キャリアアンカーとは?診断をして自分の価値観や適職を知ろう

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公開日:2023/02/15 / 最終更新日: 2024/11/11

「キャリアアンカーという言葉を初めて聞いた」「自分のキャリアアンカーがわからない」という方もいるのではないでしょうか。

自分自身のキャリアアンカーを理解して仕事選びに活かせるように、キャリアアンカーの8つの分類やキャリアアンカーの診断方法を、わかりやすく解説します。

今回は、自分らしいキャリアを歩むために、キャリアアンカーをどのように活用すべきかをご紹介します。ご自身のキャリアアンカーを診断できるチェックシートもダウンロードできます。

キャリアアンカーとは?


本章では、『キャリアアンカー』について、下記3つの観点から解説します。

  • キャリアアンカーを知るメリット
  • キャリアアンカーの定義
  • キャリアアンカーの3要素

キャリアアンカーとは、個人がキャリアを形成・選択する上で譲れない価値観や欲求・能力

『キャリアアンカー』とは、アメリカの組織心理学者であるエドガー・H・シャインによって提唱されたキャリアデザイン手法の1つであり、個人がキャリアを形成・選択する上で絶対に譲れない価値観や欲求、能力などを指します。

キャリアアンカーは30歳前後で確立され、一度形成されると、どのような業種・職種に就いても根幹は基本的に大きく変わらないと言われています。そのため、生涯にわたり、職業選択の意思決定に影響すると考えられています。

キャリアアンカーの3要素

キャリアアンカーは、下記3つの要素によって決まると提唱されています。

  • コンピタンス
  • 動機
  • 価値観

キャリアアンカーのもとになる3つの要素が持つ意味と各要素において関連性の高い分類・適性は、次の通りです。

コンピタンス

「コンピタンス」とは、専門的なスキルや能力を指し、仕事で発揮できる専門的な能力を意味します。自分が持つ専門的な能力や技術に対して自信を持っており、自身の能力を活かしながらキャリアを築きたいという欲求を示します​。

コンピタンスと高い関連性を示す分類・適性は、次の通りです。

  • 専門家・エキスパート・職人タイプ
  • 管理・経営・マネジメントタイプ

動機

「動機」は「本当は何をしたいのか」という自己欲求を形成する要素を指します。
モチベーションが高まる仕事や意欲・興味が喚起される業務や役割を見極め選択することで、日々の仕事の中でやりがいや充実感を得られると考えられています。

動機と高い関連性を示す分類・適性は、次の通りです。

  • 自分のペースを乱したくない、自律・独立タイプ
  • 創造性がある起業家タイプ
  • 何事にも挑戦していきたいタイプ

価値観

「価値観」とは、自分が大切にしている信念や判断基準のことを指します。価値観を明確にすることで、自分にとって満足度の高い仕事やキャリアを選択できると言われています。

価値観と高い関連性を示す分類・適性は、分類・適性は次の通りです。

  • 将来の保障や安定性重視タイプ
  • 奉仕・社会貢献を大切にするタイプ
  • ワークライフバランスを重視するタイプ

キャリアアンカーを知るメリット

キャリアアンカーを知るメリットは、自身の仕事に対する価値観や動機、才能などについて深く理解できる点です。

自分のキャリアアンカーを知ることで、適性にマッチする職業やより自分が望む環境が提供されている企業を選択できるようになるでしょう。また、転職時に限らず、中長期的なキャリアを考える際の参考になることもあります。

反対に自身のキャリアアンカーを知らないままにしておくと、自分の本当の欲求や強みと反するキャリアを選択してしまうリスクがあります。その結果、ミスマッチが生じ、仕事に対して満足感を得られなかったり、本来の能力を発揮できなかったりすることもあるでしょう。

自分が抱く仕事への価値観や動機、才能に合う仕事を選ぶためにも、自分のキャリアアンカーを確認することをおすすめします。

キャリアアンカーを知るメリットと8つの分類・適性


キャリアアンカーには、次の8つの分類・適性があります。

  1. 専門家・エキスパート・職人タイプ
  2. 管理・経営・マネジメントタイプ
  3. 自分のペースを乱したくない、自律・独立タイプ
  4. 将来の保障や安定性重視タイプ
  5. 創造性がある起業家タイプ
  6. 奉仕・社会貢献を大切にするタイプ
  7. 何事にも挑戦していきたいタイプ
  8. ワークライフバランスを重視するタイプ

