20代の転職活動における同年代の動向・成功させるコツを解説

公開日:2024/07/16 / 最終更新日: 2024/10/16

20代で転職活動をすべきかどうかをお悩みの方は多いです。20代は多くの方にとってキャリア形成における初期段階であるため、どのような選択が最適なのか判断するのは難しいでしょう。

そこで、この記事では20代の転職市場動向、転職した理由、賃金の変動といったデータから、現代の20代の方々が転職についてどのように行動しているのかをハイクラス転職のJAC Recruitment(以下、JAC)が解説していきます。

20代の転職活動におけるポイントや注意点、よくある質問もお伝えしますので、20代で転職についてお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

20代ハイクラス転職ならJAC Career

転職を検討中ですか?

今現在、

  • 自分の市場価値を知りたい
  • 今後のキャリアをどうするか整理したい
  • 転職活動を無駄なくスムーズに進めたい

上記のようなお困りごとがございましたら、私たちJACへ相談してみませんか?

各業界に特化した専任コンサルタントが、あなたの転職をサポートします。業界における市場価値はもちろん、レジュメの効果的な書き方、面接対策、企業傾向の情報収集など、JACのコンサルタントにご相談ください。

転職活動の進め方を
相談する


まずは20代の転職市場動向について、総務省統計局および厚生労働省発表の統計をもとに解説していきます。

上記は20代の有業者(職に就いている人)、無業者(仕事をしていない人)の比率と、無業者の内の就業希望者数を表したグラフです。

20代前半と後半で比率に大きな違いがあります。20代前半はまだ学生の方も多いため、無業者や就業希望なしの方の比率が高くなっています。

対して、20代後半になると仕事をはじめて定職に就く方も多くなってきています。有業者の比率は87.7%と、大多数の方が仕事をしている状況です。

出典:総務省統計局. 「就業構造基本調査 / 令和4年就業構造基本調査 / 結果の要約・概要・主要統計表」. 2023年07月.

上記は有業者がどのような雇用形態となっているかを表したグラフです。

前述の通り20代前半は学生の方も多いため、正社員の比率は低くなっています。対して20代後半では正社員の比率が増えて約75%を占めています。アルバイト、パートなどの非正規雇用の割合は約20%となっています。

このことから、ほとんどの方が正社員として仕事をしていることが分かります。

出典:厚生労働省. 「令和2年転職者実態調査の概況」. 2021年11月.

上記は20代の前半・後半に分けて、転職をした方の前職の通算勤務期間を表したグラフです。

20代は働き始めて間もないため、直前の勤務期間は「1年から2年」「2年から5年」が半数以上を占めています。転職をするにしても2年以上は続けて働いている方が多いようです。

出典:総務省統計局.「雇用の構造に関する実態調査 / 若年者雇用実態調査 / 平成30年若年者雇用実態調査 報告書 統計表 個人調査」.2020年03月.

上記は20代の方が現職で働いている理由について、アンケート形式で集計したものです。3つまでの複数選択自由回答となっています。

グラフの通り、「学費や娯楽費を稼ぐため」「主たる稼ぎ手として生活を維持するため」といった、金銭のために働いているという理由が多数を占めています。また、20代の集計では「自立のため」という理由が多い点も特徴的です。


続いて、20代の転職活動に関するデータをみていきましょう。

出典:厚生労働省. 「令和2年転職者実態調査の概況」. 2021年11月.

20代で転職活動をした方で、前職を離職してから転職先へ入社するまでの期間を集計したグラフです。

離職期間を作らず、すぐに転職をしている方が約20%、1ヶ月未満で転職している方が約30%と多数を占めています。また、20代後半になるにつれて離職期間が全体的に短くなっていることも分かります。

出典:厚生労働省. 「令和2年転職者実態調査の概況」. 2021年11月.

20代で転職をした方で、前職を離職した理由について集計したグラフです。3つまでの複数回答形式となっています。

最も多い離職理由としては、「人間関係がうまくいかなかったから」が挙げられます。就職はしたものの職場になじめなかったということでしょう。また、20代では仕事を始めて間もない方も多いためか、「満足のいく仕事内容でなかったから」という回答も多いです。入社時点でイメージしていた業務内容・レベルと実際とが異なっていたということでしょう。

「いろいろな会社で経験を積みたいから」という理由が多いのも20代の離職理由の特徴です。入社した会社に居続けるのではなく自分に合った仕事を見つけるために転職する、という意図があることが分かります。

出典:厚生労働省. 「令和2年転職者実態調査の概況」. 2021年11月.

