さまざまな理由で仕事をしていない期間は、一般的にキャリアの空白期間(ブランク)と呼ばれ、転職面接の質問ではこの空白期間について尋ねられることがあります。
企業側が空白期間(ブランク)について質問するのは、「仕事の勘が鈍っているのではないか」また、「休み癖があるのでは」という応募者に対しての懸念を払拭したいためです。
そのため、応募者は質問の意図を汲んで、誠実にかつ戦略的に、前向きに答えることが好印象を残すコツです。
こちらでは、転職面接で面接官が空白期間(ブランク)について質問する意図、答え方のポイント、回答例文について、ハイクラス転職のJAC Recruitment (以下、JAC)が解説します。
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目次/Index
転職の空白期間(ブランク)はどのくらいの期間から面接では不利?
【転職の空白期間は面接で不利か?】
- 空白期間(ブランク)が3ヵ月以内:問題とされない
- 3ヵ月~6ヵ月の場合:転職活動期間とも捉えられるが理由も聞かれる
- 6ヵ月以上になる場合:明確な理由や計画性の説明が必要
転職の空白期間(ブランク)は面接官から見ると、何も説明がなければ良い印象とはなりにくく、採用に不利であることは否めません。
空白期間の長さでいえば、3ヵ月以内の空白期間(ブランク)は、転職活動や有休消化などの期間とみなされ、問題に思われることはほぼありません。
しかし、4~6ヵ月になると、転職活動をしていてもなぜ長引いているのか、転職活動でないのであれば何をしていたのか理由を聞かれることが多くなります。
6ヵ月以上になると、何のための空白期間なのか、具体的な計画があっての空白なのか、空白期間の理由と計画性の説明が必要になります。
ただし、空白期間を今回の転職へ前向きな理由でつなげる説明があると、十分に企業側の懸念をカバーし選考通過につなげることができます。回答を準備しておくことが大切です。
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転職面接で空白期間(ブランク)について聞かれる理由
【空白期間について確認していること4つ】
確認1. 仕事への意欲・ビジネス感覚が薄れていないか
確認2. 計画性あっての空白期間(ブランク)なのか
確認3. 長期間採用されない人ではないか
確認4. 生活環境・健康状態が問題なく働けるか
面接官が応募者の空白期間(ブランク)について質問する理由は、応募者の空白期間が、自社での業務に支障を与える可能性がないかを見極めたいためです。
面接官は空白期間(ブランク)の質問への回答から、以下の4つを確認しています。
確認1. 仕事への意欲・ビジネス感覚が薄れていないか
まず1つ目は、空白期間(ブランク)があることで、応募者の仕事への意欲やビジネスの感覚が薄れていないかを確認したいという意図があります。
仕事への意欲が薄れていれば生産性が低く、ビジネス感覚を欠いていればミスやトラブルを引き起こしたり、組織に馴染めない恐れがあります。
そのため、空白期間(ブランク)を経て、現在、仕事への意欲があるか、ビジネスで適切な意思決定を行える感覚などは衰えていないかなどを確認しています。
確認2. 計画性あっての空白期間(ブランク)なのか
2つ目には、前職を退職後の空白期間(ブランク)は、計画性あっての空白期間なのか、どのような活動をしてきて、その経験が今後にどう生かせるのかを確認しています。
応募者が明確な目標や計画をもって空白期間(ブランク)を取っているのであれば、ブランクが単なる休息ではなく、応募者のキャリアにとって有益な時間にしたかった意図がうかがえます。また、育児や介護のために空白期間を取るケースもあります。
そのため、特にキャリアに関連して空白期間(ブランク)を取ったのであれば、その活動が今後どう生かせるかを聞くことで、応募者が自己のキャリア設計や自己成長に積極的であるかどうかも確認しています。
確認3. 長期間採用されない人ではないか
3つ目に、応募者が長期間採用されない人でないかを見極めたいという意図もあります。
長期にわたって職を得られない人の場合、技術的なスキルの欠如やビジネスパーソンとして相応しくない適性を理由に不採用が続いている可能性もあり、採用後の職場にとってマイナスになりやすいからです。
そのため、スキルや適性の面で採用されにくい人物ではないかどうかも確認しています。
確認4. 生活環境・健康状態が問題なく働けるか
