【例文付き】転職面接での他社の選考状況の質問への答え方は?

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公開日:2024/06/12 / 最終更新日: 2024/08/15

転職の面接、特に最終面接などで他社の選考状況を聞かれた際に、正直に答えていいのか迷うことがあります。

企業側が他社の選考状況を尋ねるのには意図があります。応募者は質問の意図を汲んで、正直かつ戦略的に答えることが大切です。

この記事では、面接で面接官が他社の選考状況を質問する意図、答え方のポイント、回答例文についてハイクラス転職のJAC Recruitment (以下、JAC)が解説します。

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【他社の選考状況を質問する意図】

  1. 自社への志望度の高さを確認しておきたい
  2. 応募者の転職の軸に一貫性があるかを確認したい
  3. 他社の面接での評価を確認し内定を出すか判断したい

企業が転職の面接で他社の選考状況を聞く意図は、大きく3つあります。

企業が質問する意図を把握しておくことで、質問の回答を準備しやすくなるため一通りみていきます。

質問意図1. 自社への志望度の高さを確認しておきたい

まず1つ目、企業側には、自社への志望度の高さを確認したいという意図があります。

転職活動においては、複数社に応募・するのは当然のことと企業側も理解しています。

しかし、面接官としては、採用コスト面なども考慮すると、自社への入社志望度が高く、内定を出して確実に入社してくれる方に内定を出したいと考えています。

そのため、他社の選考状況の質問への答え方や反応で、自社への志望度を見極めようとしています。

質問意図2. 応募者の転職の軸に一貫性があるかを確認したい

2つ目は、応募者の転職の軸に一貫性があるかを確認したいという意図です。

もし応募者がさまざまな業界や職種に応募している中で一貫性がみられない場合、企業側は、「転職の目的や軸がないまま条件やイメージだけで応募しているのでは」と懸念します。

また、応募者がどのような業種・企業に応募しているかを知ることで、応募者の転職の目的や志向が把握できます。

そのうえで、応募者の志向に一貫性があって自社に応募していると感じられるかどうか、また自社と応募者の希望が合致しているかどうかを見極め、採否の判断材料にしたいと考えています。

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質問意図3. 他社の面接での評価を確認し内定を出すか判断したい

3つ目は、他社の選考状況を聞くことで他社での評価を確認し、自社の選考の参考にしたいという意図です。

企業は他社でも高く評価される人物を採用したいと思っているため、他社で内定が出ている、あるいは最終選考まで残っている応募者は優秀さを判断する目安になります。

また、企業は内定を出すタイミングも見計らっています。

他社でも評価を得ているような人物であれば、早めに内定通知を出す必要があるなどの判断もしやすくなり、採用計画も進めやすくなります。

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【答え方のポイント4つ】

ポイント1. 面接ではほかに受けている企業があれば正直に答える
ポイント2 応募企業に一貫した転職軸があることを伝える
ポイント3. 選考途中で不合格になった企業名は言わない
ポイント4. 第一志望と嘘はつかないが入社意欲は伝える