下記は、タイプ別に特徴と適性を紹介した表です。

テキストリンクをクリックすると、各タイプの解説に遷移します。

タイプ特徴適性
専門家・エキスパート・職人タイプ自分の専門分野で高い技術やスキルを磨くことに強い関心を持つ専門的なスキルが求められる分野
管理・経営・マネジメントタイプ組織全体を管理し、リーダーシップを発揮することに強い関心を持つ経営、管理職、リーダーシップを必要とする分野やポジション
自分のペースを乱したくない、自律・独立タイプ上司や組織のルールに縛られるよりも、独自のスタイルで成果を出すことに価値を置く自由度の高い職業や働き方を実現できる分野
将来の保障や安定性重視タイプ経済的・精神的な安定性や確実なキャリアパスが保証されることを優先する公務員や大企業など定年までの終身雇用が約束され、不況でもレイオフされない環境
創造性がある起業家タイプ自らビジネスを立ち上げ、革新的なアイデアを実現することに喜びを感じる起業家、スタートアップ創業者、新規事業開発などの分野
奉仕・社会貢献を大切にするタイプ社会的な価値や倫理に基づいて仕事を選び、自己の利益よりも社会的な利益を優先する傾向がある教育、医療、社会福祉、NGO、環境保護などの分野
何事にも挑戦していきたいタイプ難易度の高い問題に挑戦することや困難を乗り越えることに喜びを感じるトップアスリートやフルコミッションなど、チャレンジ精神が求められる分野
ワークライフバランスを重視するタイプキャリアにおける成功よりも全体的なライフスタイルの充実を追求するリモートワーク、フレックスタイム制を設けている企業

1)専門家・エキスパート・職人タイプ

専門家・エキスパート・職人タイプのキャリアアンカーを持つ方は、何か1つの分野に特化して自分自身の能力を発揮したいタイプです。特定の仕事に対して、高い意欲と才能をもち、専門性やスキルを高めることに満足感を見出すので、仕事の“内容”にこだわりを持っています。

このタイプの方は、自身の専門分野が追求できる環境であればマネージャーになりたいという気持ちはありますが、事業部長や部門長などゼネラルマネージャーになることには価値を置いていません。

下記のような組織において、より能力を発揮できるでしょう。

  • 管理職の昇進経路と専門職の昇進経路が制度化されている
  • 自分の技能水準に見合った評価をしてもらえる・報酬がある
  • 専門領域を深められる環境や、自己啓発できる機会がある
  • 同じ専門領域のプロがいて切磋琢磨できる

2)管理・経営・マネジメントタイプ

管理・経営・マネジメントタイプのキャリアアンカーを持つ方は、組織の責任ある地位に就きたいという願望を強く持っています。ゼネラルマネージャーとして仕事ができるよう、自分の携わる事業領域や業界でエキスパートになる必要性は感じていますが、専門的な仕事に特化しすぎることは好みません。

このタイプの方は、より高度な責任の立場に立ち、リーダーシップを発揮し、所属する組織の成功に貢献し、その結果、高い収入を得ることにやる気や喜びが高まります。

下記のような組織において、より能力を発揮できるでしょう。

  • リーダーシップを発揮できる機会、所属する組織の成功に貢献できる機会がある
  • 実力や具体的に測定できる業績・成果に基づいて昇進が決まる制度がある
  • 組織の将来にとって重要度の高いプロジェクトや部を任せてもらえる
  • 問題を見つけ出し、解決するための意思決定を任せてもらえる

3)自分のペースを乱したくない、自律・独立タイプ

自律・独立タイプのキャリアアンカーを持つ方は、組織の規則や規範よりも自分自身のペースややり方を重要視するタイプです。仕事についてこまかく監視されることを好まず、プロジェクトの目的や目標に対して同意はしても、達成までの手段や方法は自身の裁量に任されたいと考えます。

このタイプの方は、組織内での肩書や収入といった条件よりも、仕事における自由度の高さを強く望みます。

下記のような組織において、より能力を発揮できるでしょう。

  • 自律的な専門職分野に特化できる環境がある
  • 組織による制約や束縛が最小限で、業務の自由度が高い
  • 業績が昇進に反映され、かつ裁量権が与えられる
  • 自分のスタイルに合わせて利用することができる選択型福利厚生制度がある

