【例文付き】なぜこの業界か? 転職面接における異業種転職などの志望理由の答え方

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公開日:2024/07/17 / 最終更新日: 2024/07/25

転職の面接で、「なぜこの業界を選んだのですか?」「この業界を選んだ理由は?」と業界志望理由を聞かれることがあります。

この質問は、これまでの仕事と異なる業種へ応募する、複数の業界を経験している場合などによく聞かれる質問です。

企業側が業界の志望理由について質問するのは、応募者が業界に対しての理解があるかなどの懸念を払拭したいという意図があります。

ここでは、面接で面接官が応募者の志望業界について選んだ理由を質問する意図、答え方のポイント、回答例文についてハイクラス転職のJAC Recruitment (以下、JAC)が解説しています。

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    【転職面接で「なぜこの業界か?」と質問される場面】
  • 1.異業種からの転職を希望している場合
  • 2.複数の異なる業界の経験がある場合
  • 3.前職で長く勤務していない場合

転職の面接で「なぜこの業界を志望したのですか?」という業界の志望動機をたずねる質問は、応募者が志望する業界の経験が浅いと思われる場合になされることが多いです。

具体的には、「異業種からの転職を希望している」「複数の異なる業界経験がある」「前職は同業界だが長く勤務していない」場合などです。 業界経験が浅いと、即戦力になれない、自社に定着しない、といった懸念が生じます。その懸念を払拭したい場合に、この質問が行われます。


転職面接で「なぜこの業界か?」と質問する際、企業の面接官は大きく3つの意図をもって質問しています。

意図1. 志望業界の答え方で理解度を確認したい

1つ目は、応募者の志望業界についての理解度を確認したい意図があります。

応募者が業界での現在の市場のトレンド、業界が直面する課題について熟知しているか、そしてそれらをどう乗り越えていくべきかの具体的な考えを持っているかなどです。

応募者が業界について深く正確に、かつ自分の言葉で語れるかは、その人が業界に対してどれだけ関心を持ち、情報収集しているかを示す目安になります。

業界経験が浅くても、業界について積極的に知る姿勢があれば、すぐに戦力として育つ見込みがあるとみなされます。

意図2. 志望度の高さを把握し業界に定着するか見極めたい

2つ目に、業界への志望度、業界への熱意や意欲が高いか、業界で長期的にキャリアを築いていく明確なビジョンをもっているかを確認したい意図があります。

業界団体への参加経験、専門的な研修やセミナーへの参加歴、業界誌や専門書の閲読頻度などの具体的な行動は、業界への志望度を読み取る目安になります。

業界への関心が高く、長く貢献したい意思のある人物は、長期的に業界や企業に定着し、貢献してくれる可能性が高いとみることができます。

意図3. 応募者の転職のキャリアの一貫性を確認したい

3つ目に、業界が違っても、応募者の転職のキャリアに一貫性があるかを確認したい意図があります。

応募者が待遇の良さなどに流されて応募していないか、一貫したキャリアビジョン実現のために戦略的にこの業界を志望しているのかを見極めています。

キャリア選択に軸があって業界を選んでいる場合は、新しい環境に適応する柔軟性や探求心があるとみなせるため、組織の活性化に貢献できる人物としての期待がもてます。


こちらでは、転職の面接で「なぜこの業界か?」と聞かれた際の、志望理由の答え方のポイント4つをご紹介します。

ポイント1. 業界への理解度の深さを示す

先にもお話したとおり、企業側には応募者の業界理解度を確認したい意図があります。

そのため、業界を選んだ理由を、単にに表面的な魅力だけでなく、業界の現状や課題、将来性についての考察を交えて伝え、深い理解があることを示すようにしましょう。

具体的には、業界の市場規模やトレンド、主要プレイヤー、ビジネスモデルなどに言及し、課題認識していること、その解決策のアイデアを述べるようにします。

説得力のある回答をするためには、事前の入念な業界研究が欠かせません。

企業のホームページやニュース、業界レポート、また、業界で活躍する方のインタビュー記事などを読むことで、業界の全体像を把握し、自身の考えを深めておきましょう。

ポイント2. 業界への熱意・長期的なキャリアビジョンを伝える

企業側は、応募者の業界への志望度の高さや、長期的に活躍する意欲があるかを確認したい意図もあります。

そのため、業界への熱意と、その業界で長期的にキャリアを築きたい理由を伝えましょう。

具体的には、業界の社会的意義や、業界の発展に貢献したいという思い、その業界でどのようなキャリアを歩みたいかのビジョンを示すことで、熱意の高さを印象付けることができます。