企業側の他社の選考状況を質問する意図を把握すると、面接での回答の準備がよりしやすくなります。

こちらでは、転職の面接で他社の選考状況を尋ねられた場合の、回答のコツを4つご紹介します。

答え方ポイント1. 面接ではほかに受けている企業があれば正直に答える

他社の選考状況を聞かれた際は、ほかに受けている企業があれば正直に選考状況を答えましょう。

企業側も複数の企業を受けることは当然と思っているため、他社を受けていることで、自社への入社意欲が低いと思われることはありません。

ただ、応募している企業が多い場合には自社への入社意欲が低いと判断される可能性もあるため、2~5社程度にとどめておくのがよいでしょう。

内定を得たいがために、他社に応募しているにもかかわらず「御社だけです」と回答することは避けます。

もし他社で内定を得ている、応募企業よりも先の選考段階に進んでいる場合は、高評価をされていることをアピールする絶好のチャンスです。

内定を得ていること、最終選考に残っていることを伝えましょう。

その際は、状況を伝えつつも応募企業で働きたい意思が強いことを一緒に伝えると、面接官に安心感をもってもらえます。

答え方ポイント 2. 応募企業に一貫した転職軸があることを伝える

面接で他社の選考状況を聞かれた際は、他社の選考状況を伝えるとともに、応募している企業を選んでいる転職軸を伝えるようにしましょう。

企業側は、応募者が一貫性のある転職軸をもって企業を選んでいるのか知りたいという意図があるため、応募する企業を選んだ基準や理由を明確に伝えることが大切です。

「〇〇分野で顧客満足重視の営業ができる企業を志望しており、御社以外にも〇〇業界で2社、それぞれ最終面接に進んでいる状況です」

明確な転職の目的をもって応募している姿勢は、応募先企業にとっても良い評価に捉えられやすいため、他社の選考状況とともに伝えることで、アピールにつなげましょう。

答え方ポイント3. 選考途中で不合格になった企業名は言わない

他社の選考状況を聞かれたときは、併願先で不採用になった情報は伝える必要はありません。

不採用の情報を伝えることによって、能力が低いのではないかと懸念される恐れがあるためです。そのため、現在選考に残っている企業を話します。

また、他社の企業名は基本的には伝える必要はありません。企業同士がどこでつながっていて情報が伝わるか分からないため、〇〇業界で2社などの表現で問題ありません。

答え方ポイント4. 第一志望と嘘はつかないが入社意欲は伝える

面接で他社の選考状況を聞かれた際には、基本的には「第一志望です」と伝えるのがよいでしょう。

ただ、実際には応募先企業が第一志望ではないという場合もあります。

そのようなとき、もし面接している企業が第一志望の他社が不採用だった際に入社しても良いと思っている企業であるならば、しっかりと入社意欲を伝えておきます。

第一志望とは言わなくても、「御社の〇〇という理念に非常に共感しておりお役に立ちたいと思っています」など応募先企業へ興味や魅力を感じている点を話すことで入社意欲を伝えることもできます。

面接官も、必ずしも自社が第一志望ではないことは理解しています。それでも、志望度の確認のために質問しているのです。

そのため、よほど入りたくない企業でない限り、「私が働きたいのは御社です」といった意欲を伝えておきましょう。

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【他社の選考状況の答え方例文】

1.応募企業1社のみ(御社だけ)

2.複数企業で選考中の場合

3.他社で内定ありの場合

4.応募企業の業界がバラバラの場合

5.他社の選考が不合格の場合

こちらでは、転職の面接で「他にも受けている会社はありますか?」など他社の選考状況を聞かれたときの答え方のポイントと回答例を、さまざまな状況別でご紹介します。

1.応募企業1社のみ(御社だけ)

【回答例文】

現在選考を受けているのは御社のみで、御社が第一志望です。
ただ、これから御社と同じ〇〇業界の複数社の選考に応募する予定です。

現在、面接中の1社しか受けてない場合は、御社のみ応募していること、御社が第一志望でことを伝えるとともに、他社を受ける意思があることも伝えておくことが大切です。

理由は、転職活動は同時に複数の企業に応募するのが一般的であるためです。

特に、すでに離職している方の場合は、「御社だけ」という回答は現実的な検討ができないとみなされる可能性もあります。

また、応募企業が第一志望で他社も検討していないと伝えることで、足元を見られて保留にされる場合も考えられます。

そのため、1社しか受けていない場合でも、第一志望であることを伝えたうえで、他社も検討中である旨を伝えるようにしましょう。

2.複数企業で選考中の場合

【回答例文】

現在、他にもフィンテックとヘルスケア業界の企業で選考を進めています。フィンテック企業では最終面接まで進み、ヘルスケア企業では一次面接を終えて結果を待っているところです。しかし、私の転職での希望は技術と経営戦略の統合に関わることで、御社のポジションがこの目標に最も適していると感じています。

複数企業で選考中の場合は、他社の選考段階を正直に伝え、現在面接中の企業への入社意欲も伝えるようにしましょう。

複数企業のことを伝える際には、なぜその企業群を選んで受けているのかの転職の軸を伝えると、説得力が生まれ、印象も良くなります。

ただ、この転職の軸は、転職理由や志望動機と整合性が取れていることが大切なので、回答の際はブレがない回答でまとめるとよいでしょう。

3.他社で内定ありの場合

【回答例文】

現在、御社以外に2社の選考を受けていますが、1社から内定をいただいており、回答期限はあと1週間です。しかし、私の興味とキャリア目標は御社のプロジェクトと深く合致していると感じているため、御社への入社を最優先に考えております。そのため、できましたら、内定を保留しているこの期間に、御社からのポジティブなフィードバックをいただけることを期待しております。

他社で内定がある場合は、他社で高評価をいただいていることをアピールするチャンスです。

内定をいただいていること、回答期限が近付いていることなどをアピールしつつも、面接中中の企業への入社意欲が高いことを伝えておきましょう。

内定があると伝えることで、他社で高評価を得ていること伝わりますし、回答期限を伝えることで、「優秀な人材に早く内定を出さないと」と、企業側の心理にも良い意味で刺激を与えられます。