4)将来の保障や安定性重視タイプ

安定性重視タイプのキャリアアンカーを持つ方は、仕事によって生活が保障され、将来が予測可能で安定していることを最優先にします。ひとつの会社や組織に身を置き続けることが苦にならず、また、高い地位に昇りつめたとしても、着実に予測のつく仕事を好みます。

このタイプの方は、仕事やキャリアそのものの性質よりも、給与や福利厚生といった仕事の周囲の条件にこだわる傾向があります。

下記のような組織において、より能力を発揮できるでしょう。

  • 定年までの終身雇用が約束され、不況でもレイオフされない風土がある
  • 景気動向に左右されにくい安定した企業
  • 勤続年数の長さや確実に先が読める昇級制度がある

5)創造性がある起業家タイプ

創造性がある起業家タイプのキャリアアンカーを持つ方は、自ら新しい事業やサービスを開発することに情熱を持っています。常に挑戦し続けることを望んでおり、自身が創造したものによって経済的に成功することを望みます。

このタイプの方は、人生の早い時期から創造的なアイデアを実際に試し、行動する傾向にあります。

下記のような組織において、より能力を発揮できるでしょう。

  • 創造性を発揮し続けることができる機会を与えられる
  • 新製品を開発した場合は特許権を取得することができる
  • 社内起業家制度のような、新しい創造に挑戦できる制度がある

6)奉仕・社会貢献を大切にするタイプ

奉仕・社会貢献を大切にするタイプのキャリアアンカーを持つ方は、自身の適性や才能よりも、社会をよりよくしたいという欲求や、奉仕の価値観に基づいてキャリアを選択する傾向があります。

このタイプの方は、自身の価値観に合う方向で属する組織や社会に貢献し、影響を与えることに喜びを感じます。

このタイプの方は、下記のような組織において、より能力を発揮できるでしょう。

  • 奉仕の価値観に基づいて、組織や社会に影響を与えることができる
  • 貢献の度合いに応じて、公正に給与が支払われる
  • 貢献度を適正に評価した昇進制度がある

7)何事にも挑戦していきたいタイプ

何事にも挑戦していきたいタイプのキャリアアンカーを持つ方は、困難な問題や障害に自ら挑み、克服することを目指します。このタイプの方は、「創造性がある起業家タイプ」とは異なり、挑戦そのものが唯一の大きなテーマです。仕事において絶えず自己を試す機会が組み込まれているかを重視します。

変化に富んだキャリアを好み、より大きな挑戦が可能なゼネラルマネージャーに惹かれる方もいます。

このタイプの方は、下記のような組織において、より能力を発揮できるでしょう。

  • 解決困難な問題やテーマに挑戦できる
  • チーム間での競争や手ごわい課題へ挑戦するなど、自己を試す機会がある
  • 野心を持って、常に周囲と切磋琢磨できる

8)ワークライフバランスを重視するタイプ

ワークライフバランスを重視するタイプのキャリアアンカーを持つ方は、個人および家庭とキャリアのニーズをうまく統合させる方法を見いだし、生活様式全体を調和させることを優先します。

組織の働き方の制度に柔軟さを求めており、個人および家庭を尊重してくれることを強く望みます。

このタイプの方は、下記のような組織において、より能力を発揮できるでしょう。

  • フレックスタイムや在宅勤務、時短勤務など柔軟な働き方ができる
  • ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の推進などに積極的に取り組んでいる
  • 出張や転勤の可能性がほとんどない

キャリアアンカーの無料診断シート


では、ご自身のキャリアアンカーはどのように調べれば良いのでしょうか。

キャリアカウンセラーに相談する方法もありますが、下記チェックシートでご自身のキャリアアンカーの診断が可能です。ぜひご活用ください。

【自動集計キャリアアンカーチェックシートをダウンロード⇩】

ただ診断シートの使用方法は、下記の通りです。

  1. 診断シートには、40項目の設問があり、どのくらい当てはまるかを6段階(1:そう思わない~6:そう思う)で回答します。
  2. 40問すべて回答した後、最も高い点数をつけた設問の中から、自分にぴったりだと思う設問を3つ選択します。
  3. 2で選択した3つの設問の点数に、4点分加点します。                                                                                    
  4. シート内の<診断結果>にある8項目のうち、最も高い数値が算出された項目が、現時点のキャリアアンカーです。