事前に、業界の将来性を見据えた、長期的なキャリアプランを描いておきましょう。

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ポイント3. 自分の経験・スキルとの合致点を伝える

企業側は、応募者が業界で活躍できるか、業界に定着するような人物かを判断したいとも考えています。

そのため、自分の経験やスキルが業界のニーズにどのように合致するかを具体的に説明しましょう。

例えば、過去の職務経験で培った専門性や、自主的に学んだスキルや経験が、業界の課題解決にどのように役立つかを述べるなどです。

説得力を高めるために、事前に業界で求められる人材像を調査し、自分の強みとの関連性を整理しておくとよいでしょう。

キャリアやスキルの棚卸し

ポイント4. 前の業界からの転職軸の一貫性を伝える

企業側は、候補者の転職理由が一貫しているかを確認したいと考えています。

そのため、前の業界から今の業界に転職する理由に一貫性があることを示すようにしましょう。

具体的には、キャリアの軸となる「実現したいこと」が、業界の変更を経ても一貫していることを伝えましょう。キャリアの軸があることを伝えることで、業界変更の必然性を印象づけられます。

そのためには、事前に自分のキャリアの軸を明確にし、それが前職と今の業界選択にどのようにつながっているかを整理しておくことが大切です。

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こちらでは、転職の面接で「なぜこの業界を選んだのですか?」という質問に答える回答例を業界別でご紹介します。

回答例1.メーカー|広告業界→医療機器業界への異業種転職

回答例:
私は、これまで広告業界で培ってきた顧客分析力や提案力をより社会貢献度の高い仕事で生かしたいと考え、この医療機器業界への転職を決意しました。特に、近年では医療分野でもデジタル化やIT活用が活発ですが、その中でも医療機器は、医師の業務負担を軽減しつつ、患者に負担の少ない医療を提供するために不可欠な存在になっていくと考えます。しかし、医療現場の方にその魅力がうまく伝わらなければ、医療現場での活用が難しいです。そこで、私が前職で培った顧客分析力や関係構築力、提案力で、お客様との信頼関係を築き、ニーズに合った製品を提供、現場で使えるようにフォローをし、医療現場の解決課題に貢献したいと考えました。将来的には、海外展開する御社のグローバルな視点で医療機器業界のイノベーションをけん引していくことが私の長期的なキャリアビジョンです。

広告業界から医療機器メーカーへの異業界転職の方の回答例です。

前職で培ったスキルを社会貢献度の高い仕事で生かしたいという転職の軸、また、なぜ医療機器メーカーを志望したのかの理由が明確になっています。

どのようなシーンで応募者のスキルが生かせるのかがより具体的なので、面接官も応募者の活躍がイメージしやすくなっています。

回答例2. IT業界|事務機器メーカー営業部長→IT業界エンジニア職への異業種転職

回答例:
私がIT業界を志望する理由は、テクノロジーの力で社会課題を解決し、人々の生活をより豊かにするIT業界の可能性に強く惹かれ、新たな挑戦をしたいと考えたためです。前職にてIT技術を活用した提案が、業務プロセス改善、大幅なコスト削減、業務効率向上など、革新的な解決策となるケースを数多く目の当たりにしてきました。最新のIT技術の活用はいまや不可欠と感じ、私も応用情報技術者試験合格を通じ、専門知識の習得に努めております。前職で培ったリーダーシップと問題解決能力を生かしつつ、IT技術を使って直接的にビジネスと社会問題の解決に貢献することを長期キャリアの目標としています。

事務機器メーカー(営業部長職)からIT業界エンジニア職への異業種転職の方の回答例です。

なぜIT業界を志望したか、長期的にどのような業界での目標があるのかが明確になっています。

未経験であるITに関するスキルをどのようにカバーしたか(応用情報技術試験合格)をいれることで、スキル不足の懸念もクリアしています。

回答例3商社業界|専門商社海外営業→総合商社事業開発への同業界転職

回答例:
商社業界は国際的なビジネスを通して社会の発展に貢献したいという私の信念と合致する業界です。前職の食品専門商社での海外営業で、グローバルな価値創造の面白さを実感しました。より広い視野で世界の社会課題解決に挑戦したいという思いから、総合商社での仕事を志望いたしました。前職で培ったグローバルネットワーク、異文化コミュニケーション能力、マーケットインの発想、リスク管理能力を生かし、新たに、より広い事業領域で、世界を舞台に社会課題の解決と持続的発展に貢献していきたいと考えています。

