Kさん(男性/
40代半ば)
「事業会社側に移り、主体的な立場で仕事をしたい」
私は、公認会計士の資格を取得し、これまで監査法人、証券会社、投資会社などを経験してきました。会計監査、株式公開時の引受審査、M&A、事業再生などを手がけてきました。私は以前から、「外部からクライアント企業の支援をする立場から、事業会社側で自分が主体となってプロジェクトを推進する立場に移りたい」という希望がありました。
そして、いずれは「事業会社のCFO」になることを目標に置いていました。現在勤務する投資会社での案件に一区切りがついたことから、そのキャリアプランを実現すべく、転職活動を開始しました。
そして、CFO求人案件を多数抱えるJAC Recruitment(以下、JAC)にご相談させていただいたのです。
狙いを定めたのは、これまでの経験を生かせるフェーズの企業
コンサルタントの方との面談で、金融業界あるいはコンサルティング業界でクライアント企業を支援していた方が、事業会社の経理・財務部門や経営企画への転職を目指すケースは多々あるものの、
「事業会社の経験がない」ことがネックとなり、苦戦する方が多いという話を伺いました。
私にも、事業会社での経験はありません。しかしながら、コンサルタントの方は、IPOを計画している企業であれば、「株式公開時の引受審査」の経験を、これまでとは逆の立場で生かすチャンスがあると判断されました。そこで、IPOを目指すベンチャー企業のCFO求人案件を複数ご紹介していただくことに。それぞれの会社について、財務情報、事業の成長性、IPO実現の可能性、社長の来歴、将来ビジョン、大切にしている理念やパーパス、求めている人材像などについて詳しく説明を受けました。
その情報をもとに、私は、自分に合いそうな4社に応募。やはり「事業会社の経験がない」ことを理由に採用を見送られた会社もありましたが、2社から内定を得ることができました。結果、将来性に魅力を感じたテックベンチャーに入社を決めました。年収はダウンしましたが、それはあらかじめ覚悟していたこと。年収よりも、主体的にチャレンジして、企業の成長に貢献できるやりがいを重視し、満足いく転職となりました。
コンサルタントの目線:「評価制度への納得感」「目指すビジョンへの共感」も重要
金融業界やコンサルティング業界から事業会社への転職を目指す場合、「どんなプロジェクトに携わったか」「どんな業務を手がけてきたか」を、細かく整理する必要があります。
そして応募先企業ではどの経験・スキルを生かせるかを見極め、その部分を強調してアピールすることで、評価される可能性が高まります。
Kさんも複数の業態で幅広い経験を積まれましたが、「IPOを目指す企業で必要とされる経験・スキル」にフォーカスしたことで、それを突破口として成功につなげられたのです。
なお、金融業界やコンサル業界などから事業会社へ転職したものの、早々に退職する方もいらっしゃいます。その理由として多いのが「評価制度に納得がいかない」。
前職では自身が「主役」でしたが、事業会社では「脇役」的な立ち位置となります。立場の変化や評価指標を受け入れられなかった方は、元の業界に戻る傾向が見られます。
そして、「儲かるビジネスではあるが、心から『やりたい』と思えない」と、再度転職を考える方もいらっしゃいます。
多様な企業に携わってきたこれまでとは異なり、事業会社では自社のビジネスのみにコミットしていくことになります。目指すビジョンに共感できるビジネス、誇りを持てるビジネスを選ばなければ、モチベーションが上がらず、継続ができません。
私たち転職エージェントが持つ情報も活用いただき、応募前・入社決意前にそれを見極めてください。
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