Q. 医療業界は安定していると言われていますが、その理由を教えてください。
2008年の秋以降、不景気の煽りを受けて、各業界で求人数が大きく落ち込んだということを聞きました。事実その間に転職活動をしていた友人からもそういった話をしていました。 ただ、その中でも医療・メディカル業界の企業の求人だけはその煽りをあまり受けていなかったと聞きます。いざ、自分が転職を考える際にあって、不況に強いというのは大きな魅力です。なぜ医療業界は不況に強いのでしょうか?
A. 不景気であっても医療行為そのものはなくならないからです。
治療・診断行為に対する需要がある限り、医薬品、医療材料、医療機器、医療用具が必要になります。したがってそれを開発・販売するメーカー、商社はなくなることはなく、何よりもそれらを使用する病院はなくなることはありません。業界内でも競争があり、淘汰はありますが、業界全体を見ると安定していると言われています。 ただし、これは業界全体の話である点にご注意下さい。競争があり、淘汰がありますので、当然不況の煽りを受ける企業も中にはあります。転職をする際には、製品力、給与条件、勤務スタイル、分野の伸長性、競合他社の有無、医療法改正時の動向など様々な視点から判断をされてみることをお勧めします。
Q. 日本の医療の課題は何ですか?
A. 医師不足や過労働などです。
日本の医療課題には、以下のようなものが挙げられます。
・医師不足及び過労働
・診療報酬
・社会保障費圧迫
・医療の質確保など
特にこの中でも医師不足及び過重労働について解説すると、医師の絶対数の不足や診療科ごとの医師不足、地域によって医師が不足している問題に分けられます。
都道府県ごとの医師の分布をみると、もっとも多い東京都と少ない岩手県を比較すると、1.9倍の差があります。
国としても、医療格差を埋めるために医師が少ない地域で勤務することを評価する仕組みの導入などを検討しています。
また、インターネットを用いたオンライン診療についても推進されているようです。
さらに、過労働については、勤務医を中心に時間外労働が月間80時間を超える割合が40%以上あり、深刻な問題となっています。
社会的に働き方改革が推進されていますが、医療は人命を左右する機関として、一般企業とは異なる扱いがされていることが現状です。
Q. これからの医療に求められることは何ですか?
A. ITを活用し、多様な医療ニーズに応えられる体制です。
医療に求められることは多岐にわたります。地域や患者のニーズを考慮した医療を提供することや病院間同士のネットワーク化・IT化が求められていくでしょう。
特に、多様なニーズに応えるためには、病院間でネットワークを結び、協力しあえる体制構築が重要です。
今後は病院の機能分化(急性期病症を減らし、地域ごとに病床を割り当てる考え方)が推進されていくため、病院同士の連携に加えてリソース不足解消や患者ごとに適切な医療を提供することが求められるでしょう。
また、ビジネスの世界ではITの導入が積極的に進められています。医療業界においてもITサービスの導入を進めていき、より効率的な医療体制の構築が必要です。
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