4.応募企業の業界がバラバラの場合

【回答例文】

現在、合計で3社の選考を進めています。職種や業種は異なりますが、各企業が提供する独自の技術やサービスに魅力を感じて応募しました。一社は金融技術のイノベーションに焦点を当てた企業で最終面接まで、もう一社はヘルスケア分野でのデータ分析に関わる仕事、最後の一社はエネルギー業界でのプロジェクト管理で、それぞれ二次面接まで進んでおります。これらの企業はそれぞれ、技術革新により社会に大きな影響を与えている点で共通点があります。どの企業においても、私の技術が生かせ、キャリアのうえでも成長ができると考えておりますが、御社のポジションには特に強く関心があります。

応募企業の業界がバラバラの場合は、他社での選考状況を伝えるとともに、なぜそこに応募しているのか、複数の応募企業に共通している魅力や選択軸の説明を加えましょう。

応募企業に共通する軸がないと、企業研究もせずにイメージや条件だけで応募しているのではないかと懸念されてしまいます。

また、他社よりも、面接中の企業に強い関心があることもしっかり伝えておきます。

5.他社の選考が不合格の場合

【回答例文】

現在4社の選考を受けておりますが、第一志望は御社とさせていただいております。
その理由は、御社の業界における革新性とリーダーシップに非常に感銘を受けているためです。
御社のプロジェクトや取り組みは、チャレンジ精神があり、私の意向と合致しております。私の培ってきた技術で、より挑戦的に問題解決に取り組み、業界に革新をもたらすことに強く熱意を抱いております。そのため、ぜひ御社の一員となり、長期的なキャリアビジョンを実現できる機会を与えていただきたく、切に希望しております。

他社の選考が不合格の場合、不採用になったことは伝えず、選考を受けていることだけを伝えたうえで、面接中の企業が第一志望であることを伝えます。

また、他社の選考状況についてはさらりと流して、話の流れを面接中の企業への強い応募動機や入社への熱意の方向へ転換させることで、面接官の興味を志望意欲に向くようにします。

他社で落ちているからといって自信をなくす必要はありません。堂々と現在面接中の企業への志望熱意を伝え、内定獲得のチャンスにしていきましょう。


こちらでは、転職の面接で他社の選考状況を聞かれることに関してのQ&Aをまとめています。

Q1. 転職の面接で他社の選考状況を聞かれた際に嘘をついたらばれる?

企業によって異なりますが、リスクが大きいことは事実です。

面接中の企業での信用を失うだけでなく、最悪の場合には内定取り消しの恐れもあります。

また、同じ業界である場合は業界のつながりで嘘が判明する可能性もあり、他社においても信頼が失墜してしまう恐れもあります。

そのため、明らかに事実と異なる嘘はつかないことが賢明です。

Q2. 転職の最終面接で他社の選考状況を聞かれない場合は見込みがない?

必ずしも見込みがないわけではありません。面接の進行方法や質問内容は企業によって異なるためです。

他社の選考状況を重要視していない企業もありますし、面接時間の都合で質問が省略されることもあります。

そのため、他社の選考状況を聞かれない場合でも、自分のスキルなどのアピールなどとともに、選考中の企業が第一志望であることや入社意欲が高いことをしっかり伝えておくことが大切です。

Q3. 面接で他社の選考状況で企業名を聞かれるが言いたくない場合は?

面接では他社の選考状況を聞かれる際に、「どの企業を受けているのか」と企業名を聞かれることもあります。しかし、言いたくない場合は言わなくても問題ありません。また企業によっては、採用していること自体をオープンにしたくないという企業もありますので、下記のように回答しましょう。

「企業名については人事の方から口外しないように言われておりますが、〇〇業界の営業職です。」

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まとめ|転職面接の対策に悩んだら転職エージェントにご相談ください


転職において面接対策はとても重要です。他社の選考状況を問われる質問に対して、どのように答えたらよいかで悩むこともあることでしょう。

そのような時は、私たちJAC Recruitmentにご相談ください。面接対策はもちろん業界や企業別の情報提供なども無料です。

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すでに応募をはじめている場合でも、転職エージェントに相談することは決して不利にはなりません。

むしろ、複数の企業から内定を獲得できる可能性を高めることにつながります。

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この記事の筆者

株式会社JAC Recruitment

 編集部 


当サイトを運営する、JACの編集部です。 日々、採用企業とコミュニケーションを取っているJACのコンサルタントや、最新の転職市場を分析しているJACのアナリストなどにインタビューし、皆様がキャリアを描く際に、また転職の際に役立つ情報をお届けしています。