診断結果は、全面的に信じるのではなく、実際に日々の仕事で感じていることと一致しているかどうかも、併せて考えてみましょう。
また、その日の気分によって回答が異なることもあります。診断の精度を高めるためには、何日か空けてから再度診断することをおすすめします。

専門能力を診断する問い

キャリアアンカー診断シートに記載されている40の設問のうち「専門能力を診断する問い」は、次の通りです。

  • NO.1:「この分野ならあの人」と専門家としてのアドバイスを求められるようなキャリアを目指したい。
  • NO.9:自分の専門性を、常に高めていけるキャリアを歩みたい。
  • NO.17:経営幹部になるよりも、自分の専門分野の部署や組織で管理職になる方が魅力的だ。
  • NO.25:自分の専門領域からかけ離れた人事異動を受け入れるくらいなら、自分の専門領域の仕事ができる環境に転職する。
  • NO.33:自分の専門的な能力を発揮できる仕事をしているときに最も充実感を得る。

管理能力を診断する問い

キャリアアンカー診断シートに記載されている40の設問のうち「管理能力を診断する問い」は、次の通りです。

  • NO,2:仕事において、メンバーや部下のやる気をまとめ、マネジメントによって成果を上げることに充実感を感じる。
  • NO.10:大きな組織を率いて、自ら意思決定できるような存在になりたい。
  • NO.18:会社組織の経営幹部として仕事をすることが夢だ。
  • NO.26:専門職能領域で上級管理職になるよりは、経営幹部になる方が魅力的だと思う。
  • NO.34:経営幹部になるコースから外れてしまうなら、転職を選択する。

自立・独立能力を診断する問い

キャリアアンカー診断シートに記載されている40の設問のうち「自律・独立を診断する問い」は、次の通りです。

  • NO.3:自分でやり方やスケジュールを自由に決められるような仕事を選びたい。
  • NO.11:決められた時間に出勤し、決められた手順で仕事を進めることより、自分の好きな時間・ペースで自分らしく仕事がしたい。
  • NO.19:自分の仕事を自分で決められる自由と自律がある仕事こそ自分に向いている。
  • NO.27:ルールや手法が決められた仕事で将来の安定が保障されていたとしても、自分のやりたいように仕事ができる方が大切だ。
  • NO.35:自律して自由に行動できないような部署に異動させられるくらいなら、転職を選択する。

安定性を診断する問い

キャリアアンカー診断シートに記載されている40の設問のうち「安定性を診断する問い」は、次の通りです。

  • NO.4:自由や自律よりも、将来の保証や安定の方が大切だ。
  • NO.12:仕事内容が自分にあっていて成長できたとしても、安定しておらずレイオフなどがある企業では働きたくない。
  • NO.20:将来が安定していて、安心感のある会社で働きたい。
  • NO.28:今後の収入や雇用が完全に保障されていると感じる仕事に就きたい。

NO.36:将来が保障され安心感のある仕事に就くことが大切だ。

創造性を診断する問い

キャリアアンカー診断シートに記載されている40の設問のうち「創造性を診断する問い」は、次の通りです。

  • NO.5:常に自分の事業を起こすためのアイデアを探している。
  • NO.13:どこかの組織で高い職位に就くよりも、自分で事業を起こしたい。
  • NO.21:将来起業するために、どんなことでもがむしゃらに頑張りたい。
  • NO.29:自らのアイデアで新商品や新サービスを開発し、軌道にのせたとき、最も満足感を得る。
  • NO.37:自分で事業を立ち上げて、軌道に乗せることが夢だ。

奉仕・社会貢献を診断する問い

キャリアアンカー診断シートに記載されている40の設問のうち「奉仕・社会貢献を診断する問い」は、次の通りです。

  • NO.6:社会に本当に貢献できていると感じる仕事を選びたい。
  • NO.14:自分の才能を活かして、他の人の役に立てたり、社会に貢献できたとき最も充実する
  • NO.22:自分のスキル経験を活かして、世の中をよりよくしていきたい。
  • NO.30:人類や社会に貢献できるキャリアに就くことが夢だ。
  • NO.38:人や社会の役に立つ力を発揮できないような仕事に異動させられるなら、その組織を離れる。