食品の専門商社(海外営業)から総合商社への同業界転職の方の回答例です。

同じ業界ですが、どのような点に魅力を感じ、また自身にどのような軸があって同じ業界を選んだのかが明確になっています。

回答例4金融業界|IT業界営業職→金融業界リテール営業→金融業界法人営業

回答例:
私は複数の業界を経験する中で、金融業界が持つ社会貢献性の高さに改めて魅力を感じ、データの裏付けがある安心感で金融業界を支えたいと思い、志望いたしました。特に、法人営業を通じて企業の成長を支援し、社会全体の経済活性化に貢献したいという強い思いがあります。それには、これまで培ってきたリテール営業での顧客折衝力やIT業界での課題解決能力を生かせると感じております。特に、ITを活用した課題解決には自信がありますので、より効率的にお客様のビジネスを理解し、迅速に分析、お客様に最適な金融サービスの提供、サポートが可能になると思っております。IT活用を組み込むことで、真の意味で顧客の成長や喜びに貢献できると感じております。

複数の会社経験がある、1回目がIT業界、2回目が金融業界、3回目の転職でも金融業界を志望する方の回答例です。

複数の業界を経験した強みを、志望業界で生かす方法を具体的に話しているため、前職の経験がよい方向で働く印象を与えています。

業界経験が全くないわけではないこと、ITの知識があることの両方が強みとして生かされることで社会貢献できると志望理由に説得力がうまれているのもよいポイントです。

回答例5.コンサルティングファーム業界|電機メーカー→コンサルタントへの異業種転職

回答例:
私がコンサルティング業界を志望したのは、前職での事業立ち上げの経験から、クライアントの事業成長により深く貢献できる仕事に就きたいという強い思いが芽生えたためです。昨今のコンサルティング業界では、DXを伴う業務改善のニーズが急増していると伺っております。私は前職でソフトウェア開発にも携わっておりましたので、論理的に思考し提案することが得意であり、開発知識が豊富です。この経験の一つひとつが顧客の役に立つと信じております。そのため、コンサルティングファームでの業務においても、技術的な側面と経営的な側面を統合した提案を行うことで、クライアントの事業成長に深く寄与したいと考えています。

電機メーカーでソフトウェア開発からコンサルティングファーム業界コンサルタントへ転職の方の例です。

志望動機が明確に伝わると同時に、応募者の強みと業界への理解がしっかりと表現されています。全体として回答に一貫性があり、具体的で、説得力があるようにまとまっています。


こちらでは「なぜこの業界か」という志望業界の志望動機を答えるうえでの注意点を3つご紹介します。

注意点1.漠然とした理由を話さない

業界を志望する理由が「この業界に魅力を感じました」のように漠然としていると、業界への理解度が浅く、興味や意欲を感じられないと判断される可能性があります。 そのため、業界の具体的な魅力、業界の課題や将来性に対する自分なりの分析などとともに、自分がその業界で成し遂げたいことを明確に話すようにしましょう。

回答例:

「〇〇業界は、今後〇〇という課題に直面すると予想されます。私は、これまでの〇〇経験を生かし、〇〇という視点から課題解決に貢献したいと考えています。具体的には、〇〇を実現することで、業界全体に〇〇というインパクトを与えられると考えております。」

注意点2.条件や待遇を理由にしない

待遇や条件が転職の重要な要素ではありますが、条件や待遇ばかりを重視する発言は、仕事への熱意や成長意欲が低いと捉えられ、評価を下げる可能性があります。

そのため、条件や待遇面よりも、業界への情熱や業界で挑戦したいビジョンなどにフォーカスした内容で語るようにすると好印象につながりやすいです。

回答例:

「御社の○○プロジェクトに参画し、自身の〇〇におけるマネジメント力を発揮して業界のゲームチェンジャーとなる成果を出したいと考えております。」

注意点3.前職の業界をマイナスに話さない

前職の業界を否定的に語ることは、プロ意識の低さやネガティブ思考を示唆し、信頼を損なう可能性があります。

そのため、前の業界での学びをポジティブに捉え、その経験や培ったスキルを新しい業界でどのように生かし、発展させられるかに焦点をあてて話しましょう。

回答例:

「前職の業界で培った人材育成のノウハウを、今度は○○業界の次世代リーダー育成に生かしたいと考えております。」

転職面接で「退職理由」をポジティブに言い換えるには?

まとめ|転職面接の対策に悩んだらJAC Recruitmentにご相談ください


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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。