2022年11月、経団連は「中途採用」という名称を廃止し「経験者採用」に呼称を統一する考えを明らかにしました。これにより人材の流動性を促し、経済の活性化につながるとして、同取り組みを強化する意向を示しています。
事実、JAC Recruitment(以下、JAC)でも、あらゆる業界において、専門的な知識・経験を持つ人材を積極的に採用する企業から、多くの求人をお預かりしております。では、企業が採用したいと考える「経験者」とは、どのような方々なのでしょうか。
今回は、企業の経営者、事業部長等の決裁者、採用担当者の合計1,004名に、「経験者採用」に関するインターネット調査を実施しました。 ここでは、その調査結果を解説します。
【調査概要】 「経験者採用」に関する調査 調査日:2023年1月4日(水) 調査方法:インターネット調査 調査人数:1,004人 調査対象:経験者・中途採用に関わる経営者、企業の事業部長等決裁者、企業採用担当者 モニター提供元:ゼネラルリサーチ |
目次/Index
91%の企業が「今後、経験者採用に力を入れていきたい」と回答
現在の経験者採用の注力度について聞いたところ、「とてもそう思う(32.3%)」「ある程度はそう思う(51.2%)」と回答した企業は、合わせて83%。今後の注力度については、「とてもそう思う(39.5%)」「ある程度はそう思う(51.6%)」と回答した企業は合わせて91%となり、多くの企業が経験者採用を前向きに検討していることが判明しました。
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企業が求めているポジションは?企業規模別にも差が
企業各社は、経験者採用でどのようなポジションの方を採用したいと考えているのでしょう。
最も求められているポジションを調査したところ、下記のような結果となりました。
- 【最も求められているポジションは? 全体】(単一回答)
- 役員:22.7%
- 専門職・技術職などのスペシャリスト:21.6%
- 一般社員:17.2%
- 部長クラス:16.0%
- 課長クラス:12.8%
- 係長・主任クラス:9.7%
メンバークラスと比較して、本来は求人数の少ない役員や部長クラスの上級管理職を採用する意欲が高いことがうかがえます。また、高度なスキル・専門性を持つスペシャリストを求めている企業が多く見られます。
500人未満の企業:役員・メンバーのニーズ高い
500人未満の企業では、役員が29%と最も多く、次いで、一般社員、専門職・技術職などのスペシャリストと続きます。
今回のアンケートに回答いただいた500人未満の企業の約半数は、100人未満の企業です。今後、事業の多角化や安定成長を目指すうえで、人事制度の仕組み化や、システムの構築・整備などが必要な時期です。そのため、飛躍するための経営戦略や組織づくりを担える役員クラスのニーズが高いことが予想されます。
経営層で策定した戦略を、実際に実行できる専門性の高いスペシャリストとメンバーを増やし、組織力を高めていきたいという企業のニーズもうかがえます。
1000人以上の企業:スペシャリスト・部長クラスのニーズ高い
1000名以上の企業では、専門職・技術職などのスペシャリストや部長クラスのポジションがどちらも24%と最も高く、500名規模でニーズの高かった、役員や一般職員のニーズは低くなっています。
考えられる要因として、1000人を超える大手企業でも、リスク分散や新たな顧客ニーズに対応すべく多くの企業で新規事業の立ち上げが活発であることが挙げられます。実際、JACの求人全体でもポジション名に「新規事業」を含む求人数はここ数年で4倍以上(※)です。
このような背景から、新規事業を立ち上げて推進する新規事業の部長や、新規事業に関連する専門スキル・経験を持つスペシャリストのニーズが高いことが予想されます。
※2020年と2022年の年間求人数を比較
企業が求める「経験者」のスキルとは?
企業は経験者にどのようなスキルを求めているのでしょうか(選択肢24項目、上位3つを選択)?
ポジション別で求められるスキルを見てみると、それぞれのポジションで求められるスキル・経験が異なることが分かりました。※表の数字は人数
【役員クラス】経験者採用において求めるスキル・経験
1位 | 情報を収集し、状況変化を把握できる力 | 82 |
2位 | 的確に予測・判断する力 | 65 |
3位 | 問題を発見・解決する力 | 58 |
【部長クラス】経験者採用において求めるスキル・経験
1位 | 問題を発見・解決する力 | 61 |
2位 | 情報を収集し、状況変化を把握できる力 | 56 |
3位 | 的確に予測・判断する力 | 54 |
【専門職・技術職などのスペシャリスト】経験者採用において求めるスキル・経験
1位 | 問題を発見・解決する力 | 73 |
2位 | 専門的な知識や経験 | 67 |
3位 | 情報を収集し、状況変化を把握できる力 | 52 |
【一般社員】経験者採用において求めるスキル・経験
1位 | 社会常識・マナー | 36 |
2位 | 責任感・信頼感 | 35 |
3位 | 問題を発見・解決する力 | 35 |
一般社員では、「社会常識・マナー」「責任感・信頼感」など、比較的易しいスキルが求められる一方で、役員クラス・部長クラスのエグゼクティブポジションでは、「情報を収集し、状況変化を把握できる力」「的確に予測・判断する力」「問題を発見・解決する力」など、より難易度の高いスキルが求められ、スペシャリストは専門職ならではの「専門的な知識や経験」を他のポジションよりも求められています。
ミドル世代の転職における「即戦力」とは? 即戦力が求められる背景などをハイクラス転職に強いJACが徹底解説
【JACからの転職アドバイス】
ハイクラス転職では、上位にある「情報を収集し、状況変化を把握できる力」や「問題を発見・解決する力」を、これまでの経験や成果とともに伝えることが効果的です。
経験者採用で期待されている効果とは?
企業は経験者を採用することで、どのような影響を期待しているのでしょうか(選択肢7項目、単一回答)。
「高度な専門性を保有し高いレベルで業務遂行できる」「企画経営やマネジメントに携わり推進してくれる」という回答が多く、高いレベルでビジネスを牽引・推進することが求められています。
【JACからの転職アドバイス】 ハイクラス転職では、これまでの経験や成果を伝えるだけでなく、入社後もそれを再現できるかという点も重要です。たとえ希望している企業が、自身の携わってきた領域とは異なっていても、自身の強みと応募企業に与えられる価値を結び付けてアピールできるようにしておくことを、おすすめします。 |
役員クラス・部長クラス・スペシャリストの転職はJACへ
JACは、2019~2023年オリコン顧客満足度調査ハイクラス・ミドルクラス転職 第1位※1の実績があります。
事業戦略にもかかわる役員クラスや部長クラスの求人は、一般に公開されることは、まずありません。人事担当も関与せず、役員クラスが採用活動に直接動くケースも多々あります。
JACのコンサルタントは、企業の採用担当者だけでなく、経営層の方々とも日々情報交換を行っているため、コンフィデンシャルな求人案件をご紹介することができます。役員クラス・部長クラス・スペシャリストの転職をご検討の方は、ぜひJACへご相談ください。
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