4つ目に、空白期間(ブランク)の原因となった生活環境・健康状態は改善されていて、現在問題なく働けるのかどうかも確認しています。
介護や育児、ケガ、病気などで仕事を休んでいた場合は、事情があってのことなのでそれ自体は問題にはなりません。
ただ、復職後も同じ理由で休職されるのではないかとの懸念があるため、現在は問題なく働ける状態かを確認しています。
転職の面接での空白期間(ブランク)の答え方ポイント4つ
【空白期間(ブランク)の答え方】
ポイント1. 空白期間(ブランク)の理由をポジティブな表現で誠実に答える
ポイント2. 空白期間(ブランク)中の活動が応募企業にもたらすメリットを盛り込む
ポイント3. 仕事に集中できる環境・健康状態であり意欲が高いことを伝える
ポイント4. 自信を持って堂々と話す
こちらでは、転職の面接で、空白期間(ブランク)についての質問に好印象を与えて回答するコツを4つご紹介します。
ポイント1. 空白期間の理由をポジティブな表現で誠実に答える
面接では、空白期間(ブランク)が次につながる期間であったことを、肯定的な表現で誠実に答えるようにします。
そのためには、空白期間(ブランク)の時間が必要だったこと、その期間中に行った活動をポジティブに捉えておくことが大切です。
【ポジティブへの変換例】
・退職後やる気が起きなかった → 再び仕事をしようと思ったきっかけ・そのために実施した活動を思い出す
・転職先が決まらず長引いた → 具体的な取り組みと敗因分析、今後の方針をまとめる
・留学に行った → 留学先での経験やその時感じたことが、仕事でどう生かせるかピックアップする
・病気やケガで休んでいた → 休んでいた期間に行った仕事につながる行動や学習などをピックアップする
ただし、嘘をついて行っていない活動を話すのは厳禁です。経歴詐称にもつながり、信頼を失います。
あくまで空白期間(ブランク)に行った活動で仕事につながるものをポジティブに捉えて、仕事へ高い意欲があることを誠実に肯定的な表現で伝えるようにします。
面接官が知りたいのは、空白期間(ブランク)がこれからの業務に支障にならないかどうかです。
そのため、支障にならないことを証明できる空白期間(ブランク)についての回答を前向きな表現で準備しておきましょう。
ポイント2. 空白期間(ブランク)中の活動が応募企業にもたらすメリットを盛り込む
【空白期間(ブランク)中の活動を応募企業にもたらすメリットに表現する例】
空白期間(ブランク)中の活動 | 応募先企業にもたらすメリット |
---|---|
業務で必要な資格を取得した | 知識や技術を業務で生かせる |
自分と向き合いキャリアの方向性が明確になった | 迷いなく業務に邁進できる |
就業中にはできなかったことに挑戦することでリフレッシュし、仕事への意欲が高まった | 熱意を込めて業務に取り組める |
転職の面接で、空白期間(ブランク)について話す際は、空白期間の活動が応募企業にもたらすメリットを一緒に話すとよいでしょう。
空白期間(ブランク)はマイナスに捉えられがちですが、自社での業務にメリットに働けば、企業側は不安が解消され前向きに採用候補者として検討しやすいためです。
メリットが思い当たらない場合は、空白期間(ブランク)の自分の変化に注目すると良いでしょう。
前職を辞めてからの空白期間では、自分と向き合い、キャリアや転職に対する気持ちの変化があったかと思います。
この期間の気づきや方向修正の経緯を言語化することで、説得力のある志望動機や企業へ貢献できるメリットが明確になることが多いです。
空白期間(ブランク)をどのように志望企業で役立つ経験につなげるかが、この質問の対応ポイントにもなります。メリットをしっかり探して話せるようにしておきましょう。
ポイント3. 仕事に集中できる環境・健康状態で意欲が高いことを伝える
【集中できる環境・健康状態であることを伝える例】
空白期間(ブランク)が生じた理由 | 改善・回復を伝える例 |
---|---|
父親の介護で仕事との両立が難しかった | 介護サービス利用で両立可能になった |
病気で1年間の入院が必要だった | 療養で完治したため再発に心配がない |
うつ病で4ヵ月の回復期間をとった | カウンセリングで改善。再発防止策がある |
空白期間(ブランク)が介護や育児、ケガや病気など、不可抗力の事情であった場合は、その事情が解決し、現在は仕事に集中できる環境・健康状態であることを伝えましょう。