挑戦を診断する問い

キャリアアンカー診断シートに記載されている40の設問のうち「挑戦を診断する問い」は、次の通りです。

  • NO.7:仕事において、難しい課題に挑戦したり、難しい状況を自分で打破できる環境を好む。
  • NO.15:難題に挑戦し、克服できたときに最も満足できる。
  • NO.23:仕事において、難しい問題を解決したり、どうにもならないような局面を打開したとき、最も充実感を得る。
  • NO.31:自分の問題解決能力や、戦略的思考力をフルに活かせるような仕事に就きたい。
  • NO.39:解決が困難な課題や問題への挑戦は、管理職など高い地位を得ることよりも自分にとっては重要だ。

ワークライフバランスを診断する問い

キャリアアンカー診断シートに記載されている40の設問のうち「ワークライフバランスを診断する問い」は、次の通りです。

  • NO.8:家庭と両立できない部署に異動するくらいなら、転職を選択する。
  • NO.16:自分、家族、仕事のバランスの取れた仕事に就きたい。
  • NO.24:家族や自分の希望に合わせることができる柔軟な働き方ができるかを重視している。
  • NO.32:管理職になることよりも、家庭と仕事のバランスがうまく取れることの方が大切だ。
  • NO.40:所属組織が個人および家族を尊重してくれる、心理的安全性が確保されている職場で働きたい。

キャリアアンカー診断を活用する時の3つのポイント


本章では、キャリアアンカー診断を活用する時に意識したい、下記3つのポイントについて解説します。

  • 一度の診断結果を絶対的に信じ込まない
  • キャリアアンカーだけで仕事を絞り込まない
  • キャリアアンカーのタイプに優劣はない

ポイント1:一度の診断結果を絶対的に信じ込まない

キャリアアンカーの診断結果を転職やキャリアプラン作成などに活用する場合、一度の診断結果を絶対的に信じ込まないようにしましょう。

キャリアアンカーを形成する価値観や動機は、その時に置かれた環境や新たに体験すること、出会う人によって変化する場合があります。また、経験を積み重ねていくことで高度なコンピタンスが形成されることもあるでしょう。そのため、診断時期やタイミングによってキャリアアンカー診断の結果が変わることもあります。

診断結果は、あくまでも診断した時点の傾向を示すことを理解し、キャリアを考え直す機会が訪れた時は、再度診断することを推奨します。

ポイント2:キャリアアンカーだけで仕事を絞り込まない

キャリアアンカー診断の結果だけを参考にして仕事を絞り込まないようにしましょう。

キャリアアンカーは、個人がキャリアを形成する上で最も重要視する項目や分野を示しますが、仕事やキャリアを選択する上で唯一の要因になるわけではありません。

仕事を選ぶ際は、職場環境や企業文化・理念、報酬・待遇など、他の要素も加味する必要があります。

もし、キャリアアンカー診断によって導き出された結果だけを重視して仕事を絞り込んでしまった場合、他の要素でミスマッチが発生する懸念もあります。診断結果を参考にして自分の適性にマッチする仕事を選択することは有益ですが、キャリアアンカー診断の結果に固執して選択肢を狭めすぎないよう注意しましょう。

ポイント3:キャリアアンカーのタイプに優劣はない

キャリアアンカーのタイプに優劣はありません。

そのため、自分と他者のタイプを比較して優劣をつけるようなことは控えましょう。

キャリアアンカー診断は、自己理解を深める1つの方法であることを理解し、キャリア選択の際は、診断結果を有益に活用しましょう。

ご自身の適性に悩んでいるならJACに相談を


転職はもちろん、長期的にキャリアを構築していくためにも、ご自身の適性を理解しておくことは大切です。

足がかりとしてキャリアアンカー診断を活用するのも有効ですが、より自己理解を深め、納得感を高めるために、転職エージェントのコンサルタントと対話してみてはいかがでしょうか。

第三者と話すことで、自身の考えが整理できたり、気付かなかった視点を得られたりすることもあります。

JAC Recruitmentでは、「今すぐには転職を考えていないが、今後のキャリアについて考えたい」という方のご相談も歓迎しています。

コンサルタントは各業界・各職種の専門領域に特化しているため、導き出した適性や価値観を、具体的な職種や求人に落とし込み、ご提案いたします。

非公開求人を含め、キャリアアンカーにマッチした求人をご紹介できます。ぜひご相談ください。

【参考文献】

エドガーH.シャイン(著)金井壽宏(訳)「キャリア・アンカー ―自分のほんとうの価値を発見しよう―」白桃書房(2003年)

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。