20代で転職をした方で、現在の転職先を選んだ理由について集計したグラフです。最も近い理由を1つ選ぶかたちでの集計となっています。

回答が多いのは「仕事の内容・職種に満足がいくから」、次いで「自分の技量・能力が生かせるから」です。20代のうちに自分にあった仕事を探して転職している方が多いことが分かります。 それらに続き、「労働条件(賃金以外)がよいから」「賃金が高いから」という条件面を理由に挙げる人も多いです。


ここでは、20代の賃金動向について紹介していきます。

出典:厚生労働省.「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」. 2024年03月.

上記は20代前半、後半の方の平均月収を示した表です。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によると、20歳から24歳は224,600円、25歳から29歳は258,300円となっており、20代後半では約30,000円アップしていることが分かります。

出典:厚生労働省.「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」. 2024年03月.

上記は学歴別に平均月収を示したグラフです。高卒より大卒、大学院卒の給料が約10%から20%高いことが分かります。高卒と高専短大、専門学校の給料はあまり差が見られません。

出典:厚生労働省.「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」. 2024年03月.

上記は20代の雇用形態(正社員か否か)別の平均月収を示したグラフです。20代前半の比較では約30,000円の違いですが、20代後半では約50,000円の違いと差が大きくなっています。

出典:厚生労働省.「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」. 2024年03月.

上記は、20代の方で業種別の平均月収を比較したグラフです。

最も平均月収が高いのは「鉱業・採石業」の265,200円、続いて「情報通信庁」の263,300円、「学術研究・専門・技術サービス業」の262,350円です。

それに対し、「複合サービス事業」(郵便局職員や協同組合職員など)は217,550円、「宿泊業・飲食業」は218,250円となっており、上記と比べると約5万円の差となっています。


続いて、20代の転職活動の成功事例を紹介していきます。

K・Nさん(男性/20代後半)

業 種
不動産
銀行

職 種
施工管理
不動産ソリューション提案技術職

年 収
非公開
非公開

20代後半で「不動産」から「銀行」への転職に成功したK・Nさんの事例の紹介です。

K・Nさんは建築学部のルーツを生かし、より本格的なものづくり携わるべくゼネコンに入社。さまざまな建設工事に携わり、技術を磨くには最適な環境でしたが、ハードワークが続いており、働き方において漠然と将来に不安を感じている状態でした。

そんななか、転職の必要性も含めてキャリアのプロに相談。コンサルタントからの提案で異業種の「銀行」を選択しました。前職でのジレンマを解消できる環境で、不動産業の専門的な知識も活かすことができ、エンジニアとして新たなチャレンジを実現しています。

「ハードワークだから」と「将来に漠然な不安を感じている」という転職理由から、業界そのものの変更を選択しています。異業種へ柔軟に転職できるという点は20代ならではの強みですね。

不動産業界の転職成功事例|漠然とした不安、キャリア相談から見えた新たな選択肢

S.Tさん
(男性/20代後半)

業 種
大手飲料メーカー
大手広告代理店
職 種
営業
デジタル
アカウントプランナー
年 収
550万
550万

20代後半で「大手飲料メーカー」から「大手広告代理店」への転職に成功したS・Tさんの事例の紹介です。

S・Tさんは新卒で大手飲料メーカーに就職し、小売店を中心として営業を担当。転職のきっかけとなったのは「情報システム部門」への異動です。社内のマーケティングツールを導入するプロジェクトに関わり、興味を持つことで積極的にデジタルマーケティングに関する知識を学んでいきました。

そんななか、現職のデジタルマーケティングの対応が遅れていることに気づき、このままこの会社にいても専門的な経験は積めないと判断し、転職を決断しました。

「経験を積むため」という理由の転職です。20代後半になると「このままでいいのか」という将来に対する不安を持つ方も増えてきます。そんな中、S・Tさんはさらなるキャリアアップのために、自身が興味を持ったデジタルマーケティングに携われる広告代理店への転職に成功しました。

デジタルマーケティングの転職成功事例|未経験からキャリアチェンジ、大手代理店に転職成功

転職活動を成功させるための「20代ならではのポイント」について解説していきます。

20代の転職活動において「自己分析」は重要です。自己分析とは、自身の得意・不得意や、仕事・プライベートにおける希望、生きていくうえで優先したいことを明確にするプロセスです。自己分析をしっかりと行うことで、20代というキャリア形成において重要な期間を成功に導くことができるでしょう。

具体的には、これまでの職歴や学歴から得たスキル、業務での成果を振り返り、どのような職種が適しているかを考察します。また、個性や仕事に対する姿勢も重要な判断基準となります。

また、プロのキャリアカウンセラーや、転職エージェントへ相談することも効果的です。特に転職エージェントは自己分析・キャリアプランの計画といった段階から支援してくれます。

