を生かせると思ったとき
- 事業に方針転換があったとき
- 昇給・昇格が見込めないと感じたとき
- ワークライフバランスを大切にしたいと感じたとき
一般的な転職活動が盛んな時期とは別に、転職活動は人によって始めようと思う時期が違いますし、ベストなタイミングも違います。
一番よいのは「自分が転職しよう」と思ったタイミングです。しかし、このタイミングでよいのだろうかと迷うこともあるかと思います。
一般的に転職したいと思う人が多いタイミングというのがあるので、それらのタイミングを知っておくことで自分にとってベストのタイミングが判断しやすいかもしれません。
こちらの記事では、一般的に転職のタイミングになりやすい具体的な例を8つご紹介しています。興味があれば参考にご覧ください。
転職を考えるタイミング8選 | スキルや実績を棚卸し、自分が望むキャリアを築き上げる
転職活動はいつから?についてよくある質問|Uターン・育休中など
Q1. Uターン転職の場合、転職活動はいつから始めるのがよい?
A. UターンやIターンを希望される方の場合は、一般的に転職希望時期の半年~1年前に活動を始める方が多いようです。
理由は、現職で就業しながらの転職活動となるため、希望勤務地が遠い場合は、情報収集、面接の段取りなどに時間がかかりやすいためです。
そのため、UターンやIターン転職を希望される場合は、早めに活動をはじめるようにしましょう。
Q2. 育休中の場合、転職活動はいつから始めたらよい?
A. 育休中の転職活動は、育休明けすぐに転職したい場合は、転職を希望する時期の2~3ヵ月前から転職活動をスタートするとよいでしょう。
また、その際は、子供の預け先(保育園や幼稚園・ベビーシッターなど)が決まってから転職活動を始めると転職先が決まってもスムーズに進められます。
ただ、育休中に退職を申し出ていると、育児休業給付金が受け取れなかったりする場合があるので、注意が必要です。育休後しばらくしてから転職する場合は、まず元の職場に復帰後半年くらいで転職することを想定して、復帰から3ヵ月ほどして今の生活に慣れてからの転職活動がよいでしょう。
子どもが小さいうちは、子どもの体調不良などで有給休暇などを取ることも増える時期です。新しい職場ではすぐに有休が取れないことも多いため、今の職場を活用しつつ、タイミングをみて転職活動するのがおすすめです。
Q3. 管理職の場合、転職活動はいつから始めるのがよいか?
A. 管理職の転職の場合は、後任の選定や業務引継ぎに時間を要するため、組織の動きを想定しつつ早めに活動をはじめるのがよいでしょう。
遅くとも退職の1ヵ月前、できれば2ヵ月前には退職の意向を会社に伝えておくほうがよいため、転職活動は3ヵ月以上前から計画するのが望ましいです。
また、管理職の求人は、企業の経営戦略とも深くかかわっているため、非公開の求人であることがほとんどです。
そのため、早期から転職エージェントを活用するようにすると、スムーズな転職活動につながります。
転職活動はいつから行う?についてのまとめ
転職活動を始めようと思っても、転職活動がうまく進むか不安になることがあります。
そのようなときは、1人で悩まずに、数多くの転職希望者のサポート実績がある私たちJAC Recruitmentにご相談ください。
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