企業側は、空白期間(ブランク)がある場合は、途中でまた長く休職や退職することを懸念しています。
そのため、当時の状況をどのように乗り越えたのかを簡潔に伝え、また再発防止に向けて具体的な対策を講じていることを示しましょう。
ポイント4. 自信をもって堂々と話す
面接で空白期間(ブランク)についての質問に答える際は、自信をもって堂々と話すことを忘れないようにしましょう。
空白期間(ブランク)を隠したり、言い訳したりせずに堂々と話すことで、誠実に回答していることが伝わり、信頼関係も築きやすくなります。
また、空白期間(ブランク)を計画的な必要時間だったと前向きに捉えている姿勢、前向きに乗り越えて今があることが伝わり、面接官にも良い印象を与えることができます。
そのため、練習を重ねて自信をもって話せるようにしておくと良いでしょう。
【理由別】転職の面接での空白期間(ブランク)の答え方と例文7つ
こちらでは、転職の面接で「職歴に空白期間(ブランク)がありますが、何をされていたのですか?」と空白期間について質問されたときの回答例を理由別で7つご紹介します。
1.転職の空白期間(ブランク):何もしていないと感じる場合
空白期間(ブランク)中は、特に活動はしていませんでした。以前から興味があった本を読んだり、自分の好きなことに没頭する時間を持ちました。ただ、その期間を通して自分を見つめ直す機会となり、仕事に対する新たな気づきと意欲を得ることができました。心身ともリフレッシュができ、今後は以前に増してもエネルギッシュに業務に取り組む所存です。
面接官も、何もしない期間が必要な人もいることは分かっているため、率直に何もしていなかったことを伝えると正直な人柄が伝わるでしょう。
ただ、できれば具体的に行っていたことで、仕事につながることも話せると良いです。また、何もしない期間を経たうえで、今は仕事へのやる気が高まっている点をしっかり伝えておきます。
2. 転職の空白期間(ブランク):個人事業主をしていた場合
空白期間(ブランク)の個人事業主の経験は、応募企業や職種によっても異なりますが、意欲的であるなど、一般的にはプラスな印象で作用することが多いです。
そのため、面接で話す際は、事業を通じてどのような成果、貢献ができたか、また、どのようなスキルや成長が得られたかを簡潔に話すとよいでしょう。
空白期間(ブランク)を有意義に活用していた姿勢を前面に伝えられます。また、この経験が応募先企業での職務でどのように役立てられるかも示すとアピールになります。
3. 転職の空白期間(ブランク):旅行などリフレッシュの場合
空白期間(ブランク)の一部を利用し、以前から興味を持っていた〇〇へ旅をする機会を設けました。さまざまな場所を訪れ、異なる文化や価値観に触れることで、視野が広がり、自分自身を見つめ直すことができました。特に〇〇を通して、〇〇という気づきを得られたことは、貴社で働くうえでも役立てられると感じました。この経験から、より充実した精神状態のまま、全力で仕事に取り組むことができると思っております。
空白期間(ブランク)を旅行などで過ごした場合は、リフレッシュできたことをポジティブに捉えて話し、その経験が仕事復帰後のパフォーマンス向上につながることを強調するとよいです。
単なる休暇ではなく、前向きな気持ちの切り替えにつながったこと、キャリアにプラスになった経験であることを伝えると有意義な期間として伝わるでしょう。
4. 転職の空白期間(ブランク):病気やケガで療養の場合
昨年胃潰瘍を患い、3ヶ月の療養が必要となりました。その間、オンライン講座で上級プログラミングの勉強を行い、知識向上に努めました。現在は完治しており、健康面での心配はありません。また、規則正しい生活習慣と適度な運動で再発防止に努めています。そのため、御社でも新たな知識を生かし、貢献できる準備が整っております。
空白期間(ブランク)が病気やケガなどでの療養の場合は、病気やけがが原因の休職であることを正直に伝えましょう。病名などの詳細は伝える必要はありません。
また、現在は健康状態が回復し、仕事に専念できる状況であること、将来的にも安定して勤務できるという根拠や再発防止策があることをしっかり伝えるようにします。
また、療養期間中に獲得したスキルや経験もアピールしましょう。
ただ、業務に支障はないが、採用後も定期的な通院などで体調に配慮が必要なことがあれば、あらかじめ正直に申告しておくほうがよいでしょう。
5. 転職の空白期間(ブランク):転職活動が長期化した場合