20代で転職活動を始める場合、まずは「自己分析」から始めてみてください。

キャリアやスキルの棚卸し

20代の転職では、短期的な利益だけでなく、長期的なキャリアプランを考慮することが重要です。将来どのような職に就きたいか、どのような業界でスキルを伸ばしていきたいかを具体的に計画しましょう。

この計画には、将来的に求められるスキルや資格、さらなる学習が必要かどうかも含めて判断します。また、転職することでキャリアがどのように進展するかをシミュレートすることも効果的です。

自身のキャリアプランが明確なことは、選考においても有利です。転職先の企業が提供するキャリアパスや教育プログラムが自分の目標と合致するかどうかをアピールすることで、面接で好印象を残すことができるでしょう。

キャリアプラン相談

20代のうちに、未経験でも挑戦しやすい業界や職種に転職することは、キャリアの幅を広げる絶好の機会です。多くの企業は、若手を育成するためのプログラムを用意しており、未経験からでも成長可能な環境を提供しています。

特に、新しいスキルや知識を身につけることが期待される業界では、若手のうちに広範囲の経験を積むことが、後のキャリア形成に大きな利点となります。

未経験者の場合は、入念な準備と学習意欲が求められます。関連するオンラインコースや実務に近いトレーニングを事前に行うことで、転職後のパフォーマンスを向上させることができます。

このように、未経験でも積極的にチャレンジする姿勢が、将来的に多くの選択肢と機会をもたらすことでしょう。

【例文付き】なぜこの業界か? 転職面接における異業種転職などの志望理由の答え方

20代の転職活動では、企業が若手の候補者に期待することを事前に理解しておくことが重要です。

20代でも即戦力としての経験・スキルはあるにこしたことはありませんが、「柔軟性や学習意欲」「長期的に貢献できるポテンシャル」といった成長性も重視されます。これらの項目を判断するために「転職の理由」は聞かれます。単に給料が安いからや条件が悪いからといった理由だけでなく、自身の成長意欲や柔軟性をアピールしていきましょう。

また、企業が求める資質やスキルを把握することで、面接や履歴書で自分の適性を効果的にアピールできます。その企業の文化や働き方が自分に合っているかも評価の対象となります。

転職活動では「企業側の目線に立って考えてみる」ということを忘れないように、注意して進めてみてください。

20代での転職はキャリア形成において多くのメリットをもたらしますが、短期間に何度も転職を繰り返すと、キャリアプランが不安定と見られることがあります。

一般的に、短期間での頻繁な転職は、計画性の欠如や適応力の不足と解釈されることがあるため、転職は慎重に行うことが推奨されます。

転職を考える際は、現在の職場で学べることがまだ多くあるか、新しい職場でどのような成長が期待できるかを慎重に評価し、キャリアの目標に合った選択を心がけましょう。

20代の転職活動でよくある質問と回答を掲載しています。気になる点があればチェックしてみてください。

20代での転職では、必ずしも高度な専門スキルがないと転職できないわけではありません。20代の場合、多くの企業で未経験者でも育成を前提とした採用を行っています。

重要なのは、持っているスキルをどのように生かせるか、また学習意欲があるかをアピールすることです。具体的なスキルがない場合は、ポテンシャル採用を積極的に行っている業界や企業に狙いを定めることが効果的です。

また、転職活動を始める前に、関連するオンラインコースや資格取得でスキルアップをはかることもおすすめします。スキルが増えることにより選択肢が増えるだけでなく、面接時に積極的な姿勢を示すことも可能です。

20代におすすめの職種は、その人の興味やスキル、キャリア目標によって異なりますが、一般的には技術革新が進む業界や、専門スキルを要する職種が有望です。例えば、IT業界やデジタルマーケティング、さらにはヘルスケアなどが挙げられます。

これらの業界では若手でもチャンスが多く、技術の進歩とともにキャリアアップしやすい環境が整っています。また、社会的な需要が高い業界での経験は、将来的に他の職種への転職時にも強みとなります。

さらに、クリエイティブな職種も20代での挑戦に適しています。新しいアイデアや発想を求める業界であれば、若さと新鮮な視点が評価されやすいためです。

ほかにも、業界を選ばずに活躍できる「営業」や「マーケティング」といった職種も人気です。

20代はまだ若手ということから「未経験の業界・職種へも転職しやすい」という点が最大の特徴です。もし、今の仕事が自分に合っていないと感じるようであれば、早めに行動することが重要となります。

30代以降になると未経験の転職は20代より厳しくなっていきます。20代のうちに将来のキャリアプランを考慮し、必要に応じて転職を検討してみてください。

この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。