この1年は、プロジェクト管理とデータ分析の技術を磨きました。特に、オンラインコースで学んだ最新のデータ分析ツールは、即座に実務に生かせるものです。また、学習を進めつつ、転職活動も並行しており、自己分析とスキルの再評価を行いました。その結果、私の強みが発揮できる、データ分析に特化できる職種で活躍できる御社を志望させていただきました。
転職活動が長引いている場合は、長引いていることを伝えるのではなく、転職活動中での気づきや併行して行った学習体験などを中心に伝えるようにします。
面接では誠実に答えますが、「なかなか企業で採用してもらえない」ということを伝えると面接では不利になるため、前面に押し出すことは避けます。
そのため、転職活動を通じて前向きに取り組んできたビジネス関連のスキルアップ、自己分析、企業研究の結果などを話しながら、転職活動についても触れるようにしましょう。
6. 転職の空白期間(ブランク):留学や資格取得の場合
半年間の空白期間(ブランク)はアメリカへの留学期間でした。現地の大学でWebマーケティングを学び、最新のデジタル手法を体得しました。特に、データ解析力と創造力の重要性を学びました。また、現地企業でのインターンシップを通じて、マーケティング実務の経験も積むことができました。この貴重な経験を生かし、戦略的かつ革新的なWebプロモーションに貢献できると自負しています。
空白期間(ブランク)中の留学経験・資格取得は積極的な活動とみられることが多いため、プラスに捉えられやすいです。
そのため、面接で話す際は、留学経験や資格取得がどのように自分の専門知識やスキルを強化し、応募企業でどのように役立つかを強調するようにします。
注意したいのは、語学留学の場合です。語学を使わない職場への転職の場合、アピールにはなりにくく、いずれ語学を使う職場にまた転職されるのではと懸念もされやすいです。
そのため、語学不要な職種の場合は、語学以外で得られたスキルや経験を中心に話すとよいでしょう。
7. 転職の空白期間(ブランク):家族の介護・育児の場合
母の介護が必要となり、1年半の空白期間を設けました。その間、家事と介護を両立させながら、母の健康管理や生活のサポートに注力しました。現在は、介護施設にお願いできることになったため、仕事に専念できる環境が整っております。万一の状況に備えて、家族とも協力体制を整えており、職務に影響が出ないように計画を立てています。この経験を通じて得た対人スキルやマルチタスク処理能力なども、今後の業務に生かしていく所存です。
家族の介護や看病などの事情で空白期間ができた場合は、その家族がすでに回復した、別の介護先が見つかったなど環境が整って、仕事に支障がないことを伝えることが大切です。
また、介護などの場合は、一時的に自分がケアしなければならないこともあるかもしれないため、ヘルパーなど、万一の対策も伝えられるようにするとよいです。
ただ、家族の介護の症状や内容については詳細を説明する必要はありません。
転職の面接で空白期間(ブランク)を聞かれた際のQ&A
こちらでは、面接で空白期間(ブランク)を聞かれた際によくあるQ&Aを2つご紹介します。
Q1. 転職の面接で空白期間(ブランク)で嘘をついたらばれる?
入社手続き時に、社会保険の加入履歴や源泉徴収票などから企業に知られてしまうが多いです。
また、空白期間(ブランク)をごまかすことは経歴詐称にあたるため、内定後に嘘が発覚した場合は内定取り消しに、入社後の場合なら減給・降格処分、最悪の場合は懲戒解雇になる可能性もあります。
そのため、空白期間(ブランク)についてはごまかさず正直に伝える方が賢明です。
Q2. 転職の空白期間(ブランク)が3年・5年と長い場合はやはり不利?
恐らく病気などやむにやまれぬ事情があったと推察されますが、残念ながら不利となる場合が多いでしょう。
空白期間(ブランク)に入る前に積んだキャリアをベースに学びを深める、応募企業に関連した知識・技能習得を行うなど、不足をカバーする行動を起こすとよいでしょう。
まとめ|転職面接の対策に悩んだら転職エージェントにご相談ください
転職活動において、空白期間(ブランク)の払拭に悩む、空白期間(ブランク)の上手な伝え方がわからない、空白期間(ブランク)が長引いてしまっているといったこともあるでしょう。
空白期間(ブランク)があることで転職活動に行き詰まりを感じてしまうと、精神的な負担も大きくなります。
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